誘拐の掟(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『誘拐の掟』(ゆうかいのおきて)とは、2014年に公開されたアメリカのクライムスリラー映画。アメリカの作家であるローレンス・ブロックの小説『探偵マット・スカダー・シリーズ』の一編『獣たちの墓』を原作として、元警察官という経歴を持つ私立探偵が、連続誘拐殺人の犯人2人組を巧みに追い詰める姿を描く。出演のリーアム・ニーソンやダン・スティーヴンスをはじめとした、豪華な出演陣も話題となった。

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『誘拐の掟』の概要

『誘拐の掟』(ゆうかいのおきて)とは、2014年に公開されたアメリカのクライムスリラー映画。原作はアメリカの作家であるローレンス・ブロックの小説『探偵マット・スカダー・シリーズ』の中の一編『獣たちの墓』。監督と脚本を、スティーヴン・スピルバーグ作品などで脚本を手掛けるスコット・フランクが務め、主演のリーアム・ニーソンやダン・スティーヴンスをはじめ、デヴィッド・ハーバー、ボイド・ホルブルックなどの豪華出演陣も話題となった。批評家からは「人の心をかき乱すローレンス・ブロックのミステリー小説にふさわしい空気感を作り出している」として、監督のスコット・フランクの手腕を称える声も多く上がっている。
過去に大きなトラウマを抱えた元警察官という経歴を持つ私立探偵が、連続誘拐殺人の犯人を執念と巧みな交渉術で追い詰める姿を描く「ネオ・ノワール」映画に分類されるクライムスリラーだが、分かりやすい山場は存在せず、全体的に淡々と進んでいく印象の作品。ミステリー作品と銘打ってはいるものの、その要素は前面に押し出されていない。
全体的にくすんだ色合いがハードボイルドな味わいを醸し出しており、濃密な人生の縮図が詰め込まれているかのような仕上がりになっている。

『誘拐の掟』のあらすじ・ストーリー

引退刑事の再起

元ニューヨーク市警の刑事であるマット・スカダーは、酒に溺れた過去を持ち、刑事を引退してからは無免許の私立探偵として細々と生計を立てていた。ある日、マットは自身が通う断酒会の仲間であるピーターから、彼の弟のケニーを助けてほしいと頼まれる。ケニーは裕福なドラッグディーラーで、妻のキャリーが誘拐された、と経緯を語る。
ケニーは40万ドルもの身代金を支払ったにもかかわらず、愛する妻は惨殺されて戻ってきた。ケニーは自身の職業柄、警察には通報できない立場にあったことでマットを頼っていたのである。
犯人を捜してほしい、というその依頼を断ったマットだが、ケニーの切実な願いに心を動かされ、調査を引き受けることを決意する。

連続誘拐事件の真相

マットは調査を進める中で、キャリーと同様の手口で殺害された女性たちが他にもいることを突き止めた。更に事件を深掘りすると、彼女たちはいずれも麻薬に関係している人物の身内であり、犯人は警察に通報できない立場の人々を狙っていることが明らかになっていく。
マットが図書館で過去の事件を調べていると、路上で生活している少年、TJと出会う。成り行きからTJがマットの助手になることを希望し、調査を手伝うと申し出てくれたことから、彼らは協力して事件の調査にあたることになる。
調査を進めた2人は、ジョナスという公園の管理人が、過去に犯人たちと関わりがあったことを突き止める。ジョナスは犯人グループが麻薬取締局(DEA)の関係者であり、彼自身も共犯者であることを告白するが、その後、自ら命を絶ってしまった。
意外な強敵が判明した上に、ジョナスから更に突き詰めて話を聞くことも叶わなくなり、調査は一度暗礁に乗り上げることになってしまう。

新たな誘拐事件と交渉

マットが調査を続ける中、犯人は新たなターゲットとしてルシアという14歳の少女を誘拐する。マットは過去の刑事としての経験と、刑事として持ち前の判断力を駆使して、犯人たちとの交渉を試みる。
この交渉の中で、マットは自らの過去とも向き合い、許しを請うかのように犯人たちに立ち向かっていく。マットの冷徹なまでの態度と被害者救済への執念は、次第に犯人たちを追い詰めるのであった。
TJが犯人の車に忍び込んで場所を連絡したことでアジトを突き止めたマットは、ピーターとケニーと共に最終決戦に臨む。激しい銃撃戦と駆け引きの末、誘拐されたルシアを無事に救出することに成功したマットだが、ピーターとケニーの兄弟は命を落としてしまった。
こうして事件を解決したマットは再び断酒会に参加し、過去の自分と向き合いながら、新たな一歩を踏み出す決意を固めるのであった。

『誘拐の掟』の登場人物・キャラクター

マット・スカダー(演:リーアム・ニーソン)

日本語吹き替え:石塚運昇
本作の主人公。刑事を引退後、無免許の探偵として細々と生計を立てている。過去に人を殺したトラウマから酒に溺れた過去があるため、断酒会に通っている。

ピーター・クリスト(演:ボイド・ホルブルック)

日本語吹き替え:大林洋平
断酒会で知り合ったマットの友人で、元軍人。不肖の弟であるケニーの妻の誘拐殺人事件の依頼をマットのところに持ち込んだ張本人。

ケニー・クリスト(演:ダン・スティーヴンス)

日本語吹き替え:増本拓也
ピーターの弟で、ドラッグディーラーを務める男。妻を誘拐され、身代金を払ったにも関わらず殺害されたことで、ピーター経由でマットへ依頼した。

TJ(演:ブライアン・“アストロ”・ブラッドリー)

画像右側の少年がTJ

日本語吹き替え:下川涼
誘拐殺人事件の調査をしていたマットが、調べものをしていた図書館で出会うホームレスの少年。助手になりたいと志願し、マットと共に事件解決のために調査にあたる。

ジョナス・ローガン(演:オラフル・ダッリ・オラフソン)

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