シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chef

シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chefのレビュー・評価・感想

レビューを書く
シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chef
8

見ていて心があったまる

主人公はバツイチ子持ちの雇われシェフ。子供は母親が育てているが2週に1度程度に会うがなかなか相手ができず、気まずい関係。シェフとしての才能があるにもかかわらずその才能が生かせない。職場のレストランでの苦しい状況から脱し、今まで考えることもなかったフードトラックを始めることになる話です。

話の展開が程よく、話の頭の方が職場での苛立ちや息子との関係に悩んでいるという暗い状態ですが、フードトラックを始めてからがトントン拍子で見ていて安心します。フードトラックを前の職場での部下1名と息子と3人で切り盛りするのですが、やり取りに息子との愛や、今まで一緒にやってきた部下との絆が感じられて心温まります。
KALDIで流れているようなメキシカンな音楽が作中何度も流れますが、それがまたノリがよく、つい見ているこちらも体が動きそうになりました。色々な曲がかかり、とても楽しかったです。

1つ注意点があるとするとお腹が空いてる時に見るのは絶対にやめた方がいいです。
料理のシーンがとても細かく、丁寧に描写されてます。野菜を切るシーン、パンを焼くシーン、肉を切るシーン全てが本当に美味しそうで食欲をそそります。

映画を見ている最中に食事を摂ってましたが、食べ終わって直ぐにそのシーンを見ても美味しそうと思ってしまいお腹がすいたと錯覚してしまうほど美味しそうでした。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chef
8

フードトラックで旅をする父子の絆の物語

一流レストランのメインシェフが1人の辛口美食評論家からのコメントに激怒してTwitterで舌戦を繰り広げクビになり、
その後フードトラックで腕をふるいながら旅をしていくという物語です。

自分の腕に自信がありプライドをもって仕事をしている主人公が、仕事に没頭してしまった代償として妻とは離婚。
子供と二人で過ごす時間に作っていた朝食をアレンジし、グレードアップさせそれだけで勝負しようと奮闘する。
自分の子供も夏休み期間で手伝うようになり、初めは少ないお客さんからSNSでクチコミが広がり繁盛していく。
父と子の絆の物語でもあり、父と子の成長の物語でもある。

ノリの良い挿入歌や、フードトラックで行き着く場所、場所の雰囲気をうまく表現していて、
アメリカの名所みたいなところも感じられるし、アメリカの空気を感じられるそんな作品です。
フードトラックで稼ぎ、旅をする前までは少し退屈とまでは言わないが、
ハードトラックで再出発するところからは、小気味のいいテンポで見れる。
あとはやっぱり、料理がいっぱい出てきて、包丁で刻む音とか、とても耳当たりが良いいし、
料理のアップなどは見ていてとても美味しそうで食欲をそそるしかけになっています。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chef
7

心もお腹も満足させます

カールは一流レストランの料理長。
持ち前の頑固さから、有名評論家やオーナーと衝突し、自分の気持ちをぶつけたTwitterは炎上。
レストランを辞めて始めたのは、フードトラック。
自分の料理で人を喜ばせたいというシンプルな動機に立ち返り、シンプルなキューバサンドイッチを売りながら、
こんがらがった家族の関係もシンプルにほどけていく…そんな構成が秀逸。
ともに旅する息子(デジタルネイティブの力を大いに発揮)、天真爛漫な別れた妻(美人でびっくり)、
友人(とってもいいやつ)、行く先々で出会うお客さんたちの笑顔。移り変わる車窓の風景。
そしてほんとうにおいしそうなキューバサンドイッチ!
シェフとして父としてともに働き、その背中を見せることから始まり、はじめはぎくしゃくしていた息子とも、徐々にお互い尊敬しあう関係に変化する。
ここでも、ボロの中古トラックをピカピカに磨き上げることから始まって、可愛らしいフードトラックに生まれ変わらせる様子と印象がだぶる。
冒頭でぶつかった有名評論家とも和解し、旅は笑顔で終わりを迎える。
「アイアンマン」を手掛けたカール役のジョン・ファブローがメガホンを取っているだけあって、
マーベル・ファンには見逃せない俳優陣が出演しているのも忘れてはいけない見どころの一つだ。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chef
8

お腹も心も満たされるような幸せあふれる映画

鑑賞していくうちに、「きっとここで何か事件が…」とか「もしかして裏切り者がいるんじゃ…」などという展開を予想させながら、全くそういった事件がないところは肩透かしをくらった感じで、逆に清々しい映画です。
三ツ星レストランの総料理長、主人公カールがある事情で店を去ることになり、息子のパーシーと仲間を連れてキューバサンドの移動販売をしながらアメリカを縦断するストーリー。
カールはいかにもシェフらしいでっぷりとした体格の中年男性なのに、元妻のイネスはとにかく美人だし息子のパーシーもとてもかわいくて愛くるしい!他の登場人物もそれぞれ魅力的で、特に女性キャストの衣裳はオシャレでそれだけでも観ていて楽しいです。
普段は離れて暮らす父と息子が、フードトラック旅の中で一緒に料理を作りながら心の交流をする様子には、とても幸せな気持ちになります。映画の終盤、パーシーからカールへ贈られるあるプレゼントには胸が熱くなること間違いなしです!
BGMも明るく陽気な曲が多く、元気をもらえました。
前述したとおり、あっと驚くような展開はほとんどないので物足りなく感じる方もいるかもしれませんが、個人的にはとても好きな作品です。思っていた以上にハッピなラストシーンにも癒されます!

シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chef
9

天才料理人の再出発の物語

一流のレストランで総料理長として働く料理人カールの、料理にかける情熱と再び息子と触れ合う物語。

人気ブロガーが店に来る日にオーナーと対立してしまうカール。
一度はオーナーの言い分を聞き、料理を提供するも評価は散々。
しかもネット上で拡散し、カールの評価も下がってしまう。

2度目にブロガーが来店する日。
独創的な料理が提供したいカールに対して評価を気にして王道の料理を出すことを強要するオーナーともめて結局レストランを辞めてしまう。

離婚して、週に数回しか会えないムスコとも今まで仕事優先で相手をしなかったカール。
仕事を辞めたのを機に、3人で元妻の旅行についてマイアミへ。

現地で食べた【キューバサンド】に感動!!
南米料理の可能性にひらめきをもらう。

そこからがカールの再出発!!

元妻の知り合いから古いフードトラックを入手し、息子と2人で隅々まで磨き上げて立派なキッチンカーに。
レストランでカールを慕っていた仲間も合流し、夏休み中の息子と3人でマイアミからサンドイッチを売りながら家へ帰ることに。

現代っ子の強みを生かしてSNSでフードトラックを宣伝する息子。
南米生まれの強みを生かしてフレンドリーに積極をする仲間。
そして決まりきったものではなく、常に独創的に自由に料理を作るカール。

3人の相乗効果で、カールのフードトラックは大盛況に。

レストランを酷評した人気ブロガーもこっそりカールのキューバサンドを食べ、カールの才能を再確認する。

息子との触れ合いを取り戻し、一緒に過ごすことを考えるカールは夏休みが終わっても空いた時間にフードトラックを手伝ってほしいことを伝える。
料理を通して伝えられたことが多かったのだ。

一方カールの才能を再確認したブロガーからもカールのためにレストランを提供する話が。

マイアミでキューバサンドに出会い、人々に支えられ、再出発をした中年料理人の心温まる美味しい料理が満載の映画。
陽気なBGMも心地よく、見終わった後にハッピーになる映画です。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chef
9

人生をかけた料理。旅そして絆。絶対キューバンサンドが食べたくなる!

一流レストランのヘッドシェフが、あるブロガーの酷評を発端に折り合いがつかなかったレストランオーナーと言い合いの末、店を辞めることになる。
市場での鮮やかな野菜やフルーツ、それを独創的なスタイルで料理する主人公の料理シーンでは自分があたかもそこにいて匂いがしてきそうな気分になる。
ツイッターの使い方をわからずに酷評するブロガーに悪態をついてしまった結果、職を失っただけでなく世の中の笑いものになってしまったどん底の主人公を救ってくれたのは元妻と息子、同じシェフ仲間の友人、自分を笑い者にしたツイッターだった。
マイアミで食べたキューバンサンドに衝撃を受け、キューバンサンドのフードトラックを始めることにする。相棒となるシェフ仲間の友人と息子と共にマイアミからロスまでのフードトラックでの旅が始まる。
息子はツイッターやフェイスブックなどを駆使しフードトラックの位置情報や写真などを投稿することで人集めに成功する今時のマーケティングも見ていて楽しい。圧巻の料理に美味しそうな食事たちに彼を支える家族と友人。美味しい料理は人を幸せにする。本当に好きなことには情熱があればドン底からでも這いあがれる。見た人は絶対にハッピーな気分になれる映画。そして料理好きは料理がしたくなる、料理が好きじゃなくてもキューバンサンドが食べたくなる映画です!

シェフ 三ツ星フードトラック始めました / Chef
10

人生と家族と料理にスパイスを!

挫折した男が新しい仕事、生活を始める中で『本当に大切なものは何か』を模索し、気づいていく。よくある素材のテーマを「料理」「音楽」というスパイスを加える事で、とびっきりの一皿に仕上げた美味しい映画!
とにかく料理の美味しそうなこと!バターたっぷり、チーズたっぷり、深夜やダイエット中の人は見てはいけません。作中に出てくる料理「クーバノ」や「ベニエ」が食べたくて食べたくてレシピをネットで探しまくったくらいです。
エンディングに出てくるチーズサンドを作る風景は必見。「次の日作ろう」って思わず思ってしまいます。
作中のSNSの使われ方も秀逸。SNSの闇と光を見事に表現しています。
監督と主人公を同時にこなすジョン・ファヴローの才能には感服だし、さりげない役柄で沢山の大物キャストが勢ぞろい。そんな豪華キャストの中で、息子パーシーを演じた子役のエム・ジェイ・アンソニーの自然体の演技は素晴らしいの一言。少年と子供を行き来する微妙な心理を見事に演じていました。
そして男気溢れるジョン・レグザイモ演じるマーティンもカッコいいです!
そしてもう一つの魅力、音楽も最高のキューバンミュージックが盛りだくさん。料理しながら聴けば主人公カール・キャスパー並みの名コックになった気分になれます。食の大切さ、が改めて問われる近頃。私も家族の食事を日々作っていますが、「真摯に、楽しく、食べてくれる人を想い、そして美味しい料理を作る」ことを改めて気づかされた、そんな素晴らしい映画です。