椎名林檎(Sheena Ringo)の徹底解説まとめ

椎名林檎は日本のシンガーソングライター。1998年「幸福論」にてメジャーデビュー。有限会社黒猫堂に所属。2004年から2012年にかけてロックバンド・東京事変のボーカルとして活動した。2009年に平成20年度芸術選奨新人賞(大衆芸能部門)受賞。映画「さくらん」では音響監督を務め、リオオリンピック閉会式の演出を務めた。J-POP界を牽引するアーティストの一人である。

真夜中は純潔(まよなかはじゅんけつ)

2001年3月28日発売。
椎名の楽曲の編曲を務めてきたアレンジャー兼ベーシストの亀田誠治が関与せず、東京スカパラダイスオーケストラが編曲を務めている。
アルバム「加爾基精液栗ノ花」に収録される予定であったが世界観が合わなかったため見送られた。
そのためシングル曲としては唯一アルバム収録されていない。

PVの撮影を始めてから椎名の妊娠が発覚し、急遽番場秀一によるアニメーションに変更された。
アニメーションの中には椎名ソックリの女性と椎名の飼い猫・ゲーテをモデルにしたサイボーグの猫、キーボード・皆川真人をモデルにした禿頭に髭の男が登場する。椎名をモデルに描かれた女性は名前が募集され一般公募の中から「潔純真夜(きよずみまよ)」と命名されている。
2003年に発売されたシングル「りんごのうた」のPVの中で、当初予定されていた衣装を纏った椎名の姿を見ることができる。

茎(STEM)~大名遊び編~(くき(すてむ)~だいみょうあそびへん~)

2003年1月22日、サードアルバム「加爾基精液栗ノ花」の先行シングルとして発売された。
「大名遊び」はオーケストラ演奏が豪華なためにつけられた。
アルバムには日本語詞で制作された楽曲が収録されているがシングルはロビー・クラークによる英語詞で制作されている。
編曲は森俊之。

演奏を担当している「秘密部隊」は椎名の個人的な友人たちで結成されており、椎名曰く「畑違いの人たちが集まって演奏したらどうなるか実験したかった」。レコーディング時はそれぞれの得意分野の違いから合わせるのが大変だったそう。
本作と同時発売の「短篇キネマ 百色眼鏡」のジャケット撮影は写真家の荒木経惟が担当している。
この作品で椎名は自身初のオリコンシングルチャート初登場1位を獲得している。

りんごのうた

2003年11月25日、東京事変での活動を始める前に発売された椎名のソロ名義最後の作品。NHK「みんなのうた」で流す曲を求められ制作した楽曲のため、これまでの作品とは一風変わったアレンジが施されている。後に東京事変のアルバム「教育」に「林檎の唄」というタイトルでアレンジされたものが収録されている。
椎名の25歳の誕生日に合わせ、日本のCD発売で一般的になっている水曜日でなく、11月25日火曜日に発売された。
このためオリコン週間シングルチャートでは前週発売として、発売日前にランクインされる珍現象が起こった。

この世の限り(このよのかぎり)

2007年1月17日発売。
映画「さくらん」エンディングテーマとして書き下ろされた本作は椎名の兄・椎名純平とのデュエットソング。
アレンジャー兼指揮者として斎藤ネコが参加し「椎名林檎×斎藤ネコ+椎名純平」名義で発表された。

ありあまる富(とみ)

2009年5月27日発売。
ソロ名義としては約5年ぶりにTBS系ドラマ「スマイル」の制作陣に熱望され書き下ろされた曲である。
BARBEE BOYSのいまみちともたかがギター・編曲・補作曲として参加しているが、椎名の楽曲で他者が補作するのは初めてのことである。

カーネーション

2011年11月2日発売。NHKテレビドラマ「カーネーション」のために書き下ろされた曲である。
映画「さくらん」に音響スーパーバイザーとして参加していた安井輝がドラマ「カーネーション」に制作スタッフとして参加していたことがきっかけで椎名が主題歌を制作することとなった。当初は「とにかくアッパーな曲を」という依頼でカップリング曲として同時収録された「人生は思い通り」を制作したがドラマのオープニング映像や脚本を見るうち別のイメージが湧いたため「カーネーション」を制作し提出、後から作ったこの曲が主題歌に決定した

自由へ道連れ(じゆうへみちづれ)

2012年5月16日にデジタルダウンロードシングルとして発売された。
ロックバンド・東京事変解散後初のソロ名義でのシングル曲。
TBS系テレビドラマ「ATARU」の主題歌として、番組プロデューサー・植田博樹と韓哲に「新感覚ミステリーの主題歌として、戸惑いや焦燥、怒りを、けれんのない自由な音楽で解放してほしい」という依頼を受けて制作した。
同ドラマの劇場版である「劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL」にも引き続き主題歌として採用されている。
演奏陣としてPOLYSICSのハヤシがギター、GOING UNDER GROUNDの石原聡がベース、Dragon Ashの桜井誠がドラムとして参加している。
PV監督は大関泰幸が務め、女優でファッションモデルの小松菜奈が前編に渡って出演している。なお椎名本人の出演はない。

いろはにほへと/孤独(こどく)のあかつき

2013年5月27日に発売されたソロ名義初の両A面シングル。
「いろはにほへと」はフジテレビ系ドラマ「鴨、京都へ行く~老舗旅館の女将日記~」主題歌として書き下ろされた。
児玉裕一監督で撮影されたPVはSPACE SHOWER Music Video Awardsの「MVA BEST VIDEO」に選出されている。
「孤独のあかつき」はNHK Eテレの「SWITCHインタビュー 達人達」制作陣の依頼で制作された番組テーマソングである。
異なる分野の達人2人が対談する番組の趣旨に倣い、NHKテレビドラマ「カーネーション」の脚本を担当した脚本家・渡辺あやが作詞を担当、椎名が作編曲を担当している。シングル表題曲の詞を椎名以外の人間が担当するのはこの作品がはじめてである。

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