Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)の徹底解説まとめ

Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)とはカナダのシンガーソングライター。1968年、アルバム『ジョニ・ミッチェル』でデビューした。フォークロック、ジャズ、フュージョンなどをベースにし、恋愛や喜び、人の感情、社会的な理想が反映されている歌詞、変則チューニングでの演奏が特徴である。音楽の他には絵画も描いており、自身のアルバムジャケットもデザインしている。9つのグラミー賞、1997年にはロックンロールの殿堂入りを果たしている。

Wild Things Run Fast

1982年10月1日発売

A
1. Chinese Cafe / Unchained Melody
2. Wild Things Run Fast
3. Ladies Man
4. Moon At The Window
5. Solid Love

B
1. Be Cool
2. (You're So Square) Baby, I Don't Care
3. You Dream Flat Tires
4. Man To Man
5. Underneath The Streetlight
6. Love

ゲフィン・レコードからのリリースとなる今作は、ロックミュージシャンのスティーヴ・ルカサー、後にジョニと結婚するジャズミュージシャンのラリー・カールトン、シンガーソングライターのライオネル・リッチーが参加、ジャズからポップサウンドへの変化が見られた作品だ。このアルバムのインスピレーションは、ロックバンドであるスティーリーダン、トーキングヘッズ、ザ・ポリスなどから得たとジョニは語っている。

Dog Eat Dog

1985年7月発売

1. Good Friends
2. Fiction
3. The Three Great Stimulants
4. Tax Free
5. Smokin' (Empty, Try Another)
6. Dog Eat Dog
7. Shiny Toys
8. Ethiopia
9. Impossible Dreamer
10. Lucky Girl

前作同様に初期のフォークやジャズ路線からは外れ、ポップソングを意識した曲作りになっている。今作でジョニはギターを弾かずキーボードを中心にプレイ、ジョニの夫であるラリー・クラインがベーシストとして活躍している。ラリー・クライトンは「Fiction」、「Tax Free」で作曲を担当、シンガーソングライターであるマイケル・マクドナルドはゲストボーカルとして「Good Friends」でポップな印象を与えるアルバム作りに貢献している。今作からLPに加えCDでもリリースされている。

Chalk Mark In A Rain Storm

1988年3月23日発売

1. My Secret Place
2. Number One
3. Lakota
4. The Tea Leaf Prophecy (Lay Down Your Arms)
5. Dancin' Clown
6. Cool Water
7. The Beat Of Black Wings
8. Snakes And Ladders
9. The Reoccurring Dream
10. A Bird That Whistles

ジョニとラリークラインは、イギリスのバース近くにあるピーターガブリエルのアッシュコムハウスレコーディングスタジオにてこのアルバムをレコーディングした。「My Secret Place」ではシンガーソングライターのピーター・ガブリエル、「Cool Water」ではシンガーソングライターのウィリー・ネルソン、「Snakes and Ladders」ではドラマーのドン・ヘンリー、「Dancin'Clown」ではシンガーソングライターのビリー・アイドルとトム・ペティといった様々なアーティストとのデュエットを行っている。

Night Ride Home

1991年2月19日発売

1. Night Ride Home
2. Passion Play (When All The Slaves Are Free)
3. Cherokee Louise
4. The Windfall (Everything For Nothing)
5. Slouching Towards Bethlehem
6. Come In From The Cold
7. Nothing Can Be Done
8. The Only Joy In Town
9. Ray's Dad's Cadillac
10. Two Grey Rooms

初期の作品に見られたフォークソングの雰囲気を持つ曲作りだが、そのサウンドはよりロック的なアプローチになっている。最初は、独立記念日というタイトルだった「Night Ride Home」はハワイの月明かりに触発されて書いた曲である。性的虐待を語った「Cherokee Louise」、ミッチェルを訴えようとしたメイドのことを歌った「The Windfall (Everything For Nothing)」など政治的な意味を持つ曲が複数収録されている。このアルバムからはヒットシングルは生まれなかったが、アルバム自体は2007年12月の時点で、米国で238,000枚を売り上げている。

Turbulent Indigo

1994年11月25日発売

1. Sunny Sunday
2. Sex Kills
3. How Do You Stop
4. Turbulent Indigo
5. Last Chance Lost
6. The Magdalene Laundries
7. Not To Blame
8. Borderline
9. Yvette In English
10. The Sire Of Sorrow (Job's Sad Song)

今作は、ワーナーレコードに移ってから始めてリリースされたアルバムである。女性の苦しみを語る「The Magdalene Laundries」、暴力、エイズ、地球温暖化、消費主義を歌った「Sex Kills」や、境界性パーソナリティ障害の患者が感じる激しい怒りと嫉妬の感情を歌にした「Borderline」が収録されている。ゲストミュージシャンであるウェインショーターのサックスとアコースティックギターは、ミッチェルの叙情的なイメージに作りに貢献している。1994年のポップアルバムオブザイヤーでグラミー賞を受賞した。

Taming The Tiger

1998年9月29日発売

1. Harlem In Havana
2. Man From Mars
3. Love Puts On A New Face
4. Lead Balloon
5. No Apologies
6. Taming The Tiger
7. The Crazy Cries Of Love
8. Stay In Touch
9. Face Lift
10. My Best To You
11. Tiger Bones

今作は参加ミュージシャンを抑え、ギターはほとんどジョニが演奏している。エレキ・ギターは1曲だけギタリストのマイケル・ランドウを起用した。さらに彼女の音楽の特徴であるアコギではなく、エレキギターで演奏している点も珍しいアルバムである。

Both Sides Now

2000年2月8日発売

1. You're My Thrill
2. At Last
3. Comes Love
4. You've Changed
5. Answer Me, My Love
6. A Case Of You
7. Don't Go To Strangers
8. Sometimes I'm Happy
9. Don't Worry 'Bout Me
10. Stormy Weather
11. I Wish I Were In Love Again
12. Both Sides Now

今作はこれまでのバンドサウンドではなく、オーケストラをバックに歌うジョニが聴けるアルバムである。ジョニの初期の作品である「A Case of You」と「Both Sides Now」がオーケストラ編成で編曲されている。2001年に「Both Sides Now」のベストトラディショナルポップボーカルアルバム、ベストインストルメンタルアレンジメント伴奏ボーカリストで2つのグラミー賞を受賞。ボーカルジャズアルバムオブザイヤーでジュノー賞を受賞した。

Travelogue

2002年11月19日発売

Disc1
1. Otis And Marlena
2. Amelia
3. You Dream Flat Tires
4. Love (I Corinthians 13)
5. Woodstock
6. Slouching Towards Bethlehem (Based On A Poem By W.B. Yeats)
7. Judgement Of The Moon And Stars (Ludwig's Tune)
8. The Sire Of Sorrow (Job's Sad Song)
9. For The Roses
10. Trouble Child
11. God Must Be A Boogie Man
12. Multi-Media Content

Disc2
1. Be Cool
2. Just Like This Train
3. Sex Kills
4. Refuge Of The Roads
5. Hejira
6. Chinese Café / Unchained Melody
7. Cherokee Louise
8. The Dawntreader
9. The Last Time I Saw Richard
10. Borderline
11. The Circle Game

これまでのキャリアから選曲された曲を、オーケストラで再録音したアルバムである。前作『Both SidesNow』のオーケストラサウンドの流れを引き継いでいる。作曲家のヴィンス・メンドーザが編曲を担当した「Woodstock」は、最優秀楽器編曲で2004年グラミー賞を受賞した。また、ミッチェルはこの作品が最後のアルバムになると発表した。

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