
Base Ball Bearとは、2006年にメジャーデビューした日本のロックバンド。2001年11月に千葉県の高校で4人組バンドとして結成。代表的な楽曲に、アニメ『おおきく振りかぶって』のOPテーマとなった「ドラマチック」やCMソングとして知名度がある「BREEEEZE GIRL」などがある。2016年にギターの湯浅将平が突然が脱退し、それ以降は3人体制で活動している。Base Ball Bearはそれまでの「青春」、「夏」なイメージから脱却し、新しい音楽を追い求めている。
Base Ball Bearの概要
Base Ball Bearとは、2006年にメジャーデビューした日本のロックバンド。2001年11月、千葉県の東海大学付属浦安高等学校に通う4人によって結成された。結成メンバーは、小出祐介(ボーカル&ギター)、湯浅将平(ギター)、関根史織(ベース&コーラス)、堀之内大介(ドラム&コーラス)。2016年にギターの湯浅が突然が脱退したため、それ以降は3人体制で活動している。
Base Ball Bearの曲と聞くと、「ドラマチック」「17歳」「BREEEEZE GIRL」など、夏、青空、青春、制服などのキーワードを散りばめた楽曲を連想される人がほどんどだろう。彼らは学生からのカリスマ的人気を誇るラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!!」で2007年から2014年までレギュラーを勤めていたこともあり、ファン層の中心は10代から20代前半の若者が多い。そのためか、メジャーデビュー後から特にそういった「青春ギターロック」的なアプローチの楽曲を戦略的にリリースしてきた。
彼らを人気バンドにしていったのはそういった青春ソングの数々なのだ。
その傾向が最も顕著に現れているのがメジャー2ndアルバム『十七歳』である。1stアルバム『C』における後ろ暗い詞的な世界観とは打って変わり、青春の煌きや美しさを前面に押し出し、凝縮した一枚となっている。
しかし、何年も同じ作風でいられないのがロックバンド、彼らは数年かけて、いわゆる「青春ギターロック」バンドの壁を乗り越えようとしていく。
Base Ball Bearはそれまでの「青春」、「夏」なイメージから脱却し、新しい音楽を追い求めている。
Base Ball Bearの活動経歴
バンドの結成からメジャーデビューまで
千葉県の東海大学付属浦安高等学校に通っていた4人が、2001年11月11日に同校の文化祭で初ライブを行い、バンドを結成した。メンバーは、小出祐介(ボーカル&ギター)、湯浅将平(ギター)、関根史織(ベース&コーラス)、堀之内大介(ドラム&コーラス)。
当時のバンド名はBase Ball Bearではなかったが、その後のBase Ball Bearと同じメンバーである。
2002年、デモテープが東芝EMIのスタッフの耳に留まり、2003年11月26日、インディーズ1stミニアルバム『夕方ジェネレーション』でインディーズデビュー。
2006年1月12日、プレデビューCD『バンドBについて』を東芝EMIよりリリース。4月12日には1stミニ・アルバム『GIRL FRIEND』をリリースし、メジャーデビューを果たした。
2枚同時にリリースした『3.5枚目』アルバム

2010年、Base Ball Bear。は突然「PROJECT xxSS xxLL」をYouTubeにアップし始める。ミステリアスなその映像作品の数々は、自主制作やデモ音源時代に立ち返り、完全セルフプロデュースというミニアルバム「CYPRESS GIRLS」「DETECTIVE BOYS」のティザー映像だった。音源だけではなくMVも彼ら自身が手掛けた実験的な作品である。
チャットモンチーのaccoやラッパーの呂布とコラボレーションした楽曲や、ダブ・レゲエ・シューゲイザーなど、今まででは考えられなかった要素を持った楽曲を多く収録しているが、今までの青春ロック路線とは全く異なる世界観に、驚くファンも少なくは無かった。しかし、「あたらしく、たのしい音楽」を追い求めていくストイックな挑戦が、この作品のリリース後から急激に加速していくのだった。
そして2010年9月29日、3.5thアルバム『CYPRESS GIRLS』『DETECTIVE BOYS』をリリースする。
突破口となった4thアルバム『新呼吸』
2011年、Base Ball Bearは結成10周年を迎えた。Base Ball Bearの主犯格であり中心人物であるフロントマン小出は、3thアルバム『(WHAT IS THE)LOVE & POP?』制作時、タイアップのための曲ばかり書かされていたことで精神的に磨耗してしまったことをインタビューで語っている。
「このアルバムを作ったらバンドを解散しようと思っていた」ほどまで追い詰められてしまったが、前述の3.5枚目の実験的ミニアルバムを制作したことで、再び彼の、そしてメンバーの創造力は復活し、意欲的に楽曲制作が行われた。
そして2011年11月9日にリリースされた2年ぶりとなる4thフルアルバム『新呼吸』は、Base Ball Bearの作る音楽世界に新しい風が吹き始めたことを予感させる作品である。
夜明けから朝→昼→夕方と時間が移ろい、また夜が訪れ、朝が来る。一日一日の繰り返しを音楽で表現したこのコンセプチュアルなアルバムは、何気ない一日を生きていくことの尊さを描いたアルバムとなっている。
大人のロックで魅せる5thアルバム『二十九歳』

アルバム『新呼吸』を生み出したことで、メジャーデビューから流れていた「青春」感が少しずつ薄れ「本当にやりたい音楽」の答えを導き出したBase Ball Bear。
2013年にベストアルバムをリリースし、節目を迎えた彼らが新たな挑戦を試みたのが、大御所HIP-HOPグループRHYMESTERとのコラボレーション作品『The Cut』だった。ラップとギターロックのコラボという一言では語りきれない濃密な情報量を持ったこの楽曲は、現代社会へのシニカルな風刺を歌っており、RHYMESTERの持つ強烈なリリックと、Base Ball Bearが生み出す叙情的でメロディアスなサウンドがせめぎ合うナンバーとなっている。
この楽曲を収録した5thアルバム『二十九歳』は、そんな彼らの挑戦の集大成とも言うべき名盤。
ハードロックや70’sロック、パンクロックなどのオマージュを思わせるある意味古典的なフレーズを彼らなりに解釈、味付けしなおした音の構成に、若者だけではなく通好みの音楽ファンをうならせる仕上がりの作品である。
22歳ほどのときに青春ロック路線でデビューした彼らが平均年齢29歳を迎え、よりシビアに、しかしより楽しみながら音楽を追求した結果生まれたアルバムといえる。
2015年の三ヶ月連続「エクストリーム・シングル」リリース
2015年秋、Base Ball Bearは、誰も挑戦してこなかった新たな領域に足を踏み入れる。
音楽ストリーミング全盛期、定額で音楽が聞き放題、動画配信などで音楽がほとんど無料のエンターテイメントとなった現在。しかし彼らは「CDが売れない時代にあえてシングルCDにこだわる」という一見無謀な挑戦を試みる。
「エクストリームシングル・シリーズ三十一」と題されたこの3ヶ月連続シングルリリースプロジェクトは「シングルCDに更にCDを特典で付ける」という斬新な形態をとった、完全限定生産の音源である。
SNSへの痛烈な批判を歌ったディスコサウンド「それって、for 誰? part.1」には、2015年6月13日の日比谷野外音楽堂公演の音源を、妖艶なAORテイスト全開の「文化祭の夜」にはアルバム『二十九歳』のインストゥルメンタル音源、そして胸キュンをテーマに綴った叙情的なポップソング「不思議な夜」にはインディーズ時代から現在までの作品のデモ音源をそれぞれパッケージングしている。
手元においておきたくなるようなシングルCDを目指したこの作品たちは、2015年9~11月の間の三ヶ月連続でリリースされたのである。
そして2015年11月11日。バンド結成14周年の記念日でもあるこの日に、シリーズ三十一を締めくくるエクストリーム・アルバム『C2』がリリースされた。
王道ギターロックにこだわり続け、何度も方向性を変えながらもたどり着いた彼らが、ギターロックへの警鐘と疑問を自問自答し、導き出した現在地点の答えをこのアルバムに込めている。音の触れ幅の大きさに驚かされながらも、メジャー1stアルバム『C』が持っていたような内省的かつ叙事的な世界観、そして爆発力のある熱量に圧倒されること間違いなしの渾身のフルアルバムである。
「学生向け青春ロックバンド」というイメージは、もはや跡形もない。より深く、より豊かになった彼らのバンドサウンドをぜひとも体感して欲しい。
湯浅将平の脱退から3人体制の確立
2016年、結成15周年、メジャーデビュー10周年の年だったが、2月中旬にギターの湯浅将平がスタジオに現れず、そのまま音信不通となる。その後、4人での活動は不可能という判断に至り、3月2日に湯浅の脱退が発表された。
その後のライブでは、フルカワユタカ(DOPING PANDA)、田渕ひさ子(NUMBER GIRL)、ハヤシヒロユキ(POLYSICS)、石毛輝(the telephones)がゲストギタリストという形で参加。
2017年4月12日、3人での新体制となって以来初の7thアルバム『光源』を発表。ツアー「Base Ball Bear Tour 「光源」」では、サポートギタリストとして弓木英梨乃が全公演参加している。それ以降のライブでは、サポートギターなしの3人体制で行っている。
Base Ball Bearのメンバー
現メンバー
小出 祐介(こいで ゆうすけ)

ボーカル、ギター担当。東京都出身。1984年12月9日生まれ。
本人が主宰するmaterial clubにも所属している。
関根 史織 (せきね しおり)

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目次 - Contents
- Base Ball Bearの概要
- Base Ball Bearの活動経歴
- バンドの結成からメジャーデビューまで
- 2枚同時にリリースした『3.5枚目』アルバム
- 突破口となった4thアルバム『新呼吸』
- 大人のロックで魅せる5thアルバム『二十九歳』
- 2015年の三ヶ月連続「エクストリーム・シングル」リリース
- 湯浅将平の脱退から3人体制の確立
- Base Ball Bearのメンバー
- 現メンバー
- 小出 祐介(こいで ゆうすけ)
- 関根 史織 (せきね しおり)
- 堀之内 大介 (ほりのうち だいすけ)
- 旧メンバー
- 湯浅 将平(ゆあさ しょうへい)
- Base Ball Bearのディスコグラフィー
- フル・アルバム
- 『C』
- 『十七歳』
- 『(WHAT IS THE)LOVE & POP?』
- 『CYPRESS GIRLS』
- 『DETECTIVE BOYS』
- 『新呼吸』
- 『二十九歳』
- 『C2』
- 『光源』
- 『C3』
- 『DIARY KEY』
- Base Ball Bearの代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- 「ドラマチック」
- 「17才」
- 「The Cut -feat. RHYMESTER-」
- 「そんなに好きじゃなかった」
- 「yoakemae」
- 「「それって、for 誰?」part.1」
- 「文化祭の夜」
- 「不思議な夜」
- Base Ball Bearの名言・発言
- 小出祐介「わかりやすいものがいい、っていう図式そのものは人間の真理だから否定しないけど、そこに人が群がっていく構図が、どうしても気持ち悪く感じるんですよね」
- 関根詩織「コイちゃん(小出)が4人の歩幅が違っても、考えてることがバラバラでも、歩いていく方向が一緒だったらその道標を俺がしていくって言ったことがあって」
- Base Ball Bearの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ギター湯浅将平が失踪後にバンド脱退