ゾイド新世紀/ゼロ(第2作)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゾイド新世紀/ゼロ』は、タカラトミーの玩具「ゾイド」をモチーフに、TBS系列で放送されたテレビアニメ。全26話。原作はタカラトミー。ジャンク屋を営む主人公ビット・クラウドが、ライガーゼロと出会い、数多の敵とのゾイドバトルを通じて成長していく物語。前作『ゾイド -ZOIDS-』の直接の続編で、1000年以上経った惑星Ziが舞台。今作では、ゾイドを戦争兵器としてではなく、ゾイドによる対戦競技をメインに据えているのが特徴。また、シリアスだった前作と違い、コメディ要素が強い作品となっている。

ゾイドバトル

ゾイドバトル連盟管理下のもと、ゾイドを用いた対戦競技。ゾイドバトル連盟が定めたルールに従い、基本的に2チームによる対戦が行われている。選手の平均年齢は15〜22歳で、S、A、B、C、Dまでのクラスがある。

ゾイドウォーリアー

ゾイドバトルを行うゾイド操縦者の総称。チームを組んでいる者が大多数だが、一部でフリーランスとして活動している者もいる。

ゾイドギア

ゾイドにセットする携帯型の小型端末。ゾイドの登録やゾイドバトルへの出場申請などに用いられる。

バトルモード

ゾイドバトル連盟が定めたゾイドバトル時のルール。バトルの指定と同時に通達される。また、バトル出場者によってバトルモードを事前に指定することもできる。

ダークバトル

バックドラフト団とその所属チームが行う違法ゾイドバトルの総称。対戦相手が勝てば通常の数倍の賞金が支払われるが、負ければ所有ゾイドを全て没収される。ダークバトルを取り仕切るのはダークジャッジマンであり、試合はバックドラフト団に有利になるように運ばれる。

ロイヤルカップ

4年に1度行われる大規模なバトルロイヤル。全Aクラスとワイルドカードセレクションによって選ばれたチームが参加資格を持つ。優勝チームには、莫大な賞金と、Sクラスへの昇格権が得られる。
劇中では、100チーム以上が出場し、広大なデカン半島を舞台に行われた。ゾイドバトルで勝つごとにゴール地点への手がかりが与えられ、5回勝利するとゴール地点が分かるようになる。そして、そのゴール地点に一番最初にゾイドギアを装着したチームが優勝となる。

アルティメットX

バックドラフト団のアルタイルが探し求めていた謎のゾイド。その正体はブラックボックス化された人工知能「オーガノイドシステム」を搭載し、戦いを重ねるごとに学習し進化していく特殊なゾイドだった。

『ゾイド新世紀/ゼロ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ビットの初陣(第1話)

セイバータイガーと対峙するライガーゼロ

ビットがチーム・ブリッツの格納庫でライガーゼロと出会った時、ライガーゼロはビットを縛っていた縄を切りコクピットを開いた。自分に乗れと言わんばかりの行動に、ビットは喜んでコクピットに乗り込んでいった。だが、ビットの気持ちとは裏腹に、ライガーゼロは勝手に走り出し、格納庫の壁を突き破っていってしまう。ライガーゼロのその行動に焦るビットだったが、ライガーゼロはそれを無視して走り去っていくのだった。

そして、翌日のチーム・ブリッツとチーム・タイガースとのバトルの最中。それまで走り続けていたライガーゼロがバトルフィールドに侵入してきた。ビットは、ライガーゼロに「止まれ!」と叫ぶと、ライガーゼロはそこで停止した。ビットが辺りを見渡すと、バラッドたちが相手チームと戦っているところだった。突如侵入してきたビットに、ジャッジマンはライガーゼロがチーム・ブリッツ所属のゾイドだったことで、ビットをチーム・ブリッツ所属のゾイドウォーリアーとして登録させた。チーム・タイガースは、ジャッジマンの判断に抗議するが、ビットは反対にこの状況を楽しんでいた。ビットはライガーゼロを走らせ、遠距離で狙撃していたセイバータイガーを1体仕留め、残る2体のセイバータイガーへと襲いかかる。ライガーゼロの武装を確認するビットだったが、前足の爪による「ストライクレーザークロー」のみだった。近距離武装しかないことに嘆くビットだったが、ライガーゼロの意思を感じ取り、ライガーゼロに応えるようにセイバータイガーへ突っ込んでいくのだった。そして、セイバータイガーの脚を切り裂いて戦闘不能にしてしまった。残る1体も、バラッドが砲撃して戦闘不能にしたことで、チーム・ブリッツの初勝利が確定するのだった。
ビットは夕焼けの中、ライガーゼロとともに駆けた今日のバトルを思い、ライガーゼロという相棒を得たことに歓喜していた。

前作と同様、シールドライガー、コマンドウルフ、ディバイソンという編成から本作が始まる。そして、シールドライガーからライガーゼロに変わることで、前作との世界観が共通していることを示唆しつつも、新しく登場したライガーゼロとビットのコンビのこれからの活躍を予感させるような描写になっている。

チーム・ブリッツ敗退(第11話)

フォーメーションを組んで襲いかかってくるチーム・ライトニング

ある夜、ジャックは自身の乗るライトニングサイクスの調整をしていた。そこへ、2人の女性がジャックの様子を訪ねてくる。その2人は、クリスとケリーの姉妹で、ジャックのチームメイトだった。姉妹の乗るゾイドもライトニングサイクスであり、超高速戦闘主体のチームが、ジャックのいるチーム・ライトニングだった。ジャックは、もうすぐ迫っている、チーム・ブリッツとの戦い、ビットとライガーゼロとの再戦に、1人気持ちを昂らせていた。

そして、チーム・ブリッツとチーム・ライトニングとのバトル当日。バトルフィールドは荒野のど真ん中と、何も障害物のない場所となった。ビットは、始めからイェーガーに換装しており、ライトニングサイクスとのスピード勝負でも戦えるよう準備していた。また、ビットは、前のバトルでジャックのライトニングサイクスに勝っていることもあり、気持ちに余裕があった。
しかし、バトルが始まるとチーム・ブリッツに漂っていた余裕が吹き飛んでいった。チーム・ライトニングはフォーメーションを組んで襲いかかってきた。リノンがガンスナイパーの一斉射撃をしても当たらず、逆にライトニングサイクスが走り抜けていく際に発生した衝撃波で吹き飛ばされて戦闘不能になってしまった。さらに、バレッドもライトニングサイクスのスピードについていこうとコマンドウルフのギアを上げるも、急ブレーキをかけられて後ろを取られ、砲撃されてしまった。残るはビット1人。ジャックは、ビットと一騎打ちを挑み、前と同じようにスピード勝負を仕掛ける。しかし、以前のようなスピード比べではなく、ジャックはフェイントや緩急を織り交ぜてビットを翻弄。ビットは攻撃がまったくヒットせずに、ついにジャックにノックアウトさせられてしまう。チーム・ブリッツは、ビットが加入してから続いていた連勝を、ここでストップさせてしまったのだった。

ビットがチーム・ブリッツに加入してはじめての敗戦である。これまでチーム内に漂っていた余裕が消えたが、ビットは敗北に悲観することなく、自分が越えていかなければならない壁の登場に闘志を燃やす様子が描かれている。

ラストバトル ライガーゼロ VS バーサークフューラー(第26話)

バーサークフューラーの荷電粒子砲を止めるライガーゼロ

ヒントを全て集めたチーム・ブリッツは、ゴール地点であるウルトラザウルウスの元へ向かっていた。しかし、ゴールの方向から1体のゾイドがこちらへ向かってきた。それは、ベガの乗るバーサークフューラーだった。以前と違い武装と装甲を装備したバーサークフューラーは、ライガーゼロの存在を感知し、ベガの操縦に逆らってチーム・ブリッツへと向かっていたのだった。ビットは、イェーガーとシュナイダーが先の戦いで使用できなくなっており、重火器装備のパンツァーへと換装した。圧倒的な火力のパンツァーは、代償としてライガーゼロの持つスピードを失っていた。バーサークフューラーへ向けて一斉射撃をするビットだったが、バーサークフューラーのシールドに阻まれてしまった。そのうえ、ライガーゼロはオーバーヒートを起こしてしまい、動けなくなっていた。ビットは、パンツァーの装備をパージすることで身軽になった。そして、ビットは換装する為にホバーカーゴへ戻っていった。バラッドは、ライガーゼロの換装の時間を稼ぐ為、1人でバーサークフューラーの前に立ち塞がる。

ライガーゼロの換装は、3つとも使えなくなっている為、残すはライガーゼロの元々のパーツのみだった。その間、バラッドはバーサークフューラーと戦っていたが、健闘虚しく戦闘不能に追い込まれてしまった。そして、バーサークフューラーは、これで最後と言わんばかりにホバーカーゴへ向かって荷電粒子砲を放つ。辺りが煙に包まれる中、煙の中から換装を終えたライガーゼロが躍り出てバーサークフューラーへ爪を突き立てる。そして、バーサークフューラーの頭の装甲を破壊すると、そのまま猛然とバーサークフューラーを攻めたてる。これまでとは違い、格段に上がったライガーゼロのスピードに驚くチーム・ブリッツの一同。実は、ライガーゼロはバーサークフューラーと同じくアルティメットXと呼ばれるゾイドであり、その正体は、オーガノイドシステムを内臓したゾイドだった。オーガノイドシステムは、戦う度に戦闘データを蓄積して学習、進化していくというものだった。ライガーゼロは、これまで経験したいくつもの戦闘データを元に強くなっていた。ラーガーゼロはバーサークフューラーのポテンシャルを凌駕しようとしていた。そして最後は、荷電粒子砲を撃ってきたバーサークフューラーの喉元へ爪を突き立て戦闘不能にした。ラストバトルを制したのは、チーム・ブリッツだった。

前作で活躍したウルトラザウルスの上で繰り広げられるライガーゼロとバーサークフューラーのバトルは、この作品の中で一番の躍動感と迫力であり、ラストに相応しいダイナミックな映像である。

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