宝石の国(第7話『冬眠』)のあらすじと感想・考察まとめ

『宝石の国』とは市川春子による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品。
冬が来て、宝石たちは冬眠に入る準備をしていた。フォスはアンタークチサイトと共に冬を眠らずに過ごす。そしてフォスは聞き慣れない声を耳にする。
今回は「宝石の国」第7話『冬眠』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「宝石の国」第7話『冬眠』のあらすじ・ストーリー

修理されたアメシストが顔を上げると、フォスが土下座で「怖くて…動けませんでした…」と頭を下げていた。しかしアメシストは「ごめん。僕等に油断があった。フォスのお手本になろうとして張り切りすぎたよ。怖い思いをさせたね。」と逆に謝った。
フォスは自身を恥じて走り出した。その時、浜辺を歩くシンシャを発見する。フォスは「今話せることなんか…」とつぶやき、姿を隠した。辺りには雪が降り出していた。

宝石たちは冬眠の準備を始めた。冬は光の力が弱くなるため、宝石たちは眠りにつくのだ。晴れた日にはほぼ確実に月人が襲来するが、逆に読みやすいので金剛先生と「アンタークチサイト(愛称:アンターク)」で対応していた。アンタークは特殊で、通常は液状化しており、気温が下がった時のみ結晶化する宝石だった。そして気温が下がれば下がるほどに強さを増すという特徴を持っていた。
シンシャもルチルに一緒に冬眠するよう言われていたが、姿はなかった。ルチルはシンシャに寝具を持って届けるようフォスに頼むが、フォスは合わせる顔がなく断った。
準備が整い宝石たちは先生とアンタークを除いて眠りについた。

目覚めたアンタークチサイト

結晶化したアンタークは先生へ挨拶をした。そして「例年の…よろしいでしょうか?」と断りを入れ、先生へ笑顔で抱きついた。冬にしか体を持たないアンタークは毎年これを行なっているらしかった。満足気な表情を浮かべるアンタークだったが、その姿をフォスが柱の影から覗いていた。例年は誰よりも早く寝て、誰よりも遅く起きるフォスだったが、今年は眠気がこないという。アンタークは嫌がったが、先生はフォスが起きていることを許可した。

「毎年最後まで寝て癖になんだ。気まぐれでいつまでもフラフラと。私より半硬度上なのに恥ずかしいと思わんのか。今年もどうせ無為な一年だったんだろ?今更その不安で眠れないか?」と言うアンタークにフォスは素早く動ける脚を見せた。「戦争には出たのか?」と聞くアンタークに「出たけどさぁ…肝心な時怖くて、走れなくて…怒られなかったのが…悔しくて…眠れない…。」とフォスは答えた。さらに「それに…冬は起きてるだけで辛いっていうから、ちょっと頑張ってみようかなって。」と言った。そんなフォスにアンタークは「仕事を一つ分けてやろう。」と言った。

フォスとアンタークは雪の中を歩いた。フォスは日が薄い中で這いずって進んだ。アンタークが向かった場所は海だった。海は凍っており、巨大な流氷が出来ていた。流氷は悲鳴のような轟音を轟かせながら、互いにぶつかり合い、大きく隆起していた。この轟音が宝石たちの眠りを妨げるので砕かなければならなかった。アンタークは「見ていろ。」と言い、巨大な流氷を剣を突き立てて一撃で割ってしまった。アンタークがいう仕事はこの「流氷砕き」だった。
学校に帰ったフォスは「あのー…すごい仕事を分けてもらって恐縮なんですがぁ…僕にはちょっと早いんじゃないかなぁ…脚しかないんですよ、脚しか!」と弱音を吐いた。それに対して「低硬度から『勇気』をとったら何もない。」「出来る事しか出来ないままだな。」とアンタークは言う。

流氷の声を聞いたフォス

翌日、フォスは流氷砕きに挑んだ。うまく流氷を飛び越え、剣を突き立てるが、その衝撃で自身にヒビが入ってしまった(治療はアンタークが行なった)。その他にも雪かきや、学校巡回などの日常業務をこなければならなかった。そんな日常を疲弊しながらもこなしていたフォスは流氷砕きの時に「大丈夫?」という声を聞く。話しかけてきたのは流氷であった。アンタークがいうには流氷も宝石と同じ鉱物であり、言葉のような音を出しているのだという。フォスはその言葉にならない声をしっかりと聞き取ることでき、「苦しい。辛い。帰りたい。」と言っているようだった。
学校に帰ったフォスは流氷を説得して叫ぶのをやめるように頼もうと提案するが、先生はそれを良しとしなかった。流氷は意思を持っているわけではなく、見る者の不安を反射して増幅する性質を持っているため、流氷の前では心を穏やかに保たねばならないとフォスに言う。
アンタークは「フォスは思ったより着いてきています。叶わぬことですが、脚力ほどの腕力があればと、願わずにはいられません。」と先生に報告した。それを聞いたフォスは顔を曇らせた。

流氷砕きに来ていたフォスは先日のアンタークの言葉を思い返していた。そして自身の腕を切り落とそうかと刃を腕に当てようとしていた。しかし、フォスは我に帰り、もう貝殻は残っていないことを思い出した。その時「でも強くなれるよ。」という流氷の声が響いた。「きっと上手くいくよ…噛み切ってあげる…脚も結局良くなった…いい方法を誰か知ってる…悪くはならない…変わらないと…勇気がないと…どうにかなる…間に合わないよ…このまま春になったら…シンシャは…」と言葉をつなげた。フォスは流氷の割れ目に腕を入れようとするもフォスはその誘惑を跳ね返し、後ずさった。しかし、腕を滑らせ、流氷の割れ目に頭から落ちてしまう。それに気づいたアンタークが急いで引き上げるが、フォスの両腕は失われていた。

「宝石の国」第7話『冬眠』の感想・考察

「宝石の国」の動画放送情報

地上波・BS・CS 放送スケジュール

・AT-X 2017年10月7日(土)21:30~
・TOKYO MX 2017年10月7日(土)22:00~
・BS11 2017年10月7日(土)23:00~
・毎日放送 2017年10月7日(土)26:38~

その他配信系 配信スケジュール

・ニコニコチャンネル 2017年10月10日(火)24:00~
・dアニメストア 2017年10月8日(日)12:00~

「宝石の国」アニメ全話のネタバレ解説まとめ

renote.net

shuichi
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@shuichi

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