黒森町綺譚(Tales of the Black Forest)のネタバレ解説・考察まとめ

『黒森町綺譚』とは中国のインディーズゲーム制作チーム・拾英工作室が開発したSteam配信のゲーム。ジャンルはホラー探索アドベンチャー。舞台は1998年日本。黒森町という田舎町に迷い込んだ幽霊や妖怪が見える女子高生・希原夏森が、様々な神や妖怪、あるいは都市伝説のバケモノとの触れ合いを通して自らの過去の空白へと迫っていく。ノスタルジックな趣に満ちた緻密なドット絵、美麗なビジュアル、ホラー演出よりもストーリー性を重視した泣ける物語が見所。

真が亡き父から聞かされたおとぎ話。一生を列車に乗って旅して暮らす旅猫という猫が主人公で、彼らは列車の揺れを枕にし雨風を食べる。旅猫が死ぬとその瞳は綺麗な石になって線路に落ちる。その石を透かすと、旅猫の旅の記憶が覗けるらしい。真はこの物語と乗務員の父親に憧れ、自らも乗務員になった。

幻影列車

文明開化で日本全国に鉄道が敷かれた際、森林伐採で殺されたり住処を追われた動物の怨念が化けた幻の列車。現代はその怨念も薄れ列車の姿かたちだけが残り、独自のネットワークを形成して走り回っている。乗客は幽霊や妖怪が占める。

黒森町135列車

毒ガステロ事件が起きた列車の名前。事件後はスクラップにされたが、事件現場になった車両だけは櫻子が買い取り、森の猫カフェの店舗に改装した。夏森の念写の影響で、事件当時のこの列車と幻影列車が繋がってしまった。

黒森町劇場

黒森町にある映画館の名前。黒森町135列車の事件の直後に、この劇場の屋上からも毒ガスが散布され、映画館前の泣雨路で多数の犠牲者が出た。
この事件を受けて映画館は閉鎖され、以降は付近の妖怪の巣窟と化す。妖怪の為の映画が掛けられていたり、妖怪が勝手に店を出したり、彼らの遊び場として賑わっていたようだ。

青い鳥劇団

渡辺英誠が黒森町劇場で主宰していた劇団。芸能界を引退した恵が一時期所属していた。実は真理天堂の信者の隠れ蓑だった。

泣雨路

黒森町劇場前の小路の名前。黒森町劇場へ行くには必ず通らなければいけないが、毒ガステロ事件の怨霊の集合体が猛毒の雨を降らしており、人間にも妖怪にも有害な為に恐れられていた。なお人間たちの間では、この雨は原因不明の酸性雨として片付けられた。

鹿鳴村

黒森町の隣にある村。特産品は鹿鳴スイカ。100年ほど前は栄枯という天候を司る神を崇め、石炭産業で栄えていた。第二次世界大戦後は豊神へと信仰対象が移行したが、高度経済成長期にはその威光も廃れていき、教祖の死をもって完全に終焉する。
鹿鳴村の村人は村の土地は豊神に与えられた物と強く信じ込んでおり、工場や映画館の建設にも反対した為、スイカ畑と民家以外に殆ど何もないド田舎である。
1998年にはダムの底に沈む事が決定し、物語スタート時点では村人全員が退去した廃村と化していた。

鹿鳴スイカ

鹿鳴村の代表的な特産品。豊水で育てた甘くて美味しい大きなスイカとして全国に出荷されていた。

一村一品運動

一村につき一品、特産品をだして村興しをする運動。昭和の鹿鳴村においては、掲示板でよく見かけた標語でもあった。

豊神

正式名称は豊饒森羅万象を司る神。みだりに名前をだしてはいけない言霊神、すなわち言葉で呪いをかける神として恐れられていた。
栄枯と同じく天候を司る神だが、こちらは主に嵐を操る。100年ほど前の鹿鳴村では栄枯信仰が主流で、豊神は忘れ去られた神だったが、村の鉱夫の家に豊神の転生体である雪が生まれた事で流れが変わる。
雪は幼少時から不思議な力を持ち、第二次世界大戦後は豊神を信仰していた一部の兵士のみ村に生還した為、ここから本格的に豊神が信仰され始める。
雪が持っていた念写の力は豊神が授けたもの。それを勝手に夏森に渡したことで雪は豊神の呪いを受け、声を奪われてしまった。

神宮

神を宿る肉体を意味する言葉で、豊神の転生体である雪の尊称。

豊神教

神宮の雪を教祖として仰ぐ、豊神の信仰団体。主に鹿鳴村の村人で構成された。バブル期には既に凋落の兆しがあった。

豊水

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