
Carpenters(カーペンターズ)とは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身の兄妹デュオ。ロック全盛期の1970年代において独自の音楽スタイルを貫き、ソフトロックやイージーリスニング、アダルト・コンテンポラリー・ミュージックなどのジャンルにおけるヒットメーカーとなった。兄のリチャードが作曲と演奏を、妹のカレンがヴォーカルを担当した。美しいメロディーと透き通る声が魅力のカーペンターズは、「兄妹デュオで世界一有名」と評されている。
Carpenters(カーペンターズ)の概要
Carpenters(カーペンターズ)とは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身の兄妹デュオ。ロック全盛期の1970年代において独自の音楽スタイルを貫き、アメリカのラジオ番組『アメリカン・トップ40』やアダルト・コンテンポラリー・チャートでの記録を塗り替え、ソフトロックやイージーリスニング、アダルト・コンテンポラリー・ミュージックなどのジャンルにおけるヒットメーカーとなった。兄のリチャードが作曲と演奏を、妹のカレンがヴォーカルを担当した。ビルボード・ホット100チャートで1位となったシングルが3曲、アダルト・コンテンポラリー・シングル・チャートで1位が15曲ある。さらに、トップ10入りは12曲に及ぶ。アルバム・シングルの総売上枚数は1億枚を上回るとされている。
14年間の活動で、11枚のアルバム(うち『遙かなる影』『カーペンターズ』『ア・ソング・フォー・ユー』『ナウ・アンド・ゼン』『緑の地平線〜ホライゾン』の5枚がトップ10シングル曲を収録)、31枚のシングル、5本のテレビ・スペシャル番組、テレビ・シリーズ番組を1本制作した。アメリカをはじめ、イギリス、日本、オーストラリア、オランダ、ベルギーなど世界各国でツアーを行った。1983年、カレンの死により活動を終えている。
オリコンチャートブックの集計では、いわゆるレコード時代と呼ばれる1970年から1989年の日本での海外アーティスト別アルバム売上枚数は、ビートルズに次いで第2位である。シングル売上枚数は第1位。CD時代に入った後も、1995年発売のベスト盤『青春の輝き〜ベスト・オブ・カーペンターズ』が200万枚越えるセールスを記録するなど、日本においても時代を超越して愛され続けているグループである。
美しいメロディーと透き通る声が魅力のカーペンターズの音楽は、今もなお世界中で聴かれている。日本にもファンは多く、三省堂のコラムでは「兄妹デュオで世界一有名」と評されている。
誰もが認める音楽性の高さと切ないメロディー、切ない歌声は、一度聴けば多くの人が彼らの音楽の世界に引き込まれてしまうと言われている。特にカレンの歌声は、カレン自身が痩せ細っていけばいくほどに「透き通った歌声」になっていったと言う。華やかな世界で大きな成功を掴んだにも関わらず、それは皮肉で悲しい話であった。
Carpenters(カーペンターズ)の活動経歴
バンドの初期の活動
兄のリチャード・カーペンターと、妹のカレン・カーペンターの兄妹、そしてウェス・ジェイコブズからなるトリオでバンドを結成したのが「カーペンターズ」の最初のスタートとなる。結成したのは、ドラムはカレン、ピアノはリチャード、ベースとチューバはジェイコブズという編成のジャズ・トリオで、「リチャード・カーペンター・トリオ」と名乗った。トリオはハリウッド・ボウルで行われていた対バン形式のコンテストで優勝し、RCAレコードとの契約を勝ち取るが、契約はすぐに打ち切られる。
その後、カレンの歌声のすばらしさが認められ、ソロ・アーティストとして短期レコード契約を結ぶこととなるが、レーベル自体が消滅。その後も学生ミュージシャンと6重奏団と結成したり、ジェイコブズがデトロイト交響楽団へ加入するため脱退したりと動きがあるが、1968年にテレビ番組から依頼を受けた兄妹は、オーディション番組への出演を果たす。
カーペンターズとしての活動と成功
1969年4月22日、さまざまな挫折を経て、ついにリチャードとカレンは「カーペンターズ」名義でA&Mレコードとの契約を結んだ。1969年、最初のアルバムをリリースする。1970年にリリースされたシングル曲「close to you」は初登場56位となり、1970年7月22日にはチャート1位に上昇。4週にわたって首位の座を守った。ベストセラーとなったアルバム『close to you』の収録曲からは、「close to you」と「愛のプレリュード」がRIAAによってゴールドディスクに認定された。同アルバムは『ローリング・ストーン』誌による「偉大なアルバム500選」第175位にも選ばれている。さらに、カーペンターズはその年の最優秀新人部門をはじめとする2つのグラミー賞も受賞した。
こうして、ロック全盛期であった1970年代、カーペンターズは独自の音楽スタイルを貫き通して大きな成功を収めることになる。ロック全盛にありながら、まるで反対側に位置づけられそうに見られる美しいメロディーと透き通る歌声重視の音楽で成功を収めているのはカーペンターズの紡ぎ出す音楽が本物だったからだ。
リチャードとカレンの悲劇
1970年代中頃になると、度重なるツアーや長期に及ぶレコーディング・セッションが2人を蝕みはじめる。ボーカルのカレンは強迫観念的にダイエットをするようになり、やがて神経性無食欲症になっていく。
もともと自分にあるコンプレックスで拒食症に陥っていき、もっと痩せなければ、もっと美しくならなければというコンプレックスがカレンを衰弱させていくことになる。
また、兄のリチャードもカレンの体重が元に戻らないことに疲れ、薬物に溺れていた。
そして1983年、32歳という若さでのカレンが突然死去する。カレンの死により、カーペンターズは活動を終えた。
誰もが愛した透き通る歌声を無くしてしまうには、あまりにも早いカレンの死だった。原因は、長年戦っていた「拒食症」が原因であり、直接の死因は急性心不全だった。
その後、彼女の死の原因になった拒食症・摂食障害への世間の注目を世の中に高めていった。
Carpenters(カーペンターズ)のメンバー
カレン・カーペンター

1950年3月2日生まれ。カーペンターズでは、ボーカル・ドラムスを担当。
アルトの歌声で3オクターブの声域を持っており、ビートルズのジョン・レノンやポール・マッカートニーを始めとした一流アーティストたちからも声の美しさを絶賛された。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第94位。「雑誌Qの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第48位。
リチャード・カーペンター

1946年10月15日生まれ。カーペンターズでは作曲やピアノを担当。
カーペンターズとしての活動初期にはリードヴォーカルを担当することもあったが、カレンの歌声が高い評価を得るとコーラスと鍵盤楽器を担当するようになった。編曲家としての才能を高く評価されており、グラミー賞の最優秀アレンジメント賞には計6度ノミネートされている。
Carpenters(カーペンターズ)のディスコグラフィー
スタジオ・アルバム
『涙の乗車券』

1969年11月15日発売。
Side 1
1. 祈り(原題:Invocation)
2. ワンダフル・パレード(原題:Your Wonderful Parade)
3. いつの日か愛に(原題:Someday)
4. ゲット・トゥゲザー(原題:Get Together)
5. 私のすべてをあなたに(原題:All of My Life)
6. ターン・アウェイ(原題:Turn Away)
Side 2
1. 涙の乗車券(原題:Ticket to Ride)
2. 恐れないで(原題:Don't Be Afraid)
3. 何んになるの(2000年にリリースされたデジタル・リマスター版では『何になるの』となっている)(原題:What's The Use)
4. オール・アイ・キャン・ドゥー(原題:All I Can Do)
5. 眠れない夜(原題:Eve)
6. 歌うのをやめた私(原題:Nowadays Clancy Can't Even Sing)
7. 神の祝福を(原題:Benediction)
『遙かなる影』

1970年8月28日発売。
Side 1
1. 愛のプレリュード(原題:We've Only Just Begun)
2. ラヴ・イズ・サレンダー(原題:Love Is Surrender)
3. メイビー・イッツ・ユー(原題:Maybe It's You)
4. リーズン・トゥ・ビリーヴ(原題:Reason to Believe)
5. ヘルプ(原題:Help)
6. 遙かなる影(原題:(They Long to Be) Close to You)
Side 2
1. ベイビー・イッツ・ユー(原題:Baby It's You)
2. 恋よさようなら(原題:I'll Never Fall in Love Again)
3. クレセント・ヌーン(原題:Crescent Noon)
4. ミスター・グーダー(原題:Mr. Guder)
5. 愛しつづけて(原題:I Kept on Loving You)
6. アナザー・ソング(原題:Another Song)
Related Articles関連記事

未成年(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『未成年』とは、1995年10月からTBSで放送された青春ドラマである。脚本は野島伸司。主演はいしだ壱成で、香取慎吾や反町隆史などが出演する。高校3年生の戸川博人は、コンサート警備のアルバイト中に大学2年生の新村萌香に出会い、魅力を感じる。その後、路上で同級生の田辺順平と共に不良に絡まれた博人は、高校3年生の神谷勤をカツアゲしていたチンピラの坂詰五郎に助けられる。この出会いをきっかけに、博人を中心とした若者たちの青春群像劇が始まる。本作は平均視聴率が20%で、最高視聴率は23.2%を記録した。
Read Article

ビギナー(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ビギナー』は2003年にフジテレビの月9枠で放送されたドラマ。法律の専門家を目指す司法修習生達が、司法研修所を舞台に成長していく姿を描いている。ストーリー展開は、特定の人物にフォーカスしない群像劇となっている。また、法律を扱う作品で、イラストや専門用語についてのテロップを入れるなど配慮がされている。さらに、登場人物達のコミカルなやり取りによって難解なイメージを払拭している。ヒロインに、演技経験のない新人女優であるミムラが抜擢された事も話題となった。
Read Article

ドラマ「未成年」出演者の当時とその後の姿を画像で紹介!
野島伸司が脚本を手がけた、平均視聴率20.05%の大人気ドラマ『未成年』。そのタイトルの通り、未成年の少年少女の複雑で純粋な人間模様を描いた傑作である。 ここでは、いしだ壱成 、香取慎吾、 反町隆史、遠野凪子、浜崎あゆみなど、当時このドラマに出演していた俳優たちの今昔の姿を紹介する。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- Carpenters(カーペンターズ)の概要
- Carpenters(カーペンターズ)の活動経歴
- バンドの初期の活動
- カーペンターズとしての活動と成功
- リチャードとカレンの悲劇
- Carpenters(カーペンターズ)のメンバー
- カレン・カーペンター
- リチャード・カーペンター
- Carpenters(カーペンターズ)のディスコグラフィー
- スタジオ・アルバム
- 『涙の乗車券』
- 『遙かなる影』
- 『カーペンターズ』
- 『ア・ソング・フォー・ユー』
- 『ナウ・アンド・ゼン』
- 『緑の地平線〜ホライゾン』
- 『見つめあう恋』
- 『パッセージ』
- 『メイド・イン・アメリカ』
- 『ヴォイス・オブ・ザ・ハート』
- 『愛の軌跡〜ラヴラインズ』
- 『レインボウ・コネクション〜アズ・タイム・ゴーズ・バイ』
- Carpenters(カーペンターズ)の代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- 「スーパースター」
- 「イエスタデイ・ワンス・モア」
- 「青春の輝き」
- 「トップ・オブ・ザ・ワールド」
- Carpenters(カーペンターズ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- カレンの体型へのコンプレックスが悲劇の引き金
- カレンが最後に残した言葉は「ママ…私を見て!!」