マニアックな美味しんぼの裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

『美味しんぼ』とは、『ビッグコミックスピリッツ』にて1983年より連載を開始した雁屋哲(原作)、花咲アキラ(作画)によるグルメ漫画。東西新聞文化部の記者、山岡士郎と栗田ゆう子が企画する「究極のメニュー」に対し、ライバル紙の帝都新聞が海原雄山の監修により「至高のメニュー」を立ち上げ、海原と山岡の間で料理を通じた親子対決が繰り広げられる。ここでは、「究極」が1986年新語部門金賞を受賞したことや、作中のパロディの元ネタなど、読み始めたら止まらない裏設定・都市伝説・トリビアなどをまとめた。

作中には遊び心溢れるパロディが散りばめられている。
たとえば、『釣りバカ日誌』の浜崎や『こまわり君』を彷彿とさせる人物、さらには鑑定士・藤田(ギャラリーフェイク)のようなキャラが登場する。
また、実在の人物である料理研究家の岸朝子や道場六三郎、さらには時の首相、橋本龍太郎までが登場している。
その他、バー「馬鹿の巣」や芸能人のパロディ(てるお・はるお等)など、当時のサブカルチャーが色濃く反映されている。

過激なMac信者山岡

第59巻「マルチメディアと食文化」では、山岡のMacintosh(Mac)への心酔ぶりが描かれている。当時普及し始めていたWindowsを徹底的に罵倒し、「Macこそが至高」と謳う内容は、その後のネット上でもたびたび話題になっている。
結局、対立していた相手も隠れMacユーザーだったというオチまで含め、作者の極端なこだわりが反映されたエピソードである。

物議を醸した記述

『美味しんぼ』は、1980年代のグルメブームを牽引し、「究極」という言葉を流行語にするほどの社会現象を巻き起こしたが、その一方で原作者である雁屋哲の政治的思想や個人的な嗜好が強く反映されるため、作中の記述がたびたび各界からの抗議や激しい議論を呼んできた。

食の産業構造に対する攻撃的な姿勢も特徴的で、醤油に関しては「脱脂加工大豆を使ったものは偽物」と断じたことで大手メーカーからの不信を買った。また、食品添加物をめぐっては「添加物だけで豚骨スープができる」といった極端な描写がなされ、日本即席食品工業協会からの抗議を受けて訂正に追い込まれている。
遺伝子組み換え作物についても、事実誤認や誤解を招く表現が含まれているとして東京大学名誉教授らから訂正要請を受けたが、編集部側が「さまざまな意見を紹介する趣旨」として応じず、議論は平行線を辿った。

こうした批判は食文化に留まらず、社会インフラや文化全般にも及んでいる。六ヶ所村の再処理工場に関しては日本原燃から、また「日本の建築学会が木造建築を否定した」という記述については日本建築学会から、それぞれ「誤解を招く」として異議を唱えられた。
雁屋はグルメブーム批判や権力への抵抗としてこれらの言説を展開している。

「究極」が流行語大賞を受賞

当たり前のように使われている「究極」という言葉だが、これが一般に定着したのは『美味しんぼ』の影響が極めて大きい。1986年には「究極のメニュー」にちなんだ「究極」という言葉が、新語・流行語大賞の新語部門・金賞を受賞した。まさに時代を象徴するキーワードとなったのである。

幻のフィギュア

山岡と雄山のフィギュアは原型まで完成していたが、結局発売されることはなかった。

アニメの主題歌で実写映像が流れた

アニメ版のオープニングやエンディングでは、当時のアニメとしては珍しく実写映像が流れたことがあった。

『ミスター味っ子』の影響が見られたドラマ版の演出

実写ドラマ版では、当時大ヒットしていた料理アニメ『ミスター味っ子』の影響を強く受けたような、オーバーなリアクションや演出が随所に見られた。食材の旨さを表現するために光が飛び交うような演出は、原作のリアリズムとは異なるドラマならではの表現である。

声優による実写パフォーマンス

アニメ版で山岡と栗田を演じた中の人(井上和彦と荘真由美)が、キャラクターになりきって実写で芝居を披露する番組が存在した。特に「根付きのサバ(関サバ)」をテーマにした回の芝居は、声優ファンだけでなく料理ファンからも高く評価されている。

世界へ羽ばたく「Oishinbo」

日本国内で社会現象を巻き起こした『美味しんぼ』は、海外でも高い評価を得ている。アメリカの有力な料理雑誌で特集が組まれるだけでなく、ニューヨークなどの有名店のトップシェフたちが「日本食のバイブル」として愛読していることもあるようだ。

guuuuske
guuuuske
@guuuuske

Related Articles関連記事

美味しんぼ(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

美味しんぼ(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『美味しんぼ』とは原作:雁屋哲、作画:花咲アキラによる日本の漫画。『ビッグコミックスピリッツ』にて1983年より連載され、累計発行部数は1億3500万部を突破している。東西新聞文化部の記者、山岡士郎と栗田ゆう子が企画する「究極のメニュー」に対し、ライバル紙の帝都新聞が海原雄山の監修により「至高のメニュー」を立ち上げ、海原と山岡の間で料理を通じた親子対決が繰り広げられる。アニメ、ドラマ、映画など様々なメディア展開が行われ、グルメ漫画や日本のグルメブームの活性化に寄与した。

Read Article

美味しんぼの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

美味しんぼの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『美味しんぼ』とは、『ビッグコミックスピリッツ』にて1983年より連載を開始した雁屋哲(原作)、花咲アキラ(作画)によるグルメ漫画。東西新聞文化部の記者、山岡士郎と栗田ゆう子が企画する「究極のメニュー」に対し、ライバル紙の帝都新聞が海原雄山の監修により「至高のメニュー」を立ち上げ、海原と山岡の間で料理を通じた親子対決が繰り広げられる。作中では、海原雄山など癖の強いキャラクターが数々のインパクトの強いセリフを残している。

Read Article

美味しんぼのコラ画像・ネタ画像まとめ

美味しんぼのコラ画像・ネタ画像まとめ

『美味しんぼ』とは、『ビッグコミックスピリッツ』にて1983年より連載を開始した雁屋哲(原作)、花咲アキラ(作画)によるグルメ漫画。東西新聞文化部の記者、山岡士郎と栗田ゆう子が企画する「究極のメニュー」に対し、ライバル紙の帝都新聞が海原雄山の監修により「至高のメニュー」を立ち上げ、海原と山岡の間で料理を通じた親子対決が繰り広げられる。長い連載期間と人気を誇る人気作品であるため、ネット上のコラ画像遊びの題材としてもメジャーで、さまざまなコラ・ネタ画像が作られている。

Read Article

アニメ・漫画に出てくる、見ているだけでよだれが出てくる美味しそうな食べ物たち

アニメ・漫画に出てくる、見ているだけでよだれが出てくる美味しそうな食べ物たち

アニメ・漫画で度々登場するのが、食べ物のシーン。しかし食べ物は現実、色のグラデーションや光の吸収率や反射率などがまちまちで、絵として表現するのは至難の技なのです。けれども、そんな中でもその独特な食べ物たちを極めて美味しそうに書いたアニメや漫画があるのです。今回はそんなシーンにこだわって、たくさんの美味しそうな食べ物をまとめてみました。

Read Article

目次 - Contents