のだめカンタービレ(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『のだめカンタービレ』とは二ノ宮知子による日本の漫画作品。クラシック音楽をテーマにしており、講談社『Kiss』にて連載された。第28回講談社漫画賞少女部門賞を受賞。ドラマ、アニメ、映画、小説、ゲーム、CD、韓国でのドラマ化など、多種多様にメディア化され、世間にクラシック音楽ブームを起こした。千秋とのだめが音楽を通じて出会った人々との交流で成長していく様を描いている作品。主人公「のだめ」こと野田恵とエリート音大生・千秋真一が音楽を通じて出会った人々と交流し、成長していく様を描く。

佐久間学「歴史に名を残す音楽家には才能だけじゃなく人との大事な出会いがあるものさ、ボクもそういう人間のひとりになりたいんだよ」

コンクールに惨敗し失意のまま実家福岡に帰ってしまったのだめを連れ戻そうとした時に千秋が思い出した音楽評論家・佐久間学のセリフが、「歴史に名を残す音楽家には才能だけじゃなく人との大事な出会いがあるものさ、ボクもそういう人間のひとりになりたいんだよ」である。
これは佐久間が千秋に言ったセリフなのだが、歴史に名を残しそうな程才能豊かだと評価している千秋のために協力を惜しまない姿勢を佐久間は言葉に表した。千秋はのだめの才能を稀有なものとして高く評価しているし、何よりものだめの音楽に心惹かれている。このまま埋もれてしまうには余りにも惜しいし、何よりも自分が聴けなくなることが悔しくてたまらない。
実家に引きこもっているのだめを連れ戻すため、福岡まで旅立った。

才能豊かな若き音楽家のために、それを支えたいと無償の愛を注ぐ協力者の名セリフ。

引用:のだめカンタービレ 9巻

野田恵「人間は負けて大きくなってゆくんデスよ!!のだめのように」

千秋が参加したプラティニ国際指揮者コンクールにて、千秋はSオケやRSオケでもやってしまった失敗を繰り返してしまった。高圧的な指示を繰り返しオケの人の気分を害してしまい、オケが上手く鳴らなくなってしまったのだ。
落ち込む千秋を慰めたのだめの一言。
かつてコンクールで惨敗し、自信がポッキリ折れてまた一からやり直したのだめの経験からきた言葉。
挫折も成功に必要なプロセスなのだと感じさせる名セリフ。
実際にはギリギリ予選通過し、このコンクールで千秋は優勝を勝ち取った。

引用:のだめカンタービレ 10巻

ダメ出しされたのだめがオクレール先生にリベンジするシーン

パリのコンセルバトワールに留学したのだめ。のだめをこの学校に勧めてくれたオクレール先生との初授業の時、超絶技巧曲を弾いて、のだめは「全然ダメ」と言われてしまった。リベンジを誓い自分が作曲した「もじゃもじゃ組曲」を弾いてくれるよう頼み込み、オクレール先生は弾いてくれた。楽譜を見ながらその曲が物語に沿って作られていることを見破り、大まかな感情まで言い当てる。のだめは横で曲についての解説を語っていた。

オクレールはのだめに「…君がそうやって言いたいこといっぱいあるみたいに、他の作曲家だって言いたいこといっぱいあるのにネー。君はその声を本能的に感覚的にしかとらえない」と楽譜の大切さを教えた。

ただ楽しく弾くのではなく楽譜に書かれた作曲家の声に耳を傾けてみろと諭されたシーン。のだめの音楽に対する意識が変わった。

引用:のだめカンタービレ 12巻

野田恵「楽しんで弾くので頑張って聞いてくだサイ」

サン・マロの教会で初リサイタルを行うのだめがした挨拶が、「楽しんで弾くので頑張って聞いてくだサイ」である。
観客は言い間違いと思ったようだが、これはのだめの本音だと思われる。桃ケ丘音大時代もコンセルバトワールに来ても、基本のだめはいつも楽しんでいる。特に初リサイタルは観客に喜んでもらうと同時に自分も楽しもうという気持ちが前面に出ていた名セリフ。

引用:のだめカンタービレ 15巻

トマ・シモン「音楽の本質は『調和』にあるのだ。それを表現するのが真の『音楽家』なんだ」

ルー・マルレ・オーケストラのコンマス、トマ・シモンが言ったセリフが、「音楽の本質は『調和』にあるのだ。それを表現するのが真の『音楽家』なんだ」である。気に入らない指揮者や演奏者を高圧的な態度でいびるなど大人げない行動をしていた時期もあったが、千秋の事を認めるようになってからは千秋に協力し、ともに良い音楽を作ろうと目指してきた。公演に向けてパート練習をしている時にパートのメンバーに語った名セリフ。

音楽を真に愛する心が伝わって来る名セリフ。

引用:のだめカンタービレ 16巻

やる気を失ったのだめがシュトレーゼマンの手を取るシーン

コンセルバトワールで音楽と正面から向き合い、数々の曲や作曲家に触れることで音楽の楽しさと表現する喜びが少しずつ分かってきたのだめ。自分で演奏し表現したい運命の曲も発見できた。本当は千秋と共演したかったけれど、千秋がプロの音楽家として活動している以上、ルイと共演することがあることも理解できている。しかし、自分が目指していた演奏、それ以上のものを千秋とルイに演奏されてしまった。
自分でなくても自分のやりたい音楽は誰かがやってくれる、そう思ったら、のだめの音楽への意欲は一気に失われてしまった。さらに、気落ちしてつい千秋にプロポーズしてみたものの、それすら流されてしまって、どん底まで落ち込んでしまった。
そんな時、現れたシュトレーゼマンに胸の内を打ち明けると、のだめの演奏を聞いたシュトレーゼマンから共演しないかと誘われた。

ただ千秋に追いつきたくてパリまでやってきたのだめ。千秋と共演したいという夢のため頑張ってきたが、師であるオクレール先生にコンクール参加を止められているのだめはいつまでこの頑張りを続ければ夢は叶うのだろう、と虚脱感でいっぱいだった。そんなのだめ空白の心に入ってきたシュトレーゼマンの悪魔の囁き。手に汗握る名シーン。

引用:のだめカンタービレ 21巻

千秋真一「それでもオレはやっぱり 何度でもあいつをあの舞台に連れて行きたいと思うんだ」

シュトレーゼマンとの共演を果たし、大好評を博したのだめ。再演を望む声や出演依頼が殺到している。そんな周囲の熱すぎる期待から逃げ出し、パリのアパルトマンで子供たちを集めて幼稚園の先生の真似事をしていた。楽しそうにピアノを弾く姿に、もがき苦しみながらピアノを弾いているよりも好きな事をさせていた方がのだめにとっては幸せなのではないかと千秋は考えた。
しかし、子供たちに馬鹿にされ本気でピアノを弾いたのだめの演奏を聴いたら、「それでもオレはやっぱり 何度でもあいつをあの舞台に連れて行きたいと思うんだ」と、どうしてもこのまま埋もれさせたくない思いにとらわれてしまう。

音楽から逃げることは簡単だけど、のだめの真の幸せはピアニストになることだと確信した千秋はのだめを音楽の世界に連れ戻す決心をした。この時の千秋の心情が伝わる名セリフ。

引用:のだめカンタービレ 21巻

千秋真一「いくら苦しくても、気が遠くなるほどの孤独な戦いが待っていようとも、こんな喜びがあるから 何度でも立ち向かおうと思うんだ」

のだめは一緒に協奏曲をしようという千秋の誘いを断った。最高に気持ちの良かったシュトレーゼマンとの演奏よりもいい演奏ができなければ千秋のことを嫌いになってしまうかもしれないと思ったからだ。嫌がるのだめを強引に連れ出した千秋は、2台ピアノが置いてあるニナ・ルッツの家に行った。そこで初めて2人で連弾した、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」を演奏することにした。自分の演奏はあの頃とは違う、こんなことやってなんの意味があるのかと問うのだめに、やってみなければわからない、と千秋は言い連弾を始めた。
のだめはこの連弾で新たな喜び、感動を見出し、再び改めて千秋の音楽に、千秋自身に惹かれていると気づいた。

「いくら苦しくても、気が遠くなるほどの孤独な戦いが待っていようとも、こんな喜びがあるから 何度でも立ち向かおうと思うんだ」とは、音楽家が誰しも感じる苦しみや孤独、しかし、演奏するたびに新たな喜びを感じることができるという千秋の思いがよく伝わる名セリフである。

引用:のだめカンタービレ 23巻

『のだめカンタービレ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ファンの心を掴んだのだめと千秋の恋愛模様

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