死もまた死するものなれば(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『死もまた死するものなれば』とは、2018年11月よりドラゴンコミックスエイジにて連載した全4巻のクトゥルフ神話をモチーフにした漫画作品。『がっこうぐらし!』原作の海法紀光と『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』の著者である桜井光によるストーリー、そして漫画家の狛句作画によるオリジナル作品。地球温暖化が進んで多くの都市が水没した近未来の日本を舞台にしたコズミックホラー。漫画の世界観でクトゥルフ神話TRPGを遊ぶ外伝が、公式からリプレイ動画で公開されている。

『死もまた死するものなれば』の概要

『死もまた死するものなれば』とは、2018年11月よりドラゴンコミックスエイジにて連載した全4巻のクトゥルフ神話をモチーフにした漫画作品。『がっこうぐらし!』原作の海法紀光と『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』の著者である桜井光によるストーリー、そして漫画家の狛句作画によるオリジナル作品。コミックス巻末にはクトゥルフ神話TRPGを特殊なセッティングでプレイするために利用できる資料も付いている。
クトゥルフ神話TRPGとは、ラブクラフトという作家が中心になって作り上げたクトゥルフ神話という創作神話の世界を冒険するテーブルトークゲームの一種。テーブルトークゲームとは、パソコンやゲーム機を使うのではなく、進行役とプレイヤーの役割に分かれて会話とサイコロを使って物語を進めていくアナログゲームのこと。

物語は数話ごとに区切られており、各ストーリーで完結して楽しめるが、コミックス全体を通して女子高生の一望寺晴(いちぼうじ はるか)が久々湊錠(くぐみ じょう)という探偵に出会ってから様々な怪奇事件に関わっていく物語が展開されていく。晴はミナカミホテルで怪物と遭遇した後、錠の探偵事務所を引き継いだ不思議な少年少女、るぅと小海(さうみ)と共に別の事件の探索に向かうことになる。
クトゥルフ神話の世界観を知っているとより楽しめるが、事前知識がなくても十分に楽しむことができる。地球温暖化が進んで日本の半分が水没した近未来の日本を舞台にしたコズミックホラー。

ゲーム実況者や有名声優陣とのコラボレーション動画として、『死もまた死するものなれば』の世界観でクトゥルフ神話TRPGを遊ぶ外伝のリプレイ動画も公開されている。外伝の物語も、漫画のストーリー原案を担当している一人である海法紀光による書き下ろし。動画でコラボレーションしたゲーム実況者は、以前からTRPGのリプレイ動画を投稿している人気グループの驚天動地俱楽部。有名声優陣は安元洋貴、本宮佳奈、吉岡麻耶の3人が参加している。近未来の日本を舞台にしたコズミックホラーの世界観の中で、キャラクター達が生き残りをかけて探索するスリリングな様子を見て楽しむことができる。

『死もまた死するものなれば』のあらすじ・ストーリー

怪奇事件との出会い編:ミナカミ様

緊急の依頼を受けた探偵の久々湊錠(くぐみ じょう)は、東京から田舎の観光地へ訪れてミナカミホテルという古いホテルに向かう。その道中で学校をサボって出てきたという地元の女子高生、一望寺晴(いちぼうじ はるか)が強引に同行してくる。彼女は勝手に探偵助手を名乗り、面白がって久々湊錠の捜査についてきた。晴によるとミナカミというのはこの地域の古い地名であり、また神様の名前なのだという。2人はミナカミホテルに行き、支配人の斯道二束(しどう ふつつか)という男性から依頼を受ける。支配人とその妻は住み込みでホテルで働いていたが、その妻が5日前に行方不明になってしまったのだという。しかも2日前にも宿泊客が夜中の内に行方不明になる事件が起きており、原因究明を頼まれる。通報しても警察はなかなか動いてくれず、支配人は急いで探偵に依頼したのだった。

2人がホテルの中を見て回ると、滞在中の宿泊客は4名だけだった。長期休暇中だというヤクザの男性、権藤玲二(ごんどう れいじ)。観光中だと話すが素性のわからない加古小海(かこ さうみ)と加古るぅ(かこ るぅ)と名乗る小中学生くらいの姉弟。そして民俗学者の神駕団(じんが だん)という男性だ。スタッフは支配人の他に三門夢路(みかど はるか)という若い男性がいるだけだった。宿泊客たちはいずれも一週間以上滞在しているというが、人が消えた日のことを聞いても誰も気になったことはなかった様子だ。しかし神駕団はミナカミの信仰について調べていると話し、古い資料も広げて見せる。その話を元に錠たちがホテルの周囲を調べてみると、道祖神の石像や祠の形跡が残った洞窟が見つかるが、洞窟は既に海水に浸かってしまっていた。
そうして調べている間に雨足が強まり、高台のホテルから町へ向かう道が水没してしまう。錠と晴も、この日は仕方なくホテルに宿泊することにした。その夜、子供2人だけで何日もホテルにいる加古姉弟を晴が心配していると、錠は「依頼じゃないなら何もする気はない」と言う。そこで晴は「自分が依頼人になるから、姉弟を助けて欲しい」と頼む。錠はその発言に驚くが、晴の熱意に負けてその依頼を受けることにした。晴が錠の姿勢に不満を漏らすと、錠は「探偵は警察でも、正義の味方でもない」「依頼人の味方だ」と語った。

翌朝、支配人がガレージの中を確認すると浸水しており、血で描かれた魔法陣のようなものの横でスタッフの三門が亡くなっているのを発見する。錠は指定暴力団の不自然な金銭の動きから、ヤクザの権藤が人身売買を行っていたことを突き止めた。その証拠になるものを見られて口封じとしてスタッフの三門を殺害したと推理する。

錠が三門殺害の証拠を探そうと動き出した矢先、ホテル内に銃声が響き渡る。急いで音の方へ向かうと、そこには無残に殺された権藤の遺体と、壁際に立っている加古姉弟がいた。混乱している内に、部屋にいた異形の怪物に錠が殺されてしまう。目の前の凄惨な光景に取り乱す晴だったが、幼い2人を守るために慌てて共にその場を逃げ出した。
物音を聞きつけてやってきた支配人にも声をかけ、4人は扉の頑丈な倉庫へと逃げ延びた。そこへ後から怪我を負った神駕も逃げ込んでくる。しかし神駕の腹の傷口を突き破って蟹のような怪物の子供たちが現れた。晴がとっさに近くにあったものを投げつけて怪物の子供たちを追い払うが、通気口からはじめに見た魚人のような怪物が襲い掛かってくる。
生き残った4人がなんとか別の部屋まで逃げ延びると、加古姉弟は冷静に状況を整理し始めた。権藤が人身売買を行っていたのは事実だったが、三門を殺したのは怪物だったらしい。加古小海は水際に怪物たちが現れやすいのを知っていて魔除け目的で魔法陣を描いておいたが、変異している怪物には効果が薄かったようだ。このままでは怪物が遺体に卵を植え付けて急速に増殖していき、やがてはこの町の人々が全滅してしまう恐れがあるという。やけに冷静で、不思議な知識を持っている2人を奇妙だと思いつつも、晴はここから全員で生きて脱出するためにできることをしようと提案する。そしてただ逃げるのではなく、怪物が増える前に退治しようと言い出すのだった。

最初に晴が囮となって古いエレベーターの前に怪物を誘い込む。そして支配人が昔の猟で使っていたショットガンを貸し出し、小海がエレベーターの中に怪物を打ち落とす。最後にるぅが怪物の上に灯油をばらまき、錠が遺したジッポライターを使用して焼き殺した。こうして生存者たちは協力し合い、なんとか危機を脱することができたのだった。
その後、支配人の妻と宿泊客の女性は人身売買で遠くへ飛ばされる前に検問で無事に保護され、他の被害者についても警察が捜査をすることになる。それも早期に県警に錠が手回しをしてくれていたおかげだった。この一件を機に、小海は探偵という職業に興味を示すことになる。

3人での初めての事件解決編:空を仰ぐ

小海は錠の探偵事務所を引き継いだものの、なかなか怪奇事件に出会わないことで物足りなさを感じていた。何か面白い都市伝説などがないかと晴に尋ねると、今インターネット上で話題になっているという巨大なススキの目撃情報を教える。教わった都市伝説の写真をSNSで確認した小海は、それがただの噂ではなく本物の怪奇現象であると気付き、現地調査に向かうことを決めた。

3人が都市伝説の元になったB市を訪れると、光化学スモッグにも似た奇妙な霧が立ち込めていた。都市伝説となっているお化けススキの写真が撮られた場所へ向かう道中、大きな木の前にしゃがみ込んで独り言を繰り返している地元の子供を発見する。様子がおかしいことに気が付いて子供に話しかけると、少女は父親が蒸発してしまったのだと話す。それから少女は激しく震え出すと、そのまま塵のように霧散してしまった。それを見て小海はこの付近の人々が既に怪物に食われてしまったのだと悟る。るぅが持ってきた特殊なスコープを覗くと、そこには巨大な人影がいくつも街を徘徊する様子がぼんやりと映し出されていた。

危険を察知して一度その場を離れ、状況を整理し直すことにした3人。怪物は恐らく古くは「見越し入道」、最近では「くねくね」と呼ばれているもののようだ。それは周囲の命を歪ませ、植物の巨大化や生物の奇形を生み出す。そしていずれは生き物の命を吸って食べてしまうらしい。食べられたものは蒸発するように消えてしまうのだ。怪物の正体は、クトゥルフ神話の世界で言うならば「宇宙からの色」と呼ばれる存在だった。しかし目の前の怪物は異常に大きく、突然変異が起きている様子だ。その原因として磁場が関係しているのではないかと考えた3人は、近くにある京王大学核物理研究所に向かうことにする。

研究所に到着すると、平日にも関わらず中に人の気配はない。恐る恐る進んでいくと、入ってすぐの受付に祭壇のようなものがあり、目から血を流した男性の遺体が磔にされているのを目撃してしまう。しかし遺体が残っていることから怪物の仕業ではないだろうと考えていると、研究員の台田独歩(だいだ どっぽ)が話しかけてくる。既に狂信者となっていた台田は、3人に怪物の姿を見るように迫り襲い掛かってきた。
3人がなんとか台田を振り切って研究室の一つに逃げ込むと、まだ動いているコンピュータを発見する。中を確認すると、二か月前から昨日までの所長の日誌が残されていた。そこにはサイクロトロンの実験中に偶然にも正体不明の存在を観測し、その存在を研究している内に台田がオカルトに傾倒していったことなどが書かれていた。最後には所長がサイクロトロンの電源ケーブルを切断し、カルトのようになってしまった研究所内の異常事態を外部に知らせようとしたところで日誌が終わっていた。3人はこのままでは怪物の増大は日本列島を覆うほどになってしまうのではないかと危機感を覚える。
小海は晴に事務所まで怪物の退治に必要な道具を取りに行くようにと頼む。2人を置き去りにすることを渋る晴だったが、サイクロトロンの稼働は晴にはできないだろうと説得され、仕方なくその場を離れることにした。しかし、それは晴を外へ逃がして小海とるぅが2人で事態を収拾するための嘘だった。

一方、晴を離脱させた小海とるぅはすぐに電源ケーブルを修復してサイクロトロンの稼働を再開した。それは一カ所に怪物達をおびき寄せて一網打尽にするため。そのサイクロトロンの脇には、台田以外の研究員達の遺体が祭壇として積み上げられていた。異変を感じた台田が2人の計画の妨害に現れるが、るぅがそれに応戦し、激しく交戦する最中に誤って天井に穴があいてしまう。その穴から宇宙からの色を直視した台田は、その場で霧散していった。小海もまた穴から見えた怪物の核を呪文で破壊しようとするが、あと一歩の力が足りない。そこへギリギリでるぅが加勢し、なんとか全ての怪物を退治することができたのだった。
その間に2人の嘘に気付いた晴は、急いでもと来た道を戻る。その途中で怪物の異変に気が付くが、その姿を見てしまったことで体が上手く動かなくなる。怪物と目が合って意識を失ってしまう晴だったが、怪物が蒸発していくところはかろうじて見届けることができた。
一件落着後、晴は2人に「もう嘘はつかないで欲しい」と頼む。2人もまた、「晴を戦力外として扱ったつもりはない」と謝罪する。結局事件は研究所の爆発事故として処理されたようだ。危ない場面もあったが、なんとか3人で事件を乗り切ることができた。

学園への潜入調査編:見えざるもの

晴は潜入調査として東京都内の私立尚友学園に転校した。小海によれば、この学園内でも怪奇事件が起きた可能性があるという。「依頼人を放っておけないから」とろくに説明も受けずに潜入先へ入った晴に対し、るぅは「いつまでこの危険なアルバイトを続けるのか」と心配する。しかし晴は「探偵助手として依頼は途中で投げ出さない」と答えるだけだった。
晴の転校先のクラスでクラス委員をしている片喰はこべ(かたばみ はこべ)は、先週変死体が校内で発見されたこと、それに文芸部の魔女と恐れられる饗庭紅(あいば くれない)が関わっているのではないかという噂を晴に教える。そして晴は饗庭本人から放課後の読書会に招待され、参加してみることにした。
読書会そのものは特におかしな点はなかったが、そこで饗庭と話した晴は、彼女が普通は人に見えないはずのものを強く求めていることに危険性を感じる。その後、夕暮れの校舎で晴は奇妙な呪文のような言葉を耳にする。嫌な予感がして調べに向かうと、校舎内で見たこともない化け物に遭遇してしまう。ふいに襲ってきた化け物達から逃げる晴だが、あまりの数の多さに圧倒されかける。すんでのところで助けの手を出したのは、同じく饗庭や文芸部の活動を訝しんでいる現代国語担当の教師、杉鎬京(すぎ こうけい)だった。杉もまた過去に怪奇事件に関わった経験のある人物であり、いくらか化け物への対処方法も知っている様子だった。はじめは警戒心を抱いた晴だったが、2人で協力してなんとか窮地を乗り切ることができた。

一方で錠と共に活動していたハッカーの真金尽一(まがね じんいち)と丹羽戦(たんば さきもり)は錠との連絡が途絶えたことから行方を追っていた。錠の最後に残したメッセージに「晴の面倒を見てくれ」という文言があったことから、真金は晴に連絡を取る。しかし、晴は突然の連絡に警戒し、真実を伝えることができなかった。
その後、化け物に襲われて負傷した饗庭を晴と杉は見舞いに訪れる。その病室には化け物を呼ぶために使ったと思われる魔導書のような古い本が置かれていた。晴は饗庭の態度を見て、彼女が不審死した生徒を殺したわけではなさそうだと感じる。そしてこれ以上傷付く人を増やしたくないと考え、真金に連絡を取り、病室で見た魔導書についてと、錠の探偵事務所を引き継いだ小海とるぅについて調べて欲しいと協力を依頼した。
真金と協力した晴は、誰かが学校内で連鎖的に生贄を捧げ、大量の化け物を召喚する儀式を行っていたことを突き止める。また学園内に保管されていた過去の卒業アルバムを確認すると、そこには30年以上姿の変わっていない小海と杉の写真が残っていた。そこから晴は一連の事件の首謀者が杉だったことに気が付く。しかし、その事実を突き付けられた杉は遂に儀式を完成させ、更なる脅威を呼び寄せてしまった。

杉の儀式が完成したことにより、学園内のあちこちに化け物が現れ、生徒を襲い始める。晴も逃げ回るが、あまりの数の多さや化け物の大きさに太刀打ちできずに追い詰められてしまう。恐怖と絶望で遂に意識を失ってしまうが、夢の中の空間で錠に励まされた晴は、彼のようになりたいという思いを胸に、まだ前に進み続ける覚悟を決めた。晴は学園内で逃げ惑っていた片喰を見つけると、彼女の手を引いて逃げ道を探すために走り出す。
一方、学園内に化け物を呼び出した杉の元へ小海とるぅがやってくる。3人は30年ほど前に海底神殿のルルイエが浮上した際、神殿に眠る神の復活を阻止するために集められたメンバーの一員だった。久しぶりの再会を果たすも、杉は更なる儀式を進め、別の神を学園上空に降臨させる。そして杉は自身の体を化け物へと変化させ、召喚した神を食おうとするのだった。そんな姿を見て、小海は「過去のことを忘れてしまったの」と杉に問いかける。しかし彼はその言葉に対して、「忘れていない」「神は美味である」と叫ぶのだった。

ルルイエが浮上した時、当時の優秀な探索者たちが集められ、神を眠りにつかせるための生贄として小海も同行した。その探索者の一員として、杉と、当時は龍(りゅう)と名乗っていた青年、現在のるぅも神殿の奥へと共に向かった。人身御供という残酷な手段しか解決策がないのかと葛藤するメンバー達だったが、他に手立てがないため仕方なく小海を神に捧げた。しかしその儀式は失敗し、神は眠りにつくのではなく小海の体に宿ってしまった。小海の中の神が完全に目を覚ましてしまう前に、その力を分散するため、探索者達は小海の体を解体して食べる決断をする。その結果、杉も含めた探索者達は皆狂ってしまったのだった。

るぅは杉を止めるために大人の龍としての姿に変化し、神をも食らった杉を追い詰める。杉は龍に対して、「お前も同じく彼女を食ったじゃないか」と叫ぶ。しかし龍は「自分はいつか神を殺すという目的を忘れはしない」と宣言し、怪物になり果てた杉を撃退した。
2人が校庭の中央で戦っている最中、晴は学園の外へ逃げようと走り続けていた。その途中で片喰は上空に現れた神を見てしまい、恐怖で動けなくなってしまう。晴は過去に会ったくねくねの事件を思い出し、直視することで動けなくなってしまうのではないかと考え、神や化け物からは目を逸らして走り続ける。校舎の外へ出て少し走ったところで、小海が晴に声を掛けた。「私からも目を逸らしてしまうの」と問われ、晴は改めて自身のことを振り返る。晴は自分の中にあった悲しみ、虚しさ、行き場のない怒り、そして恐怖からもずっと目を逸らし続けてきたのではないかと感じる。小海は晴に「また目を逸らすのも、まっすぐに見つめるのも、あなたの好きにしていい」と告げる。その言葉に、晴は顔を上げて小海のことを見つめ、「あなたは誰?」と問いかける。その質問に小海は始めて嬉しそうに微笑むと、「やっと尋ねてくれたわね」と答えた。

一ヶ月後、学園の惨劇は異常水害によるものだとされ、多くの犠牲者を出しつつも収束した。晴に助けられた片喰は無事に生還したが、学園内で起きたことの記憶は曖昧だった。すぐにまた転校してしまった晴の身を案じていたが、彼女から無事を知らせる連絡を受けて安堵する。一方の晴は饗庭と共に探索者としての活動を続けていた。錠と親しかったハッカーの真金と丹羽とも協力し、新たな探偵事務所の所長として、怪奇事件に巻き込まれた人々を助けるために奔走するのだった。

『死もまた死するものなれば』の登場人物・キャラクター

最終4巻の表紙。背中合わせで立つ一望寺晴(いちぼうじ はるか、中央左)と小海(さうみ、中央右)。その背後にはそれぞれを守るように久々湊錠(くぐみ じょう、左上)の横顔とるぅ(右下)の顔が描かれている。

主要な登場人物

久々湊錠(くぐみ じょう)

漫画全体の冒頭で復讐犯の男性を追い詰めるサングラスの男性、久々湊錠(くぐみ じょう、画像中央)。

探偵の男性。普段は丸いサングラスをしているのが特徴的。依頼人や容疑者の話を親身になって聞き、もつれた謎を解き明かそうとする。ぶっきらぼうな態度をとることが多いが、それは相手を事件に巻き込まないようにしようという優しさの表れ。過去にも人間の仕業ではありえないクトゥルフ神話的な事件にいくつか遭遇した経験を持つ。ミナカミホテルの事件で死亡するが、その場に居合わせた小海の力で亡霊のような形で現世にとどまることになる。

一望寺晴(いちぼうじ はるか)

追いかけてくる化け物を誘導するようにミナカミホテルの中を走る一望寺晴(いちぼうじ はるか)。

好奇心旺盛で運動神経抜群な女子高生。赤毛のポニーテールを高い位置でシュシュで束ねている。優しい性格で、困った人を放っておけないお人好し。誰かを助けるために多少の危険を顧みずに行動する勇敢な面があるが、それだけ恐怖心が欠落しているともいえる。久々湊錠に助けられた経験から、自分も誰かを助けたいという強い思いを抱くようになる。

加古小海 / 久々湊小海(かこ さうみ / くぐみ さうみ)

中学生くらいのようだが妙に大人びている黒髪ロングの少女、小海(さうみ、中央右側)。

ミナカミホテルに弟らしきるぅという少年と共に宿泊していた中学生くらいの少女。長い黒髪が特徴的で、見た目の年齢の割には非常に落ち着いている。その正体は30年以上前に海底から浮上した神殿ルルイエで神話存在を眠りにつかせるための人身御供として育てられた巫女。実際にルルイエが浮上した時、歴戦の探索者と共に海の底へ向かい、身を投げた。しかし儀式は失敗し、その身に神が宿ることになってしまう。

加古るぅ / 久々湊るぅ(かこ るぅ / くぐみ るぅ)

白髪の癖毛で、小柄で身のこなしも俊敏なので戦闘行為も得意なるぅ(画像中央)。

小海の弟らしき小学生くらいの少年。白髪の癖毛で小柄な体格をしており、一見して性別がわからない中性的で可愛らしい容姿をしている。元々は優れた探索者であり、ルルイエが浮上した時にも小海を生贄に捧げるために海底に向かったメンバーの一人。当時の名前は流(りゅう)といい、成人男性だった。現在は小海に降りた邪神の力の一端を彼女の体の一部と共に体内に取り込んでいる。緊急の時にしか邪神の力は使わないが、力を発揮する時には元の大人の姿に戻る。

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