ハクメイとミコチ(第12話『紅髪の記憶』)のあらすじと感想・考察まとめ

かつて行き倒れていた所を狼の緑尾老率いるキャラバン隊に助けられたハクメイは、近くを通るというキャラバン隊を一目見る為にコヨウ大岩を目指す。キャラバン隊に無事を伝えることが出来たハクメイは、すっかり帰る場所として馴染んだマキナタへ帰るのだった。
今回は「ハクメイとミコチ」第12話『紅髪の記憶』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「ハクメイとミコチ」第12話『紅髪の記憶』のあらすじ・ストーリー

祭の準備で慌ただしいマキナタ

ハクメイとミコチの住む近くの街マキナタは、開拓祭の準備に追われていた。
マキナタが慌ただしい中、かつて狼の緑尾老が率いるキャラバン隊に助けられ、共に旅をした経験があったハクメイは、マキナタの近くを緑尾老のキャラバン隊が通るという情報を聞き、一目見ようと高地にあるコヨウ大岩を目指すことにする。
ハクメイに同行するミコチは、重そうな荷物を持つハクメイに何を持ってきているのかを尋ねる。
ハクメイ「自作の爆薬。道中障害物があったら、な?」
ミコチ「爆破するの?」
ハクメイ「少しでも足止め食ったら間に合わないからな」

廃道を歩く二人の前に現れた毛玉

ハクメイは、緑尾老達が通り過ぎてしまう前に、コヨウ大岩に着くためにヒノチ街道という廃道を使うことにする。
ミコチ「廃道だよね、やっぱり」
ハクメイ「表向きはな。今でも使ってる奴は居るんだよ」
ミコチ「そうなんだ。よくこんな道を」
ハクメイ「こんな道だからさ。人目を避けたい旅人とか、走り屋とか。そうゆう奴に乗せて貰えりゃ、早いんだが」
そう言っている矢先、ハクメイは大きな毛玉を見つける。
ミコチ「なにこれ、毛玉?」
ハクメイ「なにかは知らんが、おそらく生き物だ」
そして、ハクメイは大きな毛玉に背中に乗せて運んでくれないかどうか交渉をする。
ハクメイ「おーい、コヨウまで二人。五百でどうだい?」
毛玉「コヨウまでは行かねぇ。カハル橋の向こうまで。それで五百だ」
ハクメイ「割高だなぁ。その分飛ばしてくれるかい?」
ハクメイ達を運ぶことにした毛玉は立ち上がり、ハクメイ達に顔を見せる。毛玉の正体は、狸だった。
狸「先払いだ」

ハクメイとミコチを乗せていくことにした狸

狸の背中に揺られながら、ミコチはハクメイに緑尾老のキャラバン隊について尋ねる。
ハクメイ「ヤシロ地方の商人達で構成された隊商兼、治安部隊でな。商売はもちろんの事、諜報や戦闘に関しても一級の組織だ。貿易のための遠征は年に五回程度。日程は十日から長い時は一か月ほどかかるらしい。貿易のない時は街で自警団の役を担う。悪名高いヤシロの盗人達も、その間だけは休むんだそうだ。特に恐れられているのが総隊長、緑尾老。キャラバンの行動全てを取り仕切る狼の婆ちゃんでな。隻眼で体毛は白灰色。年齢不詳。尻尾の先は緑色に染めててオシャレだ」
そんな緑尾老のキャラバン隊は、キャラバンに恨みを持つ盗賊団などの奇襲を返り討ちにする度に盗賊団達を仲間にし、いくつもの隊を持っているのだった。

狸の上で話をするハクメイとミコチ

ミコチ「行き倒れてたハクメイを拾ったのは本隊?」
ハクメイ「そうだよ」
ミコチ「よくそんな人たちが、マキナタまでついてきてくれたものね。ハクメイ一人の為に」
ハクメイ「それな。一度理由を聞いたんだよ。緑尾老がな、私の紅い髪が気に入ったから、少しでも長く見ていたいってな。どうにも居心地が悪くて、我ながらよく働いたもんだよ」
そんな昔話をするハクメイに狸が声を掛ける。
狸「お前、そいつらに会いに?」
ハクメイ「いや、会えないだろうけど一目でも見たくてな」
狸「そうかい。ま、少しでも急いでやるよ」
そう言って狸は、足を速めるのだった。

封鎖されていたカハル橋

ハクメイとミコチは狸に乗せてもらい、約束のカハル橋まで辿り着く。しかし、カハル橋は桁の一部が腐りかけている所為で通行止めになってしまっていた。
狸「回り道するしかねぇんじゃねぇか?」
ハクメイ「それじゃあ、間に合わない」
狸「ふぅ。橋の向こうまでって約束しちまったしな。体、縛るもの持ってるか?連れてってやるよ」

橋を使わずに川を渡ろうとしたものの大岩に邪魔されてしまう狸

狸はハクメイとミコチを背に乗せると、橋の下まで降り水面に飛び出た岩を使って川を渡ることにする。しかし、途中で背の高い大岩が邪魔をし進めなくなってしまう。
狸「対岸に向かう道が塞がってやがる。押し出そうにも足場がねぇぞ。どうすっかな。迂回路はねぇし」
そんな狸の言葉を聞いて、ハクメイはミコチに嬉しそうに言う。
ハクメイ「持っててよかったろ?」
ハクメイは持ってきていた爆薬を岩に仕込み、爆発の衝撃で大岩を川へと落としてしまう。
ハクメイ「これで通れる」
狸「すげぇ……。なんであんな物騒なもんを?」
ハクメイ「趣味と実益を兼ねて」

ゴンドラの運行が終わると聞いて慌てる二人

川を渡り切ると、狸はハクメイとミコチにこの後はどうするのかを尋ねる。
ハクメイ「索道で大岩の上まで」
狸「ゴンドラか?そろそろ閉まるぞ」
ミコチ「そんなに早いの!?」
ゴンドラを使ってコヨウ大岩の上まで行こうとしていたハクメイとミコチは、ゴンドラの営業が終わってしまうと聞き、二人の小さな体では間に合わないと慌てる。そんな様子を見ていた狸は二人を咥えると、ゴンドラまで全力で走る。

狸に咥えられたハクメイとミコチ

狸にゴンドラの中へと放り投げられたハクメイとミコチは、無事ゴンドラに間に合うのだった。
ハクメイ「ありがとう、助かった!」
狸「ダチに会えるといいな」

ゴンドラで夜食を食べる二人

ゴンドラの中でミコチはハクメイに尋ねる。
ミコチ「そうえば、昼間聞きそびれたんだけど、キャラバン隊に入ろうとは思わなかったの?マキナタに寄るのやめて。色んな所行けるし、ハクメイ好きでしょそういうの」
ハクメイ「まぁな。実際ついて行こうかとも思ったよ。キャラバンにも馴染んでたし」
ミコチ「じゃあ、なんでマキナタに……」
ハクメイ「変な国だって聞いてたから一度行って見たかったんだ。それに緑尾老に止められた」
ミコチ「そうなの?」
そして、ハクメイはキャラバン隊と別れる時のことを語った。

キャラバン隊と別れるハクメイ

マキナタに行こうとしていたハクメイについてきたキャラバン隊は、マキナタで唐突にハクメイに別れを告げたのだった。マキナタには、ハクメイが当時知らなかった体長制限があり、隊長である緑尾老は体長制限を超えていた為にマキナタには入れなかったのだ。
ハクメイ「知っていたのか?大きさに制限があるって」
隊員「あぁ。仕方ないよ」
ハクメイ「がっかりだ。マキナタは旅人が集まって出来た変な国だって聞いてたんだよ。期待してたんだ。それなのに体大きいだけなのに門前払いって、そういうのは、嫌いだ。緑尾老、やっぱり、私キャラバンに……」
緑尾老「駄目よ。私達はヤシロに帰るの。あなたはヤシロに帰りたいわけじゃないんでしょ。決め事も含めてマキナタの一つ。まだ門しか見てないわ。どこにでも行けるあなただからこそ、住んでみなさい。ハクメイ、出て行きたくなった時には、また私達と旅をしましょう」

別れを惜しむハクメイ

緑尾老によってマキナタの街を見ることを勧められたハクメイは、緑尾老のキャラバン隊と別れマキナタで暮らしてみることにしたのだった。
ハクメイ「その頃は髪が長かったんだが、その場で切って緑尾老に渡したんだ。私の赤い髪を覚えてて欲しくてな」
ミコチ「ふぅん。ねぇ、もう伸ばさないの?」
ハクメイ「伸ばさない。邪魔くさいんだ、あれ」

日の出を待つ二人

shuichi
shuichi
@shuichi

Related Articles関連記事

ハクメイとミコチ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

ハクメイとミコチ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハクメイとミコチ』とは、樫木祐人による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。 体長九センチしかない小人たちが、言葉を話すことの出来る昆虫や動物たちと共に住む平和な世界。そこで暮らす小人である料理上手のミコチと修理屋のハクメイを中心に彼らの小さな生活を描いた日常系ファンタジー。

Read Article

ハクメイとミコチ(第1話『きのうの茜 と 舟歌の市場』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第1話『きのうの茜 と 舟歌の市場』)のあらすじと感想・考察まとめ

『ハクメイとミコチ』とは樫木祐人による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。 小人のハクメイとミコチは、願いを叶えてくれるという伝説上の生き物「夕焼けトンビ」を捕まえる為に山を登る。しかし、夕焼けトンビの正体は昔ミコチが餌付けしていたペットのカフゥだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第1話『きのうの茜 と 舟歌の市場』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第6話『卵の美容師 と 休みの日』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第6話『卵の美容師 と 休みの日』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイは森の中で卵の殻の美容院を見つけ、美容師のジャダと出会う。知り合ったばかりのジャダにカットを頼んだハクメイは、髪を短く切って貰う。ジャダはハクメイのことを気に入り、床下のネジで固定している為に卵の殻が転がらないというお店の秘密を教わるのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第6話『卵の美容師 と 休みの日』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第8話『長い一日』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第8話『長い一日』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチは「なんでもあり」がモットーの蜂蜜館の新参と古参の争いに巻き込まれてしまう。蜂蜜館の現主人ヒガキはこの争いを止める為に、ハクメイとミコチの力を借りて魔法の酒である先代主人ウカイの蜂蜜ジュレップを完成させる。魔法の酒は新参と古参の仲直りのきっかけを作り、両者は仲良く宴会を楽しむのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第8話『長い一日』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第9話『水底のリズム と 凝り性の染め物』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第9話『水底のリズム と 凝り性の染め物』)のあらすじと感想・考察まとめ

研究者のセンは音で動く潜水艇の潜水実験に協力して貰う為に吟遊詩人のコンジュを呼ぶ。しかし、気難しい変わり者のセンと、明るく陽気なコンジュはお互いに反発し合いギスギスした空気になってしまう。さらに水底で潜水艇は動かなくなってしまった。明るい歌で潜水艇が動くことが分かったセンは、コンジュと共に歌い無事に地上に戻ったのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第9話『水底のリズム と 凝り性の染め物』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第10話『竹の湯 と 大根とパイプ』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第10話『竹の湯 と 大根とパイプ』)のあらすじと感想・考察まとめ

仕事の忙しさから肩こりに悩まされたハクメイは、ミコチ共に近所に出来たという温泉宿に行く。しかし、清掃中で温泉が使えないことが分かると竹を切って帰り、自宅に竹の露天風呂を作ることにする。露天風呂を完成させたハクメイとミコチは、予約をして今度こそは温泉宿の温泉に入ろうと約束するのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第10話『竹の湯 と 大根とパイプ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第3話『星空とポンカン と 仕事の日』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第3話『星空とポンカン と 仕事の日』)のあらすじと感想・考察まとめ

『ハクメイとミコチ』とは樫木祐人による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。 花火を作ろうとしたハクメイが持ち込んだ火薬が爆発し、家を失ってしまうハクメイとミコチ。友人のセンが家を作ってくれることになるものの一晩明かさなくてはいけなくなった二人は野宿をすることにする。ミコチは空に広がる満点の星に野宿の良さを知るのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第3話『星空とポンカン と 仕事の日』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第2話『ふたりの歌姫 と ガラスの灯 と 一服の珈琲』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第2話『ふたりの歌姫 と ガラスの灯 と 一服の珈琲』)のあらすじと感想・考察まとめ

『ハクメイとミコチ』とは樫木祐人による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。 収獲祭に参加していたミコチは、エントリーしていないにも関わらず収穫祭の舞台で歌う歌姫に選ばれてしまう。始めは嫌がっていたものの収穫祭の歌が、付喪神を讃えるものだと知り共に歌姫に選ばれたコンジュと舞台に上がった。 今回は「ハクメイとミコチ」第2話『ふたりの歌姫 と ガラスの灯 と 一服の珈琲』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第11話『夜越しの汽車 と 雨とテンカラ』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第11話『夜越しの汽車 と 雨とテンカラ』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイはミコチを連れて、釣りをするために遠方にあるカノカン湖に行くことにした。釣りは朝に限ると、まだ日が昇らないうちから二人は汽車に乗り込む。しかし、カノカン湖に着く前に雨が降り出してしまい、それでも釣りをするというハクメイにミコチは不安がるのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第11話『夜越しの汽車 と 雨とテンカラ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第5話『組合の現場 と 大岩と飼い石』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第5話『組合の現場 と 大岩と飼い石』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイは大工組合の石貫会に顔を出すと中通りの石垣補修の手伝いを申し出るが、会長のナライに断られてしまう。中通りが好きだったハクメイは、どうにかして補修作業に関わろうと鰯谷の道具管理を任せて貰うことにして現場に顔を出し続ける。ナライはそんなハクメイを認めて現場に出ることを許すのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第5話『組合の現場 と 大岩と飼い石』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第4話『仕事の日2 と ミミズクと昔話』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第4話『仕事の日2 と ミミズクと昔話』)のあらすじと感想・考察まとめ

『ハクメイとミコチ』とは樫木祐人による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品である。 新築祝いにミコチの家に来たコンジュは、ミコチが人気店である夢品商店に商品を卸していることを知る。夢品商店の常連であったコンジュはミコチの仕事を手伝うことにした。しかし、コンジュはミコチの家に鍵を忘れてしまい家に入れなくなってしまうのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第4話『仕事の日2 と ミミズクと昔話』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

ハクメイとミコチ(第7話『樹上の梯子 と 都会的な生活 と 笑顔の写真』)のあらすじと感想・考察まとめ

ハクメイとミコチ(第7話『樹上の梯子 と 都会的な生活 と 笑顔の写真』)のあらすじと感想・考察まとめ

以前、家を爆発させてしまったハクメイとミコチは改築を友人のセンに頼んだ。しかし、センは二人に黙ってミコチの家である楠にいくつも部屋を作っており、それを見つけて沢山の住人が勝手に住みついていたのだった。勝手に増えた住人達を嫌がるミコチだったが、ハクメイも元はと言えば突然増えた住人であったことを思い出すと彼らと仲良くしようと思うのだった。 今回は「ハクメイとミコチ」第7話『樹上の梯子 と 都会的な生活 と 笑顔の写真』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

目次 - Contents