イノサン(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『イノサン』は、坂本眞一による歴史漫画作品。タイトルの「イノサン」とは、フランス語のInnocent(イノサン)、英語のInnocent(イノセント)を意味する。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて、2013年9号から2015年20号まで連載された。18世紀のフランスで、処刑人の家に産まれた青年の物語。国王直々の処刑人の傍ら、医師となり人々を救ったが、サンソン家の人間は死神と蔑まされた。処刑人の家業に前向きではない青年が、彼の意志には反して処刑人として血に染まった人生を歩んでいく物語である。

シャルルと出会い、シャルルのファーストキスの相手となったシャルトワ伯爵の息子。シャルトワ伯爵とイギリスの娼婦との間に生まれた。母が病で死んだ時に妹と共にシャルトワに引き取られたため、母語は英語。父への性的行為による奉仕を命じられ続けていた。海軍が対立する陸軍のシャルトワ伯爵を陥れるため、「英国国教会の聖書を発見され処刑される」という謀略を図るが、シャルトワ伯爵は愛妾の息子であるジャンに罪を被せた。そのため冤罪であるにも関わらず、夏至に開かれた祭の後、シャルルによって処刑された。これがシャルルにとって初めての処刑となった。

トーマス=アーサー・グリファン

演:佐々木崇
フランス軍の元帥。ジャン・バチストの旧友。高潔で自由主義精神にあふれる軍官ではあるが、イギリスとの戦争の敗戦の責を負わされ処刑される事になった。女であるマリー=ジョセフを「プレヴォテ・ド・ロテル」にするための推薦状の依頼をシャルルに請われたときに、まだ10歳にも満たないマリーの美しさに魅了され、推薦状の見返りとして幼いマリーに性的行為に及んだ。数年後、自身の処刑が初仕事であったマリーに復讐としてなぶり殺されそうになるが、旧友ジャン・バチストが半身不随ながらも処刑を完遂した。

ジョルジュ・ド・ラトゥール

グリファン元帥直属の連隊長で、侯爵。上官であるグリファンを処刑台でなぶり殺しにしようとしたマリー=ジョセフを闇討ちしようとしたあげくに失敗。その他冒涜と反逆的行為のために死刑判決を受けた。ルイ・フィリップの思いつきで前代未聞の処刑法である「立像斬首(デカピタシオン・ド・ラ・スタチュー)」で処されることになった。恐怖で処刑は進まないと皆が予想していたが、マリー=ジョセフに魅了され、その気持ちを利用したマリー=ジョセフの誘導と斬首の技術により立像斬首によって死亡。

第三身分

マリー=ジャンヌ・ベキュー

演:貴城けい
修道院育ちで容姿の美しいお針子。シャルルのファンで処刑台の下からシャルルを見つめていた。シャルルの初体験の相手で、後のデュ・バリー夫人。ルイ15世の公妾となるが、マリー=アントワネットと不仲。戦争にまで勃発しようとした際にシャルルの介入で事なきを得る。

マリー=ジャンヌ・ベルタン

真面目な性格で主人からの依頼があれば早朝出勤をして仕事に勤しんだ。後に、フランス国王姫マリー=アントワネットの御用達モード商になる。

ロベール=フランソワ・ダミアン

パリ郊外の貧しい農民。シャルルと遭遇し、サンソン家で息子を診察してもらうが、既に助かる見込みのない状態だった。その後、ルイ15世暗殺未遂事件を起こし監獄で拷問を受けるが黙秘を貫いた。しかし、シャルルの父ジャン・バチストによる蘇生術で回復した息子を目撃した途端、暗殺未遂を行った理由を話しだした。シャルルの懇願も虚しく、八つ裂きの刑となる。

アラン・ベルナール・シュバリエ・ド・サン・ジェローム

演:梶裕貴/武田航平(Wキャスト)
マリー=ジョセフの初恋の相手。フランス中の子どもを幸せにするという理想を掲げ、世界中を巡る旅から帰国後「アラン自由学校」を設立。理想の実現に向かって邁進していた頃、処刑人となったマリー=ジョセフと再会したが、ド・リュクセとの諍いから逆恨みされて学校と子どもたちを燃やされ、自身も殺害された。アランの死をきっかけに、マリーは貴族皆殺しを決意する。アランが連れていた白い猿「ブランカ」はアランの死後にマリー=ジョセフの相棒となる。

『イノサン』の用語

ムッシュ・ド・パリ

フランス語: Monsieur de Parisは、フランスの死刑執行人の頭領を表す称号。フランスの死刑執行人が1人になってからは事実上、死刑執行人を表す称号となった 。ムッシュ・ド・パリはパリに住むことが職業上の義務であったため、全員がパリ在住である。

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