パディントン(Paddington)のネタバレ解説・考察まとめ

『パディントン(Paddington)』とは、イギリス作家マイケル・ボンドの児童小説「くまのパディントン」を実写映画化した2014年制作のファミリー映画。ペルーのジャングルから、住む家を探しにロンドンにやってきた礼儀正しいクマが、ブラウンさん一家と出会い、大騒動を巻き起こす物語。全世界で320億円超えの大ヒットを放った作品。

ブラウン家の長女。中国語を勉強していて、将来は家を出て起業したいと思っている。最初はパディントンをよそ者扱いしていたが、彼がスリを捕まえる手柄をたて、学校のクラスメイト達から褒められたおかげで親しくなっていく。どこの国の言語もすぐに覚えられる特技があり、パディントンからクマ語を教えてもらい、それが彼の危険を察知するのにとても役立った。

ジョナサン・ブラウン(演:サミュエル・ジョスリン、日本語吹替:西田光貴)

ブラウン家の長男でジュディの弟。宇宙飛行士になるのが夢の好奇心旺盛な男の子。部屋の壁紙は大宇宙に浮かぶ大きな星の絵。以前、ロケットブーツを手作りして飛び、大怪我をしたことがあり、それ以来、危険な遊びはヘンリー氏から禁止されている。許されるの教育用のオモチャだけだが、それを自分なりに大改造して楽しんでいる。

バード夫人(演:ジュリー・ウォルターズ、日本語吹替:定岡小百合)

ブラウン家の親戚で住み込みの家政婦。水兵だった旦那さんに似て、片づけることが大好きな叔母さん。掃除機のコレクションが自慢。ブラウン一家を温かいまなざしで見つめ、時にブラウン氏にやんわりと説教することも。自然史博物館ではパディントン救出のために、警備員の目を逸らそうと酒を酌み交わしたり、パディントンが絶体絶命の危機に陥ったとき、あっと驚く大活躍を見せる。

サミュエル・グルーバー(演:ジム・ブロードベント、日本語吹替:小山武宏)

メアリーが親しい骨董品屋の主人。少年のころ、戦争の絶えない異国から汽車に乗ってロンドンにやってきて、大叔母さんに引き取ってもらった過去がある。パディントンの帽子を調べ、そこに地理学者協会のシルシがあったことを教えてくれる。また、パディントンが、グルーバーを悩ませていたスリを捕まえてくれたことを感謝している。

カリー氏(演:ピーター・カバルディ、日本語吹替:佐々木睦)

ブラウン家の隣に住んでいる皮肉屋で独身とおぼしきオジサン。美人のミリセントにブラウン家を監視してくれと頼まれ、彼女に一目ぼれした彼は一つ返事で引き受ける。でも、後で冷たい仕打ちを受けると、パディントンが彼女に連れ去られたことを他人の声を装って(バレバレなんだけど)ブラウン氏に打ち明ける。

ルーシー叔母さん(声:イメルダ・スタウントン、日本語吹替:堀越真己)

ペルーのジャングルで一緒に暮らしていたパディントンの叔母さん。大地震で夫のパストゥーゾが亡くなり、若い頃に出会った地理学者のことを思い出し、甥っ子の将来を考えて、彼をロンドン行きの貨物船に乗せて送り出す。そして、自分は年老いているので一緒に行けないと老クマホームに入り、ロンドンからのパディントンの手紙を楽しみにしている。

見どころ

フルCGで描かれるパディントンと俳優たちの、とっても自然な共演ぶりに今更ながら驚かされてしまう作品。
パディントンの毛並や表情、それに動きが、とってもリアル、かつナチュラル過ぎて、不思議にCG臭さを感じさせることもなく、本当に存在しているように感じられ、すんなりとキャラクターに感情移入できる。
また、19世紀そのままのパディントン駅、カラフルなポートベロー・マーケット、重厚にして荘厳な自然史博物館など、ロンドンの観光名所を楽しめるのも見どころだ。
ブラウン家のジョナサンやジュディの部屋のインテリアや小物、グルーバーの店の中を走るミニチュア機車など、現実とファンタジーの世界を溶け合わせたような、遊び心いっぱいのアイテムの数々も楽しませてくれる。
ミニチュア機車は、スイッチを押すと紅茶がカップに注がれ、思わずニンマリしてしまうこと請け合い。

『パディントン』の名シーン・名場面

パディントン vs ミリセント in ブラウン家

パディントンが一人で留守番をしているのを知り、ミリセントがブラウン家に忍び込み、彼を捕まえようと追いかけまわす、ちょっぴりスリリングでコミカルなアクション・シーン。
ミリセントが、天窓から特殊ロープを伝って降りてくるところは、「ミッション・インポッシブル」のトム・クルーズ演じるイーサンもどき。セロハンテープを間違って体に巻きつけてしまったパディントンが、ヨタヨタ歩きで逃げまどい、キッチンの冷蔵庫に隠れるんだが、そのときガスオーブンのスイッチを引っかけてしまう。そして、カリー氏が天窓から落とした花びらがネズミ取り器を作動させ、次々と連鎖反応が起こって、最後にオーブンが発火してボヤを招いてしまうまでが、リズミカルにテンポ良く描かれる名場面だ。

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