Europe(ヨーロッパ)の徹底解説まとめ

「Europe(ヨーロッパ)」とは、1979年に結成されたスウェーデン出身のハードロック・バンド。コンテストでの優勝を機に、1983年デビュー。メロディアスな旋律とパワフルなハイトーン・ヴォーカルを特徴とし、キーボードを盛り込んだ叙情的な楽曲の数々は、多くのハードロック、ヘヴィ・メタルバンドに影響を与えた。最大のヒット曲は「The Final Countdown」で、北欧メタルの始祖と呼ばれている。

Europe(ヨーロッパ)の概要

Europe(ヨーロッパ)は、1979年に結成されたスウェーデンのハードロック・バンド。ヴォーカルのジョーイ・テンペスト、ギターのジョン・ノーラム、ベースのジョン・レヴィン、ドラムのトニー・レノの4名によって結成され、当時のバンド名は「Force(フォース)」だった。
活動開始から3年が経った1982年、約4000組のバンドが参加した音楽コンテストでForceは優勝、これを機にレコード会社との契約に漕ぎつけた彼らは、バンド名を現在の「Europe(ヨーロッパ)」に改名し、翌年1983年、アルバム『幻想交響詩』でメジャーデビューを飾った。
1986年には彼らにとって最大のヒットとなる3rdアルバム『ファイナル・カウントダウン』をリリース。全米チャート最高8位まで上り詰める大ヒットとなり、シングルカットした「ファイナル・カウントダウン」は25カ国のシングルチャートで1位を獲得。全世界規模で飛ぶ鳥を落とすような売り上げを記録し、彼らの名前は世界に知れ渡るようになる。
1988年にリリースした『アウト・オブ・ディス・ワールド』は全米チャートで最高19位の売り上げを記録した。これによりEuropeは2作連続で全米トップ20入りを果たしたスウェーデン出身の音楽グループとなり、これはABBA以来の快挙とされるも、曲調がポップ路線に切り替わったことで多くの賛否両論を呼んだ。
同年11月26日にインドのムンバイから始まるワールドツアーを開始。12月には来日を果たし、名古屋、東京、大阪、横浜の4都市で6公演を行った。
快進撃を続けてきた彼らだが、1992年「休憩が必要だ」として活動を休止、事実上の解散となった。
各メンバーは新しくバンドを組み、ソロ活動をしたりしていたが、2003年に長い休暇を終え、活動を再開した。

Europe(ヨーロッパ)の活動経歴

最盛期から活動休止まで

1979年にヴォーカルのジョーイ・テンペスト(Joey Tempest)、ギターのジョン・ノーラム (John Norum)、ベースのジョン・レヴィン (John Leven)、ドラムトニー・レノ (Tony Reno)の4名により結成され、この当時のバンド名は「Force(フォース)」と名乗っていた。
1982年、Forceはスウェーデンの4000バンドあまりが出場したコンテストで優勝し、ジョーイはベストヴォーカル賞、ジョンはベストギタリスト賞にそれぞれ選ばれる。このコンテストに優勝したことがきっかけでレコード契約を獲得し、バンド名を現在の「Europe(ヨーロッパ)」に改名する。
1983年、アルバム『幻想交響詩』でメジャーデビューを飾り、ヘヴィメタルシーンで重要な発信地のひとつとされるスウェーデンにおいて初登場8位にランクイン。デビュー翌年の1984年にはアルバム『明日への翼』をリリースし、日本でもヒットを記録。このころ創設メンバーでもあるドラムのトニー・レノが脱退し、後任としてイアン・ホーグランド (Ian Haugland)、さらにキーボードのミック・ミカエリ (Mic Michaeli)が加入したことで、5人体制が完成する。
1986年にアルバム『ファイナル・カウントダウン』を発売。このアルバムは全米チャート最高8位まで上り詰め、世界的なセールスを記録する大ヒットとなり、シングル「ファイナル・カウントダウン」が25カ国ものシングルチャートで1位を獲得したことで、彼らの名前は世界に広く知れ渡り始める。
しかしこの一方で、音楽性のポップ化が進行し、さらにアイドル的なテレビ出演などの音楽以外の仕事も舞い込むようになり、疑問を感じたギターのジョン・ノーラムが脱退し、後任ギタリストとしてキー・マルセロ(Kee Marcello)が加入した。
1988年、アルバム『アウト・オブ・ディス・ワールド』をリリースし、こちらも全米では最高19位と上々の売り上げを記録。これにより、「2作連続で全米トップ20入りを果たす」という、スウェーデンの音楽グループではABBA以来初の快挙を成し遂げたが、バンドの音楽性のポップ化はさらに進行しており、『アウト・オブ・ディス・ワールド』はファンの間でも賛否が分かれるアルバムとなってしまった。
同年11月、インド・ムンバイからワールド・ツアーを開始。12月には来日し、名古屋、東京、大阪、横浜の4都市計6公演を行っている。
1991年に5枚目のアルバム『プリズナーズ・イン・パラダイス』を発売。前作のポップ路線を離れ、ハードロック路線への回帰を図るも、初期の音源との相違と北欧的な叙情メロディ人気は後退気味に。
セールス的にも失敗となってしまい、この当時に契約していたレコード会社、エピック・レコーズとの契約も解除される事態に陥った。

1992年、「休みが必要」として活動を停止。度重なるツアーに疲れて休みを取ろうとしたのが理由だが、これがあまりにも長期にわたり事実上の解散状態となる。

再始動

1999年の大みそか、スウェーデンで一回限りの再結成ライブとなる"The Final Countdown""Rock The Night"を開催し、そこではじめて脱退したジョン・ノーラムと、当時のメンバーであったキー・マルセロによるツインギターが実現した。このライブで会場を大いに沸かせた彼らだが、バンドからは正式に「再結成をする」という声明が出されたわけではなかった。裏ではメンバー同士で「再結成できないか」と相談をしていたが、ソロ活動の契約などの事情があったためすぐにというわけにはいかなかったのだという。
再結成が果たされる2004年までは、メンバーたちは度々電話で相談を続けていた。時にはジョーイの家で作曲を行い、メンバーは再結成に前向きだったという。
こうして迎えた2003年、長きに亘る沈黙を破り『ファイナル・カウントダウン』発売当時のメンバーで再始動を果たす。
翌2004年には13年ぶりとなるアルバム『スタート・フロム・ザ・ダーク』をリリース。従来の作品とは異なるヘヴィな楽曲が中心となり、メンバーは「昔の殻を破ってこのサウンドにたどり着いた」と表明している。
2006年にはアルバム『シークレット・ソサエティ』をリリース。2013年からはデビュー30周年が大々的に企画され、HR/HMフェス『LOUD PARK 13』出演にて来日。
2015年、アルバム『明日への翼』の完全再現ライブを実施し、節目となる10枚目のアルバム『WAR OF KINGS』をリリース。その翌年には『ファイナル・カウントダウン』のリリース30周年を記念した、完全再現ライブツアーを企画するなど、今までの時間を取り返すかのような精力的なライブ活動を始めている。
2019年、1stアルバム『幻想交響詩』と再始動後の6thアルバム『スタート・フロム・ザ・ダーク』をフィーチャーした来日公演、2024年1月31日・2月1日・2日、2023年9月から開始した40周年記念ツアーの一環として、大阪と東京でのジャパンツアーを開催し、日本においても多くの公演を行った。

Europe(ヨーロッパ)のメンバー

現メンバー

ジョーイ・テンペスト(Joey Tempest)

ヴォーカル。1963年8月19日生まれ。スウェーデン・ストックホルム出身。パワフルなハイトーンボイスに定評がある。Europe最大のヒット曲でもある「The Final Countdown」の作曲者。
スウェーデンでは映画『ON THE LOOSE』のサウンドトラックも手掛け、ソングライターとしての顔も広く知られる。
全バンドではベースとギターを交互に務め、キーボードのミックが加入する前は自身がキーボードを演奏してアルバムを制作するなど、様々な楽器の演奏ができる。

ジョン・ノーラム(John Norum)

ギター。1964年2月23日生まれ。ノルウェーのバードーで生まれ、スウェーデンに移住した経歴を持つ。
1979年にジョーイとともにForceを結成、バンド名をEuropeに改めてのデビュー後、1986年に音楽性がポップになっていったことや、TVへの出演に疑問を感じて脱退。2004年の再始動時、改めてメンバーとして加入した。

ジョン・レヴィン (John Leven)

ベース。1963年10月25日生まれ。スウェーデンのストックホルム出身。Europeの創設メンバーの一人。
安定感のある力強いベースプレイで、結成当初からバンドを支えている。

イアン・ホーグランド (Ian Haugland)

ドラム。1964年8月13日生まれ、スウェーデン出身。1984年、トニー・レノの後任として加入した。
骨太なドラムプレイが特徴。長髪ぞろいのメンバーの中で、唯一のスキンヘッド。

ミック・ミカエリ (Mic Michaeli)

キーボード。1962年11月11日生まれ、スウェーデン出身。1984年、ドラムのイアンと共にバンドへ加入。
叙情的で美しいプレイでサウンドを支え、バンドの方向性を特徴づけた。

HajimeA8
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@HajimeA8

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