プラネット・ウィズ(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『プラネット・ウィズ』とは、「J.C.STAFF」製作のオリジナルアニメーション作品。2018年に放送。本作は漫画家「水上悟志」が書き下ろしたネームを元に製作されている。漫画版は水上悟志自らが描いている。主人公「黒井宗矢」は記憶喪失の状態で「先生」「黒井銀子」の二人と暮らしていた。ある日、街に「ネビュラウェポン」と呼ばれる謎の飛行物体が現れ、それをヒーロー7人が倒す。しかし宗矢は銀子にヒーロー達を倒すように言われるのであった。

アズラバラクラ本体。

『プラネット・ウィズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

宗矢の過去

シリウスにいた頃の宗矢と兄。

宗矢はシリウスでごく普通に暮らしていたが、龍によって住んでいた街や、大好きな兄を失ってしまう。
龍の攻撃を逃れ気絶してる所を先生と銀子によって保護され、その後目覚めると記憶を失っている状態にあった。
そして龍の力を宿す小瓶を見た事で全てを思い出す。
序盤では龍を恨んでいる事、龍が故郷を滅ぼした事のみしか明かされず、徐々にシリウス人とリエル人の話などが明らかになっていく。

龍が襲撃してきて、宗矢は先生と銀子に保護される。

シリウスとリエル

侵略活動をするシリウス。銀子は民を守るためにバリアを張る。

サイキック能力に目覚めた惑星シリウスと惑星リエル。
シリウス人は念動能力に優れ、テレパス能力に優れ平和を好むリエルを侵略しようとする。
リエルの姫であった銀子がシリウス人たちの攻撃から民を守っていると、そこに先生が助けに現れた。
銀子はリエルを愛の進化種族であるネビュラに加入させることを目指し、先生に弟子入りする。
先生と銀子はシリウスに向かった龍を追いかけ、銀子のテレパス能力によって龍の居場所を特定し、たった一人の生き残りである宗矢を発見した。
龍はシリウス人は全て滅ぼすべきだと言うが、先生はシリウス人でも愛や正義の感情は芽生えるのだと証明するために宗矢を育てる、と龍に言う。
龍に宣言した通り、宗矢は優しさや愛を持った人間に育ち、先生は龍へ証明して見せた。
シリウスとリエルは被害者と加害者の関係であったが、銀子は宗矢を恨まず、銀子曰くリエルの民もシリウス人である宗矢を受け入れるだろうと語る。
宗矢はそんな銀子を尊敬し、銀子も地球のために戦った宗矢を誇りに思い、血は繋がって居ないが二人は姉と弟の家族関係になる。

接近していく宗矢とのぞみ

高校生ののぞみと宗矢。

宗矢に始めて出来た地球人の友人がのぞみであった。
初めはのぞみの名前が覚えられない宗矢であったが、「のぞさん」と呼ぶようになり、次第にのぞみに会うために学校へ行く様になる。
学校の生徒達が次々と引越しや疎開していなくなってしまう中、のぞみは両親と共に街に居残り、宗矢にとって守りたい対象となっていく。
のぞみの方も、宗矢が何らかの方法で自分達を守ってくれている事に気づき、宗矢に感謝し応援する。
のぞみはネビュラソルジャーが宗矢だとは知らないものの、街を守るように闘う行動を見てネビュラソルジャーを悪や侵略者とは捉えていなかった。
また、宗矢が闘い理由を無くし、もう戦いたくないと泣き出すと、無力な一般人でありながらも白石から宗矢を庇おうとした。銀子と先生からは良い子であると高い評価を受けた。
大学生になった頃には二人は交際を始め、二人ともサイキックに目覚めたため、のぞみが何処にいるか宗矢がテレパスで当てるという修行をしていた。
初めはクラスメイトの一般人であったのぞみであるが、地球人とどこか距離を置いていた宗矢と心を通わせ、宗矢の心の成長を促す重要な存在となっていく。

大学生ののぞみと宗矢。

封印派の見せる優しい夢

死んでしまった先輩が実は生きているという夢を見ている紅華。

ネビュラ封印派は、ネビュラウェポン又は封印装置と呼ばれる兵器で、地球人たちを封印しようとする。
その方法は、封印装置で叶う事がない幸せな夢を見せ、その人の抱く願望を叶えさせる事により我欲を失くすというものである。
亡くなった人との再会や、コンプレックスの解消、現実ではありえない美少女ハーレム、札束のお風呂、など見る夢は人によって様々。
グランドパラディンでは根津屋が最初に夢を打ち破れずに眠り続け、目覚めた後は中二病気のない大人となってしまう。
その後、紅華が生身で封印装置に晒されたため眠りにつき、片想いをしていた警察時代の先輩である葉介の兄が生きていたという夢を見る。
目覚めた紅華はトゲトゲしさの抜けた別人となり、紅華が自分にとっての全てであった葉介はもう自分の知っている紅華はいないと絶望してしまう。
そして葉介は封印装置と合体して地球人全てを封印してしまうが、宗矢の呼びかけによって8割が夢からの目覚めへと至った。
2割は寝たままということでもあり、夢を見ることでしか救われない人もいる、ということである。
グランドパラディンたちはネビュラウェポンの中で各々夢を見せられるが、打ち破る際にそれぞれ何らかの言葉を囁かれている。
それは本人がコンプレックスに思っていたことや、誰かに言って欲しかったことであるのか、詳細は不明であるが、格キャラクターの本質に迫る言葉になっている。

目覚めた紅華は、以前のようなトゲのない穏やかな性格に。

「白石君!今、服…どうなって…!?」

あまり存在感を出していなかった秘書・白石の正体はネビュラ封印派のメンバーであった。

隆の秘書だった白石は、実はネビュラ封印派のメンバーで閣下の右腕であった。
白石は自ら隆に自分がネビュラのメンバーであることを告白し、その場で秘書のスーツから戦闘服に早着替えしてみせる。
隆は白石がスパイであったことよりも、白石が突然過激な戦闘服に早着替えした事の方にとても驚く。
白石に何かあることを隆は事前に気づいていたためスパイであることに驚かなかったのか、それとも単純に早着替えへの驚きが大き過ぎたのか。
シリアスなシーンのはずなのにどこか笑ってしまうシュールなシーン。

「隆に世の理不尽に耐え、尚優しい…それが正義より尊いものじゃと伝えてくれんか」

岳蔵は隆が間違ったことをしている事に気づきながらも、最後まで隆の味方であろうとした。

宗矢と岳蔵の戦いが終わり、負けてしまった岳蔵が宗矢に隆への気持ちを託したシーン。
隆の正体が龍であることが後に判明するが、龍も隆も両方とも理不尽を嘆き、悪を根絶する事を正しいと考えていた。
そして強者である自分が絶対的な支配者になることで、地球が平和になると本気で考えていたのである。
父である岳蔵の言う通り、隆に足りなかったものは優しさと耐えることであるのであった。
しかし宗矢と隆の戦いが終わり、宗矢がこの言葉を隆に届けた時、隆はもう瀕死状態で言葉を聞き届けた後消滅してしまった。
行き過ぎた正義は時に悪となる、耐えて守る優しさや許す心こそが大事という本作のストーリーやテーマを表すセリフである。

「正義なんか…下駄ほど役には立たねーよ!」

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