プラネット・ウィズ(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『プラネット・ウィズ』とは、「J.C.STAFF」製作のオリジナルアニメーション作品。2018年に放送。本作は漫画家「水上悟志」が書き下ろしたネームを元に製作されている。漫画版は水上悟志自らが描いている。主人公「黒井宗矢」は記憶喪失の状態で「先生」「黒井銀子」の二人と暮らしていた。ある日、街に「ネビュラウェポン」と呼ばれる謎の飛行物体が現れ、それをヒーロー7人が倒す。しかし宗矢は銀子にヒーロー達を倒すように言われるのであった。

宗矢の必殺技・下駄パンチ。

宗矢と隆は激闘の末、生身の宗矢の下駄パンチによって勝敗が決まった。
宗矢は当初から下駄を気に入ってトレーニングに用いたりするなど、何かと下駄への拘りが強かった。
それが伏線となり持っていた下駄でのパンチ、その名も下駄パンチを繰り出す。
靴としても攻撃アイテムとしても活躍する下駄であるが、隆の思う正義とはその下駄ほどの価値も無いと一喝する。
このシーンのあとも先生が閣下に下駄パンチする場面がある。

「運命とは結果だ!やれるだけやった後に語るものだ」

シリウスへ向かう先生と銀子。

シリウスから攻撃を受けているリエル。
リエルの姫である銀子は民を守っていたが、シリウスの戦闘員に囲まれピンチになってしまう。
それを救ったのが先生であった。
しかし今度は惑星シリウスは龍からの攻撃を受けていると知り、シリウスを救いに行こうとする先生に銀子は何か役に立てるはずだと付いて行く。
閣下はすでに龍がシリウス全土を焼き払ってしまっていていくだけ無駄でこれがシリウスの運命であると止めるが、先生はそれを否定しシリウスへ向かった。
結果先生は一人だけ生き残っていた宗矢を発見するのであった。

「わんしか言ってないけど、本当にそんなに長い内容言ってるのか…?」

「わん」という一言に長文の意味が込められている。

ネビュラの仲間入りをした紅華と葉介。
これまで閣下の言葉は白石が通訳していたが、葉介も閣下の言葉が分かるらしい。
紅華は葉介に通訳してもらって閣下と会話するが、閣下は「わん」しか言わない割りに葉介の通訳の言葉は長い。
紅華は思わず本当にそんな長い内容を言っているのかと聞いてしまうが、葉介は質問の意味が分からないというポカンとした表情で「言っている」と答えた。

「帰ってください!黒井くんは今まで町を守りました!守る為じゃなくても戦ってくれました!だから!今度は私が黒井くんを守ります!」

ただ守られるだけではなく、宗矢を守ろうとするヒロイン・のぞみ。

宗矢は敵である龍の波長を持つ竜造寺隆を倒し、その後、闘う理由を見失ってしまう。
しかし白石は宗矢に穏健派になるか封印派になるかと迫り、穏健派の先生たちに属するであろう宗矢に正々堂々の戦いを挑む。
だが宗矢は自分の故郷はもう無いし、家族や友達も全て死んでしまったし、戦っても戻ってはこないと気持ちを吐露し、もう戦いたくないと泣き出してしまう。
するとその場に居たのぞみは宗矢を庇い、宗矢にもう闘わなくて良いと言い、白石を追い払おうとする。
のぞみは地球人では無い宗矢を侵略者とは思わず、復讐のためとは言え結果的に自分達を守ってくれたと宗矢に感謝していた。
その姿を見た先生と銀子は、のぞみはとても良い子だと感じ、愛の進化種族ネビュラとして愛のあるのぞみの行動を嬉しく思うのであった。

「復讐はもういいのか?」「もういい…戦いたくない」「分かった…よく言った。俺がやる!」

虎居は、英雄(ひでお)という名前が似合うキャラクター。

虎居ものぞみと同じく、宗矢に意思を確認した上で宗矢の気持ちを尊重する。
丁度この時紅華が封印派として街に攻めて来ていたが、戦いたくないという宗矢の気持ちを聞くと、紅華と闘う役を自分から買った。
虎居はこの時まだ自力で念動巨神装光を出した事がなかったが、どうにか念動巨神装光を出現させ紅華と闘う。
根っからのヒーロー体質である虎居は、困っている人やピンチに落ち居ている人など助けを求めている人をほおっておけないのである。
本作の中でも特に虎居は「大人」としての立ち回りが目立ち、子供に全ての責任を被せず、宗矢すらも守るべき対象と見ていた。

「この星はどうか…!間違えないでくれ!」

ネビュラウェポンと合体した葉介によって、地球人全てが封印されてしまう。
意識が残っていたのは宗矢のみで、宗矢の目の前で先生・銀子・のぞみも眠りについてしまう。
楽園の民に協力してもらい、宗矢は地球の人間全てに自分は宇宙人であること、現在の状況を説明し、その上で今見ている幸せな夢から目覚めたい人は手を上げて欲しいという。
すると宗矢の声を聞いていた人々は手を挙げ、それを楽園の民が引き上げていく。
その姿を見た宗矢は自分の星シリウスは力を持ちそれを侵略に使ってしまった、だから地球人は間違えないで欲しいと叫び涙する。
目覚めた人々は皆涙を流しており、ひと時の夢であっても幸せな体験をさせてもらった事や死んでしまった者と会わせて貰った事を喜び、宗矢の言葉を覚えていた。
しかし全ての人間が目覚めたわけではなく、目覚めたのは人口の約八割で、夢を見たまま目覚めない道を選んだ者もいた。

「どんなに辛くても過去は過去だ!帰る故郷がないって現実が、俺の居場所だ!」

優しい夢を見せて野心や我欲のない人物にしてしまうネビュラ封印派。
故郷を滅ぼされ辛い身である宗矢はそれでも現実を選び、それを自分の居場所だと肯定する。
何故なら宗矢は辛い過去があったからこそ先生や銀子そしてのぞみに出会う事が出来て、現在があるのである。
一方、葉介にとっては紅華が世界であり、それが全てであった。
その紅華は封印装置によってこれまでの紅華ではなくなってしまい、葉介の世界はなくなってしまう。
兄も失い、紅華も失い、葉介にとってはもう幸せな夢を見ることしか救いが無いのである。
宗矢に負けた葉介は自分の死を覚悟しその上でそれでも良いと微笑むが、それを救ったのは宗矢の演説によって夢から目覚め、元の人格に戻った紅華であった。
その後葉介は紅華に戦いが終わったら一緒に兄(紅華にとっては先輩)の元に行こうと心中を提案し、紅華は考えておくと答える。
しかし封印派と穏健派の戦いを見て、龍がまだ生きていてこれから目覚めるを知り、紅華は自分にはまだやる事があると現在を生きていく決意をし、葉介もそれに賛同する。

「キミはボクの自慢の弟だよ!」

龍との最終決戦へ挑む前日の夜、宗矢と銀子は屋根の上で二人で話す。
銀子はシリウスに攻撃されたリエルの姫、宗矢はシリウスの民で、客観的に見れば二人は被害者と加害者の関係にある。
しかし銀子は宗矢を加害者とは思わず、自分もリエルの民もシリウスを許し、宗矢を受け入れるという。
リエルは愛の進化種族ネビュラ加入を目指しているため、許す心を育んでいるのである。
宗矢は復讐をしない銀子及びリエルを立派だと褒めるが、銀子は宗矢も同じだと言う。
宗矢は自分とは関係ない地球を守り、自分の故郷を滅ぼした龍を許しに行く、それは家族として誇らしい事だと言って銀子は微笑む。
銀子は宗矢を弟と呼び、宗矢は銀子を姉さんと呼んだ。
血は繋がってなくても二人は家族なのである。

「竜よ、私は証明したぞ」

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