ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』とは2010年にアメリカで公開された、クライブ・ステープル・ルイスによる児童文学作品『ナルニア国物語』を実写映画化した第3弾である。エドマンドとルーシーは東の島の付近で行方不明になったテルマール人の7卿を探すため、ナルニアに呼び寄せられた。東の島付近には不思議な魔法がかかっていた。それを解くために必要な7本の剣を探しすため、ぺベンシー兄妹は旅に出る。エドマンド、ルーシーが戦う過程でひと回り大人になってナルニアを去るところが見どころである。

ウミヘビとの戦い

くらやみ島に近づき、ナルニアの王であるカスピアン王子は「アスランとナルニアのために」と仲間を勇気づけた。くらやみ島に入ると、船はすぐに緑の霧で包まれた。船を進めると、側から「来るんじゃない!」と叫ぶ声がした。それは7卿の1人であるループ卿だった。ループ卿はアスランが昔渡した剣を持っていた。それが7本目の剣だった。ループ卿はカスピアン王子たちを敵だと思い込み、「寄るな!悪魔!」と警戒していた。しかし、カスピアン王子が「我々は味方だ」と伝えると、「早く引き返すんだ!」と船を逆にこぎ始めようとした。

しかし、海の下からウミヘビが現れ、船を引き返すことは困難だった。ユースチスはウミヘビを倒そうと、火を吹いて戦い始める。しかし、そのドラゴンの姿をしたユースチスを化け物だと警戒したループ卿は、魔法を解くカギとなる最後の剣をユースチスにめがけて突き刺してしまった。

それはユースチスに命中してしまう。痛がるユースチスは暴れ始め、洞窟を抜けると近くの離島に着地した。カスピアン王子とナルニア人らはウミヘビと戦い続ける。

アスランの登場

ユースチスは離島に着したあと、意識を失ってしまっていた。しばらくして、目を覚ますとアスランが目の前にいた。アスランは前足で地面をこすり始めると、ユースチスがドラゴンにしている魔法を解き始めた。ユースチスは人間に戻ると、再び意識を失ってしまう。

ユースチスが目を覚まし、気づいたときにはなぜかラマンドゥ島のアスランのテーブルの側で倒れていた。また、最後の7本目の剣が側に落ちているのを発見する。アスランのテーブルに剣を並べるため、急いで6本の剣が並ぶ所へ向かう。突然、緑の霧が現れて並べるのを邪魔されかけたが、必死で手を伸ばして7本の剣を並べることができた。

すると、突然7本の剣方上空に青い光が打ち上げられた。ウミヘビと戦っていたナルニア人のらも、辺りの緑の霧が解けて晴れていくことに気付く。また、緑の霧が晴れると、過去に捕まえられたナルニア人らも霧の奥から姿を現した。

ナルニアの勝利

船を進めると、目の前には白い花で水面が満たされている場所についた。その先に進むと、アスランの国につくことができる。向かう途中、ルーシーは海に落ちていたユースチスを見つける。カスピアン王子、ぺベンシー兄妹、ユースチス、リーピチープは小型のボートに乗り、そのアスランの国に向かってボートを漕いだ。

島に着くと、アスランは「よくやった。子供たち」と言って姿を現した。カスピアン王子は「ここがアスランの国?」とアスランに問う。アスランは「いや、この波の向こうにある」と、島にかかっている大波を指して話した。カスピアン王子はアスランの国に父がいるかもしれない、と疑った。しかし、アスランの国にいくと、2度と戻ることはできなかった。

アスランの国に行くか迷ったが、ナルニアの国を守ることを決める。カスピアン王子は「父が命がけで守った国を見捨てられない。奪われたものを求めず与えられたもの...王国も守らねば。民を。善き王になります」と話し、決意した。

一方、リーピチープはアスランの国を1度見ることに憧れを抱いていたため、波を超えてアスランの国へ旅立った。ルーシー、エドマンド、ユースチスは現代に戻るため、大波が作る穴を抜ける。7卿にかかる魔法を解くことができ、ぺベンシー兄妹も自立する力を身につけた。ぺベンシー兄妹、ユースチスはひと回り大人になって現代に戻ったのだった。

『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』の登場人物・キャラクター

ぺベンシー兄妹

ピーター・ぺベンシー(演:ウィリアム・モーズリー)

ぺベンシー兄妹の長男で、ナルニアの英雄王としてアスランに称えられた。ピーターは2章で大人として自立して歩いていく力を身につけることができたため、今回の3章ではナルニアには呼び戻されなかった。ナルニアの創始者、アスランはナルニアに平和を戻す過程で、子供たちを精神的に強くする目的があった。妹、弟思いのピーターは1章と2章で、スーザン、エドマンド、ルーシーの心配を一番していた。3人を守りながらナルニアに平和を取り戻そうと、必死に戦っていた姿が魅力的である。

今回映画の中には出てこない。ピーターはスーザンと共に、父親の軍務について行き、渡米をしていた。

エドマンド・ぺベンシー(演:スキャンダー・ケインズ)

ぺベンシー兄妹の次男であり、ナルニアの王である。売られたけんかは買ってしまうため、けんかをしやすい。疎開中に、ユースチスの家に疎開をすることになった時、意地悪なユースチスと相性が良くなかった。ユースチスは急にやってきたエドマンドとルーシーが気に入らず、毎日嫌がらせの言葉をかけていた。それに反感を買うことが多かったため、ユースチスとの仲がすごく悪かった。

3章ではピーターはナルニアに来なかったため、戦うときはエドマンドも中心になってナルニア人を引っ張っていく。カスピアン王子とは戦いの中でより親しくなり、兄弟のような関係になっていく。

スーザン・ぺベンシー(演:アナ・ポップルウェル)

ナルニアの女王である、ぺベンシー兄妹の長女である。スーザンも自立して、自分で判断して行動する力を身につけることができたため今回はナルニアに呼び戻されなかった。勉強は苦手だが、本を読むことが好きである。
注意深い性格であり、おとぎ話は信じないタイプだった。そのため、ナルニアも最初は存在を信じていなかった。しかし、自ら戦いに参加してナルニアに平和を取り戻した時は、大人になって成長できたことを嬉しく感じていた。

スーザンとピーターは一緒にアメリカに渡米し、父親のもとで暮らしていた。スーザンはアメリカの毎日が冒険のような生活を楽しんでいた。そのため、スーザンもナルニアには行かない。

ルーシー・ぺベンシー(演:ジョージー・ヘンリー)

ぺベンシー兄妹の末っ子で、ナルニアの女王である。ナルニアの創始者であるアスランのことを一番信頼している。ナルニア人が緑の霧にさらわれて生贄になった時から、アスランが助けてくれると信じていた。第1章と2章では、末っ子だったため、兄と姉に甘えることが多かった。しかし、3章ではピーターとスーザンはナルニアには来なかったため、甘えることができる人が少なかった。ルーシー自身も積極的に戦いに出て、自立する力を身につけようとする。

また、姉のスーザンの美しさに憧れていた。コリアキンの家にある「魔法の本」で憧れの人になれる魔法を唱えてしまうほど、スーザンのようになりたいと思うのだった。

ナルニアの国民

アスラン(演:リーアム・ニーソン)

ライオンの姿をした、ナルニアの創始者である。創始者ではあるが、国民をいつも悪から守ろうとすることはしない。それは、ナルニアの国民には危険なときは自ら戦いに行き、平和を手に入れる自立性をつけてほしかったためである。
それは、ぺベンシー兄妹にも望んでいたことだった。しかし、本当にピンチなときは助けに来てくれる優しさがある。

3章ではウミヘビと戦っている最中、ドラゴンになってしまったユースチスに剣が刺さった時にユースチスを人間に戻すのだった。そのおかげで、ユースチスが7本目の剣をテーブルに並べることができた。

カスピアン王子(演:ベン・バーンズ)

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