異世界食堂(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「異世界食堂」とは、犬塚惇平のライトノベル作品。2013年から小説家投稿サイト「小説家になろう」で連載し、2017年にはSILVER LINK.製作でアニメ化。現代日本にある洋食店「洋食のねこや」は、土曜日になると扉が異世界と繋がり、異世界の住人達が料理を食べにやってくる「異世界食堂」となる。異世界の客達が現代日本の洋食を食べる、所謂飯テロアニメ。客達の完璧な脳内食リポが特徴的。

お店の中でのトラブル

常連の多くが自分の好物を只管頼み続ける。
毎回違う物を頼む常連や、たまに違う料理を頼む客もいるが、殆どの常連が好物一筋で同じ物を頼む。
そのため、ねこやの中で知り合った客達が料理を食べながら雑談し、どちらの料理が美味しいか、どの食べ方が美味しいかという話になることも多い。
特にどれが一番美味しいかという話になると常連達の誰もが自分の好物が一番であると主張し、そして誰も自分の意見を譲らずヒートアップし、一触即発の雰囲気になってしまうこともある。
また、サンドイッチに挟む具は何が良いか、という話になった時には、サラとハイリンヒがメンチカツかエビフライかで争い、タツゴロウとアルトリウスがテリヤキチキンとロースカツで争う。
さらに飛び火し、アーデルハイドとヴィクトリアはフルーツサンドが良いと意見が一致するも、生クリームかカスタードクリームかで意見が食い違う。
最終的には、お互いの押しを食べてみようという事になり丸く収まった。
ねこやではこうした議論からのヒートアップが日常的に行われている。
あまりにも煩くなってしまうと店主が厨房から出てきて注意し、それ以上騒ぐと「もう料理は作らない」や「出禁にする」と言うと、全員が黙ってまた黙々と料理を食べ出す。
絶対に出禁にされたくないのであろうか、常連に店主に逆らう者は居ない。
言い争いレベルであれば店主の登場で事は収まるが、もしそれ以上の危ない状況になることがあったとしても、ねこやは赤の女王の庇護下にあるため赤の女王が駆けつけてくれる。
クロが従業員に加わった後は、赤の女王が居ない時にクロが店を守る役割を担っている。

従業員にクロ追加

公国最強の海軍将軍と謳われた武人「アルフォンス・フリューゲル」は、ねこやの常連である。
アルフォンスの好物はカレーで、ある日アルフォンスは店主にチキンカレーの試食を頼まれる。
いつも食べているカレーよりも少し辛口であるが、アルフォンスはこれはこれで美味しいと賞賛しおかわりした。
すると、「私もそれ」という脳に直接語りかける声と共に、ねこやのドアが開き真っ裸の少女が来店した。
少女は七色の覇王の一人である黒(クロ)であった。
クロは全てを死なせる力を持つ存在で、七色の覇王の一人として万色の混沌を倒した後、誰とも関わらず月に一人で住んでいた。
そこへ突然ねこやの扉が現れ、ドアを透視すると人間達が楽しそうにしていたため興味を引かれ、能力を最小限まで抑えエルフの姿になってねこやに入ってきたのである。
しかし洋服と言う概念を忘れていたため裸であった。
赤面する店主に洋服はどうしたのかと尋ねられ、魔法の力で洋服を着た。
アルフォンスはクロを普通のエルフだと思い、クロにチキンカレーを奢ってあげた。
クロはチキンカレーをぺろっと平らげおかわりし、クロの食べっぷりを見たアルフォンスもおかわりし、次第に大食い勝負のようになり二人はチキンカレーを食べ続ける。
アルフォンスは途中でお腹いっぱいになってしまいねこやを去って行くが、クロはその後もチキンカレーを食べ続ける。
赤の女王が来る時間になり、赤の女王とクロが対面する。
二人は七色の覇王の仲間であるため知り合いであるのだった。
赤の女王はクロに人間はお金を払って料理を食べる事を教え、クロにお金はあるのかと聞くと持ってないという。
クロが赤の女王にどうしたらいいかと尋ねると、赤の女王は働けば良いと答え、店主にクロが自分の知り合いである事を説明し、クロを従業員にするように頼む。
給金はチキンカレーで良いという。
店主がそんな無茶な条件で良いのかと困りつつクロにそれで良いかと尋ねると、クロは頷き、ねこやの従業員になることが決まった。
一部始終を聞いていたアレッタは、クロの代わりに自分がクビになるのだと勘違いしオロオロするが、そういうわけではないようであった。
異世界食堂は常連が多く、店主はアレッタだけでは人手が足りないと感じていたのである。

洋菓子店「フライングパピー」のクッキー

ねこや以外の場所でも職を探していたアレッタは、家政婦の仕事をするために雇い主の元へいく。
すると雇い主はなんと、ねこや常連の「サラ・ゴールド」であった。
サラはアレッタならば家を任せられると喜び、アレッタも良い職場を見つける事が出来たのであった。
アレッタはねこやでの休憩中、店主が食べても良いと言い置いてあったクッキーをとても気に入っていた。
しかしクッキーは食べれば減るため、アレッタは遠慮がちにクッキーを食べていた。
このクッキーはねこやのあるビルに入っている洋菓子屋「フライングパピー」で買ったもので、決して安物では無い。
アレッタがクッキーを気に入っていた事に気づいていた店主は、アレッタに就職祝いだと同じクッキーをプレゼントする。
アレッタはサラの家で住み込みの家政婦をしながら、食べれば食べるほど減っていってしまうクッキーを残念に思っていた。
するとサラを尋ねて、妹の「シア・ゴールド」が家にやってきた。
家政婦のアレッタを見て、魔族に家政婦をさせるなんてと少し戸惑うシア。
しかしアレッタはお茶菓子として大事にしていた残りのクッキーをシアに全て出し、シアをもてなした。
シアはクッキーの可愛らしい見た目に驚き、そして味もとんでもなく出来が良いと驚く。
シアはアレッタにこのお菓子はどうしたのかと尋ねると、アレッタは曖昧な返事をした。
アレッタの反応を見てシアは質問を変え、同じ物が手に入るのかとアレッタに聞く。
アレッタは手に入るとは思うが恐らく高いものであると答え、シアにクッキーの入った缶の箱を見せた。
シアはアレッタに手に入るときで良いからクッキーを入手して欲しいと頼み、金貨一枚を渡した。
その後、言われた通りアレッタは店主にクッキーを買って欲しいと頼み、銀貨3枚使ってクッキー缶二つと買って来た。
思ったよりも安かった上に2缶入手できたことにシアは大喜びし、アレッタとその日家に居たサラにも一緒に食べるように誘う。
シアは大商会の一族でありながら冒険に命を費やすサラをとても心配しており、その心配が姉妹の溝になっていた。
しかしアレッタが大事なクッキーをシア分け、そのクッキーがとても美味しかった事もありシアとアレッタは仲良くなり、それがきっかけでシアはサラとも距離を縮めるのであった。

店主という存在

本作において店主は常に出てくるキャラクターであるが、焦点が当たる事は少ない。
たまに店主が料理を作る以外の事をしていても、店主のいつもの生活などは殆ど見えてこない。
原作小説では日本側のキャラクターも出てくるが、アニメには出て来ていない。
しかしアニメ最終回Bパートにて、四英雄の「アルトリウス」が同じく四英雄の「アレクサンデル」をねこやに連れてくる。
四英雄は異世界においてあちこちで世界を滅ぼそうとしていた魔王たちを倒した英雄「アルトリウス」「アレクサンデル」「レオナルド」「ヨミ」の4人の事を言う。
ヨミは邪神との戦いで異世界に飛ばされてしまい行方不明になっていたが、アレクサンデルはアルトリウスからヨミがその後も生きていた事を話される。
ヨミは太平洋戦争終戦直後の日本に飛ばされており、そこでねこやを作る事になる「山方大樹」と知り合う。
そして名前を「山方暦」と名前を変え、ヨミにとっては異世界である日本で暮らした。
ヨミと山方はねこやを作り、ヨミの孫にあたるのが現在の店主なのである。
つまり店主は異世界の血が入った人間なのであった。

『異世界食堂』の主題歌

オープニングテーマ「One In A Billion」

作詞:藤林聖子
作曲:渡辺未来
編曲:R・O・N
歌:Wake Up, May'n!(Wake Up, Girls!×May'n)

エンディングテーマ「ちいさなひとつぶ」

作詞:西直紀
作曲:さかいゆう
編曲:河野伸
歌:安野希世乃

『異世界食堂』の関連書籍

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