あまんちゅ!(Amanchu!)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『あまんちゅ!』とは、天野こずえによる漫画作品、及びアニメシリーズ。
2016年と2018年の2度アニメ化した際には、舞台である静岡県伊東市を中心に大きな盛り上がりを見せた。
登場人物が所属する静岡県立夢ヶ丘高校ダイビング部の日常を描いた作品であるが「日常ときどきダイビング。」というキャッチコピーのようにメインは日常であり、ダイビングに対する知識がなくても日常作品として楽しめる。
勿論、ダイビングに関する知識や楽しさ、そして恐さも作中で描かれておりダイビング漫画としても評価が高い。

夏休みを利用して茜とともに伊豆にやって来たちずるは、双葉と久々の再会を喜ぶ一方で、人見知りで友達が出来ずに淋しい思いをしていると心配していた。
だが、双葉は新しい土地で光やダイビング部の先輩と仲良くしていた。

それを見たちずるは、双葉が思った以上に元気である事に安心するとともに、双葉を取られてしまったというちょっとした嫉妬心を感じていた。

光の案内で双葉、茜とともに伊豆観光を楽しむちずるだったが、嫉妬心から双葉と仲良くする光を受け入れられず、転びそうになったところを助けてくれた光に伝えるべき「ありがとう」を伝えられないなど、モヤモヤした気持ちを抱えていた。

双葉と光の勧めもあって体験ダイビングを楽しむ中、ちずるは耳抜きを忘れて強烈な耳の痛みに襲われる。
パニックを起こしたちずるを見た光はすぐに耳抜きするよう伝え、ちずるを痛みから解放する。

ダイビングを終えて見送る際、ちずるは光を心の中で嫌っていた事を告白するが、ダイビング中に襲われた「耳のイタイタ地獄」から救ってくれた事や、光を嫌っても仕方ないという事に気付き、伊豆旅行を楽しい思い出にしてくれた光にたいして改めて感謝の気持ちを伝える。

別れ際に大声で「また来てねっ!!」と叫ぶ光に驚く一方で、ちずるは光を受け入れた事を認めるように双葉を「てこ」と呼び、楽しい思い出を一緒に作った「てこぴかり」コンビと別れ、帰りの電車に乗り込んだ。

そして、茜と二人きりになった電車の中で、仲良し三人組が離れ離れになって一番淋しい思いをしていたのは実はちずるだった事を証明するように泣き出すのだった。

小日向光「新生夢ヶ丘高校ダイビング部に…レッツらエントリー!! 」

3年生となった双葉と光だが、クラス分けを見たらこれまで一緒だったクラスがついに別々のクラスとなってしまい、同じ階の教室とはいえ離れ離れになってしまった事に二人とも落胆する。

珍しく落ち込む光だが、双葉は光以上に落ち込んでおり、元気のない双葉の姿を見た光は何とか相棒(バディ)を元気付けたいと考えていた。

いいアイデアが出ずに悩む光だが、その姿を見たことりから光に対する「らしくない」という彼女なりの励ましの言葉を受けていつもの元気を取り戻し、早速双葉を呼び出す。
そして、呼び出した場所にやって来た双葉に向かって上記のセリフを叫びながら、2年前のように高台から飛び降りて登場する。

常に前向きで日常を楽しむ天才の光らしい名言と行動だが、幸運にも無傷だった前回と違って今回は左足首骨折及び靱帯断裂で即手術という大ケガを負い、新生夢ヶ丘高校ダイビング部は始動早々副部長の長期離脱、及び双葉のバディ不在という緊急事態となってしまった。

『あまんちゅ!』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

夢を叶えた茅野愛衣

大木双葉役を担当している茅野愛衣は作者の前作である『ARIA』を見て声優を志しており、劇場版OVAの『ARIA The AVVENIRE』に出演が決まった時は夢が叶った事に感動して収録中に泣き出したという逸話がある。

また『あまんちゅ!』のアニメ版も『ARIA』と同じく佐藤順一が総監督を担当しており、茅野愛衣にとって「縁」を感じさせる作品となっている。

双葉は厳密には転校生ではない

4巻で双葉と再会したちずるが「転校」という言葉を出しており、本人も引っ越しによって仲のいい友人と離れ離れになって感覚的には転校に近い淋しさを感じていたが、中学卒業を待って伊豆に引っ越したため、「転校」という言葉を使うのは間違い。

なお、このエピソードが収録されたアニメのOVAでちずるが双葉と再会した時は件のセリフはカットされている。

旧作ファンには嬉しいスターシステム

双葉の友人として登場する水無茜と姫野ちずるは『ARIA』の登場人物である水無灯里と藍華・S・グランチェスタに容姿が酷似しており(いわゆるスターシステム)原作に登場した時から話題になっていた。

声優に関しても、ファンの期待通り『ARIA』で灯里と藍華の声優を担当した葉月絵理乃と斎藤千和がキャスティングされている。

また、灯里、藍華の口癖だった「はひ」に「○○禁止」も彼女達に受け継がれており、茜の苗字が灯里と同じ水無である事も影響してTwitterなどのSNSで茜を「ご先祖様」と呼ぶなど、天野こずえファン、並びに『ARIA』ファンには嬉しいサプライズとなっている。

普段は東京にいるため原作での出番は多くないが、アニメ2期ではオリジナルシーンとして双葉に電話を掛ける形で度々登場しており、彼女達を登場させるため原作から大きく改変されたシーンが目立つが、人気キャラクターでありながら二人の出番が少ない事を残念に思っていたファンを中心にこの改変は好意的に受け止められている。

双葉の愛車と免許の種類

双葉が通学、及びプライベートの移動で使用しているスクーターはベスパの『P200E』で、ファンのTwitterやブログで度々「原付」と呼ばれる事があるが、原動機付自転車免許の排気量は50㏄までのため誤り。

なので、双葉が持っている免許は原動機付自転車免許ではなく普通自動二輪車免許(小型限定か中型まで運転可能かは作中で明言されていない)であり、誕生日が4月3日なのはバイクの免許を取得するため春休み中に16歳になる必要があったためである。

「真斗ちゃん先生」の過去

「真斗ちゃん先生」の名で部員やファンから慕われている火鳥真斗だが、作者が1995年から1998年まで連載していた『浪漫倶楽部』の登場人物であり、ピーター編では高校時代の真斗が登場するなど、20年以上も天野こずえの作品を愛読している古くからのファンには嬉しい存在である。

また、自身も「弟ほどではないが霊感がある」と語るなど『浪漫倶楽部』の火鳥真斗と同一人物である事を認める発言をしており、当時からの彼女を知るファンは更に盛り上がっていた。

『浪漫倶楽部』による火鳥家の家族構成だが、両親と弟の4人家族ではあるものの両親は海外赴任のため不在であり、普段は真斗と弟の泉行の二人暮らしだった。

両親不在で姉弟二人の火鳥家を女手一つで支えていたため面倒見が良く、顧問として部員を引っ張る姉御肌の性格が作中でも遺憾なく発揮されている。

ちなみに、火鳥真斗の名前は「蚊取りマット」から来ており、作中で名前は出ていないが弟の泉行(せんこう)は「蚊取り線香」から、父の力人(りきと)は「蚊取りリキッド」から、そして、母の金千代(きんちよ)は「キンチョー」といずれも蚊取りグッズや関連の会社から来ている。

『あまんちゅ!』の主題歌・挿入歌

第1期

OP(オープニング):坂本真綾『Million Clouds』

作詞・歌 - 坂本真綾 / 作曲 - フリーダ・サンデモ(スウェーデン語版) / 編曲 - 河野伸
※9話では挿入歌としてピアノバージョンを使用。
編曲・ピアノ演奏 - 河野伸

ED(エンディング):てこぴかり『ふたり少女』

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