私の頭の中の消しゴム(韓国映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『私の頭の中の消しゴム』とは、イ・ジェハン監督・脚本の韓国の映画。日本では2005年に公開。
建築会社社長の娘キム・スジンと、スジンの父が経営する建築会社で現場監督として働くチェ・チョルス。2人は偶然に出会い恋愛を経てやがて結婚し幸せな生活を送っていた。そんな中スジンが若年性アルツハイマー病におかされていると判明する。症状が進みスジンはチョルスの事も忘れ始めるが、それでもなおチョルスはスジンを支えようとする。病という困難を抱えながらもお互いを愛し続ける男女のラブストーリーである。
ユナ(スジン友人)(演:ヒョン・ヨン)
スジンがチョルスと付き合う前に、偶然のふりをしてチョルスの横を通り過ぎる作戦に協力したり、建築士試験に臨むチョルスのためにスーツを作りたいというスジンの願いに応えたり、めんどくさがりながらもスジンのことを見守る優しい友人。
ミョンジュとジヒョン(スジン友人)(演:パク・ユニョン、パク・ミスク)
ユナと同じく、スジンのためにチョルスに近づく作戦に協力したりチョルスのためのスーツ作りを手伝ったり、スジンのことを見守る優しい友人たち。
チョルスの部下の建築作業員3人(演:チン・ヨンオク、ソ・ジノン、シン・ヒョンタク)
チョルスと共に現場で働いた後一緒に居酒屋に行ったり、チョルスが建築事務所を開いた時にもついていったりして、チョルスのことをとても慕っている。
療養所の看護師(演:イ・ジョンイン)
療養所でスジンの世話をしている看護師。外出許可を取ってスジンがソウル市内の思い出のコンビニに行った時にも同行した。
『私の頭の中の消しゴム』の用語
アルツハイマー病
不可逆的な進行性の脳疾患で、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、最終的には日常生活の最も単純な作業を行う能力さえも失われる病気である。どのようにアルツハイマー病が始まっていくかはいまだ分かっていないが、脳の障害は症状が出現する10年以上も前に始まっているとみられている。
この映画でスジンがおかされていた若年性アルツハイマー病は非常にまれな型で、アルツハイマー病の人全体に占める割合は5%未満である。そして若年性アルツハイマー病のほとんどの症例は家族性で、親から受け継がれた既知の3つの遺伝子のうちのいずれかの変化によって引き起こされる(スジンも「遺伝的な要因が大きく作用した珍しいケースだろう」とイ先生に言われている)。また、ストレスや不安またはうつ病などの感情面の問題によって、もの忘れがひどくなることもある。
『私の頭の中の消しゴム』のみどころ
スジンを演じているソン・イェジンの演技力
主演のソン・イェジンは、不倫相手に振られ新しい恋をし妻になりそして病に悩むなど、この映画の中でスジンの様々な感情を高い演技力で表現している。
その中でも一番の注目すべきシーンは、チョルスのことが記憶によみがえり、チョルスに「ヨンミンさん。愛してる」とひどいことを言ってしまったことも思い出して涙を流すシーンである。約1分40秒にわたってセリフもなしで、目の動きや顔の表情などでこみ上げてくるスジンの「申し訳ない」と言う思いを切実に表現している。
チョルスのふるまいの変化
まだスジンと付き合う前のチョルスは、仕事中上司と言い争いになるとヘルメットを投げて反発したり、内装の助っ人としてスジンが手がけていたスーツギャラリーに訪れた時にはいきなりハンマーで壁に穴をあけるなど、粗暴なふるまいが目立っていた。
しかしスジンと付き合い始め結婚してからは、スジンに説得されて自分を捨てた母を許そうとしたり、何年かぶりに会った大工の師匠に作って持っていった飾りを酷評されても怒りをぐっと抑えるなど、感情をコントロールしようとする姿が見受けられる。スジンと出会った事で、チョルスは人間的にも大きく変化していたのだった。
『私の頭の中の消しゴム』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
2回出てくるセリフ
この映画の中では、スジンが記憶をなくしていく様子(またはスジンがそれだけは忘れていないという事柄)を象徴するように、2回出てくる言葉がある。
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目次 - Contents
- 『私の頭の中の消しゴム』の概要
- 『私の頭の中の消しゴム』のあらすじ・ストーリー
- スジンとチョルスの出会い
- スジンの病の進行
- チョルスの決意
- スジンからの手紙
- 『私の頭の中の消しゴム』の登場人物・キャラクター
- キム・スジン(演:ソン・イェジン、日本語吹替:小林さやか)
- チェ・チョルス(演:チョン・ウソン、日本語吹替:三木眞一郎)
- ソ・ヨンミン室長(スジンの元不倫相手)(演:ペク・チョンハク、日本語吹替:堀内賢雄)
- アンナ・チョン(ヨンミン妻の同級生)(演:イ・ソンジン)
- キム社長(スジン父)(演:パク・サンギュ、日本語吹替:小島敏彦)
- スジン母(演:キム・ヒリョン、日本語吹替:松岡洋子)
- チョンウン(スジン妹)(演:ソン・ジヒョン、日本語吹替:木下紗華)
- オ・チョンジャ(チョルス母)(演:キム・ブソン、日本語吹替:宮寺智子)
- 寺大工(チョルスの師匠)(演:チャン・イナン、日本語吹替:大塚周夫)
- ファン会長(チョルスに家の設計を依頼)(演:イ・ハン、日本語吹替:佐々木敏)
- イ医学博士(演:クォン・ビョンギル、日本語吹替:山野史人)
- イ先生の元で働く看護師(演:チョン・ウネ)
- ユナ(スジン友人)(演:ヒョン・ヨン)
- ミョンジュとジヒョン(スジン友人)(演:パク・ユニョン、パク・ミスク)
- チョルスの部下の建築作業員3人(演:チン・ヨンオク、ソ・ジノン、シン・ヒョンタク)
- 療養所の看護師(演:イ・ジョンイン)
- 『私の頭の中の消しゴム』の用語
- アルツハイマー病
- 『私の頭の中の消しゴム』のみどころ
- スジンを演じているソン・イェジンの演技力
- チョルスのふるまいの変化
- 『私の頭の中の消しゴム』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 2回出てくるセリフ
- 「お前は自信過剰だ。人生は怖いものなのに」
- 「親か国でも失ったのか?」
- 「お父さんは私のクリスマスよ」/「サンタクロースは12月25日」
- 『私の頭の中の消しゴム』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 映画のタイトル
- メインキャスト2人が共通して感じたこと
- 『私の頭の中の消しゴム』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:A Moment To Remember(大島ミチル作曲の『風笛』のカバー曲)
- 日本版主題歌:アンダーグラフ『遠き日』
- 挿入歌:La Paloma(キューバの民族舞曲・ラテン音楽)
- ED(エンディング):GUMMY『童話』
- 『私の頭の中の消しゴム』の関連動画
- 『私の頭の中の消しゴム』日本語字幕付予告編