のだめカンタービレ(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『のだめカンタービレ』とは二ノ宮知子による日本の漫画作品。クラシック音楽をテーマにしており、講談社『Kiss』にて連載された。第28回講談社漫画賞少女部門賞を受賞。ドラマ、アニメ、映画、小説、ゲーム、CD、韓国でのドラマ化など、多種多様にメディア化され、世間にクラシック音楽ブームを起こした。千秋とのだめが音楽を通じて出会った人々との交流で成長していく様を描いている作品。主人公「のだめ」こと野田恵とエリート音大生・千秋真一が音楽を通じて出会った人々と交流し、成長していく様を描く。

フランスのオーケストラ。マルレオケよりも格上。千秋が参加したプラティニ国際指揮者コンクールで演奏を担当した。千秋のパリデビュー公演もこのウィルトールオケが演奏を担当した。後に、孫ルイの復活公演も行われた。

プリごろ太

作中に登場する日本の幼児向けアニメ。外国でも放映されるほど人気がある。作者はハラヒロシ。このアニメの大ファンであるのだめはセリフをすべて暗記しており、同じアパルトマンのフランクが見ていたフランス語吹き替え版を見て、フランス語を習得した。
劇中劇として実際にアニメが制作され、アニメ版DVDの特典になった。

もじゃもじゃ組曲(La suite mojamoja)

のだめのオリジナル曲。桃ケ丘音楽大学で3年掛りで11曲までを谷岡と制作。最後の12曲目を江藤と制作した。紙芝居付きの名作。
第1曲は「もじゃもじゃの森」第12曲は「幸せ色の虹」
コンセルバトワールの授業でのだめは担当のシャルル・オクレールに弾かせている。

おなら体操

幼稚園の先生を目指していたのだめが作ったお遊戯用の曲。
ドラマ版ではのだめが歌いながらピアノを弾き江藤が踊り、アニメ版でも登場した曲。

裏軒

桃ケ丘音楽大学の裏にある中華料理店。峰龍太郎の父が経営している。桃ケ丘音大生に大人気で、理事長の妹・桃平沙夜子も大好きでよく食べに来ている。
一般的な中華メニューはもちろん、クラブハウスサンドやエスプレッソなどを始めとする喫茶メニューも充実している。クリスマスケーキの販売もしている。
一人息子の龍太郎が所属するSオケやRSオケ、千秋やのだめとコラボした限定メニューなども提供している。
RSオケの広告にも力を入れており、結成当時から商店街を巻き込んだ広報活動を行っている。

『のだめカンタービレ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

千秋とのだめが初めて連弾したシーン

担当教師・江藤の教育方針に反発したため担当教師が変更になった千秋。千秋の担当になった谷岡肇は「落ちこぼれ専門」と言われる教師だった。のだめの担当も務めており、おなら体操などで歌い踊り大騒ぎしてるところを千秋は目撃していた。その谷岡が千秋に出した課題はのだめと連弾することだった。
出された課題はモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」。
この課題に意味を見いだせず、ただ早く終わりにしようとのだめをスパルタで練習させる。楽譜を見ないのだめと合わせられるはずもなく、また、飛んだり跳ねたり独創的な演奏するのだめと合わせることは至難の業。のだめに楽譜通りに弾くことを強要するがのだめはどんどん萎縮していってしまう。

本番の日、のだめに自由に弾いていい、と声をかけた千秋はのだめの飛んだり跳ねたりする演奏に完璧に合わせ切り、素晴らしい演奏を披露した。
むかし、師であるヴィエラ先生が言っていた「身震いするほど感動する演奏ができるなんて本当にまれだ」という言葉。そんな瞬間を夢見ながら諦めていた千秋だったが、のだめとの演奏で小さな身震いを感じた。
のだめに完璧に合わせることで千秋はスランプから脱却した。

海外にいけないことで腐っていた千秋がこの連弾によって音楽の素晴らしさを改めて感じ、のだめとの絆が深まった名シーン。

引用:のだめカンタービレ 1巻

千秋が初めてSオケの指揮をして大失敗したシーン

シュトレーゼマンが編成したSオケの初めての合奏の日、のだめに殴られて気絶したシュトレーゼマンの代わりに千秋が指揮をすることになった。長く独学で勉強し続けてきたものの、実際のオケを振るのは初めての千秋。
練習を始めてみると、千秋に反感を持っている学生が嫌がらせをしてきたり、自分の指示通りに吹けない者もいたり、何度も同じミスをする者などもいる。オケのメンバーは高圧的に指示をする千秋の指揮についていけない。

千秋が「もうやってられない」と思った時、練習を見ていたシュトレーゼマンが「千秋失格~~」と現れた。
千秋を下がらせシュトレーゼマンが指揮をすると、見違えるような音楽に変わった。シュトレーゼマンは音楽や人を尊敬していて、メンバーに対する指示もわかりやすく安心感を与えている。曲の指示は千秋と同じでも、演奏者の気持ちを上手く高めることで、音の鳴りが全く違っていた。

女好きで合コン好き、心も狭い所もあり人として尊敬はできなくても音楽は尊敬できる。シュトレーゼマンの音楽に千秋が尊敬と憧れを抱いた名シーン。

引用:のだめカンタービレ 2巻

フランツ・フォン・シュトレーゼマン「さあ、楽しい音楽の時間デス」

大学祭で千秋がピアノでシュトレーゼマンと共演をする。シュトレーゼマンの弟子として指導を受けてきた千秋だったが、シュトレーゼマンに出された課題はラフマニノフのピアノ協奏曲2番。超絶技巧を要する難曲だ。世界的な巨匠の指揮で演奏できる事に喜びを感じ、千秋は懸命に練習をする。シュトレーゼマンも自分との演奏に妥協は許さないとして千秋を厳しく指導する。
本番当日、出番直前にシュトレーゼマンはこれを最後にしばらく日本を離れると千秋に告げた。
そして「さあ、楽しい音楽の時間デス」と言った
このセリフはシュトレーゼマンが他の演奏会、共演者にもよく言うセリフであるが、まずは音楽を楽しむというシュトレーゼマンの基本姿勢をよく表している言葉であり、千秋もこれ以降、演奏前によく使うようになる名セリフ。

引用:のだめカンタービレ 5巻

野田恵「神様が呼んでるから、行かなきゃ」

RSオーケストラ第1回公演、千秋は出来る限りの勉強をし音楽でそれを表現した。オケのメンバーも千秋の厳しい練習にくじけず音楽を作り上げた。
飛行機恐怖症のため音楽の本場に行けず、留学する人々を羨んだり、腐ったりしたこともあったが、今ここで出来る最高の音楽を生み出そうと生活の全てを音楽に費やした。そして迎えた公演の日、千秋が指揮し奏でられた音楽にのだめは感動し涙した。
千秋の音楽は海外で磨かれた方がいい。それだけの才能を持っていると確信したのだめは千秋の飛行機恐怖症を取り除こうと決意した。

シュトレーゼマンに貰った懐中時計を使って千秋を眠らせ、千秋の母から聞いた12歳の時の飛行機事故を丁寧になぞっていく。

千秋のトラウマを取り除いたのだめが眠る千秋の部屋を出る時に「神様が呼んでるから、行かなきゃ」と呟いた。

本当は海外に行って欲しくない、ずっと日本でそばに居てもらいたいと願っていたのだめだったが、千秋の奏でる音楽をこのまま埋もれさせてはいけないと断腸の思いで千秋を救った。自分のワガママな思いよりも千秋を優先させた名セリフ。

引用:のだめカンタービレ 8巻

野田恵「自由に楽しくピアノを弾いて何が悪いんですか!?」

飛行機恐怖症を克服した千秋は絶対に海外に行ってしまう。千秋に追いつきたいのだめは今まで全く考えもしなかったコンクールに出場し、優勝して留学資金に当てようと画策していた。のだめの夢は幼稚園の先生、しかし、千秋と出会いその音楽に触れるうちに自分も千秋と同じように演奏がしたいと考えるようになっていた。
楽譜通りの演奏が苦手なのだめだったがコンクールのために楽譜を一音一音丁寧にさらう。本選まで進んだのだめだったが、本選で曲を変えて演奏してしまうという大失態をしてしまい優勝はおろか入賞さえもできずに終わった。

のだめの才能を高く評価している千秋は、このままのだめを日本に残すより自分と一緒に海外に連れて行こうとヨーロッパに行こうと誘ったのだが、コンクールで惨敗したのだめにその言葉は届かなかった。
のだめは「自由に楽しくピアノを弾いて何が悪いんですか!?」と千秋を拒絶した。願って、頑張って、音楽に正面から向き合ったても何の結果も残せず、努力が報われなかったのだめの悲しみが伝わる名セリフ。

引用:のだめカンタービレ 9巻

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