月に吠えらんねえ(月吠)のネタバレ解説・考察まとめ

『月に吠えらんねえ』とは、講談社の『月刊アフタヌーン』にて2013年から2019年まで連載された、清家雪子による漫画作品である。萩原朔太郎ら実在の詩人たちの作品イメージを擬人化したキャラが、幻想的な「□街」を舞台に、創作者の業や近代日本の狂気に翻弄される様を描く。自意識の目覚めや戦争責任といった重厚なテーマをグロテスクかつ美しく描き、文化庁メディア芸術祭新人賞などを受賞。詩歌の魅力を再構築した、罪と狂気の幻想群像劇となっている。

□街に住む詩人。モデルは三好達治であり、著作『測量船』『南窗集』などのイメージが投影されている。朔を「兄さん」と呼び慕う弟分であり、一番弟子を自称しているが、実際には生活能力のない朔の身の回りの世話を焼く年下の友人として扱われている。なぜか朔には妹がいると思い込んでおり、その妹に片想いをしているが、朔自身からは「自分に妹はいない」と否定され続けている。白に対しては快く思っておらず、嫌悪感を抱いている。

シキ

□街の高台でスケッチをするのが日課の俳人。モデルは正岡子規であり、著作『子規歌集』『子規句集』『病牀六尺』などのイメージに基づいている。飄々とした風貌で、「ナツメ」という名の黒猫を連れている。そのマイペースな振る舞いゆえか、朔と白からは密かに嫌われている。

チューヤ

□街に住む詩人。モデルは中原中也であり、著作『山羊の歌』『在りし日の歌』などのイメージに基づいている。盗んだバイクに乗る不良のような風貌をしており、粗野で口が悪く喧嘩っ早い性格。批評街には親友の小林がいる。ミッチーとは考え方の違いからしばしば対立するが、行動を共にすることも多い。

ミッチー

□街に住む詩人。モデルは立原道造であり、著作『萱草に寄す』『暁と夕の詩』などのイメージが反映されている。恋人がいるものの、自身が色欲に溺れることを強く拒絶しており、プラトニックな愛を貫く純情なお坊っちゃんとして描かれている。チューヤとはよく喧嘩をしているが、共に行動することが多い。

コタロー

□街と美術街の双方に住民票を持つ、詩人にして彫刻家。モデルは高村光太郎であり、著作『道程』『智恵子抄』などのイメージが投影されている。□街では眼鏡をかけた少年の姿をしているが、美術街では口ひげを生やした青年の姿に変わる。精神を病んで亡くなった妻を模した巨大なロボット「チエコさん」を制作・操作して連れ歩いている。

モッさん

□街で脳病院を開業している精神科医。モデルは斎藤茂吉であり、著作『赤光』『あらたま』などのイメージが投影されている。「アララギ先生」とも呼ばれ、朔をはじめとする街の住人や、他の街からも受診者が訪れる名医である。白のことを嫌っている。

石川 (いしかわ)

□街に住む歌人。モデルは石川啄木であり、著作『一握の砂』『悲しき玩具』などのイメージが反映されている。朔や白とは河原の屋台で酒を酌み交わす飲み仲間である。性格は素直かつ単純。物語中では、昭和や平成といった異なる時代へのタイムスリップを経験し、メインエピソードを担うこともある。

アッコ

□街に住む歌人。モデルは与謝野晶子であり、著作『みだれ髪』『白櫻集』などのイメージに基づいている。街の中でも数少ない名前を持つ女性であり、その圧倒的な才能は男女を問わず多くの人々から尊敬と憧れの眼差しを向けられている。私生活では夫との間に11人の子をもうけている。

釈先生(しゃくせんせい)

右目に眼帯をした歌人。モデルは釈迢空(折口信夫)であり、著作『海やまのあひだ』などのイメージが投影されている。愛弟子のはるみくんを連れており、街の高台で発見された身元不明死体の謎を解明するために最も奔走する人物である。

ぐうるさん

人々より一回り大きい、二足歩行の蛙の姿をしたキャラクター。モデルは草野心平であり、著作『定本 蛙』『第四の蛙』などのイメージに基づいている。蛙そのものの容姿だが、着物を着用している。

車掌さん

銀河鉄道を思わせる汽車の車掌。モデルは宮沢賢治であり、著作『春と修羅』『銀河鉄道の夜』などのイメージが反映されている。タヌキの姿をして描写される。

その他

Cafe JUN マスター

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