ぼのぼの(BONOBONO)のネタバレ解説・考察まとめ

「ぼのぼの」とは、いがらしみきおによる四コマ漫画、及び漫画を原作としたアニメ・映画作品である。1993年にアニメ映画化、1995年にテレビアニメ化、2002年に再度映画化、2016年に再度アニメ化した。ラッコの主人公「ぼのぼの」と、友人の「シマリスくん」「アライグマくん」、そして森の動物達と繰り広げる日常をゆるく、時に哲学的に描いた作品。

ある日、ぼのぼのとシマリスくんがおとうさんのぼり(ぼのぼののお父さんの頭の上によじ登る遊び)をしていると、ぼのぼのがいつも持っている石を落として割ってしまう。
おとうさんはぼのぼのに石を海へ捨てさせ、新しい石を探してくるように言った。
道中アライグマくんに出会い、三人はスナドリネコの元へ石は何処にあるのか聞きに行った。
ぼのぼのの探すような(ラッコがお腹に石を乗せて貝を割る時に使えるような)石は入り江にあると教えてもらい、三人は入り江に向かった。
入り江には沢山の石があり、アライグマくんが次々とぼのぼのに石を渡すが、ぼのぼのは渡された石全てを良いと思い、逆に「どの石が僕を好きなんだろう」と疑問に思うのであった。
アライグマくんはその事をバカにするが、ぼのぼのは本気でそう思っていた。
気に入った石が見つからないまま日が暮れ、三人が帰ろうとすると、海からトドが現れる。
トドは肉食であるため三人は逃げ出すが、ぼのぼのが転んでしまいトドに食べられてしまいそうになる。
するとそこに石が飛んできてトドの頭に命中し、トドは逃げて行った。
石を投げたのはスナドリネコで、入り江にはトドが居る事に気づき心配して来てくれたのであった。
スナドリネコは今自分が投げた石がぼのぼのを助けた石だから、ぼのぼのの事が好きな石なのでは無いか?と助言した。
ぼのぼのはその石を拾い、この石が僕の事が好きな石だったのかと納得した。
アライグマくんは偶然スナドリネコさんが投げた石ってだけだと反論するが、「じゃあなんでこの石にだけ偶然が来たの?」と鋭い意見を述べた。

洞くつの恐怖(テレビアニメ第1作:37話)

しまっちゃうおじさんがコーラスするシーンは、大人が見ても結構怖いシーンである。

ぼのぼの、シマリスくん、アライグマくんの三人が洞窟の穴を滑り落ちて来る所から物語がスタートする。
洞窟は迷路になっており、三人は出口を探す事にした。
しかし道中、ぼのぼのは自分達の歩く音が反響している音を聞き、自分達の事を誰かが付いてきている…と不安になる。
アライグマくんとシマリスくんからは自分の足音だと言われるが、ぼのぼのは腑に落ちない。
考え事をしている間にぼのぼのは2人とはぐれてしまい、洞窟を走り転げまわって先に進んでいた2人とぶつかって合流する。
その後もやはり誰かが付いてきていると疑うぼのぼのは、「しまっちゃうおじさん」の存在を思い出す。
しまっちゃうおじさんが自分の後ろにいっぱいいて、自分が後ろを向くとしまっちゃうおじさんも後ろに回り、自分が地面をトントンと慣らすとしまっちゃうおじさん達もトントンと鳴らしているのだと思い込む。
そしてアライグマくんとシマリスくんも既にしまっちゃうおじさんと入れ替わっているのかもしれない…と思うのであった。
そんな事を考えているうちにまた2人とはぐれてしまう。
2人はもうしまっちゃうおじさんに捕まってしまったのだと落ち込むぼのぼのの前に、光が現れ「出口だ!」と喜び走り出す。
しかしそこは光が差し込んでいるだけで出口ではなく、気を落とすぼのぼのの前にしまっちゃうおじさんのコーラス隊が現れる。
大勢のしまっちゃうおじさん達がどこからとも無く現れ合唱し始め、合唱が終わるとぼのぼのの背後からしまっちゃうおじさんが現れて「捕まえた」と目隠しをした。
ぼのぼのは恐怖のあまり走り出しその場から逃げた(勿論ぼのぼのの白昼夢である)。
するとまた光が現れ「今度こそ出口だ」と向かうと、洞窟の外に出ることが出来た。
向かい側の出入り口にはアライグマくんとシマリスくんがいて、ぼのぼのを呼んでいた。
安堵したぼのぼのは2人に向かって脇目も振らず走り出した。
しかしアライグマくんたちのいる場所とぼのぼののいる場所の間の地面は裂けていて、ぼのぼのは落下してしまう。
アライグマくんとシマリスくんが「危ない!」とぼのぼのを助けに入り、三人は地面の裂け目へ落ちていった。
そして冒頭落下してきた洞窟の振り出しの場所へ戻ってしまうのであった。

この話はしまっちゃうおじさんが不気味な演出で沢山登場する上に物語そのものがループになっており、「神回」「トラウマ回」と名高い。

毎日が楽しかったら?(テレビアニメ第1作:48話)

ぼのぼのはある日、何故楽しい事は終わってしまうのか?と疑問を持つ。
アライグマくんに聞くと、シマリスくんを例に挙げてシマリスくんを苛めている間は楽しいが、それをずーっとやっていると疲れてしまいいつか楽しく感じなくなるから、楽しい事は一旦終わるのだと言う。
しかしぼのぼのは腑に落ちない。
クズリくんにも聞くが、ウンチをしているのが一番楽しいクズリくんがずっと楽しいままであったら、ずっと休まずウンチをし続けなければならないと気づく。
ショーねえちゃんとアライグマくんの喧嘩を見て止めようとするが、シマリスに止められる。
2人は喧嘩をしているのではなく遊んでいるのだと(実際は喧嘩してるだけ)言われる。
その姿を見て、あんなにずっと激しく遊んでいたらいつか疲れてしまうと思うぼのぼの。
アライグマくんのお父さんにも質問するが、アライグマくんと同じ意見であった。
では休み休み遊べばずっと遊べるのでは?と思うが、アライグマくんのおとうさんに夜も遊んでると悪い奴に連れて行かれるぞと脅される。
ぼのぼのは夜まで遊んでいるとしまっちゃうおじさんが現れるのだと妄想して怯えた。
最後にスナドリネコさんに尋ねると、逆にぼのぼのはどう思うのかと聞かれる。
しかしぼのぼのは答えられなかった。
するとスナドリネコは、悲しいことを終わらせるために楽しいことも終わる、太陽が沈みまた昇るように楽しいことも終わりまた始まるのだと答えた。
ぼのぼのは完全には理解し切れなかったが納得し、また今日も楽しいことがあるはずだと胸を弾ませた。

関連書籍

原作コミック「ぼのぼの」

1986年から連載されている原作漫画。
バンブー・コミックから通常版、竹書房から文庫版も登場している。

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「ぼのコレ」

これまでの漫画から可愛いエピソードを集めた漫画。
原作は長すぎるがぼのぼのは読んで見たい、という人が取っ付き易い作品になっている。

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「ぼのちゃん」

ぼのぼの連載30周年記念作品。
赤ちゃんの頃のぼのぼのと、ぼのぼのを育てるおとうさんのお話。

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「ぼのぼのs」

4コマ漫画ではなく通常の漫画形式のストーリー作品。
一話完結のショートストーリで、物語の雰囲気は原作のぼのぼのと同じ。

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