テラフォーマーズ(TERRA FORMARS)のネタバレ解説・考察まとめ

『テラフォーマーズ』とは、貴家悠(原作)、橘賢一(作画)による漫画、およびそれを原作としたアニメ、実写映画作品である。2011年の『ミラクルジャンプ』創刊号より連載を開始し、同年6号まで掲載された。
舞台は火星。人類がテラフォーミング(地球化)のために放ったゴキブリが驚異的な進化を遂げ、「テラフォーマー」となっていた。人類は虫の力を使って昆虫人間へと変身し、対抗を試みるのだった。斬新かつ衝撃的な設定やバトル描写が魅力の作品。

『テラフォーマーズ』の概要

『テラフォーマーズ』とは、貴家悠(原作)、橘賢一(作画)による漫画、およびそれを原作としたアニメ、実写映画作品である。略称は「テラフォ」。2011年の『ミラクルジャンプ』創刊号より連載を開始し、同年6号まで掲載された。その後、2011年6月16日発売の『週刊ヤングジャンプ』27号にて、本編の22年前の西暦2577年が舞台である『テラフォーマーズ1』(TERRA FORMARS ONE)が掲載された。2012年には、『週刊ヤングジャンプ』22・23合併号より本編の20年後である西暦2619年を舞台にした『TERRA FORMARS テラフォーマーズ』の連載が開始されている。
本作は、「全国書店員が選んだおすすめコミック2013」で2位で、「このマンガがすごい!(2013年)」オトコ編では1位となった。

2014年からはOVAとテレビアニメの2メディアで展開され、テレビアニメは第1期が2014年9月27日から12月20日まで、第2期が2016年4月2日から6月25日まで放送された。2016年4月29日には「バグズ2号編」をベースとした実写映画が公開されている。キャストは伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之、ケイン・コスギなど。

物語の舞台は火星。人類は火星を居住できる惑星に変えようとテラフォーミング(地球化)を試みるが、そのために放ったゴキブリが驚異的な進化を遂げ、人型のゴキブリ「テラフォーマー」を生み出してしまった。人類は虫の力を使って昆虫人間へと変身し、テラフォーマーへの対抗を試みる。当初は簡単に駆除できると考えていた人類だが、思わぬ抵抗に遭い、次々と仲間を失っていく。

本作は手術で強化した人間とテラフォーマーの闘いがメインだが、国家間の思惑といった政治的要素もあり、単なるバトル漫画の枠には収まらない作品となっている。

『テラフォーマーズ』のあらすじ・ストーリー

第1部

西暦2599年、火星で異常進化したゴキブリを駆除するために宇宙船バグズ2号は乗組員15名を乗せ地球を出発した。
乗組員達は火星の厳しい環境下での任務遂行の為受けた「バグズ手術」によって昆虫人間へと変身できる力を手に入れていた。
しかし火星で、ゴキブリ「テラフォーマー」の襲撃に遭い、昆虫人間に変身して戦うが、増殖したテラフォーマーの前に、次々と仲間を失っていく。
さらにテラフォーマーの力を独占しようとする各国の思惑に翻弄され、小町小吉と蛭間一郎の2名だけが辛うじて地球に帰還する。

第2部

バグズ2号の惨敗により、火星開発は長らく凍結されていた。
しかし、火星から帰還した小町達が持ち込んでしまった致死率100%の「A.E.ウイルス」による被害者が出たことで、ワクチンを精製すべく「アネックス計画」が立案。西暦2620年に大型宇宙艦・アネックス1号によって、バグズ2号の生き残り『小町小吉』を艦長とする計100名の乗組員が火星に送り込まれた。各国の思惑が交錯する中、アネックス1号は火星到着間際テラフォーマーの襲撃に逢い、乗組員は六班に別れ脱出することになる。
テラフォーマーの追撃に遭うが、乗組員達はバグズ手術を発展させた「M.O.手術」によって身に着けた能力を駆使して対抗する。しかし、テラフォーマー側も20年前のバグズ2号乗務員から奪った技術で自身を強化していた。
各班は墜落したアネックス1号での合流を目指すが、生まれつきM.O.能力を持つミッシェル・K・デイヴスと膝丸燈(ひざまるあかり)を狙って劉 翊武率いる中国・アジア第四班が反逆を起こす。第四班はアネックス1号を占拠し、地球への連絡を絶った。独・南米第五班は、テラフォーマーとの戦いで消息不明となってしまう。
日米合同第一班・第二班はピンチに陥ったが、シルヴェスター・アシモフら露・北欧第三班が加わり、第四班・テラフォーマーも交えた攻防となった。
地球に第四班の裏切りを連絡するため、第一班・第二班の非戦闘員たちはアネックス1号に突入し、第四班の裏切りを伝えることに成功する。
だが、第四班・テラフォーマーとの戦闘で満身創痍の彼らはアネックス1号からの脱出を余儀なくされ、アネックス1号はテラフォーマーに占拠されてしまう。
辛くもテラフォーマーから逃れたミッシェルと燈だったが、地球から新たに襲来した凱延超将軍を艦長とする中国の武装宇宙艦『九頭龍』によって、窮地に立たされる。一度は捕らえられた燈たちだが、アシモフの助力で九頭龍からの脱出に成功する。
一方、アネックス1号の乗組員たちは、脱出艦の着陸予定地点である海に向けて奔走する。立ちはだかるテラフォーマーを攻撃を潜り抜け、燈たちと合流した
ようやく脱出ポットへとたどり着くが、その最中に第六班班長ジョセフ・G・ニュートンの裏切りが発覚する。彼は成功例の少ない生物の遺伝子を入手するため参加していた。
小町、アシモフ、劉は燈たちを脱出させる為、火星に残りジョセフと戦闘の上勝利した。
燈達は脱出に精いっぱいで僅かなウイルスサンプルしか確保できなかったが、第三班がテラフォーマーを異常進化させたと思われる古代文明「ラハブ」の情報と、A.E.ウイルスを大量に確保していたことで事なきを得る。
一方、九頭龍の凱将軍らの前に影で暗躍していた「ニュートンの一族」が飛来する。彼らは凱将軍らとの交渉の末、ジョセフを回収し地球に帰還した。
その頃、地球では北海道に「スキンヘッド型」カリスマテラフォーマーが率いるテラフォーマーの一団が観測された。実は、彼らは奪ったバグズ1号によって10年以上前に地球へ飛来し、着々と侵攻計画を進めていたのだった。

第3部

アネックス2号の乗務員たちが地球に帰還してから1年後、日本ではテラフォーマーによる誘拐事件が即出していた。
燈たちは、民間警備会社『一警護』に身を置き、テラフォーマーの駆除を行っていた。
捉えたテラフォーマーの脳から隠れ家の情報を掴み、東京の地下水道に潜入する。そこで燈はギャングのリーダー・斉藤翔と出会う。彼は燈の小学生時代の同級生だった。
燈は協力を要請したが、斉藤の部下として潜り込んでいた中国工作員と彼が装置で操るテラフォーマーに襲われる。中国はテラフォーマーを操って日本侵攻を計画していることが発覚した。
絶体絶命となった燈だが、仲間の助けもあり危機を乗り越える。東京各地の要所も『一警護』によって守られた。
地下水道から回収したテラフォーマーの脳を解析し、「祈る者(インヴォーカー)」というスキンヘッド型テラフォーマーの存在と拠点を突き止めた。
一警護は、敵の拠点である東シナ海沖の人工島へ潜入調査を行った。そこでは、ニュートンの一族・中国軍上層部、テラフォーマーで構成される「スニーカーズ(神奸達)」が人間を使った非道な研究を行っていた。
スニーカーズと戦闘になり、苦戦を強いられる燈たちだったが、ミッシェル率いるアメリカ合衆国宇宙軍特殊作戦部隊『SPACIALs(スペイシャルズ)』が駆け付けたことで形勢逆転。施設の制圧に成功し、そこに攫われていた民間人を開放した。だが肝心のスニーカーズには逃げられてしまう。
その後、中国の記者会見に「祈る者(インヴォーカー)」が出現し、「じょうじ」とメッセージを発する。それを合図にしたかのように日本近海へテラフォーマー艦隊が現れ、日本に総攻撃を始めた。そして、人類とテラフォーマーの戦争が始まった。

『テラフォーマーズ』の登場人物・キャラクター

小町 小吉(こまち しょうきち/演:伊藤英明)

CV:木内秀信

日米合同第一班班長(アネックス1号艦長)。身長187cm、体重87kg(1部)→体重90kg(2部)。
手術ベースはオオスズメバチ。人為変態時はオオスズメバチの習性にならい非常に獰猛になり、両腕から生える毒針でテラフォーマーを倒す。
15歳の時に人を殴り殺してしまったことで少年刑務所に入所していた過去がある。
バグズ2号の任務では辛くも生き残り地球に帰還した。

ミッシェル・K・デイヴス

CV:伊藤静

日米合同第二班班長。身長164cm、体重85kg。
ベースは親からの遺伝で受け継いだパラポネラと、手術によって得たバクダンオオアリ。人為変態時は、パラポネラの腕力を使った格闘技で戦う。またバクダンオオアリの能力である揮発性の液体を敵体内に流し込んで爆破させることもできる。
生まれつきのM.O.と手術によるM.O.を両立させている希少な存在は彼女と燈だけであり、それ故に「奇跡の子」または「ザ・ファースト」と呼ばれている。

膝丸 燈(ひざまる あかり)

CV:細谷佳正、中田沙奈枝(幼少期)

第二班所属。身長177cm、体重91kg→96kg(2部)→99kg(3部)。
手術ベースはオオミノガ。他にクモイトカイコガやハナカマキリの能力を生まれつき持っている。人為変態時はオオミノガの強靭な糸を作り出すことができる。糸は攻撃・防御・捕縛などが使える他、高い身体能力を生かすことで幹部乗組員に匹敵する戦闘力を発揮する。
バグズ能力を人為的に遺伝させることに成功した初めての例であるため、各国はミッシェルに次ぐ「ザ・セカンド」と呼び、その技術を入手するため彼の身柄を確保しようと躍起になっている。

アレックス・カンドリ・スチュワート

CV:KENN

第二班所属。身長186cm、体重77kg。
手術ベースはオウギワシ。人為変態によりオウギワシの握力を得る。
猛禽類の視力・腕力・握力を活かし、テラフォーマーの体を長距離から射抜くことができる。
彼のコントロール抜群の豪速球で、何度もアネックス2号乗組員たちの危機を救った。
メジャーリーガーになるのが夢で、地球帰還後はアメリカ市民権とメジャーリーグ挑戦権を確約されている。

シルヴェスター・アシモフ

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