あまんちゅ!(Amanchu!)のネタバレ解説・考察まとめ

『あまんちゅ!』とは、天野こずえによる漫画作品、及びアニメシリーズ。
2016年と2018年の2度アニメ化した際には、舞台である静岡県伊東市を中心に大きな盛り上がりを見せた。
登場人物が所属する静岡県立夢ヶ丘高校ダイビング部の日常を描いた作品であるが「日常ときどきダイビング。」というキャッチコピーのようにメインは日常であり、ダイビングに対する知識がなくても日常作品として楽しめる。
勿論、ダイビングに関する知識や楽しさ、そして恐さも作中で描かれておりダイビング漫画としても評価が高い。

小日向はやて(こひなたはやて / CV:杉田智和)

光とこだまの祖父で身長2メートルを誇る巨漢。

黒のウェットスーツを着て目にも止まらぬ速さで泳ぐため近隣ダイバーの間では「伝説の漆黒の人魚」として噂になっており、ダイバーがトラブルに見舞われると何処からともなく現れ助けてくれるため噂を超えた伝説というべき存在となっている。

双葉と光も伝説の人魚の噂を気になっていたが、それが自分の祖父である事を知った時はさすがの光も顔が青ざめていた。

また、11巻の沖縄合宿では「来ちゃった♡」と、孫達には内緒で自腹で同行し、沖縄に於ける自身のお気に入りのダイビングスポットに案内したり、ダイビング部員と一緒にカヤックを楽しんだりするなど、ある意味光顔負けの行動力の持ち主でもある。

小日向こだま(こひなたこだま / CV:洲崎綾)

小日向家次女で光の妹。

幼少の頃から光に振り回されており、その影響でダイビングとも距離を置いていたが、きのからダイビングの魅力を説かれた事と、友人であることりのダイビング部入部をきっかけにダイビング部に入部する。

昔は光と一緒に潜っており、小学校の頃にジュニア・オープン・ウォーター・ダイバーのライセンスを取得するなどダイビング歴は長い。

なお、ことりとともに夢ヶ丘高校を選んだ理由は「制服がかわいいから」である。

岬ことり(みさきことり / CV:加隈亜衣)

こころの姉でこだまの友人。

中学の頃からの友人であるこだまとともに夢ヶ丘高校に入学し、たまたますれ違った愛車のベスパに乗って黒髪をなびかせていた先輩(双葉)に一目惚れして「理想の女性」として憧れを抱く。

部活選びでこだまと相談していたところ、光とともに部員の勧誘ポスターを貼っていた双葉に出会う。そして、憧れの先輩だった双葉がダイビング部である事を知って入部を決意する。

こだまと違ってダイビング未経験者であり、同じくダイビング未経験者だった双葉同様入部してからはオープン・ウォーター・ダイバーのライセンス取得を目標としている。

メインのエピソードが与えられるなど、本格的に登場するのは10巻からだが、実は早い段階から登場しており、7巻にカフェで居眠りしていた双葉の隣の席で同じく居眠りしていた少女として初登場している。
ちなみに、この時双葉とことりは同じ夢を見ており、リンクしたお互いの夢の世界で一緒に空を飛ぶといった不思議な体験をしている。(ことりは忘れていたが、双葉はこの夢の事を覚えており、名前を聞きそびれてしまったが、誰かと共有した夢の世界で出会った少女がことりに似ていた事も覚えていた)

また、姉の存在を示唆するこころの発言に加え、ゲストキャラとして登場した後もこだまの友人として数コマだけ描かれるなど、モブ扱いではあったが彼女がメインキャラクターに「昇格」する伏線はあった。

岬こころ(みさきこころ / CV:山本亜衣)

6巻で光が出会った地元の小学生。後に中学校の制服を着て登場した時に男子である事と、ことりの弟である事が判明する。

9月の海で光と出会い、タコの卵と、卵を守るタコママの様子を一緒に見守った事から光と交流を持つようになる。

その後も何度か登場し双葉、愛、誠のダイビング部員とも面識を持つが、小柄な身体とかわいらしい容姿に加え、ハロウィンではドレス(姉であることりの手作り)を着ていたため、誠を除くダイビング部の女子メンバーからは女の子と思われていた。(一人称の「俺」が最大のヒントだが、やはり誠以外の全員からはスルーされていた)

漢の中の漢となる事を夢見ており、秋の大祭の神輿担ぎで自身の理想とする男性像を見せてくれた誠を「兄貴」と呼んで慕うようになる。(初めてそれを聞いた時、こころを女の子と思っていた光は「男の子に憧れる女の子」と思って相手にしていなかった)

その後、誠に紹介された短期集中コース(3日で取得可能)を利用してジュニアのオープン・ウォーター・ダイバーライセンスを取得し、休日限定でダイビング部の活動に参加する、事実上の「名誉部員」となった。(本人曰く「夢ヶ丘高校ダイビング部海女人屋支部」の新入部員)

ありあ(CV:久保ユリカ)

夢ヶ丘高校校長である佐地茂瑠偉のオスの飼い猫。

佐地茂が学校に連れて来るようで、ダイビング部の部室にいたところを飼い猫と知らなかった光が「ちゃ」と命名する。
以後「ちゃ顧問」と呼ばれ、ダイビング部の名誉顧問として部員からかわいがられており、光は敬語で接している。

作中で「ちゃ」となった理由は耳としっぽが茶色だからだが、鳴き声も「ちゃ」であり、光の挨拶に手を挙げて応えるなど人間の言葉を完璧に理解しており、普通の猫では有り得ない知能の高さを伺わせる描写が作中で何度も見られる。(実際の由来は作者の飼い猫である「ちゃ」から来ている)

ダイビング部が土日に遠出する時も一緒に行動しているが、佐地茂と一緒に学校に来ている平日はともかく、飼い猫であるはずなのに休日も佐地茂家から離れたばかりか、早朝からお姫とともに真斗の車に乗り込んで遠出している事に関しては触れてはならない疑問である。

お姫(おひめ / CV:洲崎綾)

夢ヶ丘高校校長である佐地茂瑠偉のメスの飼い猫。双葉達に保護された当初は捨て猫と思われていたが、83話で約2年前から行方不明になっていた岬家の飼い猫だった事が判明する。

元飼い主であることりの証言によると、岬家で生後間もない兄妹の猫を引き取ってから数日後、家族の留守中に開いていた窓から妹だけ外に出てしまい、そのまま迷子になってしまった模様。その後、カラスに襲われていたところをランニング中だった双葉と光に助けられる。

子猫の当時の飼い主がダイビング部の後輩として入部し、しかも兄猫(兄の名前はてんちゃん)までいたとは想像出来るはずもなく、当時は捨て猫と思われていたため自分達で飼おうとするが、双葉の家はペット禁止のマンション、光は母親が猫アレルギーとそれぞれ猫を飼えない家庭環境のため里親探しに奔走する。

猫の里親募集は無数にあるため簡単には見付からないという厳しい現実に直面するが、たまたま居合わせた(保健室で昼寝していた)佐地茂によって、ありあのお嫁さんとして引き取られる。
以後はありあとともにダイビング部と一緒に行動するようになる。

「女の子だからお姫様」という理由からお姫と名付けられるが、実際はありあと同じく作者の飼い猫である「お姫」から来ている。
また、鼻炎持ちに人の指を吸う癖(光は「ちゅぱりんぐ機能」と呼ぶ)も作者の飼い猫からヒントを得て作品に取り入れられている。

人の指を吸うのが好きとはいえ誰の指でもいい訳ではなく、飼い主である佐地茂の指は太い上にまずいから嫌いなようで、自分を救ってくれた一番の恩人である双葉と光の指がお気に入りのようである。

佐地茂瑠偉(さちもるい / CV:立木文彦)

静岡県立夢ヶ丘高校校長。インパクト十分のアフロがトレードマークである。

ありあの飼い主で、保健室で昼寝していたところに現れた双葉と光が子猫の里親を探す様子を見て「ありあのお嫁さんが欲しかった」と里親に申し出る。

名前が判明したのは13巻の裏表紙であり、当時は名前がまだ決まっていなかったのかアニメのクレジットでは本名の佐地茂瑠偉ではなく「校長先生」と表記されている。

水無茜(みずなしあかね / CV:葉月絵理乃)

双葉の中学時代からの友人で、双葉にとって親友というより「心友」と呼ぶに相応しい存在。

教室で一人だった双葉を遠足の班に誘った事から交流を持ち、これまで友達らしい友達がいなかった双葉にとって初めての友達となる。(双葉に声を掛けたのは茜であり、広い意味で双葉の人生を一番最初に変えてくれた恩人と言っても過言ではない)

度々電話やメールで連絡を取るも、人見知りで消極的な性格だった双葉の事を心配していた。
夏休みに久し振りに会った時は双葉の元気な姿と、光を初めとする新たな友人と仲良くやっている事を知って安心する。

修学旅行先の京都でちずるとはぐれた時、同じく双葉とはぐれて途方にくれていた光と偶然出会い、こちらも運良く双葉と出会っていたちずると合流してからは4人で行動する。

「一緒にいると心がほっこりする」と光が語るように、知らぬ間に相手を巻き込んで楽しい世界に導く光とは違うべクトルで相手を自分の世界に引き込む、独特で不思議な雰囲気を持っている。

自身を「落ち着いてるっていうよりはボーッとしてる」と評する一方で、3人の関係にこだわって双葉の変化を淋しがるちずるを諫めるなど大人な面も持っている。

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