黒森町綺譚(Tales of the Black Forest)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『黒森町綺譚』とは中国のインディーズゲーム制作チーム・拾英工作室が開発したSteam配信のゲーム。ジャンルはホラー探索アドベンチャー。舞台は1998年日本。黒森町という田舎町に迷い込んだ幽霊や妖怪が見える女子高生・希原夏森が、様々な神や妖怪、あるいは都市伝説のバケモノとの触れ合いを通して自らの過去の空白へと迫っていく。ノスタルジックな趣に満ちた緻密なドット絵、美麗なビジュアル、ホラー演出よりもストーリー性を重視した泣ける物語が見所。

映写室の映写機で黒いフィルムを再生した夏森は、交通事故現場に佇む雪を見る。

「真実を観る」を選択し、映写室の左の扉を開けて、映写機で黒いフィルムを再生した場合のエンディング。
映写機の電源を入れてフィルムを掛けた瞬間呪いは解け、雪は声を取り戻す。スクリーンに上映されたのは、夏森と母親が遭遇した8年前の交通事故の光景だった。雪は呪いを解いてくれた礼を夏森に述べるが、この真実は夏森には重すぎるから話せないと詫びて姿を消す。
夏森が目を開けると下校中の電車の中にいた。外は黄昏で、シートには三々五々乗客が腰掛けている。鹿鳴村と黒森町で体験した出来事は朧な夢となり、起きる際に口走った雪というのが誰の名前なのか、夏森は既に覚えていない。夏森は電車に揺られて家路を辿るのだった。
ふと夏森が持っていた推理小説を開くと、吉次郎から貰った亡き母・綾子の似顔絵が1枚挟まれていた。

END2「夏花冬雪」

ばっくに黒いフィルムの再生を頼んだ夏森は、バブル景気に踊らされた父親・誠一の過去を知る。

「真実を観る」を選択し、映写室の右の扉を開けて、ばっくに黒いフィルムを投影してもらった場合のエンディング。
夏森はばっくに黒いフィルムの再生を頼む。ばっくは黒いフィルムを食べて、彼が見る夢と夏森の記憶を繋ぐ。
夏森は夢の中でスクリーンを見ていた。スクリーンには空前の好景気に沸くバブル時代の光景が映し出される。だが好景気は長くは続かず、やがてバブル崩壊が訪れる。ふと夏森がスクリーンの端をめくると、そこには幼い夏森が描いた、両親と自分の絵があった。これは8歳以前の夏森の絵日記らしい。
夏森の耳に父親・誠一と何者かの話し声が聞こえてくる。誠一の話し相手は彼が投資分析を委託されていた食品加工会社の幹部だ。その会社は豊水を原料とした農作物の成長促進剤を開発していた。その成長促進剤を使ったスイカは鹿鳴スイカといわれ、鹿鳴村の特産品だった。会社は鹿鳴村に食品加工工場を建設する計画だったが、鹿鳴村の人々の反対は根強く計画は難航する。鹿鳴村の人々は村の土地を豊神に与えられた神聖なものと認識しており、会社の土地買収に応じない。経済学者の誠一は会社の信用厚く、鹿鳴村の村人との関係も良好だった為に村人たちの説得を頼まれる。
次に夏森は、嘗て自分たち一家が住んでいた家に飛ばされる。家には電話があり、それを使えば念写が可能だ。夏森が念写を発動すると、母親の綾子が父親の誠一と電話で話している。綾子は食品加工工場の建設が正式に決まった事を喜び、黒森町劇場での豊神祭に参加したおかげだと言うが、誠一の声は何故か沈んでいる。
だが食品加工工場の計画は白紙になった。バブル崩壊で株式市場が暴落し、会社が殆どの不動産計画を中止したのだ。されど鹿鳴村の人々が承知するはずない。彼らは誠一の説得を受けて建設に乗り気になり、そればかりか倒産寸前に追い込まれた会社の株を多く買っていたのだ。もし計画の中止がバレたら鹿鳴村の人々が暴動を起こす。誠一は妻子に先に逃げろと言い、綾子と幼い夏森を車で逃がす。誠一が荷物を纏めている間、村長・渡辺を先頭に立て、家に村人が乗り込んでくる。村人たちは誠一とその妻子を豊神への生贄に捧げると怒り狂うが、渡辺はなんとか村人たちを押しとどめ、綾子と夏森が交通事故にあったと誠一に告げる。綾子と夏森を乗せた車は村はずれで電柱に激突し綾子は即死、夏森は重傷で病院に担ぎ込まれた。それを渡辺に聞かされた誠一は、己の愚かさに妻子を巻き込んだ絶望に崩れ落ちる。
母親の事故死の真相を知った夏森は、事故現場に飛ばされる。電柱に衝突し燃え上がる車の前には雪が佇んでいた。雪の呪いはまだ消えないが、彼女は心の声で夏森に語りかけてくる。映写機で呪いを解かなかった事を気に病む夏森に対し、「本当はこの記憶を取り戻してほしくなかった、希原ちゃんにはあまりにも重すぎる」と雪は呟く。雪曰く、誠一を含めた鹿鳴村の人々全員がバブル経済の狂信者にして犠牲者だった。
夏森が雪の正体を問うと、夏森と雪は幻影列車の車内に飛ばされる。幻影列車は過去と未来に通じており、この列車に乗れば過去へも行ける。雪は夏森と並んでシートに座り、自分の身の上話を始める。
100年前、鹿鳴村の鉱夫の家に1人の女の子が生まれる。女の子は不思議な力を持っていたが、石炭の精と会話し、時に未来すら見通す彼女を村人は気味悪がって遠ざけた。その女の子こそが雪だった。栄枯を信仰する鹿鳴村において、雪は異端だった。彼女は30歳になっても童女の姿のまま、外見的な老化の兆候が見られない。雪は石炭に自分が作った話を聞かせる事で孤独を慰め、石炭は雪が話し上手だと褒め、将来は作家になればいいと勧める。雪が作家を自称したルーツはここにあった。
やがて第二次世界大戦が起こる。雪は出征した村人と戦争で供出された石炭の身を案じ、豊神の力を借りて無事を祈る。豊神の加護を得た兵士らは無事帰還し、雪を神宮と呼んで崇め奉るが、彼女の唯一の友達の石炭は列車から川底に落ちてそのままだった。
雪は豊神教の教祖に祭り上げられ、鹿鳴村の為に尽くす。雪は豊神の力で豊水を生み出し、それを村人に与えて村に恵みをもたらしたが、当時の豊神教の信者は豊神への生贄が必須と考えた。自ら生贄に志願したのは11人の村の老人たちで、雪はそれをどうすることもできない。
豊水は鹿鳴村のスイカを美味しく大きく育てたが、日本が高度経済成長期を迎えると、農作物を実らせる事しかできない豊神への信仰は薄れ始める。「豊神は株価の予測もできないんだぜ」と、畑のスイカは陰口を叩く。雪にはその声も聞こえていたが、あえて知らないふりをする。雪は村を見回っている時に小さい女の子と出会うが、母親は女の子を連れて慌てて去る。その反応を見て、雪は自分が恐れられているのをハッキリ自覚する。彼女は80歳をこえても10代の若い外見のままだった。
ある日、雪は黒森町から鹿鳴村へむかう電車の中で綾子と出会う。綾子は鹿鳴村の住民と交渉中の誠一に、彼が忘れた弁当を届けにいくところだった。綾子は雪に親しげに語りかけ、車窓から見える景色を綺麗と褒め、「作りすぎたからどうぞ、私の故郷の料理なんですよ」と雪におにぎりを渡す。綾子の優しさに触れた雪は、おにぎりを食べながらぽろぽろと泣きだす。神宮として畏怖されてきた雪は、初めて普通の人として扱ってもらえたのだった。
以降、雪は夫の仕事を見学しにたびたび黒森町から鹿鳴村へ通い、雪は電車の中で彼女と会話する時間が数少ない楽しみとなる。綾子は雪と夏森を重ねて、雪は夏森と交流を持てたのが嬉しくて、「豊神を信じるといいことがありますよ」と綾子に告げる。桐谷雪とは綾子に聞かれた際に、雪が咄嗟に言った名前だ。神宮でいた期間が長すぎた雪は、とっくに自分の名前を忘れていた。
雪には綾子との会話以外にもう1つ、楽しみがあった。それが黒森町劇場で映画を観る事だった。子供の頃からお話作りが好きだった雪は、現実逃避を兼ねて黒森町劇場に通っていた。映写室にいた雪に英誠が声をかけ、「こんな湿っぽくて暗い場所で観なくても映写ホールでご覧になればいい」と勧めるが、雪は映写室から映画を愉しむ村人を見守るのが好きだった。鹿鳴村にも以前映画館を建てる計画が持ち上がったが、豊神教を信じる村人が「土地を汚す」と怒り、実現に至らなかったのだ。
雪は自分への信仰が形を歪めてしまったのを哀しみ、英誠をはじめとする村人たちが食品加工工場の建設計画に反対していることに触れ、「工場ができたら皆便利になる」と諭す。雪は自分に死が迫り、身体が衰えているのを自覚していた。雪は自分亡き後の鹿鳴村の事を考え、工場建設への同意を英誠に勧める。英誠は優しく美しい雪を尊敬しており、雪もまた生まれた時から成長を見守ってきた英誠を信頼していた。
しかし雪の目論見は裏目に出た。バブルは崩壊し、綾子と夏森は鹿鳴村から逃げる途中で事故に遭う。雪は事故現場に飛んでいき、潰れた車から夏森を助け出すが、車が炎に包まれて綾子の救出は間に合わない。雪は見た目こそ若いが、その中身は80歳をこえた老人と同じであり、2人を救出するには力が足りなかった。
大事な友人を見殺しにしてしまった雪は、その自責と後悔の念から念写を使って事故の前に戻るが、念写は死の事実を変えられない為どうすることもできない。
何もできない雪の前で、綾子と夏森は誠一に言われた通り荷物を纏め、村を出たあとの旅行の計画を話す。綾子は夏森を不安にさせないため、楽しい計画を語ったのだ。
幼い夏森を車から助け出した雪は、綾子が娘の無事と幸せを願っていたのを思い出し、「あなたを死なせはしない」と心を決める。そして雪は豊神から授かった念写の力を夏森に明け渡す。豊神の力が作用して、重体の夏森はなんとか一命をとりとめた。
夏森が病院に搬送された後、雪は英誠と話し、自分が映写室で余計な事を言ったせいで悲劇を招いたと悔やむ。英誠はそれに対し「映写室であなたと会ったことなどない」と返し、「自分は子供の頃からあなたの作った話を聞いてきた、作家になりたいあなたの夢を知っている、もう好きに生きていいのだ」と雪に語りかける。しかし今の雪には神宮以外の自分の人生など想像できず、ましてや綾子の未来を奪った自分が好きに生きていいはずがない。
豊神の力を他人に渡すのは禁忌であり、雪はその罰として声を奪われた。
夏森が鹿鳴村を出る時に聞いた「お前のせいだ」「許さない」という呪詛、そして黒森町劇場で見たお面の正体は、神宮の生贄となった11人の老人たちの亡霊で、自分たちが身を捧げたのに村を滅ぼした雪を責めていたのだ。「ごめんなさい、ごめんなさい」とひたすら謝ってしゃがみこむ雪。そんな雪の僅かな救いは、夏森の命が無事助かり、誠一が「本当にありがとうございました」と言ってくれた事だけだった。
1994年、雪は103歳で身罷る。雪を失った英誠は、彼女を追い詰めた豊神教への復讐心から真理天堂に帰依する。

綾子と電車内で幸せなひとときを過ごす雪。

死後の雪は幻影列車にて、綾子の霊と再会する。雪は自分のせいで死んだ綾子に謝罪するが、綾子は朗らかに笑い、「雪が同意しなくても結局工場は建てられていた。誠一の工場が失敗しても次の工場ができるだけ」と雪を励ます。続けて綾子は夏森を救ってくれた事を雪に感謝し、雪は「私は世界を救えるんだと思ってたけど、本当は神の力を借りてみんなのご機嫌とりをしていただけ。本当は私を異類として扱わない友達が欲しかった」と心情を吐露する。雪は病院で誠一に縋り付かれた時、初めて自分の力で人助けができたと痛感し、心の底から幸福を感じた。
綾子はまだ雪には叶えてない夢があると見抜き、「ここに来るのは早すぎる」と雪を現世へ送り返す。
豊神は夏森の中で眠りに就いていた。雪の肉体は既に灰になっていたが、幻影のような存在となって現世へ帰還した雪は、夏森から力を取り戻そうとする。ただの人の身に豊神の力は強すぎ、危険と判断したのだ。しかしその頃には夏森は黒森町を去ってしまっていた。
雪は残された力を全部使って、札幌に引っ越していた夏森を鹿鳴駅へ呼び戻した。夏森の念写がたびたび不安定になったのは、豊神の力を取り戻そうとする雪に豊神が抵抗したせいであり、夏森が鹿鳴駅で拾った白い羽は、鳩に化けた雪の羽だった。雪はこの羽を介し、以前夏森に渡した念写の力を回収していたのだ。
夏森が子供の頃から人外の存在が見え、彼らと会話できたのも、豊神の力の影響だった。雪の夢とは旅にでることだった。夏森との旅でその願いは叶った。夏森と雪の呪いも解け、豊神の力を失った夏森は、今後妖怪が見えなくなると雪は語る。
鹿鳴村は1998年にダムの底に沈む。
雪はそれを見届けてからまた旅に出ると夏森に告げ、夏森は「私が知ってるのは、作り話が好きで、締め切りに追われてばかりいる、売れない作家の、桐谷雪よ」と雪に微笑み、2人は鹿鳴駅で別れる。
ホームに列車の警笛が響き、夏森は本来自分がいるべき場所へ帰っていく。

札幌の自宅に帰った夏森は、吉次郎から貰った綾子の似顔絵を家に飾る。
それを見た誠一は「この絵をどこから?」と驚き、夏森が「絵の上手な妖怪さんから貰ったの」と答えれば、「そうか……今度会ったらその妖怪さんに礼を言っといてくれ」と告げる。彼はもう娘の話を一概に否定せず、綾子の事故死からギクシャクしていた父娘の関係は修復されたのだった。
翌日。学校帰りに本屋へ寄った夏森は、推理小説と一緒に雪の著作を購入する。雪は本当に作家として活動しており、そのことを知った夏森はいつか再会できる日を待ち望む。「その作者は私の大切な友人なんです」と微笑んで夏森がレジに出した本は、『黒森町綺譚』と題されていた。

『黒森町綺譚』のゲームシステム

プレイ環境の最低条件としてOSはWindows7、Windows8、Windows10、XP、プロセッサーは1.2 GHz、メモリーは2GB、グラフィックはDirectX 9 compatible graphics card、ストレージは1GB以上が推奨されている。
ストーリーは序章、第一章、第二章、第三章、第四章、終章の6部構成でクリアに要する平均プレイ時間は4時間程度。
原則ストーリーは夏森の1人称視点で進行するが、雪やサブキャラクターに切り替わり彼らを操作して探索したり、時間内に正しい道を選んでゴールをめざすパートもある。
ゲームは終章まで一本道でエンディングは全2種。
四章で黒いフィルムを手にして映写室へ行ったときに「呪いを解く」「真実を観る」の選択肢が出るので、「呪いを解く」を選んで映写室の左の扉を開ければEND1「帰途」、「真実を観る」を選んで映写室の右の扉を開ければEND2「夏花冬雪」に分岐する。
なお左右どちらかの扉を開けた時点でオートセーブはされなくなるので、終章に突入後はプレイヤーの手動セーブが推奨される。これに関しては上記の選択肢と同時に「ここより先はオートセーブができないので手動セーブをお使いください」と注意書きが出るので非常にわかりやすい。
探索パートでは調べるべき部分に三角マークが表示されているので、そこをZキーでクリックし、資料を読んだりアイテムを取得する。移動は↑↓→←の矢印キー、メニューを開くのとキャンセルする場合はX、走る場合はShiftの長押し。セーブデータを閲覧、もしくは手動でセーブする場合はメニュー画面に戻るが、チェックポイントごとにオートセーブも行われる。データーセーブ用のファイルは全部で18個ある。
暗号の解読やパズルもあるが、いずれも難易度は低く設定されている。たとえば鹿鳴駅の戸棚の南京錠のダイヤルだが、数字のヒントのメモには「赤い椅子、座布団」と書かれてあり、駅舎の待合室にある赤い椅子の個数と座布団の個数がそのまま正解の数字になる。
黒森町劇場で手に入れた暗号カードには所々穴が穿たれている。指定の本のページを開き、ヒントにそってそのページの記号に穴を重ねれば机の抽斗のロックが解除される。
パズルは画面に表示される矢印の向きにキーやマウスを操作し、正解のルートを選ぶ簡単なもの。このルートも原則二択で、正解ルートも「危険な道をあえて進め」などのヒントが事前にでる。このヒントの場合だと、障害物がある道を通れば敵から逃げきれる、といった具合。
なお敵から一方的逃げる場面はあるが戦闘などは発生しない。ゲームオーバーした場合は手動セーブ地点、手動セーブをしてなければオートセーブ地点からリトライとなる。
第一章では夜の森を巡回する狐の目をかいくぐり、鹿鳴駅を目指すスパイ風ミッションがあるが、フィールドの要所要所に配置された茂みや灯篭に隠れたり、バレた際は念写を使ってオートセーブ地点である駄菓子屋まで戻るなど、タイミングの調整が求められる。狐に見つかったらオートセーブされた駄菓子屋から自動的にやり直しとなる。

『黒森町綺譚』のアイテム

白い羽

鹿鳴駅の駅舎にて、夏森が拾った白い羽。のちに鳩に化けた雪の羽と判明する。雪はこの羽を介し、以前夏森に渡した念写の力を回収していた。

ノート

雪愛用のノート。人間時の雪が常に持ち歩き、これを使って周囲と筆談する。小説のネタもしたためられているらしい。

天気雨

栄枯が眠りに就くまで鹿鳴村の狐の嫁入りの日に降らせていたという雨。青空が出ている状態で降る雨で、玉前一族から贈られた神木・玉前を育てるのに必要とされた。子鹿は栄枯が神通力で降らせると思い込んでいたがその理解は正確ではなく、普通の雨に狐の涙が混ざった雫が鹿鳴村に伝わる天気雨の正体だと静によって明かされる。

腕時計

鹿鳴駅で別れる際に静に贈られた腕時計。夏森はこれを介してたびたび念写を発動する。

海螺石

消える間際に真に渡された綺麗な石。妖怪を退ける力があり、泣雨路を無事に通過する為の必須アイテム。

太陽の塔のポスター

幻影列車と黒森町135列車が混ざり合った列車内の、雪原の車両と花畑の車両に貼られていた、万博のシンボル・太陽の塔のポスター。実はこの2つの車両は同じ物であり、花畑の車両の過去の姿が雪原の車両だった。念写で過去へ飛んだ夏森が太陽の塔のポスターを雪原の車両に貼った事でポスターから日がさし雪が溶け、花畑の車両になった。
雪はなんらかの巨大な意志が具現化したものと推測を立てた。
おそらくは高度経済成長に沸く日本の未来を明るく照らした希望の象徴であり、故に実際の太陽と同じ、周囲を温める効果を持っていたと思われる。

妖怪面

k-toyama56960
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