夏色キセキ(スフィア)のネタバレ解説・考察まとめ
『夏色キセキ』は2012年4月から6月まで放送されたテレビアニメ。
2009年の結成当初から温められていた寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生による声優ユニット「スフィア」の4人を主演にしたアニメの企画が実現したもので、静岡県下田市に住む女子中学2年生4人の日常と、御石様と呼ばれる願い事を叶える不思議な石の力によって巻き起こる「キセキ」が描かれている。
作品の舞台となった下田市民からは作品終了後も愛されており、キャラクターの誕生日が近付くと「誕生日会」と銘打ったオフ会イベントが行われている。
凛子の実家である姫石神社にある、願い事が叶うと言われている石。
この石の起こす不思議な力によって夏海達は様々なキセキを経験する。
必ずしも4人で願う必要はなく、紗季になりたいと願った優香が紗季と入れ替わる(凛子も便乗して夏海と入れ替わる)など個人の願いでも叶った事がある。
キセキの力が発動する条件と解除される条件だが、優香が「気まぐれ」と評したように規則も法則もなく完全に不明である。
なお、八丈島や東京にも「御石様の親戚」と凛子が呼ぶ石があり、その石に触れた事によって下田を離れた状態でもキセキの力が発動した。
キャンドルカフェ
2016年まで下田市で行われていたイベント。
有料(2012年当時は100円、最後に行われた2016年は300円)で配布される「ドリーミングシート」というシートに願い事を書き、キャンドルに火を灯すイベントで『夏色キセキ』で夏海達も参加している。
姫石神社
凛子の実家の神社。
姫石で「ひめいし」と読むが、読み方を変えれば「きせき」とも読めるため、ファンの間では御石様やタイトルにもある「キセキ」と合わせたダブルミーニング説が根強く持たれている。
御石様関連で夏海達が訪れるためほぼ毎回登場するが、同じ名前の神社が日本各地にあるとの事で、凛子は触れただけで親戚か否か察する事が出来る。
また、各地にある「御石様の親戚」は東京にある姫石神社から切り出されたものらしい。
フォースターズ
小学校の時に出場したのど自慢大会で優勝した夏海達4人のグループ名。当然、名前の由来はフォーシーズンから来ている。
中学生となって4年ぶりに参加したのど自慢大会でも優勝しており、下田市という狭い世界ではあるが、2008年から2012年の間に2度の優勝を誇る「強豪グループ」である。
4年後の後日談では、優香がプロデューサーに掛け合ってみんなでテレビに出ようと提案しており、凛子の意味深なセリフに加え優香の「フォースターズ始動!」というセリフがあったので2016年にテレビ出演からのデビューを描いた劇場版か続編があるのではと期待する声があったが結局何もなく、思わせぶりなセリフを残したまま終わってしまった。
『夏色キセキ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
花木優香「常識と友達だったら私は友達を信じる」
御石様の力によって夏海達が空を飛んでいたところを目撃した祐介は、それを大樹に話すが相手にされず、信じて欲しいとしつこく食い下がった事がきっかけで喧嘩になってしまう。
いつものように旅館の手伝いから逃げ出して来た優香と凛子(夏海と紗季の願いによって、優香と凛子がくっついた状態でいた)に出会った大樹は、元気がない事を心配してくれた優香に祐介と喧嘩した事を話す。
「女子4人が空を飛ぶとか常識的ではない」と、常識的な観点で見ればむしろ正論を言う大樹だが、その正論に対して優香は常識よりも友達を信じると返す。
大樹の言う通り、嘘を言っているとしか思えない、非現実的な事を言う友達を信じるのは無茶苦茶に思える。
だが、4年前にクジラが見えると授業中に言い出して噓つき呼ばわりされた凛子をかばった優香にとって、常識よりも友達を信じるという事は当たり前だった。
友達を大事にする優香の魅力と性格が伝わる名言である。
逢沢大樹「ぼくは今日、下田では、ときどき女子が空をとんでも、おかしくない、と思いました。」
大樹と祐介を仲直りさせるため、紗季は再び御石様の力で空を飛ぶ事を提案する。
しかし、御石様の力は発動せず、紗季の言葉を信じて秘密基地で待っていた祐介と大樹は待ちぼうけに終わってしまう。
空を飛んで見せるという約束を守れなかった事を謝る紗季に、祐介は「さようなら」と言い残し立ち去るが、その姿を見た夏海に「大祐君行っちゃうよ」と促され、大樹は祐介を追って無事に仲直りする。
その夜、絵日記を書いていた大樹は仲直りに協力してくれた夏海達に心の中で感謝しながら、非現実的すぎる、再提出確実な名言(迷言?)を書き残すのだった。
環凛子「離れ離れになっても友達は終わらないよ」
物語が中盤から終盤に差し掛かるにあたって、視聴者の最大の注目はいつまで経っても紗季の引っ越しを受け入れられない夏海がいつ引っ越しを受け入れるのか、そしてどうやって紗季を送り出すかだった。
八丈島に向かう船の中で「仕方ない」と自分を納得させる紗季に対して、家で預かる(しかも帰ったら紗季の両親に直談判する)とわがままを言い出す夏海の心が八丈島編でどう変わるのか、視聴者は大いに注目していた。
紗季が透明人間になってしまったその日の晩、優香と凛子はどうすれば紗季が元に戻るのか、そもそもどうして透明人間になってしまったのかを考えていた。
そこに夏海も加わり、引っ越しに対して悩んでいる気持ちが紗季を透明人間にしたと言い、これまで紗季の引っ越しに対して思っていた事と、別れが淋しい気持ちを優香と凛子にぶつける。(旅行前、紗季は自分が夏海達から見えなくなってしまう夢を見ており、それが透明人間の伏線になっている)
「仕方ない」と言って自分を納得させている姿を見て分かる通り、紗季も下田を離れたくないのは誰の目にも明らかだったが「帰ったら紗季の両親に連れて行かないでとお願いする」とわがままを言っていた夏海も紗季を悩ませる原因の一つだった。
紗季が引っ越したくない気持ちを抱えているように、優香と凛子も紗季との別れは嫌だったが、中学生はまだ子供であり、子供である以上親に付いて行くしかないと優香も凛子も冷静に受け止めていた。
そして、紗季にも言った「家で紗季を預かる」という現実的ではないわがままを優香と凛子にも言うが、そんな夏海を凛子は優しく諭し、優香も夏休みになったら1日掛けてみんなで会いに行こうと提案する。
この3人の会話は廊下で見ていた紗季と視聴者が求めていたものであり、それが翌日の夏海のセリフに繋がる、作品の大きなターニングポイントととなる重要なシーンである。
逢沢夏海「大丈夫!絶対いい先生だよ 私達の友達のお父さんだよ」
透明人間になってから一夜明けても紗季が戻る気配はなく、筆談で会話する状態が続いていた。
八丈島を案内してくれるという千晴に対し、紗季を置いて行く事は出来ない夏海達だが、ノートに書かれた「行こう 私も行けばいいでしょ」という言葉を見て観光に向かう。
千晴の案内で透明人間の紗季と一緒に八丈島観光を楽しむ夏海達は、次に紗季の両親の診療所に向かう。
診療所を見学する夏海達だが、先程タクシーに乗って診療所に向かっていた夏海達を見た小晴が診察室に入って来る。
BDのコメンタリーでこのシーンを見ていたスフィアの4人が夏海と小晴が似ていると語っていたように、夏海が紗季に対して抱いている気持ちと小晴が先生に対して抱いている気持ちは同じ「淋しい」という感情で、夏海と紗季の衝突も、小晴と夏海達の衝突も、別れを受け止められない中学生だからこそ起こる衝突だった。
一方、小晴が先生を慕っていたように、千晴も先生を慕っており淋しい気持ちは当然持っていた。
千晴も先生との別れを悲しむとともに、新しく来る先生がいい先生だといいねと期待の言葉を口にする。
その言葉に真っ先に反応したのが夏海であり、紗季が尊敬する父親の医師としての力量と人格に太鼓判を押す。
これまで紗季の引っ越しに反対していた夏海が初めて引っ越しを受け入れた瞬間であり、透明人間だったため夏海達から表情は見えないが、夏海の言葉に紗季も笑顔を見せていた。
水越紗季「終わらないものは思い出になってくれない」
Related Articles関連記事
侵略!イカ娘(Squid Girl)のネタバレ解説・考察まとめ
「侵略!イカ娘」とは安部真弘による漫画、及び2010年にディオメディア製作のアニメーション作品。2011年には第二期「侵略!?イカ娘」が放送された。主人公である「イカ娘」の「~じゃなイカ?」「~でゲソ」という口調がネットで流行し、2010年度ネット流行語大賞銅賞を受賞した。「イカ娘」は人類を侵略するために地上に現れるが、海の家「れもん」で働く事になってしまう。日常ドタバタコメディ。
Read Article
戸松遥(Haruka Tomatsu)の徹底解説まとめ
戸松遥とは2007年からデビューし、多くの作品を手がける人気声優。歌手としての活動も行なっている。 声優としてデビューしたことがきっかけになり、後に歌手としても活動するようになる。また、ラジオパーソナリティやナレーターなど様々なジャンルを手掛けて活動する。 現在もアニメやゲームといったサブカルチャーをメインに活動している。
Read Article
アニメで町おこし狙い▶︎失敗した町まとめw
世界でも大人気の日本のアニメでは、その人気の高さから町おこしができるほど影響力が出ることもあります。現に、誰も知らない&誰も来ない町や村に、数多くのファンが訪れ、結果的にウン十億円の経済効果を出したところもあるのです。しかし当然ながら、その陰ではアニメが放送されたにもかかわらず、結局町おこしに失敗してしまった町が多々あるのです。
Read Article
イラストレーター・左さんの美麗イラストまとめ
イラストレーター・左さんの綺麗でかわいいイラストをまとめました。
Read Article
人気声優プロフィール・経歴・出演作品まとめ
人気アニメや人気ゲームなどに出演されている声優の方々のプロフィール・経歴・出演作品をまとめた記事です。今まで声優さんに興味のなかった方や、アニメを観ていたりゲームをやっていて「この人がやってたんだ!」と気づくこともあると思いますので、記事を読んで楽しんで頂ければなと思います。 ※画質が悪い画像があります。ご了承ください。
Read Article
【アニメキャラよりかわいい】雨宮天・内田真礼・竹達彩奈・南條愛乃・小倉唯【人気美人声優ベスト21】
雨宮天、M・A・O、津田美波、大西沙織、内田真礼、竹達彩奈、山下七海、南條愛乃、小倉唯、伊藤美来、小松未可子、藤井ゆきよ、茅野愛衣、上坂すみれ、佳村はるか 、立花理香、木戸衣吹、戸松遥、浅倉杏美、久保ユリカ、愛美。
Read Article
アニメx小説xゲームxパンチラの贅沢コラボ!「パンチライン」ADVゲームで新時代到来!
ADV(アドベンチャー)ゲームといえば、平面の絵にただただ文字が羅列を繰り返す単調で平和なゲーム…なんて、思い込んでいませんか?表舞台でアクションゲームやスマホゲームが人気の裏で、実はアドベンチャーゲームも大きくパワーアップしていたのです!それは、もはやただ文字を追うだけのゲームにあらず、まるで映画を見ているような躍動感や満足感を得られるのです!
Read Article
看板娘!人気女性声優を所属事務所ごとに紹介!戸松遥・水樹奈々など
様々な声色を使い分け、アニメや映画に命を吹き込んでいく声優たち。彼らはフリーで活動している場合もあるが、その多くが有名な声優事務所に所属して活動を行っているのだ。本記事では特に人気が高く様々な作品に出演している女性声優に焦点を当て、所属事務所ごとにまとめて紹介する。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『夏色キセキ』の概要
- 『夏色キセキ』のあらすじ・ストーリー
- 『夏色キセキ』の登場人物・キャラクター
- 逢沢夏海(あいざわなつみ) CV:寿美菜子
- 水越紗季(みずこしさき) CV:高垣彩陽
- 花木優香(はなきゆか) CV:戸松遥
- 環凛子(たまきりんこ) CV:豊崎愛生
- 逢沢涼夏(あいざわすずか) CV:沢城みゆき
- 逢沢大樹(あいざわだいき) CV:真堂圭
- 水越賢司(みずこしけんじ) CV:三木眞一郎
- 水越舞美(みずこしまみ ) CV:山崎和佳奈
- 花木貴子(はなきあつこ ) CV:長沢美樹
- 花木瑞帆(はなきみずほ) CV:名塚佳織
- 環航一郎(たまきこういちろう) CV:子安武人
- 環沙苗(たまきさなえ) CV: 恒松あゆみ
- 佐野貴史(さのたかし) CV:宮野真守
- 笠井(かさい) CV:鈴村健一
- 浅野(あさの) CV:沼倉愛美
- 石田(いしだ) CV:斎藤千和
- 木村祐介(きむらゆうすけ) CV:MAKO
- 啓太(けいた) CV:小松未可子
- フォーシーズン(Four Season) / ミハル、チナツ、アキラ、フユミ
- 沖山千晴(おきやまちはる) CV:茅野愛衣
- 沖山小晴(おきやまこはる) CV:寺崎裕香
- 『夏色キセキ』の用語
- 御石様
- キャンドルカフェ
- 姫石神社
- フォースターズ
- 『夏色キセキ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 花木優香「常識と友達だったら私は友達を信じる」
- 逢沢大樹「ぼくは今日、下田では、ときどき女子が空をとんでも、おかしくない、と思いました。」
- 環凛子「離れ離れになっても友達は終わらないよ」
- 逢沢夏海「大丈夫!絶対いい先生だよ 私達の友達のお父さんだよ」
- 水越紗季「終わらないものは思い出になってくれない」
- 『夏色キセキ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメの補完をしてくれるコミック
- スフィアの実話から来ている交換ノート
- 初期の構想で夏海達は自転車通学予定だった
- OPで4人が待ち合わせをしている場所
- 夏海達の憧れるアイドル
- 4話収録の裏話
- 意外とサプライズではなかった紗季の転校先
- 水島監督が語る『夏色キセキ』制作裏話
- 『夏色キセキ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):スフィア『Non stop road』
- ED(エンディング):スフィア『明日への帰り道』
- エンディング挿入歌:フォーシーズン『南風ドラマチック』(第7話)
- イメージソング:スフィア『優しさに包まれるように』
- メインテーマ:『夏色』
- 挿入歌 :逢沢夏海(寿美菜子)、水越紗季(高垣彩陽)『夢色グラフィティ』(第2話)
- 挿入歌 :花木優香(戸松遥)、環凛子(豊崎愛生)『初想いDay』(第4話)
- 挿入歌 :環凛子(豊崎愛生)『空飛ぶクジラ』(第5話)
- 挿入歌 :水越紗季(高垣彩陽)『夏休み』(第8話)
- 挿入歌 :逢沢夏海(寿美菜子)、花木優香(戸松遥)、環凛子(豊崎愛生)『夏を越えてキミと』(第9話)
- 挿入歌:逢沢夏海(寿美菜子)、水越紗季(高垣彩陽)、花木優香(戸松遥)、環凛子(豊崎愛生)『夏休みは終わらない』(第11話、第12話)