ARIA The ORIGINATION(アリア ジ オリジネーション)のネタバレ解説・考察まとめ

『ARIA The NATURAL』の続編であり、ARIAシリーズの完結作。独特な世界観と雰囲気の未来形ヒーリングアニメーション。放送時期は 2008年1月7日から3月31日。
水無灯里(みずなしあかり)はウンディーネになることを夢見て、マンホームからアクアにやってきた。灯里は友人たちと日々修業に励む。様々な経験を経て成長した灯里たちは、ついに先輩の手を離れ一人前のウンディーネになってゆく。

『ARIA The ORIGINATION』のあらすじ・ストーリー

水無灯里(みずなし あかり)がアクアの観光都市ネオ・ヴェネツィアに移り住んでからしばらくの時が流れた。灯里はアクアの水先案内人・ウンディーネになるためにアリアカンパニーに入社した。
ウンディーネには三つの階級があり、見習いのペア、半人前のシングル、さらにその上が一人前のプリマとなっている。
シングルである灯里は立派なプリマになるために、友人のアリスと藍華の三人で頻繁に合同練習をし、日々精進していた。

練習の日々

灯里の元に観光案内の依頼が入る。話を聞いた藍華は依頼人の正体は「伝説の抜き打ち検査官」ではないかと言い出す。藍華は最悪シングルからペアに降級される可能性もあるのではないかと灯里を心配する。灯里は緊張するも依頼人であるアマランダをゴンドラに乗せ観光案内をする。灯里は自分のおすすめスポットを巡るが、アマランダはどの場所も一度は訪れたことがある様子だった。自分の実力不足を感じアマランダに謝罪をするも、アマランダは否定する。以前訪れたことがあったとしても灯里の観光案内にアマランダは満足したという。結局、アマランダの正体は検査官ではなく、シングルの観光案内を楽しむ少し変わった観光客であった。こうして灯里の仕事はつつがなく終わる。

灯里はもっと会社のために頑張りたいと思い、自分に今できることが何かないかとアリシアに迫る。アリシアはトラゲットに参加して実力をさらにつけてみてはどうかと提案する。トラゲットとはゴンドラを使った渡し舟のことであり、街のメインストリートに何箇所か乗り場があり、そこから大運河を渡る。前と後ろに漕ぎ手が二人ずついるため、普段の練習とは少し違ったバランス感覚などが必要になる。
灯里は、初めて会う人と初めての仕事をすることに少しの緊張と高揚を感じていた。灯里の渡し場の担当は「姫屋」のアユミ、「オレンジぷらねっと」のアンズとアトラを合わせた四人だった。灯里は慣れている三人に手を貸してもらいながらも普段の練習の成果を発揮していた。そんな中でアンズのプリマ昇格試験の話が話題に上がる。アンズは厳しい先輩が試験官を担当してるため何度も試験に落ちているのだという。アトラも同じ先輩が担当で彼女はすでにプリマになることを諦め、トラゲット専門のウンディーネとして働こうと考えていた。しかし、灯里とアンズ、アユミの後押しでその考えを改めこれからも昇格試験に挑みプリマを目指そうと奮起する。トラゲットをきっかけに灯里達はプリマを目指そうという決意を改めて固めるのであった。

昇格試験

プリマウンディーネとして活躍するアテナの仕事が忙しくて、これまで延期してたピクニックを決行しようと言われたアリスはゴンドラにアテナを乗せて出発する。しかし、このピクニックの実態はアリスの昇格試験であった。アリスは試験官のアテナから自分をお客さんだと思って目的地まで観光案内をして欲しいと言われる。アリスは何も知らないまま、アテナを乗せて日々の練習の成果を見せようと頑張る。目的地に着くとアリスはカンツォーネを謳って欲しいと言われる。声が小さいことでカンツォーネに懸念があったアリスだったが、見事な謳声でアテナを魅了した。アテナは試験であったことを明かし、アリスの昇格試験合格を言い渡す。さらにアリスは水先案内業界において史上初の飛び級合格を果たす。アテナから「オレンジ・プリンセス」という通り名をもらいアリスはプリマとなった。

後輩であるアリスに先を越された藍華が空元気で振舞っているという話が「姫屋」の中で流れ始める。指導係である晃は藍華に気を使い少しくらい吐き出してしまってもいいんだと藍華に助言する。しかし、アリスの昇格は素直に友人として嬉しいことであり、自分にとっての活力になっているのだと晃に話す。藍華の言葉に晃は彼女の成長を感じ取り、藍華にプリマ昇格試験の話を持ちかける。後日、藍華は昇格試験に合格し、晃から「薔薇の女王(ローゼンクイーン)」の通り名をもらう。

三人の中で一人取り残されてしまう形になった灯里であったが、彼女の昇格試験が執り行われるまで長い時間はかからなかった。藍華がプリマに昇格した後、灯里はアリシアから後日試験を行うという予告を受ける。そして試験当日、雨上がりと同時に灯里のプリマ昇格試験が始まった。灯里は試験を受ける中でこれまでの自分の練習の成果を感じ取り、自然と体が動く事から危なげなく難所を越えてゆく。そして遂に灯里はアリシアから「遥かなある蒼(アクアマリン)」の通り名を授けられ、プリマウンディーネになった。

エピローグ

灯里がプリマになってから暫くたった。アクアの配達人であるシルフのウッディーは出勤前に頻繁にアリアカンパニーを訪れ、灯里に鶏卵を届けるようになった。アルは晴れてアクアの重力管理をするノームとして一人前になり、少し背が伸びた。暁も気温管理人であるサラマンダーの昇格試験を見事に合格し、アリアカンパニーにやって来ては灯里の様子を伺っている。藍華は新しくできた姫屋支店の支店長として働き、今はその貫禄が少し出てきた。アルとの仲は良好で灯里に近況を逐一報告している。
伝説の飛び級プリマとしてまた注目を集めるようになったアリスはプリマとして活躍してる。アテナは周囲の声に推されて、先日ついに女優デビューを果たした。本業がおろそかになるとアリスは怒ったが、アテナの晴姿に感動しこっそり涙を流していた。
晃は現在、名実ともにNo.1プリマとして活躍している。藍華は目の上のタンコブだと言っているが晃の活躍を一番喜んでいる。そして、灯里のプリマ昇格を見届けた後、寿退社をしたアリシアは水先案内業界の役員として、様々な公演や式典、会合に懇親会に参加し毎日忙しなく働いてる。

それからさらに月日が流れる。アリアカンパニーには少し大人びた灯里と、かつて彼女のゴンドラに乗りウンディーネに憧れを持ったアイの姿があった。灯里は新しい制服を着たアイの姿を見て昔の自分を思い出す。灯里は過去にアリシアが自分に見せたような笑顔をアイに向けてうかべていた。

主な登場人物・キャラクター

水無灯里(みずなし あかり)

CV:葉月絵里乃
作品の主人公。15歳、身長155cm、1月30日生まれ、みずがめ座のA型。
マンホームからウンディーネになるためにアクアにやってきた。
プリマになるために日々修行をしている。階級はシングルであったが今作でプリマに昇格する。
日常のあらゆることを楽しみ、いつも恥ずかしいセリフを思いついては口にする。当たり前と思っていることから素敵を見つける天才。
他人と関わることが好きで知らない人間でも物怖じせずに話しかけることができる。
カーニバルでケット・シーとの縁を持ってからは彼に関する摩訶不思議な体験をするようになる。
アリスや藍華からは可笑しなものを呼び寄せる体質であると注視されている。
人を惹きつける何かがあることからオール捌きやカンツォーネの謳声とは別の才能の持ち主として一目を置かれている。
いつも合同練習をしていた三人の中で一番プリマになるのが遅れてしまったが、実際にはアリシアが灯里との生活から抜け出すことを恐れて昇格試験を延期させてしまっていたという。
プリマウンディーネとしての通り名は「遥かなる蒼(アクアマリン)」。
プリマウンディーネとなった後には、アリシアが退社してしまったことから実質一人で会社をやりくりしていた。
暫くした後に、自身の指導生としてアイをアリアカンパニーに迎え入れている。

藍華(あいか)

CV:斎藤千和
16歳、身長160cm、2月2日生まれ、みずがめ座のO型。
所属は姫屋である。階級はシングルであるが今作でプリマに昇格する。
世襲制である姫屋の跡取り娘。灯里が初めてアクアで作った同業者の友人で泣き虫。
アリシアが大好きでいつもアリアカンパニーに顔を出している。
世話係の晃には、アリシアと比較をする発言をしたり憎まれ口を叩くが実は先輩として敬愛している。
晃の陰口を耳にした時には深く傷つき涙を流した。
晃が作ってくれる焼きおにぎりが大好物である。
髪はアリシアのような立派なプリマ・ウンディーネになる願掛けで伸ばしていたが、晃の真剣な言葉に心を動かされたことでに短くし心機一転する。
自分に自信を持てるようになったことで大人びた雰囲気になる。
アルに恋心を抱いていて、髪を切った後は彼の心象がどうなるかで悩んでいた。
他社の後輩であるアリスが飛び級昇進を果たした後には、周囲からプレッシャーを感じているのではないかと心配されていたが、本人はそのことをバネにしてさらなる躍進を目指していた。
プリマウンディーネとしての通り名は「薔薇の女王(ローゼンクイーン)」。
プリマになった後には「姫屋」に新しく出来た支店で店長を務めている。

アリス・キャロル

CV:広橋涼
14歳、身長145cm、9月1日生まれ、おとめ座のB型。
オレンジぷらねっと所属している。階級はペアであったが今作でプリマに飛び級昇格を果たす。
一時期アテナのドジや素っ頓狂な行動に少しの苛立ちを感じていたが、年の離れた後輩である自分の緊張を和らげる気遣いや彼女の献身的な姿勢に段々と心を許し、尊敬を深めて行く。
オール捌きが綺麗で記事に取り上げられるほどの才能を持っている。そのことで学園の下級生にサインを求められるなど周囲から注目を集めている。
一見すると大人びた雰囲気を放っているが、年相応の子供じみた部分もある。「自分ルール」と言って、「影以外を踏んではならない」など様々なルールを自分で作って遊んでいる。
オレンジぷらねっと内では年不相応の実力から浮いてしまっていたが、アテネの後押しがあってからはオレンジぷらねっとの人間とも少しずつ打ち解けていく。
稀有な才能が業界役員に認められたことから、史上初のプリマ飛び級昇格を果たし、アリシアの最年少プリマ昇格記録を塗り替える。オール捌きは完璧であったが声が小さいことからカンツォーネに若干の懸念があった。しかし、試験の最後には彼女の謳声によって視察に来た役員たちを魅了していた。
プリマウンディーネになってからの通り名は「オレンジ・プラネット」。しかし、自分の通り名で呼ばれることに慣れるまで時間がかかり、初めの頃は呼ばれても気づかないことがあった。

アリシア

CV:大原さやか
19歳、身長165cm、10月30日生まれ、さそり座の A型。
アリアカンパニーに所属している。階級はペア。15歳でペアになった最年少昇格者でもある。
「水の三大妖精」の一人。通り名は「白き妖精(スノーホワイト)」。
おっとりしたお姉さん。灯里の教育係でアリアカンパニーのエース。
灯里が来るまでは一人でアリアカンパニーで働いていた。
晃とは幼馴染でウンディーネになるきっかけを作ったのも晃だった。
元から水先案内業界の役員から声がかかっていたが、アリアカンパニーを任せる人材の教育を理由に役員入りを待ってもらっていた。灯里のプリマ昇格と同時にウンディーネとしての活動は終了し、水先案内業界役員として様々な行事に参加している。
また、灯里が来る前から恋人がいて、アリアカンパニーを退社するのと同時に結婚を果たす。

晃(あきら)

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