サレタガワのブルー(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『サレタガワのブルー』はセモトちかがスマホアプリ『マンガMee』にて2018年から連載しているフルカラー不倫漫画である。2021年には単行本が発売され、注目を集めている。2021年7月にはMBS・TBS系にてドラマ化が発表された。主人公である田川暢は妻の藍子と幸せな日々を送っていたのだがある日藍子の不倫に気づき、真実を確かめていく中の苦悩や不倫された側の辛さをリアルに描いた作品だ。「読めば必ず不倫したくなくなる」とSNSでも注目を集めている。

『サレタガワのブルー』の概要

『サレタガワのブルー』は2018年よりセモトちかがスマホアプリ『マンガMee』にて毎週金曜日に更新のフルカラー不倫漫画である。作者のセモトちかはcomico公式で『星になる前に君と』を更新していた。そちらは現在完結している。『サレタガワのブルー』は電子版で第一章が終了しており、2021年5月には第二章が始まった。同時に単行本が発売され、さらに7月にはMBS・TBS系「ドラマイズム」枠で犬飼貴丈が暢役、堀未央奈が藍子役でドラマ化されており、SNSでも注目を浴びている。Twitterでは芸人のニューヨークの屋敷裕政が「読んでいるうちに夢中になった」とコメントを残している。
主人公の田川暢(たがわのぶる)はイケメンで家事を完璧にこなす旦那で、妻の藍子と幸せな結婚生活を送っていた。しかし藍子の怪しい行動に気づいてしまい不信感を持つ。藍子を溺愛している暢だが真実を突き止めようとしているところに藍子の不倫相手も結婚している事実を知る。そして藍子の不倫相手の奥さんと協力しながら離婚に向けて証拠を集めていく物語だ。不倫された側の苦悩や辛さ、葛藤をリアルに描いている作品である。

『サレタガワのブルー』のあらすじ・ストーリー

幸せな結婚生活

田川暢(たがわのぶる)は妻の藍子と結婚式で永遠の愛を誓った。結婚して一年半が経った二人だが変わらず仲良しだ。暢はグラフィックデザイナーで自宅で仕事をしている。藍子はOLをしていて家の事はすべて暢が行っていた。
ある朝藍子を起こしに行くと「あと5分だけ」と甘える藍子に暢は幸せを感じていた。朝ごはんとお弁当を作り水筒にルイボスティーを注いで仕事へと見送った。藍子は最近残業で忙しく、暢は寂しさを感じていた。午前の仕事がひと段落し、食材の買い物に出かけようとしたところ寝室でスマホが鳴っている事に気がついた。スマホを手に取ろうとしたところ藍子が息を切らしスマホを取りに帰ってきた。スマホを見たか確認する藍子に暢は「見ていない」と答えた。玄関を出て仕事に戻ろうとする藍子は意味深な笑みを浮かべ「セーフ」と呟いた。

暢は幼馴染の友人である「たみ」が働いている美容室でカットモデルをしにいく。美容室で読んでいる雑誌には不倫の話題があり、たみからもお客さんに不倫している人がいる話を聞く。たみは冗談まじりで「藍子さんは大丈夫?」と暢に聞く。暢は自分の夫婦は不倫とは無縁だと話す。カットが終わり写真を藍子に送った暢は帰宅して夕ご飯の準備をしていた。テレビでも不倫の話題になっており不満に思った暢はテレビを消して手の込んだ夕飯を作りながら藍子の帰りを待っていた。すると藍子から「残業で帰れない」とLINEが送られてくる。落ち込む暢だったが怒る事も疑う事もなく藍子に気遣いのLINEを送るのだった。

藍子の本当の正体

暢が自宅で夕飯を作っている頃藍子はベッドの上で男性と一緒にいた。残業だと嘘をついて会社の上司である「森和正」と不倫をしていたのだった。暢は一人藍子の帰りを待っていたが、帰ってきたのは夜12時が過ぎた頃だった。翌日、暢は藍子の首筋に赤い跡がついている事に気づく。昨晩の事を思い出し一瞬ヒヤッとする藍子だったが、「虫刺されかも。かゆい」と咄嗟にごまかしいつものように仕事に行った。そして職場につき、不倫相手の上司と密会していた。
藍子がキスマークの事に関して文句を言うと和正はお詫びと言いながら誕生日プレゼントのネックレスを渡し、「今夜映画に行こう」と誘うのだった。一方その頃、暢はたみに映画に誘われていた。映画館に行くとなんと藍子と和正も同じ映画を観ていたのだった。暢は藍子がいる事に気づいていなかったが、たみがトイレに行こうとした時に藍子を見かけたのだった。驚くたみだったが確証が持てず、すぐには暢に言わなかった。映画が終わって居酒屋に行くたみと暢だったが、さっき見た光景に心ここにあらずなたみに暢は心配した。しかし暢には言わずうまくごまかした。何も知らない暢はいつもと変わらず藍子の話をしていた。暢が藍子の写真を見せるとなんとさっき見た藍子と同じ服を着ていたのだった。たみはそこで「藍子が不倫をしている」と確証を持つ。たみは決心して暢に自分が見た事を話すが暢は「気のせいだ」と言って信じなかった。しかし心の中では最近の残業やキスマーク、スマホへの執着などを思い返し不安になるのだった。

藍子の誕生日に不倫疑惑浮上

藍子の誕生日である日曜日に「後輩がミスをして仕事に行かなくてはいけない」と突然言い出した。藍子の誕生日のために色々と準備をしていた暢だったが仕方ないと文句を言わずに藍子を送り出す。がっかりしている暢に「夕飯前には帰るから今夜は仲良しして寝ようね」と微笑む藍子に暢は笑顔を取り戻すのだった。それを見た藍子は心の中で「扱いやすい旦那」と思うのだった。藍子を見送った暢は「怪しさがハンパない。せめてバレないようにやってくれ」と疑いがさらに加速した。藍子が帰宅したあとに暢は全力で藍子のお祝いをした。藍子は「うざいけどSNS映えする」と考えていた。「お仕事お疲れ様」と笑顔で言う暢に藍子は「ありがとう」と抱きついた。その時に暢はほんのりとタバコの匂いがする事に気づくのだった。

その頃藍子の不倫相手である和正は自宅で妻の梢に「上司に呼ばれたから仕事へ行く」と言って家を出ようとする。その日は梢と子供と公園に行く約束をしていたのだった。「約束したのに」と梢が言うと和正は逆ギレをして家を出て行った。梢は和正が不倫をしている事を知っていたのだった。ワンオペ育児で心が病んでいた梢はこっそり和正のスマホを見ていたのだ。このままではいけないと行動にうつす決意をするのだった。その日梢は息子を託児所に預け、和正の車に仕込んだタブレットの位置情報から尾行をする。ホテルの近くまできた梢は和正の車がないか確認する。しかしそこには車はなかった。そして背後から「何をしている」と和正から声をかけられる。タブレットを仕込んだ事が和正にバレていたのだった。「亭主が休日返上して仕事を頑張っているのにまさか浮気を疑っているのか。お前はクソ女だ」と梢を罵り、息子を預けた事を知ると「浮気調査だなんてくだらない事のために俺が稼いだお金を使うな」と激怒して梢の髪の毛を掴み頬を叩いた。

言い訳をする藍子

誕生日の翌日に藍子はいつものように会社で暢が作ったお弁当を食べている。そこに後輩の「高橋」が現れお弁当を褒める。すると藍子は「自分が作っている」と嘘をつく。そこに和正が現れて藍子のお弁当を褒めながらアイコンタクトをして夜にホテルへ行こうと約束するのだった。藍子は暢に残業で帰れないという内容のLINEを送り、ホテルへ向かった。暢はこれまでの疑いもあり、会社に藍子がいるのか確認しに行こうか悩んでいたところ大雨がふってきた。朝家を出る時に藍子が傘を持っていない事を思い出した暢は「あくまで傘を会社に届けに行くだけだ」と心の中で自分に言いきかせ、藍子の会社に行く。入り口で迷っているところに高橋が現れ、「藍子さんなら帰りましたよ」と告げられる。すかさず藍子に電話をかけるが和正と不倫中の藍子は気づくはずもなかった。暢はそのままたみの自宅へ行き、今日あった事を話した。たみの自宅にはたみの彼女である「麻衣」もいて一緒に話を聞いていた。嘘をついていたがまだ不倫したかわからないと言う暢に麻衣は「絶対に不倫している」と激怒する。帰り際にたみから励まされた暢は藍子としっかりと話をしようと決意する。

暢が帰宅すると藍子が心配した表情で出迎えた。藍子の傘を持っている事に気づくと「どうして嘘をついたのか」という暢の言葉を遮り、泣きながら「疑っているの?ひどい」と言い訳を始めた。暢は藍子の無理のある言い訳を聞きながら呆然としていた。その頃たみと麻衣は藍子がSNSで何か呟いていないかと調べていた。藍子の誕生日だった事を話したたみのヒントに麻衣は「#誕生日」で調べた。すると「ひみつのあいにゃん」というアカウントを見つけその内容に絶句するのだった。

藍子の不倫疑惑が確信へと変わる

たみと麻衣が見つけたSNSには和正とのデートの内容や誕生日に暢がプレゼントしたネックレスを「会社からのプレゼント。彼氏とかぶったからフリマアプリで売ろうかな(笑)」などの投稿をしていた。その内容を暢に見せた。暢は青ざめてトイレへと駆け込み吐いていた。たみはその様子を見てほっておけないと職場の休憩室で暢を休ませていた。仕事がひと段落ついたたみは暢の様子を見に行くと、「何がいけなかった?俺なりにだけど精一杯いい夫婦になろうとしてやれる事は頑張ってきたつもり」と自分を責める。そんな姿を見て「そもそも不倫もだけどあのSNSもすべて藍子が悪い。まずは確実に証拠を集めよう」と言うのだった。暢は帰り道に「離婚」「再構築」「証拠」という言葉を繰り返しながらいつものようにスーパーに立ち寄ろうとしていた。しかし今日は藍子のために料理を作る気にはなれないと思っていたところ藍子から「今夜も遅くなる」とLINEが届くのだった。

自宅に戻った暢は「今夜も遅くなる」と言っていた藍子を会社から尾行しようと決意する。変装した暢が会社に到着すると定時時間に藍子が会社から出てきた。残業が嘘だとわかりさらにショックを受ける暢だったが切り替えて尾行を続ける。スマホをいじりながら電車を降りると「精力爆上がり」と書いたドリンクを飲む藍子を見てゾッとし、その後ドラックストアで避妊具とスポーツドリンクを買う藍子を見て吐き気をぐっと堪えて藍子を監視した。するとホテルの前に和正が現れ二人は手を繋ぎながらホテルに入って行った。暢は放心状態のまま帰宅すると熱がある事に気づく。そこで藍子が帰宅して暢の様子を見て「来週大事な出張があるから風邪をうつさないで」と言うのだった。そんな心ない姿を見た暢は一人涙を流すのだった。藍子は相変わらず和正に「旦那じゃだめかも。和正が一番」などのLINEを送っている。そんなやりとりを梢は和正が寝たあとに自分のタブレットに同期していた。二人のやりとりを見て「絶対に慰謝料をとって離婚してやる!」と決意した。

不倫の証拠を集める

暢が熱を出して寝込んだ翌日、まだ夕飯を作る元気がなかった暢は藍子の夕飯の事を気にする。不倫されても藍子の夕飯を気にしている自分に嫌気がさす。このままではいけないと浮気調査について調べると40〜60万かかる事を知る。「夫婦でためた貯金をそんな事に使うはめになるなんてされた側はとことん損をする」なんて事を考えていると定時前に藍子が帰ってきた。「のぶくんの体調が心配だから早退して夕飯を買ってきた」と笑顔でハンバーガーを見せた。「病み上がりにハンバーガーって」と暢はドン引きしている。「明日明後日休みだけどのぶくんはゆっくりしていて。ネイルと美容室に行ってくる」という藍子。暢はそれを本当なのか疑っていたが翌日美容室に行き、ネイルを新しくした藍子が帰ってきた。藍子がネイルを見せるが暢は薄いリアクションしか出来なかった。その反応に藍子は「最近冷たいし、行為もしてくれなくて寂しい。浮気でもしているんじゃないの?萎えたから半身浴してくる〜」という藍子の態度に暢は怒りが込み上げ証拠を集めようと、藍子がお風呂にはいっている間にスマホを見る。和正とのイチャイチャなやりとりを自分のスマホで撮り、素早く藍子のスマホを元の位置に戻した。

暢は興信所を探す事にした。給料は生活費をひいて全て藍子に渡している暢はどのようにお金を工面したら良いのか悩む。そんな時藍子から「今夜も接待で遅くなる」と連絡が入る。前回のように変装して藍子の跡をつけ不倫の証拠をつかもうとする暢。前回同様、藍子と和正がホテルに入っていくのを見た時に猛烈な吐き気に襲われた。吐くのを堪えている隣で女性が吐いていた。酔っ払いだと思い「大丈夫ですか?」と声をかけ話を聞いているとなんと和正の奥さんである梢だった。梢は専業主婦で興信所に頼むお金がなく、自分で証拠を掴むと決めていた。それを聞いた暢は梢と二人で協力して証拠を集めようと提案する。そしてホテルから出る藍子と和正の写真をとる事に成功する。

暢が尾行している事に気づかず不貞行為をしている藍子は和正に「離婚して一緒になりたい」と申し出る。その言葉を聞いて一瞬固まる和正だったがすぐに「子供が可愛い」「仕事が昇進の話も出ている」などと言い訳を重ねる。拗ねた藍子だったが和正が「短い人生の中でこんなに好きになれる相手滅多に出会えるものじゃない」と言いながら藍子を抱きしめるとすぐに機嫌が戻った。帰り道にタクシーで和正は大きくため息をつきながら藍子との関係を切ろうかと考える。そしてスマホを取り出し、「ともみ」という女に「会いたい。行って良い?」と電話をかける。その相手は藍子の会社の後輩の高橋だった。

暢の過去

たみと麻衣が2人で出かけていると藍子を発見する。思わず声をかけてしまい、流れで3人でランチをする事になってしまう。すると麻衣がいきなり不倫についての話題を話し出す。そして藍子が不倫をしている事を暢は知っていると口を滑らせてしまう。しかし藍子は開き直って「私が結婚してあげたのだ」と話す。麻衣はヒステリックになっていたが藍子は冷静だった。2人は帰宅して「なぜ暢はあんな人と結婚したのか」とたみに聞く。実は暢には藍子と結婚する前から大事にしていた幼馴染の「茉拓」(まひろ)という彼女がいたのだ。3人は幼馴染で小学生から一緒で、高校生で2人が付き合った時は自分の事のように喜んだという。周りからも理想のカップルと言われるほどお似合いだった。しかしある日茉拓は歩道に乗り上げた車に轢かれて亡くなってしまったのだ。その日から暢は心を閉ざしてしまい学校にも行けないほど落ち込んでいた。後追い自殺しそうなほど落ち込んでいた暢にたみが「茉拓がいないのに暢は生きていて偉い。親友を失いたくないから出てきてくれ」と言い暢は茉拓が亡くなってから初めて自分の部屋から出てくるのだった。
暢はその後病院に通いながらも高校を卒業し茉拓の夢でもあったデザイナー系の専門学校へと通う事になる。その後デザイン会社に就職し独立して自分で仕事を始めるのだった。その頃友人に誘われて行った人数合わせの合コンで藍子と出会う。ノリ気じゃない合コンで帰ろうとする暢に藍子が近づいてきた。元カノが亡くなっていた事を知っていた藍子は自分も3年前に恋人を亡くしたのだと嘘をつき暢に近づく。暢は藍子に惹かれはじめ、「藍子とならもう一回恋愛が出来るかもしれない」とたみに報告するのだった。暢は茉拓と付き合っていた時におそろいでつけていたピアスを未だにつけていたのだが、それも藍子は良いと言ってくれた。その言葉を聞いたたみは素直に喜び2人を応援するのだった。

不倫が本気になった藍子

藍子が和正に離婚をしてほしいと言った夜から既読スルーされていた。藍子は和正と結婚したいが、和正がその気じゃないので今は離婚せずにこのままの関係を続けつつ、暢との結婚生活も維持していこうと考えていたのだった。そんな時和正から連絡がくる。「かまってやれなかったお詫び」と藍子の好きなバンドのライブに連れて行くのだった。すっかり機嫌を直した藍子はその日妹「萌子」の働くスナックに和正を連れて行くのだった。そして裏で萌子に「この人をベロンベロンに酔わせて欲しい」と5万円を渡す。泥酔している和正を連れて藍子はホテルへと入って行く。そしてSMルームを選択し和正を縛った藍子は「妻と離婚して藍子と一緒になる。と約束してくれないとこのまま帰っちゃおうかな」と言い、焦った和正は藍子の希望のセリフを口にするのだった。藍子はそれをしっかりと録音し、ニヤリと微笑むのだった。

不倫をして朝帰りした藍子は何の悪びれもなく暢に「2時間後に仕事だから起こしてね」と言う。その言葉にキレた暢は「浮気しているくせに…」と口を滑らせてしまう。その言葉に反論するように藍子は「浮気じゃなくて本気なのだ」と言い出す。他の人に目移りしてしまっているのは暢のせいで最近ご飯も作ってくれないし冷たいし寂しかった。元カノとのピアスもずっと不愉快だった。これは十分に離婚理由になると言い出した藍子に混乱する暢。そして別居だと言って通帳と印鑑を持って萌子の家に行くのだった。藍子が出て行った後、暢は弁護士に相談する事を決めるのだった。

弁護士に相談

離婚の覚悟を決め、たみに紹介された弁護士「吹田」の元を訪れた暢。吹田にこれまでの経緯を話すと「もし裁判になったとしても99%暢が負ける事はない」と聞いてホッとする。その後離婚までの手順を説明される。もしスムーズに行き相手が示談する事になれば100万〜300万は慰謝料が貰える。弁護士は「当事者お二人からは罪悪感のかけらも感じませんし お金をたっぷりいただく!これが鉄則です」と笑顔で話した。話を聞き終わり帰りにATMへ行きお金をおろそうとすると残高が258円しかない事に驚く。藍子がすべて使い込んでいたのだった。
吹田に相談した内容を梢に報告し、梢は熱心にそれを聞いていた。しかしそのタイミングで和正が帰ってきてしまい、「弁護士」「慰謝料」のワードを聞いて固まる。そして梢を無理やり寝室に連れ込み、「第二子を仕込んでやる」という。梢は和正を突き飛ばし、和正は梢に「絶対に離婚はしない」と言うのだった。その後梢は息子を連れて家を出て離婚の準備を進めようとするのだった。梢が悩んでいる時に1人の少年が梢に声をかける。その少年は「水無瀬(みなせ)」と名乗り、梢と親しくなる。水無瀬は梢に好意を寄せていてアプローチするが、梢は離婚していない事を気にして水無瀬を避けていた。

その後吹田から内容証明の書類が揃ったとの連絡を受けた暢だったが、藍子がどこにいるのかわからないという事態に陥っていた。電話、ラインすべて繋がらなく、会社も一週間有給をとっていてどこにいるか検討もつかない。そんな時暢は萌子に連絡をした。萌子によれば、少し前まで萌子の自宅にいたが一昨日追い出したという。そして「今は実家にいると思う」と聞いた暢は藍子の実家に行く事にする。萌子は「行くならアポ無しで行かないと藍子が逃げる」とアドバイスをくれる。そして弁護士と共に藍子の実家へと向かうのだった。実家に到着するとやはり藍子がいた。藍子の両親も交えて不倫についての話をするのだが父親も母親も藍子は悪くないと言うのだった。そこで吹田は内容証明を置いて「目を通しておいてください」と言い2人はその場を後にする。

藍子の悪あがき

実家で示談金の金額を見た藍子と両親は驚愕する。藍子は父親に払ってもらうよう要求するが、それは出来ないと言われる。一方で和正とも連絡がとれない藍子はイライラしていた。和正は出て行った梢を迎えに行くため、藍子に別れを切り出そうとしていた。そしてLINEで「今夜会えないか?」と連絡をする。その連絡を見た藍子は喜んで準備を始めた。ホテルにつくと藍子はバスローブ姿で和正を誘った。別れ話をしにきたつもりだったが結局できずに藍子の誘いに乗ってしまったのだ。行為が終わると藍子は暢から請求されている慰謝料を払ってくれないかと申し出る。その言葉にイラッとした和正は「自分が請求されていないのに払うのはおかしい」と言う。その言葉を聞いた藍子は妊娠検査薬とエコー写真を見せて自分が和正の子供を妊娠しているというのだった。しかし和正からは子供は諦めてほしいと説得される。藍子はその言葉に腹立て会社に全部バラすと和正を脅すのだった。しかし藍子の妊娠は嘘で妊娠検査薬とエコー写真はフリマアプリで買ったものだった。

その後藍子の実家に暢から手紙が届く。そこには「優しくしてくれた両親に申し訳ない。藍子の不倫相手は妻子もちである」という内容が書かれていた。その内容を見た父親は怒って藍子を追い出し、「暢くんとしっかりと話してこい」と言う。実家を出た藍子はマンションは夫婦の共有財産だという事で何事もなかったかのようにマンションに帰って行く。自宅に帰ってきた暢は藍子がいる事に気づき家を追い出そうとする。そんな時藍子のバッグの中から妊娠検査薬が出てきた。そこで藍子は「のぶくんの子供が産まれるという事にすれば慰謝料がチャラにできてマンションも追い出されずに済むのではないか?」と考える。そして優しい暢は「妊婦さんを外に出すわけにはいかない」と藍子をマンションに置き自分が出て行くのだった。その後、暢は姉の「穂奈美」の元へ行く。何があったか聞く穂奈美に暢はお酒の力を借りてこれまでの経緯を全て話した。

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