あまんちゅ!(Amanchu!)のネタバレ解説・考察まとめ

『あまんちゅ!』とは、天野こずえによる漫画作品、及びアニメシリーズ。
2016年と2018年の2度アニメ化した際には、舞台である静岡県伊東市を中心に大きな盛り上がりを見せた。
登場人物が所属する静岡県立夢ヶ丘高校ダイビング部の日常を描いた作品であるが「日常ときどきダイビング。」というキャッチコピーのようにメインは日常であり、ダイビングに対する知識がなくても日常作品として楽しめる。
勿論、ダイビングに関する知識や楽しさ、そして恐さも作中で描かれておりダイビング漫画としても評価が高い。

姫野ちずる(ひめのちずる / CV:斎藤千和)

双葉の中学時代からの友人で、双葉にとって親友というより「心友」と呼ぶに相応しい存在。

茜の誘いで双葉と同じ遠足の班になった事から交流を持ち、これまで友達らしい友達がいなかった双葉にとって初めての友達となる。

消極的で人見知りをする性格だった双葉を心配していたが、思ったよりも元気そうで安心するとともに、新しい友人の光に対して嫉妬心を抱くが、体験ダイビング中に起きたアクシデントで光が助けてくれた事をきっかけに光を受け入れる。そして、双葉の期待通り光ともめでたく友人になる。

修学旅行先の京都で偶然一緒になった双葉達と行動をともにするが、自分達の知らないところで成長と変化を続け別人となっていた双葉の姿をポジティブに捉える茜とは逆に淋しさを感じていた。
それを茜に諫められ、4人で記念写真を撮る事を提案する。

永遠野守(とわのまもる / CV:高橋広樹)

目を隠すほどの長髪に無精ヒゲがトレードマークである愛のクラスの担任。

真斗に好意を抱いており、度々真斗に想いを寄せている描写が見られるが、12巻でついに告白する。(実は真斗も守の事が気になっており両想いの関係だったが、真斗から明確な返答の描写はなく、真斗と同じく守に想いを寄せていた愛が正式に彼からフラれた事以外は不明)

生まれて間もない頃、育児ノイローゼになった母親によって一時的だが神社に置き去りにされた事があり、アニメ2期で7話から9話に纏められたピーター編の舞台となる「永遠の国(ネバーランド)」はその時に彼が見ていた夢の世界である。(母親は息子を置き去りにした事を後悔しており、事あるごとに謝罪を繰り返していたと語っている)

ちなみに、その夢で高校時代の真斗と、後に教え子となる愛に出会っており、夢で出会った二人の高校生とは34年の時を時を経て「再会」する事になる。

ピーター(CV:入野自由)

ピーター編の最重要人物。正体はピーター編の舞台となる「永遠の国(ネバーランド)」が形成された夢を見ている赤ん坊の永遠野守が高校生の姿のままネバーランドで歳を重ねた存在。名付け親は「永遠の国」に迷い込んだ高校時代の火鳥真斗で、ピーターパンにちなんでいる。

文化祭前夜、自販機前で休憩していた愛の前にピーターを名乗る人物として現れ、空を飛ぶなど不思議な体験を愛に見せ「この時が終わらなければいいのに」と夢のような世界を見せ、自分の住む「永遠の国」に連れて行こうとする。
だが、ピーターの存在を知る真斗による干渉と、愛の「楽しい時は終わるもの」というという考えから彼女を「永遠の国」に連れて行く事は難しいと判断し、姿を消す。

時は文化祭から卒業式まで流れ、卒業式の後うたた寝していた愛は夢の中で「永遠の国」に迷い込み、ピーターを探し続けている高校生の頃の真斗に出会う。

そして、真斗の口から夢から覚めた人間の増加によって「永遠の国」が崩壊しつつある事と、ピーターが「永遠の国」の崩壊を食い止めるため、世界の存続に必要な夢のまま目覚めたくない人間を探すため現実世界に現れ、一般人を誘拐に等しい形で連れ込んでいた事を知るが、世界の崩壊は止まらず「永遠の国」の維持が困難であると判断したピーターは元の世界に戻れなくなる前に愛と真斗をそれぞれの世界に送り返す。

だが、ピーターに対する恋心を抱いていた愛は自分の気持ちをピーターに伝えられないまま終わる事に納得出来ず、夢のプロフェッショナルを自称する双葉の助言を得て「永遠の国」に戻り、ピーターに告白するとともに彼を説得。「たとえ私がおばあちゃんになってもピーターを捜しだして見せる!!」という愛の言葉によりピーターも夢から覚める事を決意し、お互いに元の世界に戻る。

その後、学校の外でケット・シーに似た猫を見た愛と真斗は猫を追って「永遠の国」で見た事のある神社の前に辿り着くが、その先に待っていたのは「永遠の国」を作った赤ん坊こと永遠野守が35歳になった姿であった。
愛は赤ん坊が無事に大きくなった事に安堵するとともに、自分と同じくピーターに恋心を抱いていた真斗を守と二人きりにさせるべく神社から立ち去る。
そして、姉を追って石段の下で待っていた誠とともに泣きながら帰るのだった。

小日向つばさ (こひなたつばさ)

光、こだまの兄だが祖父母、妹達と違って出番は少ない。

数少ない、まともに登場したクリスマスエピソードでは、妹達がクリスマスダイビングに向かう中、一人で家で過ごしていた。

両親の話によると、彼女がいたものの別れたようで「お兄ちゃんはモテるけれどマメじゃないからねー(母)」に「根はいい奴なんだけどなー(父)」と、本人がいる前で言いたい放題言われていた。
余談だが、孫達と過ごすクリスマスを楽しみにしていたはやては、光達が家にいない事にショックを受けて落ち込んでいた。家に残ってくれた唯一の孫であるつばさに彼女が出来たと一瞬だけ喜んだが、破局してしまった事を知り更にショックを受けていた。

アニメにも光の誕生日を祝うエピソードで登場したが、セリフはなかった。

井口真理(いぐちまり / CV:洲崎綾)

光、双葉のクラスメイトで、席は双葉の前。入学式後、担任である真斗の提案によって行われた自己紹介で名前が判明。(彼女の名前が出ているのはアニメのみ)

修学旅行で双葉、光と同じ班になるが、双葉達とは京都で行きたいスポットが違ったらしく、現地で他校の旧友として再会した双葉、光、茜、ちずると別れてマラソン子とともに別行動を取る。

鍋料理が得意らしく、あだ名好きの光によって「なべ山なべ子」と命名される。

マラソン子 (まらそんこ)

光、双葉のクラスメイトで本名は不明。体力測定の回と修学旅行編で登場する。

陸上部のマラソンランナーというのがあだ名の由来だが、短距離も双葉、光より速い。
同じ組になった50メートル走で彼女にあっさり抜かれた瞬間に双葉は諦めて手を抜いて走り、嫌な事から逃げ出す双葉の悪い癖を見抜いた光によって叱責される。

再登場した修学旅行編で双葉、光と同じ班になるが、双葉達とは京都で行きたいスポットが違ったらしく、現地で他校の旧友として再会した双葉、光、茜、ちずると別れて井口と別行動を取る。

『あまんちゅ!』の用語

オープン・ウォーター・ダイバー

ダイビング部入部後に双葉が目標の第一段階として取得を目指す事になる資格。
ダイビングに必要な基礎的な知識や技術を求められる資格で、資格取得で得られるCカード(Certification-cardの略で「技能認定証」を意味する)があればインストラクターなしでも潜れるようになる。(当然ながら一人で潜る事は禁止されているため一緒に潜るバディの存在は不可欠である)

ダイバーが水中で使うハンドシグナルに機材の操作など、ダイビングに関する知識は勿論、プールなど足がつかない深さの場所で、水泳具を使用せずに10分以上浮く、更に水泳具を使用せずに200メートルをノンストップで泳ぐ(もしくはマスク、フィン、シュノーケルを使用して300メートルを泳ぐ)など、体力的にも高いレベルが要求される。

なお、オープン・ウォーター・ダイバーが潜れるのは18メートルまでという制限があり、双葉はその先の資格であるアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバーのライセンス取得を目指す事になる。

アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー

オープン・ウォーター・ダイバーの上位資格であり、水深18メートルの先を目指すために双葉が新年の抱負としてライセンス取得を決意した新たなる目標。

水深30メートルまで潜れるようになるなど単に深さの違いだけでなく、オープン・ウォーター・ダイバーでは潜れない深度での水中写真撮影など、これまで以上に難易度の高いダイビングに挑戦する事が出来るようになる。

また、アニメ第2期のタイトルである『あどばんす』は英語のadvance(前進)とともに、この資格から来ている。

バディ(buddy)

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