ARIA The NATURAL(アリア ザ ナチュラル)のネタバレ解説・考察まとめ
『ARIA The ANIMATION』のセカンド・シーズンに当たる未来形ヒーリングアニメーション。2006年の4月から9月にかけて放送されていた。今作では灯里達が日常の摩訶不思議を見つけ出す。
大晦日から数日後、アリアカンパニーにはマンホームから遊びに来たアイの姿があった。そして今日は年明けのカーニバル。物語は灯里とアイの摩訶不思議な体験から始まる。
『ARIA The NATURAL』のあらすじ・ストーリー
水無灯里(みずなし あかり)がアクアの観光都市ネオ・ヴェネツィアに移り住んでからしばらくの時が流れた。灯里はアクアの水先案内人・ウンディーネになるためにアリアカンパニーに入社した。
ウンディーネには三つの階級があり、見習いのペア、半人前のシングル、さらにその上が一人前のプリマとなっている。
灯里は立派なプリマになるために、友人のアリスと藍華の三人で頻繁に合同練習をし、日々精進していた。
友人達と騒いだ大晦日から数日後、灯里は会社の先輩であるアリシアと、マンホームから来た友人のアイと共に年明けのカーニバルに向かう。アリスや藍華たちと合流しカーニバルを楽しんでいた灯里は、18世紀に実在したアイドル・カサノヴァの仮装をした行進団を見つける。藍華はカサノヴァの仮装人はここ100年ずっと同じ人である、という噂を灯里達に話す。
カーニヴァルで疲れた灯里、アイ、藍華、アリスの四人が休憩をしているとカサノヴァの行進団にまたも遭遇する。四人は一団を追いかけて正体を暴こうとする。藍華とアリスからはぐれたしまった二人はカサノヴァを追って見知らぬ場所にたどり着く。二人はその先に立ち入ることをアリアカンパニーの社長猫・アリアに止められる。カサノヴァは最後にその正体を二人に明かしその場を去って行く。カサノヴァの正体は猫妖精ケット・シーであった。
灯里と藍華はオレンジぷらねっとのアリスの部屋を訪れる。三人は和気藹々としていたが、そんな中でアリスが自社の人間とうまく打ち解けていないことがわかる。アリスは他人の尊敬や興味の視線を敵意として捉えてしまっていた。そんなアリスの指導者であるアテナは彼女にアドバイスをする。これをきっかけにアリスは少しずつ周囲の人間に心を開き打ち解けていくのであった。
三人で合同練習をしていると、灯里は小さな水路をアリア社長が通っていく姿を見る。「猫は自分たちの王国を持っている」そんな話をアリシアから聞いた灯里は、藍華を連れてアリア社長が通って行った水路へ漕ぎ出す。水路はまっすぐと続いていて少し不思議な空気が漂っていた。
二人は進んだ先でアリア社長を発見する。二人は尾行するが、先刻通った道に戻ってしまいアリア社長を見失ってしまう。そんな時、灯里は誰かに呼ばれたような気がして先へ漕ぎ出す。しかし、結局同じ場所にたどり着いてしまい、灯里は自分たちが立ち入ってはいけない場所に踏み入ろうとしていたことに気がつく。そこにアリア社長が突然現れ、道を指し示す。灯里が水路の方へと顔を向けると、そこには猫の王国の一端と別れの挨拶をするケット・シーが見えるのであった。二人はこの日の出来事を心の底に秘め、誰にも告げることはなかった。
灯里のゴンドラは長いあいだ使い込まれたことで老朽化し、観光案内用のゴンドラとしては使うことができなくなってしまう。ついにゴンドラを新しくしようという話が持ち上がり、灯里は「ゴンドラさんサヨナラツアー」を開催することにした。ツアーのあいだ灯里はこれまでのゴンドラとの日々を思い出しながら最後の思い出を作ったのであった。
灯里との別れをすませたゴンドラは第二の人生として運搬用のゴンドラとして新たな職場へと送られる。そして、ゴンドラと灯里は別々の場所で新たな相方との出会いを果たすのであった。
季節は夏。久々にアリシア、晃、アテナの「水の三大妖精」とその弟子達が揃ってランチをすることになる。みんなでバーベキューをして休暇を楽しんでいたが、そんな中で晃が何かが焦げる匂いに気がつく。それは藍華の髪がバーベキューの火で燃える匂いだった。髪を伸ばして将来アリシアのような立派なウンディーネになれるようにと願をかけてた藍華は深く落ち込んでしまう。
やはり自分はアリシアのようにはなれないのだと悲しむ藍華の元に晃が訪れる。晃は藍華に喝を入れながらも彼女を慰める。晃の言葉で立ち直った藍華は髪をバッサリ切って新たな自分に生まれ変わるのだった。
「暑い時は怪談で涼むのが一番」という藍華の言葉に押し切られ、灯里はサンマルコ広場にまつわる恐い話を聞くことになる。
それはマンホームのヴェネツィアから伝わる昔の話。
街の表玄関として有名なサンマルコ広場はその昔、処刑場として使われていた。その頃のある罪人の女が処刑前に「自分の遺体は墓地の島であるサンミケーレ島に埋めて欲しい」という遺言を残した。しかし、その願いは聞き届けられることはなかった。その後からある不思議な出来事が続出するのだという。夜にゴンドラ漕ぎが一人でサンマルコ広場の柱の前にいると、どこからともなく喪服を着た女性が現れて「そのゴンドラで、サンミケーレ島まで行ってください」と頼むのだ。しかし、その女性とサンミケーレ島まで行ってしまうと神隠しにあうのだという。
この話の女性はアクアのネオ・ヴェネツィアにも現れるのだ、というオチで藍華の話は終わる。
そして不思議なものを呼び寄せる体質である灯里はこの話の女性までも呼び込んでしまった。夜のサンマルコ広場を通り過ぎようとすると、喪服を着た女性にサンミケーレ島まで連れて行って欲しいと頼まれるのだ。初めは渋ったが結局、灯里は女性を乗せてサンミケーレ島へと漕ぎだしてしまう。
サンミケーレ島に着くと、女性は灯里の手をとってサンミケーレ島の墓地に向かって走り出す。そして墓地で灯里が目にしたのは頭のない女性の姿。女性は灯里をどこかへ連れ出そうとするがそこにケット・シーが現れる。ケット・シーを恐れたその女性は灯里を置いてどこかへと逃げ去ってしまう。
その後、気を失った灯里が目を覚ますといつの間にかにアリアカンパニーのテラスに戻っていた。夢であるかと疑ったが、灯里の手にはサンミケーレ島に咲く花が握られていたのだった。
後日、藍華たちに体験談を話すと、アリスが藍華の話の本当のオチを明かす。実はマンホームのヴェネツィアには藍華が話したような怪談は存在せず、そもそも罪人が墓地へ埋葬するように願い出た例は一つもなかったのだという。つまり、この話はアクアのネオ・ヴェネツィアで誰かが作った作り話であるはずなのに、実際に灯里のような体験をした人間が稀にいることがこの話の本当に怖いところのなのだという。
何もかも寝静まった、そんな真夜中に時折どこかから列車の音が聞こえることに灯里が気がつく。そんな灯里の元にケット・シーから手紙が届く。中身は「トラム通り午前2時発の銀河鉄道の乗車券」だった。
招待されたが自分が立ち入っていい領域なのか測り兼ねていたが、アリシアの言葉に後押しされて灯里は招待を受ける決心をする。
午前2時にトラム通りに行くとそこには沢山の猫たちがいた。夜空から鉄道が降りてくるとそこから車掌が現れる。車掌の姿から何かを感じ取った灯里はその正体がケット・シーであることを見破る。灯里は「なぜ自分をいつも見守ってくれるのか」とケット・シーに聞くがその答えは返ってくることはなく、そのまま銀河鉄道は遠い空に向かって走り出してしまう。
ネオ・ヴェネツィアの秋の風物詩であるレデントーレの主催者を担当することになった灯里、藍華、アリスの三人は準備に追われる日々を過ごす。招待者は、三人の指導者であるアリシア、晃、アテナやいつもお世話になっている郵便屋さん達にマンホームからやってくるアイ。しかし、アイの祖母が体調を崩したことをきっかけに彼女との連絡が取れなくなってしまう。
レデントーレ当日、灯里達は万全の状態で招待客を待っていたが、アイだけがやって来ない。連絡も取れないままで、アイの参加はもう諦めるしかないと思われたその時、彼女の声が聞こえてくる。アイは祖母の体調が回復してから、連絡をせずサプライズでアクアにやってきていたのだ。無事に招待客全員を乗せた船は出港し、ネオ・ヴェネツィアの夜の海を揺蕩う。
三人の主催したレデントーレは大成功となった。
主な登場人物・キャラクター
水無灯里(みずなし あかり)
CV:葉月絵里乃
作品の主人公。15歳、身長155cm、1月30日生まれ、みずがめ座のA型。
マンホームからウンディーネになるためにアクアにやってきた。
プリマになるために日々修行をしている。階級はシングル。
日常のあらゆることを楽しみ、いつも恥ずかしいセリフを思いついては口にする。当たり前と思っていることから素敵を見つける天才。
他人と関わることが好きで知らない人間でも物怖じせずに話しかけることができる。
カーニバルでケット・シーとの縁を持ってからは彼に関する摩訶不思議な体験をするようになる。
アリスや藍華からは可笑しなものを呼び寄せる体質であると注視されている。
藍華(あいか)
CV:斎藤千和
16歳、身長160cm、2月2日生まれ、みずがめ座のO型。
所属は姫屋である。階級はシングル。
世襲制である姫屋の跡取り娘。灯里が初めてアクアで作った同業者の友人で泣き虫。
アリシアが大好きでいつもアリアカンパニーに顔を出している。
世話係の晃には、アリシアと比較をする発言をしたり憎まれ口を叩くが実は先輩として敬愛している。
晃の陰口を耳にした時には深く傷つき涙を流した。
晃が作ってくれる焼きおにぎりが大好物である。
髪はアリシアのような立派なプリマ・ウンディーネになる願掛けで伸ばしていたが晃の真剣な言葉に心を動かされたことでに短くし心機一転する。
自分に自信を持てるようになったことで大人びた雰囲気になる。
アルに恋心を抱いていて、髪を切った後は彼の心象がどうなるかで悩んでいた。
アリス・キャロル
CV:広橋涼
14歳、身長145cm、9月1日生まれ、おとめ座のB型。
オレンジぷらねっと所属している。階級はペア。
一時期アテナのドジや素っ頓狂な行動に少しの苛立ちを感じていたが、年の離れた後輩である自分の緊張を和らげる気遣いや彼女の献身的な姿勢に段々と心を許し、尊敬を深めて行く。
オール捌きが綺麗で記事に取り上げられるほどの才能を持っている。そのことで学園の下級生にサインを求められるなど周囲から注目を集めている。
一見すると大人びた雰囲気を放っているが、年相応の子供じみた部分もある。「自分ルール」と言って、「影以外を踏んではならない」など様々なルールを自分で作って遊んでる。
オレンジぷらねっと内では年不相応の実力から浮いてしまっていたが、アテネの後押しがあってからはオレンジぷらねっとの人間とも少しずつ打ち解けていく。
アリシア
CV:大原さやか
19歳、身長165cm、10月30日生まれ、さそり座の A型。
アリアカンパニーに所属している。階級はペア。15歳でペアになった最年少昇格者でもある。
「水の三大妖精」の一人。通り名は「白き妖精(スノーホワイト)」。
おっとりしたお姉さん。灯里の教育係でアリアカンパニーのエース。
灯里が来るまでは一人でアリアカンパニーで働いていた。
晃とは幼馴染でウンディーネになるきっかけを作ったのも晃だった。
晃(あきら)
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目次 - Contents
- 『ARIA The NATURAL』のあらすじ・ストーリー
- 主な登場人物・キャラクター
- 水無灯里(みずなし あかり)
- 藍華(あいか)
- アリス・キャロル
- アリシア
- 晃(あきら)
- アテナ
- アリア社長
- アイ
- 出雲 暁(いずも あかつき)
- アルバート・ピット
- 綾小路宇土51世(あやのこうじ うど 51せい)
- ケット・シー
- 『ARIA The NATURAL』の用語解説
- アクア
- マンホーム
- ネオ・ヴェネツィア
- ウンディーネ
- サラマンダー
- ノーム
- シルフ
- アリアカンパニー
- 姫屋
- オレンジぷらねっと
- ペア
- シングル
- プリマ
- 青い瞳の猫
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