『ワッハマン』「死ねない、最強、大食らい」笑い輝くガイコツ戦士の色んな意味で凄まじい戦い

ガイコツと言っても顔だけなんですが、ある年齢以上の方は『黄金バット』を思い出されるかもしれません。金色で笑うガイコツですし。しかし彼はある悲哀を負っていました。

笑う黄金ガイコツワッハマン

恐らく黄金バットがモチーフ。何でかよく笑います。「人類の敵」と称される男を抹殺するため、古代アトランティス時代オリハルコンという、エネルギーが金属になったものにより人間の男性をベースに作られたようです。彼のバックボーンについてはちょこちょこ描かれる程度ですが、同じくらいの時を生きる鯨曰く「唯一認めた勇者」だったとか。

しかし「人類の敵」の抹殺に失敗し、1万年間眠った状態の上、記憶もほとんど失っていました。自衛隊の作ったロボット(失敗作)による頭部への刺激で覚醒。「敵を倒さねば」という意識の下、ロボットを破壊します。何故か笑いながら。

その後ストーリーはシリアスに…なるかと思えばそうでもなく、完全に記憶を取り戻せないまま社会人草野球に参加し、犬や猫と食糧を奪い合い…。カフェで食事したもののお代が払えないと食べた分だけ働く羽目になったりもしました。ちなみに物凄い大食漢で、数人前は注文します(本来は食事も呼吸もいらない体)。言葉を発してはいるものの、他キャラが代弁するという形で、彼自身の口調は不明。ただ、一人称が「私」らしいことは伺えますし、最終話で「駄目だ、勝てない」という心の声と思しきセリフがありました。自衛隊のロボットを破壊したこともあり、自衛隊、人類の敵双方から追われる身になります。月に降り立ったものの、穴にハマって飛びたてずにいた着陸船を本来の角度にすべく、月に送られます。着陸船の帰還時、飛び立たない脚部分にしがみついていたため置き去りになりました。調別やレミィの奮闘で帰り着きます。不死身であるほか、素手での戦闘力はかなり高く、精神レベルによってはリミッターが外れたかのような戦いぶりを披露。月から戻ってからは人類の敵に対する挑発とも取れる行為を繰り返していました。

用語

アトランティス

ワッハマンのベースとなる男性のいた国であり、パパより滅ぼされた国でもあります。

オリハルコン

エネルギーを禁賊に凝縮した物。オリハルコン同士でしか傷を与えられないもので、ワッハマンを不死身たらしめているものでもあります。ただ、飽くまで不死身なのは肉体のみで、精神が耐えられないこともあるようです。

防衛庁技術本部第四研究所特別分室

ワッハマンを監視し、調査をするため作られたもの。正式名称は防衛庁技術本部第四研究所特別分室。通称調別。見た目は廃工場。長沼曰く「諜報員としての自覚の名居場所」で、自衛隊の秘密基地として近所の小学生にすら隠れ蓑になっていない状況。

登場人物・キャラクター

人類の敵(レミィのパパ)

ワッハマンの倒すべき敵。一万年に渡り、人類世界を裏から支配してきた人物ですが、コスプレ好きの一面も。本人曰く「着るわけではない」とのこと。1万年前ワッハマンと交戦し、肉体の半分を失い始めて死を意識するほどの傷を負いました。残りの半分は機械で補っています。初期は中々にコミカルだったもののレミィを追いだして後は冷徹な面と、影の支配者らしからぬ言動が増えました。CIAや日本の政治家とも内通しており、大政奉還にも関わっているとか。政治家たちからの呼び名は「御前」。その真の目的はワッハマンに殺してもらうことであり、彼を挑発するため、それまでの短編に登場してきた人物を次々殺害していきます。悪趣味と称されており、最終決戦時には大量のレミィ、オシリスを送り込んで愚弄。レミィのことも捨てる為に作り、かわいがるだけかわいがり、捨てました。

最終決戦時、後述の破戒僧による「自分が黒幕」との嘘で本気を出したワッハマンにより致命傷を負いながらも、高笑い。曰く「死は救い」。空しさを紛らわすため、何度も文明を起こし、滅ぼしてきた謎の多い人物。本気を出したワッハマンに倒されますが、事情を知ったレミィに「お前の思い通りにさせない」という意味で「死なせない」と言われますが、レミィが一番のお気に入りだったと告白、つらい目にあわせたことを謝罪し絶命。長沼曰く、最期まで全員を躍らせた人物でした。

レミィ(ハンババ)

ワッハマンを「殺す」ため差し向けられた刺客…なんですが、どーにもこーにもお間抜けです。戦闘力自体は高いんですが、ワッハマンには及ばないご様子。基本的には小学生くらいの女の子の姿ですが、戦闘時は「ハンババ」というマッチョな巨漢ロボットに大変身。人類の敵をパパと呼んでいたため、皆もレミィのパパと呼ぶこともあります。趣味はコスプレで、毎回シスター、レースクイーンなど場違いな格好で登場。羞恥心というものを持たず、男性の前だろうと全裸で過ごす、まわし一つで相撲大会に出場する剛の者。最初から捨てられる為に作られたデータ収集用であるため、ワッハマンに勝てなかったのでした。追い出された後は調別に身を寄せます。ワッハマンが月に行った際迎えに行きますが、地球に戻ってくる時に人工衛星を押し出されて衛星軌道からずれかかり、窮地に。レミィを振り投げればワッハマンだけでも地球に戻れるとされましたが、「アイツも回収する」という長沼の声を聴き、余分なパーツを引っこ抜いて投げ捨てました。その反動で地球落下コースに戻るも、ワッハマンと別れてスイスに墜落。インガーという引退した時計職人に拾われます。

ハンババが本名で愛称がレミィのようですが、巨漢ロボ形態がハンババ、通常形態がレミィと呼ばれていました、ちなみに変形パターンは毎回異なり、変形後も声は変わりません。

本来はロボット工学を研究していたインガーとゲルダの関係を見抜くなど、当初のお馬鹿さは抜け、自分を直すために高い材料ばかり買って足がついたことを悔いて追っ手と戦闘。日本に戻り、以降ワッハマンたちの味方として戦闘に参加。ある事情でワッハマンとキスする羽目にもなりました。最終決戦の際「とっておき」のコスプレとして選んだのがウェディングドレス姿。「パパ」に追い出されたとしても、今は自分の意志でワッハマンたちの仲間になっているということを「嫁ぐ」という形で表したんです。人類滅亡後の地球でワッハマンと再会。本人曰くタイムカプセルであり、当分は孤独に浸らせない、とのこと。物語は彼女の一言で締めくくられています。

長沼内規

調別の諜報員。もう一人の主人公です。合気柔術と中国武術をチャンポンにした怪しげな(コミックスより)武術を使用。武器よりも武術で戦闘。梅田曰く肉体派。肉弾戦ではかなりの強者ですが、余裕のない時は足技を繰り出せないこともあります。当初はルパン三世と銭型警部のごとくワッハマンとの追いかけっこをしていたものの、次第にレミィのパパとのたたかいにより、この世界の真相を知ることになります。既婚者ですが、妻と子(生まれても来なかった娘)はとうに亡くなっており、法的には独身。子供時代、父親から物置きに閉じ込められたかられて以降カマドウマが何よりも苦手で、見るのも嫌とのこと。情報屋からパパの正体を知り、仲間には内緒で行動。したがため、殺されたかもしれないとして、長らく潜伏状態でした。

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