僕らはみんな河合荘(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『僕らはみんな河合荘』は宮原るりによるキングアワードで連載中の漫画、及び漫画を原作にしたブレイン・ベース製作のアニメである。下ネタ成分多めの日常ラブコメ作品。高校生になって1人暮らしをすることになった主人公・宇佐和成は、親の決めた下宿先「河合荘」へ住む事になる。河合荘には憧れの先輩・河合律を含め、個性豊か過ぎる変人達が住んでいたのだった。

『僕らはみんな河合荘』のあらすじ・ストーリー

主人公の宇佐は高校生になり、1人暮らしをする事になった。
中学の頃は変人に囲まれる暮らしだったため、普通の人間達と普通の生活がしたいと思っていた。
親が決めた下宿先「河合荘」へ行く日、宇佐は学校の図書室で律を見て一目惚れしてしまう。
あんな女の子と同居できたら…と夢を抱く宇佐の前に、小学校のフェンスに頭を突っ込む不審者シロが現れる。
通りかかった警察官に連れて行かれるシロの姿を見て、自分がこれから住む地域には変態が居る…と、いきなり不安になる宇佐。
河合荘に着くと、管理人・住子に自分の住む部屋まで連れて行ってもらう。
宇佐は「4畳半の部屋」と言われていたが、案内された部屋は倍の大きさがあった。
そこへ先ほどの不審者シロが現れ、半分はシロの部屋で真ん中のアコーディオンカーテンで仕切るというものだった。
ルームメイトが居ては1人暮らしでは無いし、こんな不審者とは一緒に住めないと宇佐は河合荘を出て行こうとする。
そこへ帰宅した律と出会う。
宇佐の方は律の事をしっかり覚えていたが、律は全く覚えていなかった。
宇佐は律へ好意と下心から河合荘に住む事になった。
しかし、シロとの気持ち悪い会話などを聞かれてしまい、人見知りの律からは不信感を向けられたのだった。

その後、宇佐は川辺でやけ酒をしている美女・麻弓に出会う。
麻弓もまた河合荘の住人で、恋人と旅行へ行ったが浮気されていた事が発覚し帰って来たのだった。
麻弓のために住子は夕飯の献立を急遽変更し、カツ丼を用意してあげた。
さらにヘコんだ麻弓のためにシロはシャボン玉を用意し、皆で遊んだ。

河合荘の住人達でホラー映画を見ていると、そこへ旅行へ行っていた彩花が帰宅する。
彩花の振る舞いに翻弄される宇佐であったが、彩花は猫を被った小悪魔であった。
彩花は宇佐が律に片想いしている事に気づくと、「宇佐くんならいける」と背中を押す。
勿論、律と宇佐の関係を変化させてからかう行動であり本心からの応援ではなかった。
しかし宇佐は彩花の言葉を胸に、「いつも1人で心配だ」と律へもっと接近しようとする。
律は宇佐の事自体が嫌いなわけでは無いが、1人の時間も大切にしているため、宇佐の行動はありがた迷惑となってしまったのだった。
彩花の手の平で踊っていた事に気づいた宇佐は、律の読書中はなるべく話しかけず、歩き読書で危ない時は声をかけるなど、律との適切な距離と保つようになった。
宇佐に対して罪悪感があった律も、宇佐が横に居る時は安心して本を読みつつ、宇佐の存在も(なるべく)意識するようになった

夏になり、宇佐が暇を持て余していた時、住子の友人・篠原タエが経営する和食レストラン「金華庵」へ皆で夕飯を食べに行く事になった。
宇佐の変人をまとめるテキパキした行動を見たタエは、書生カフェで働かないかと持ちかける。
さらに住子に「変ショリ」のあだ名を河合荘の住人達に暴露された。
変ショリとは「変人処理班」の略で、中学の頃宇佐の周りには変わり者(変人)ばかりがおり、その変人達の世話を上手くこなしていたため、そのあだ名が付いた。
後日、タエは書生カフェの制服を河合荘へ持って来て、宇佐は着せられてしまう。
宇佐本人は嫌がっていたが、律は書生衣装の宇佐に興味心身であり、その熱視線に満更でもなかった宇佐はアルバイトを引き受ける事になった。
書生カフェでは書生としての設定があり、宇佐の源氏名は「綾小路」となった。
宇佐が書生カフェでバイトをしていると、中学の友人・林とその連れが現れる。
林は中学の同級生で、「変ショリ」宇佐が捌いていた変人の1人だった。
しかし現れた林は、眼鏡を外し髪の色を変え化粧をした高校デビューした姿だった。
宇佐が林たちのいる個室へ注文を取りに行くと、林は宇佐が変ショリと呼ばれていた話を皆にしてしまう。
宇佐が変な人だというニュアンスで伝わり、宇佐はその場の全員にからかわれる。
宇佐はその場を耐え、河合荘には律が待っていて、皆に今日の愚痴を聞いてもらって、住子さんに好物を作って貰うんだ…と考えていた。
するとそこへ、和服を着た律が現れ、宇佐に早く自分達の所に注文に来るよう言う。
男性人は律の可憐な容姿に羨ましがるも「指名だ」と茶化す、しかし律は「そう、指名」と言い切って行ってしまう。
それを見ていた麻弓と彩花は、律が行った後に2人して宇佐へ抱きつき「早く来て」と追い討ちをかける。
さらに麻弓は「自分は恩を仇で返すような女じゃない」と林に当てつけを言い、彩花は落ちていた(実際は自分が落とした)付け睫毛を毛虫だと勘違いする演技をし、自分が付けていた付け睫毛が落ちたのだと思った林を焦らせるなど、2人で林に軽い仕返しをした。
こうして宇佐は河合荘の女性陣にその場を離れる口実を作って貰ったのだった。
注目されるのが苦手な律が、宇佐のために体を張ってくれた事への嬉しさと、そんな律の愛らしさから「うれしぬ」と表現する宇佐であった。

元々あまり本を読まない宇佐は、律に近づくため本を読み始める。
宇佐は律へのアピールのためわざとらしく居間で読んでいるが、律のようにスラスラと早くは読めないのだった。
そんなある日、律は図書室で前村というクラスメイトの女子に話しかけられる。
前村は律と同じく読書が好きで、2人は仲良くなっていく。
しかし前村は何をするにも一緒に居るタイプで、休憩時間もトイレも帰り道もずっと一緒であった。
さらに前村は律の事を根掘り葉掘り尋ね、家に帰ればひっきりなしにメールが来た。
それでも折角出来た友達だからと律儀に対応する律であったが、ある日読書の集まりで遊ぶ事になったと前村に呼び出される。
律はてっきり女子だけで図書館か何処かで本を読むものと思っていたが、それは読書好きの集まった合コンであった。
カラオケに連れて行かれ、その場のノリについていけない律に、見かけはチャラ男の読書家・三井が馴れ馴れしく話しかける。
三井は前村の知り合いであり、事前に前村から律の写真を貰っていて、律狙いで合コンへ来ていたのだった。
三井は読書格付けをし、大した本を読んでないくせに読書家気取りをする人間をバカにしていたが、その人間像が宇佐と被った律は三井に激怒する。
そして携帯の着信(麻弓から携帯を借りた宇佐からであった)を口実に、カラオケから抜け出し河合荘へ帰った。
後日、律が前村を問いただすと、悪びれもなく良かれと思って三井に律の写真を送ったことや、良かれと思って律に合コンである事は伏せていたと釈明する。
律は前村に、ただ常に一緒にいる誰かが欲しいだけでは無いかと言う。
図星であった前村は、仲良くしていた友達とも同じような原因で喧嘩してしまったことを打ち明け、律に謝って許して貰うように説得された。
その後、律の元に前村から連絡が来る事はなくなり、学校でも話しかけられなくなった。
無事友達とやり直せたらしい前村とその友人が、律の陰口めいたこと(律は一人で居るのが好きな子だから、自分とは合わなかった…と言ったような話)を言っているのを律は聞いてしまう。
律は前村の事を友達と思っていなかったわけではなく、全く楽しくなかったわけでもなく、友達が欲しくないわけでも無かったのだが、前村には上手く伝わっていなかった。
宇佐との帰り道に涙を見せる律であった。

宇佐は律へのアピールではなく、律の好きな物を純粋に楽しみたいと思うようになっていた。
しかしあまり難しい本は読めないため、登場人物の関係図やメモをまとめたノートを作成していた。
夕飯後、河合荘の大人たちは住子が貰ってきた梅種を飲み、律と宇佐の2人は梅ジュースを飲んだ。
しかし律は誤って梅酒を飲んでしまった。
酔っ払った律は、彩花にそんなに性格が悪いのに分かり合える友達が居てズルい!と当たる。
そして、前村との一連の話を河合荘の住人に聞いて貰った。
さらに宇佐にはお人よし過ぎるとプンスカ怒り出す。
流れで住人達は宇佐(とシロ)の部屋へ行き、律はそこで寝てしまう。

翌日、律の目が覚めると酔っ払った時の言動を全て覚えていて苦悩する。
宇佐の机の上には律の薦めた本の登場人物やメモが書かれたノートが置いてあり、律はそれを読み、赤字で所々書き足した。
それを読んだ宇佐は、律に自分と連絡先を交換してくださいと申し出る。
律は応じ、宇佐と律はメールアドレスと電話番号を交換したのだった。

『僕らはみんな河合荘』の登場人物・キャラクター

河合荘の住人

宇佐 和成(うさ かずなり)

CV:井口祐一

本作の主人公。初登場時は「北高」の一年生。
お人良しでどんな変人でも受け入れてしまうため、中学時代の友人達からは「変人処理班」を略した「変ショリ」と呼ばれていた。
本人はこれにショックを受けているが、実際に河合荘に住む変人達の相手や、書生カフェのスタッフの相手が普通に出来ている。
個性が強すぎる・性格が面倒臭いといった人間達とは相性が良い模様。
宇佐本人の性格はどこにでもいる年齢相応の好青年であるが、変人の相手が出来るという点ではかなり個性的である。
元々本を読むのは得意では無いが、律の影響で少しずつ本を読むようになっている。
しかし、どちらかというとゲームが好き。

律には一目惚れをし、一緒に河合荘で住むようになってからは距離を縮めようとしている。
初めのうちは人見知りな律の事を無表情だと思っていたが、律にはちゃんと表情があることを知る。
少しずつ律が宇佐へ心を開くようになっていくのだが、彩花の「宇佐くんならいける」という言葉で勘違いを起こし、必要以上に律に近づこうとしてしまう。
結果、宇佐の「1人で寂しそう」という気持ちと行為は大きなお世話となり、律に困られてしまった。
律の性格上焦って近づくのは良くないと改めて気づき、ゆっくり少しずつ自分に慣れていって貰おうとしていた。
その努力の甲斐があり、宇佐と律の距離はかなり縮まった。
しかし律の元に先輩・高橋が現れ、同じ読書仲間という繋がりや勉強会をした事から律と高橋はあっという間に友達になってしまった。
高橋は宇佐に対し自分と律は仲が良いというニュアンスの態度を取り、焦りを覚えた宇佐は律とギクシャクしてしまう。
宇佐は初期の頃の人当たりがキツい律から徐々に心を開いて貰って行ったというのに、高橋は宇佐のお陰で人当たりが丸くなった律から友人付き合いを始められてしまい、踏み台のようにされた気分なのではないかと麻弓に指摘される。
宇佐は否定したが、図星でもあった。
そんな事から宇佐は律に苛立った態度を取ってしまうが、その態度を見た律は宇佐に嫌われてしまったと勘違いし、宇佐に「嫌わないで」と涙ながら訴えた。
律は高橋に「読書家じゃない人(つまり宇佐)でも読める本はないか?」という相談を持ちかけ、そこから交流を持ったため、律の行動はそもそも宇佐のためであったのだった。
宇佐は「自分が一方的に律を好き」という気持ちが強く、律からどう思われているのかなどには少々疎い。
初めは中学時代の同級生の林、物語が進むと椎名と言った律以外の女子とも距離が近く、周りや律をヤキモキさせている。

書生カフェの制服姿

夏休みを利用し「書生カフェ」でバイトをしていたが、夏休みが終わってからも訪れるたびにバイト復帰を望まれていて、繁忙期はヘルプに入る。
源氏名は「綾小路」。

河合 律(かわい りつ)

CV:花澤香菜

宇佐の一つ上の先輩。初登場時北高2年。
高校入学と同時に河合荘へ住み始める。母親が河合荘のオーナー。住子とは親戚。
とにかく読書が大好きで、暇さえあれば図書館に通い、プライベートな時間はずっと本を読んでいる。
無愛想で口数が少なく無表情で、友達も居ないため「プロぼっち」(プロのひとりぼっち)と呼ばれている。
中学生の時は周りに合わせて笑うなどの努力はしていたが、そこで出来た友人が本当の意味で友人とは言いがたかった。
律の性格上相手に過剰に気を使ってしまい疲れてしまうため、ぼっちで居る事は楽である。
しかし決して友達が欲しくないわけではない。

実は笑いの沸点が低い律。

律には見た目に反するギャップが多数存在する。
いつもムッツリした顔をしているが、実は笑いの沸点が低い。
また、読書は大好きな一方で本の管理はずさんで、本を鈍器にして殴ったりする。
読んでいる本の世界観に入りすぎてしまうところがあり、一時的に性格が変わる事がある。
人見知りな一方、宇佐が彩花に片想いする男から彼氏と勘違いされ絡まれてる所に本を投げつけて助けたり、からかわれて困っている宇佐に助け舟を出すなどの男前な部分などもある。

宇佐の事は、自分のような人間に世話を焼いてくるお人よしと思っている。
しかし律の無愛想な態度や一緒に居る時間に本を読む事など、失礼なことをしてしまっていたのに、それを受け入れ優しくしてくれる宇佐に、律は心を開いていく。
特に宇佐が律の影響で本を読み始めた事に喜んでおり、本の苦手な宇佐でも読める本を探したり(この事で高橋と仲良しに見えてしまい、宇佐から誤解された)、宇佐と同じ本を読んで感想を語り合っている時などは楽しそうにしている。
宇佐は元々本よりゲームが好きなため、ゲームの話題で友達と楽しそうであると、律は悔しそうなそれでいて泣きそうな顔をした。
律は所謂ツンデレな性格であるのだが、自己評価が低いため宇佐が自分以外の女の子と仲良くしているのを見ると、嫉妬より先に「自分と居るより楽しそう」としょんぼりしてしまう。
一方、宇佐が自分を性的な目で見ている時などは、恥ずかしさと怒りで怒鳴ったり叩いたりする。
だがそれが勘違いであった時は謝ると言った素直さも持っている。
物語が進むに連れて、宇佐に対し男の子として気になっている素振りが現れるようになる。
林が過去に宇佐を好きだったことを知り、2人が仲良くしている事にハラハラし、椎名が出てきてからは椎名と宇佐が仲良くしている事にハラハラしている。
自分の持つ宇佐へ好意は認めているものの、宇佐から自分への好意は宇佐が「変ショリ」でお人よしだから相手にして貰っている、と思っているところがある。
読書仲間の林とは喧嘩しながらも段々打ち解けていき、次第に宇佐の事を林に相談するようになる。
律も宇佐も面倒臭い性格なためなかなか発展していかない2人である。

城崎(しろさき)

CV:四宮豪

河合荘の住人で宇佐のルームメイト。ニックネームは「シロ」で、犬っぽく呼ばれたい。
ボサボサの頭や小汚い格好からよく不審者に間違われる。
昔は小説を書いていたらしいが現在は休業中。
人に喧嘩を売ったり、意見を強く通す事などは無く、人畜無害である。
自他共に認めるマゾヒストで、罵倒されたり殴られたりするのが好きで、罰ゲームや嫌がらせなどもご褒美となってしまう。
これらの事から河合荘の住人からは邪険に扱われ、シロ本人も喜んでいる。
厨二病の気もあるようで、誰も居ない真っ暗な部屋に向かって「出てこいよ」と言う1人遊びを宇佐に目撃され赤面したり、意味無くキーボードのEnterを強く叩き「ビンゴ」と言うハッカーごっこなどしている。

一話冒頭、これから始めて河合荘へ行く宇佐の前で職質される。

しかし変態的でミステリアスな表面とは裏腹に、その場の空気や宇佐や律達の気持ちなどを察し、大人としての適切なアドバイスをするなど、人格者でもある。
宇佐が律を「一人ぼっちで心配」と言ったのに対し、最初に違和感を持っていたのはシロだった。
また宇佐の過剰な好意が律の重荷になり、律が宇佐にキツく言ってしまった時、へこむ律の話を聞くなどもしていた。
麻弓の事を気にしている事が多く、同窓会へ行き酔い潰れた麻弓を迎えに行ったり、麻弓を励ます事などが度々ある。
麻弓が宇佐のような一途な男に夢を見ていると指摘したのもシロであった。
住子とも仲が良く、2人ずつでペアを組むようなシーンや演出では住子とペアになる事が多い。
「チキンカツの好きなチキンカス」など、住子から罵倒されるのが好きでよく「こういう風に言って」とリクエストし、住子もシロの要望へ応えている。

錦野 麻弓(にしきの まゆみ)

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