私の頭の中の消しゴム(韓国映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『私の頭の中の消しゴム』とは、イ・ジェハン監督・脚本の韓国の映画。日本では2005年に公開。
建築会社社長の娘キム・スジンと、スジンの父が経営する建築会社で現場監督として働くチェ・チョルス。2人は偶然に出会い恋愛を経てやがて結婚し幸せな生活を送っていた。そんな中スジンが若年性アルツハイマー病におかされていると判明する。症状が進みスジンはチョルスの事も忘れ始めるが、それでもなおチョルスはスジンを支えようとする。病という困難を抱えながらもお互いを愛し続ける男女のラブストーリーである。

「お前は自信過剰だ。人生は怖いものなのに」

スジンに「お前は自信過剰だ」と言うチョルス

最初にこの言葉が出てくるのは、チョルスがスジンに言った言葉としてである。
父にチョルスを紹介してどうしてもチョルスと結婚したいスジンは「愛する人との結婚を夢見るのは悪いこと?」とチョルスに言った。しかしチョルスは“愛しているから”という感情的な理由だけで結婚するのではなくて、一緒になって一生を共にする・夫として責任を取るというところまで考えていたので「俺は責任はとれない。いやとりたくない。怖いからだ」「お前は自信過剰だ。人生がどれだけ怖いものか分かっているか?結婚したとして、それだけで本当に幸せになれるのか?」とスジンに言った。

次にこの言葉が出てくるのは、スジンがチョルスに言った言葉としてである。
スジンがアルツハイマー病におかされていると知ったチョルスに対し、スジンは別れようと切り出し「もう終わり。記憶が消えるのよ。幸せとか愛とかそんなの無意味だわ。忘れちゃうから優しくしないで」と言った。しかしチョルスが「全部覚えておくよ。俺は頭が良くて建築士の試験にも受かったんだからな」と自信満々に答えたので、「あなた自信過剰ね。人生は怖いものなのに」と以前チョルスがスジンに言った言葉を使って答えた。

「親か国でも失ったのか?」

泣き出したスジンを見て「お前は泣き虫だな。親か国でも失ったのか?」と言うチョルス

最初にこの言葉が出てくるのは、チョルスがスジンに対して言った言葉としてである。
チョルスを父に紹介して結婚をしたいスジンが、わざわざチョルスの仕事現場まで行って説得する。「一人で生きていけるの?」とスジンが聞いても「一緒に生きたとして、死ぬときも一緒に死ねるのか?一人で生まれて一人で死んでいくのが人生だ、違うか?」とあっさり言うチョルス。なかなかチョルスと意見がかみ合わないので泣き出したスジンに「お前は泣き虫だな。親か国でも失ったのか?」とチョルスは諭すように言った。
次にこの言葉が出てくるのは、スジンがチョルスに言った言葉としてである。
スジンがアルツハイマー病におかされていることを知ったチョルスが涙ぐみながら「心配するな、治療法が見つかる」と言うと、スジンは以前泣き出した自分に対しチョルスが諭すように言った言葉を思い出して少し笑いながら「親か国でも失ったの?泣くなんてバカね」とチョルスの言葉を引用して言った。

以前は結婚したいとごねるスジンにチョルスが教訓の様にこの言葉を言っていて、まさに“押す”スジンと“引く”チョルスという状況だった。しかし今回は、スジンは「アルツハイマー病だからどうせ全て忘れてしまうから優しくしないで」と半ばあきらめた様に話して、チョルスはスジンが病にかかっていたとしても一生懸命支えようと励ますという“押し”・“引き”が逆の状況の中、涙ぐんだチョルスに対しスジンが教訓の様に言ったのだった。チョルスに言われた言葉をしっかり覚えていたスジンだった。

「お父さんは私のクリスマスよ」/「サンタクロースは12月25日」

スジンが「お父さんは私のクリスマスよ」と言ったので「ん?」と答えるスジンの父

クリスマスに関連した「お父さんは私のクリスマスよ」という言葉が出てくるのは、スジンが仕事で手がけているスーツギャラリー開業が内装業者が逃げて頓挫してしまったため、スジンが父に電話をかけて助けてくれないかと頼むシーン。
父が「もちろん。お父さんはお前の部下だから」と言って快諾してくれたので、スジンは喜んで「お父さんは私のクリスマスよ」と言った。父が「ん?」と返事すると、スジンは笑いながら「サンタクロース」と訂正した。

もう一つクリスマスに関連した「サンタクロースは12月25日」という言葉が出てくるのは、チョルスの前から姿を消し療養所に入っていたスジンが、記憶が戻った記念にチョルス宛に手紙を書いたその中の言葉。
記憶が戻ったことの証明に「サンタクロースは12月25日。すごいでしょ」とスジンは手紙に書いていた。クリスマス関連の言葉については、父と電話で話すシーンでは“サンタクロース”を“クリスマス”と混同してしまったのをちゃんと「サンタクロース」と訂正したが、今回は間違えたまま手紙に書いてあった。記憶が戻っている間は封筒にチョルスの名前や住所も書けていたのだが、まだ一部スジンの記憶が混乱していることを象徴するような言葉である。

『私の頭の中の消しゴム』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

映画のタイトル

この映画の原作は日本のテレビドラマである。その日本の原作ドラマの中でヒロインが言う「私の頭の中には消しゴムがあるの」という言葉がそのまま本作の映画のタイトルになっている。
主演俳優のチョン・ウソンとイ・ジェハン監督が来日した際には、原作でヒロインを演じた女優の永作博美が私の台詞をタイトルに付けてもらえて嬉しいです」と語っている。

メインキャスト2人が共通して感じたこと

チョン・ウソンは今作出演時デビューして11年目で、メロドラマにも挑戦したいと思っていた。そんな中で数多くの台本を読んできて感じたことは、当時男女の恋愛ものについてはラブコメが主流だということだった。チョン・ウソンはそういったものよりはもう少し真剣に愛を扱った作品が良かったので、今作への出演を決定した。
またソン・イェジンも初めて台本を読んだ時のことについて「確かにメロドラマではあるけれど、今まであったメロドラマの台本とは違うと思いました。」と語っている。

また、2人とも「人は辛い記憶があるからこそ、良い記憶が長く残る」として、どちらも残っていて欲しいと語っている。

『私の頭の中の消しゴム』の主題歌・挿入歌

主題歌:A Moment To Remember(大島ミチル作曲の『風笛』のカバー曲)

日本版主題歌:アンダーグラフ『遠き日』

挿入歌:La Paloma(キューバの民族舞曲・ラテン音楽)

ED(エンディング):GUMMY『童話』

『私の頭の中の消しゴム』の関連動画

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