スーパーロボット大戦(任天堂携帯機シリーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

スーパーロボットアニメ作品によるクロスオーバーシミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』のシリーズの1つ。
任天堂が販売している携帯ゲーム機向けに制作されているためこのように呼ばれる。
若者向けのスパロボを目指し、シリーズとしては珍しい作品、新しい作品が多数参戦している。
2001年発売の『スーパーロボット大戦A』からシリーズが始動。2018年1月現在9作品がリリースされている。

味方ユニットはインターミッションで改造を施す事が可能。資金を消費することで各スタータスや武器の攻撃力を上昇させることができる。武器の改造はAを除きユニットごとに一括で行われる。後述する生身のユニットも「改造」出来てしまうのはシステム上のご愛嬌。

ユニット・パイロット

スーパーロボット大戦シリーズ全体の特徴として、ユニットには操縦者であるパイロットが搭乗する。パイロットは戦闘や戦闘のサポートとなる特定の行動により経験値を獲得し、レベルアップが可能。レベルアップにより能力が大きく上昇する。ユニットはシリーズタイトルにも掲げられているロボットの他、ユニットを率い移動拠点ともなる戦艦、ロボットではないヘリコプターや戦車などの通常兵器、生身の生物や変身したヒーローなども登場する。巨大生物のようなパイロットの概念が不自然なユニットも、システム上の都合からユニットとパイロットが別個に設定されている。

パイロットの乗り換え

一部のユニットはパイロットが乗り換えることが出来、組み合わせによって思わぬ性能を発揮することもある。また、限られた出撃枠で様々なパイロットを育てるために改造を行った強力な機体を乗り換えできるパイロットで使いまわすという戦略も可能。

特殊能力

各作品には原作に則った様々な特殊能力が登場し、ゲームの戦略性を上げている。また、特定の原作に寄らない汎用的な特殊能力や各作品独自の特殊能力も登場する。例としては機動戦士ガンダムシリーズに由来する「ニュータイプ」や機動戦艦ナデシコに登場する強力なバリア「ディストーションフィールド」、様々な作品のキャラクターが劇中で見せた飛び道具の迎撃や剣を切り結んでの戦いを再現する「切り払い」、Jのシナリオ上で敵として立ちふさがるフューリーの用いる謎の技術「オルゴンクラウド」などが挙げられる。

『スーパーロボット大戦(任天堂携帯機シリーズ)』の主要登場人物・キャラクター/ユニット

アムロ・レイ

CV:古谷徹(ゲーム中ではボイス無し)
『機動戦士ガンダム』及び『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主人公。
ただの機械いじりの好きなスペースノイド(宇宙で生まれ育った人間)だったが、父が連邦軍のモビルスーツ開発に関わっていたことに起因する数奇な運命から本人も望まぬまま父の開発した「ガンダム」のパイロットとなり、スペースノイドとアースノイド(地球で生まれ育った人間)の戦争「一年戦争」の戦場に立たされる事となった。生き残るための戦いの中で新時代の人類とも表されるニュータイプに覚醒したアムロは激烈な戦果を上げ、戦争を生き残る。戦後はその強力無比な力を恐れた地球軍に軟禁状態に置かれてしまう。
『機動戦士Ζガンダム』では地球軍の内戦勃発と、共に一年戦争を生き抜いた少年カツの説得を受け軟禁状態を脱し戦場に戻る。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では地球軍のパイロットとしてエース部隊ロンド・ベルに所属し、一年戦争時代からのライバルであるシャア率いるネオ・ジオンが目論んだ人類の粛清を察知し、彼を止めるため新たな乗機νガンダムを駆り戦いに赴く。最後はシャアの粛清作戦である小惑星アクシズの地球への落下を自身のニュータイプ能力とνガンダムに搭載されたサイコフレーム(人の意思を何らかの力に変える装置。詳細は明かされないまま終わる)の力で押し返し、消息不明となる。
その後の時代を描いた作品群では基本的に生死や消息については語られないが、小説『機動戦士ガンダムUC』を元にしたOVAでは死後の残留思念が映像に登場するため、同作においては命を落としたと設定されている事が伺える。小説では登場していなかったため、一種のファンサービスと捉えるか、命を落としたという設定が確定したと捉えるかはファン次第となっている。
キャラクターとしては『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の姿でAからDまで登場するが、シナリオ序盤で過去に時間が遡るRのみ序盤以外は『機動戦士Ζガンダム』の姿で戦場をかける。また、『機動戦士ガンダムUC』の設定に則りBXにも名前のみ登場。
殆どの登場作品では自軍のエースパイロットとして活躍し、10代から20代前半の少年少女が多く自軍に参戦する本シリーズでは理解のある大人の代表格的存在としての描写も多い。Dでは地球消失という大事件が原因でシャアから要請を受け、乗り気ではないながらもネオ・ジオンに参加するというシリーズでも類を見ない立場で登場する。

ガンダム

『機動戦士ガンダム』の主役ロボット。宇宙軍の人型兵器・モビルスーツの脅威に晒された地球軍が開発した試作型モビルスーツ。形式番号RX-78-2。後のシリーズ作品に登場した「ガンダム」と名のつく多数の機体と区別するため、「初代ガンダム」や「RX-78-2ガンダム」等と呼称される場合も多い。
同時に制作されたガンダムが他にも2体あると設定されており、この内1体は小説版『機動戦士ガンダム』の終盤でガンダムを一度失ったアムロの乗機として登場する。
TV版では支援用戦闘機「Gファイター」が登場し、中盤以降は「Gファイター」と合体して機動性を上げる場面も見られる。
フラッグシップとして当時の最新技術が惜しみなく投入された結果、宇宙軍のモビルスーツを遥かに上回る性能に仕上がっている。序盤は地球軍の最新技術により戦艦並みの火力と装甲を兼ね備える兵器として描かれ、中盤以降はパイロットであるアムロのニュータイプ能力の開花により鬼神の如き強さを発揮するようになった。最終決戦直前には関節にマグネット・コーティングが施され、基本性能は据え置いたまま各関節の動きが格段にスムーズになり、限界以上の性能を発揮するようになった。
基本装備に頭部60mmバルカン砲とビームサーベル、携行型のビームライフルとハイパーバズーカ、防御用のガンダムシールドがある。オプション装備には棘の生えた鎖付き鉄球のガンダムハンマーや投擲後にビームライフルで起爆し広範囲を焼き払うスーパーナパームが存在する。
本シリーズではAのみに登場した。それまでのスーパーロボット大戦にも登場こそしているものの性能が低く、必殺技に当たるものもなかった本機だったが、同作ではスーパーナパームが必殺技として設定され、基本性能もそれなりのものに調整された。更に特筆すべきは拡張性の高さで、強化パーツの搭載可能数が多く、様々な戦局に応じて強化パーツを付け替えることで臨機応変な戦いが可能。さらに同作に登場する、強化パーツの搭載可能数が多いほど効果が上昇する「V-UP」や「W-UP」という強化パーツを装備することで性能は指数関数的に跳ね上がり、若干手間はかかるが最強クラスの機体として君臨することもできる。すべてのガンダムの始祖としての面目躍如である。
Aの移植版Aポータブルでは移植前の最強ぶりは流石に鳴りを潜めたものの、変わらず強力な機体として活躍できる。また、本作専用に書き起こされた戦闘アニメーションはアイキャッチの姿を再現したりスーパーナパームを原作通りの手段で着火したりと小気味よく攻撃内容にも見合ったものが揃えられ、シリーズで一番かっこいい初代ガンダムとの声も多い。
Aをプレイすれば印象に残りやすい、同作を象徴する機体である。

デュミナス

CV:早間京子(ゲーム内ではボイス無し。CVは『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATIONS』にて設定された)
『スーパーロボット大戦R』のラスボス。何者か(創造主)の手によって生み出された生命体。
自らもティス、ラリアー、デスピニスの3人のホムンクルスを生み出し使役している。
完成したデュミナスは創造主の望んだ姿ではなく、創造主はデュミナスを「誤り」と断じ処分しようとした。名前であるデュミナスは作中における「間違い」の意味である。これに抵抗し、創造主を殺害してしまったデュミナスは、自身の本当の名前すらわからぬまま、自身が何になるはずで何を理由に否定されたのかを知る術を失ってしまう。
以降デュミナスは宇宙をさまよい、創造主の言う「誤り」の正体を探るためホムンクルスたちに世界の事象に介入し「誤り」を生じさせた。
R序盤の破滅的な世界はデュミナスの介入の結果であり、正しい歴史とは言えない状況にあったのである。
同時にデュミナスは時間転移技術も求めており、時間に干渉し力を得る「時流エンジン」を発見。主人公たちに近づくのであった。
主人公たちに巻き込まれる形で3年前の世界へ飛んだデュミナスは、この世界でもホムンクルスたちを使役して誤りを発生させようとする。
ティス、ラリアー、デスピニスとの関係は良好で、親子のようなやり取りが見られる。
終盤では予備の時流エンジンを奪い、主人公の仲間ラージ・モントーヤとミズホ・サイキをさらって時間転移技術を実現させようとするも、ラージが時流エンジンに施した細工に引っかかり自爆してしまい、瀕死の重傷を負うとともに2人の脱出を許してしまう。
絶体絶命のデュミナスだったが、ホムンクルスたちのエネルギーを受け取り力を取り戻し、涙を拭って主人公部隊と最終決戦に突入する。
最終決戦に敗れた際、散り際のデュミナスの姿を見たミズホは、デュミナスが人間として作られたのではないかと推察する。
作中では創造主の正体やデュミナスの本当の名前、なんのために生み出されたかなどは殆ど明かされないまま終わる。この点も説明不足と取られることが多いが、プレイヤーに想像の余地を残しているという見方もある。
後に『スーパーロボット大戦 OG外伝』にてその正体や創造主が新たに設定されたが、こちらはスーパーロボット大戦シリーズに登場したオリジナルキャラクターによるクロスオーバーであるため、創造主がRとは無関係のオリジナルキャラクターに設定されたため、本作のデュミナスの疑問に対する答えとはいい難い。
はた迷惑な自分探しで看過できない所業を起こているのだが、作中ではコミカルな描写も多く、ホムンクルス達を想い涙するなど憎めない一面を持っている。また、創造主に作られ処分されかけ、自身の存在意義やするべきことがわからないために世界に悪影響をばらまいたという、言うなれば被害者的側面も持っており、単なる悪と断じるのも難しい側面も見せた。
ライトながら決める時には決める重さを持ったキャラクター造形や、時間転移というテーマに合わせた「過去に戻らなければ不可能な自分探し」という目的などが印象的な、Rを象徴するオリジナルキャラクターであり悪役である。

明神タケル

CV:水島裕(ゲーム内ではボイス無し)
『六神合体ゴッドマーズ』の主人公。ギシン星人として生まれ、ギシン星での名前は「マーズ」。ズール皇帝の手で赤ん坊の頃に地球を一撃で破壊する反陽子爆弾の起動キーとして地球へと送り込まれた。
その後は地球人「明神タケル」として育てられ、地球防衛軍のコスモクラッシャー隊に参加。ギシン星人の侵攻に合わせるように超能力を開花させ、地球を護るために戦う。
ギシン星人という出自が発覚してからは仲間から偏見の目で見られたが、地球人「明神タケル」としての正義を貫き通し、その心意気で信頼を勝ち取っていった。
実の兄にズール皇帝の野望を砕こうとギシン星で暗躍したマーグがいる。タケルにゴッドマーズの合体に必要なペンダントを託すなどの活躍を見せたマーグだが、最終的には目論見はズール皇帝に察知され、精神を操られてタケルと敵対してしまう。血を分けた兄弟同士の戦いは視聴者の涙を誘った。
Dに登場。ゴッドマーズのパイロットとして活躍する。異星人ではあるものの地球人として育ち、地球人としてのメンタリティを持っている。正義感も強く、自分が何者なのか迷いながらも必死に戦い抜く姿が印象深い。

nao34
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@nao34

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