ヘヴィーオブジェクト(Heavy Object)のネタバレ解説・考察まとめ

『ヘヴィーオブジェクト』とは、鎌池和馬によるSFアクションライトノベル、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品である。超大型兵器「オブジェクト」が戦場の主役となり、巨大兵器同士の決着で領土を奪い合う「クリーンな戦争」が定着した未来を描く。
物語は、設計士志望の学生クウェンサーと貴族の少年兵ヘイヴィア、そしてエリートのミリンダが出会い、生身の体と知略のみで巨大兵器を破壊していく姿を描く。「人が作ったものは、必ず人が破壊できる」を体現し、戦争の常識を覆していく爽快感が本作の魅力だ。

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『ヘヴィーオブジェクト』(Heavy Object)の概要

『ヘヴィーオブジェクト』とは、鎌池和馬によるライトノベルおよびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品である。イラストは凪良。電撃文庫(アスキー・メディアワークス→KADOKAWA)より2009年10月から2021年10月まで刊行された。単行本は全20巻。超大型兵器「オブジェクト」が戦場の主役となった未来を舞台に、生身の少年兵が知略を駆使して巨大兵器を打ち破る姿を描くSFアクションである。略称は『HO』。キャッチコピーは「近未来アクション・ボーイミーツガール」。
2015年10月から2016年3月にかけてテレビアニメが放送され、複数のコミカライズ作品が展開された。

本作は『とある魔術の禁書目録』の著者・鎌池和馬による長編第2作である。前作のような超常現象を排除し、科学的考証に基づいたミリタリー色の強いSF設定が特徴となっている。物語の基本となる第1巻を「スターターパック」、それ以降を「拡張パック」と位置づけており、どの巻から読んでも楽しめる独立性の高い構成が取られている。
国際連合が崩壊し、4つの大規模な勢力(正統王国、資本企業、情報同盟、信心組織)に分裂した近未来を描く。戦場では全長50mを越える超大型兵器「オブジェクト」が絶対的な力を持ち、既存の兵器を無力化している。オブジェクト同士の決着が戦争の結果を左右するため、兵士の戦死者が極端に少ない「クリーンな戦争」が定着している。
物語の主眼は、本来ならば生身の人間が太刀打ちできないはずのオブジェクトに対し、主人公たちが爆薬や小細工、奇策を用いて破壊していく爽快感に置かれている。

オブジェクトの設計士を目指す「戦地派遣留学生」のクウェンサー=バーボタージュは、正統王国の第37機動整備大隊へ配属される。そこで彼は、貴族の嫡男であるヘイヴィア=ウィンチェルや、オブジェクトを操る少女「エリート」のミリンダ=ブランティーニと出会う。
ある戦場での絶体絶命の危機をきっかけに、クウェンサーとヘイヴィアは生身で敵オブジェクトを破壊するという前代未聞の功績を挙げてしまう。以降、二人は世界各地の戦線を転々としながら、巨大な怪物たちを相手に「不可能」を可能にする戦いに身を投じることになる。

物語の中心である、クゥンサーとヘイヴィアが所属部隊のオブジェクトと、その操縦士となるミリンダ。この3人が話の中心となり、色々な戦場に出向き、次々と戦果を挙げていくのだが、その戦果の挙げ方が痛快この上ないものともになっているのがポイントである。アニメでは、ストーリーはおおよそ3話構成となっている。

『ヘヴィーオブジェクト』(Heavy Object)のあらすじ・ストーリー

鉄の塊が支配する「クリーンな戦争」

21世紀前半の国際連合崩壊後、世界は「正統王国」を含む4つの連合体に再編された。核兵器すら無効化する超大型兵器「オブジェクト」の登場により、戦争はオブジェクト同士の決着で領土を譲渡する、戦死者の出ない「クリーンなもの」へと変貌していた。正統王国の第37機動整備大隊に所属する学生のクウェンサー=バーボタージュは、戦地派遣留学生としてオブジェクトの設計を学びつつ、悪友のヘイヴィア=ウィンチェルと共に、指揮官である女性将校、フローレイティア=カピストラーノから罰を受けるような気楽な軍隊生活を送っていた。

神話の崩壊と敗北の現実

クウェンサーは、派遣先でオブジェクト「ベイビーマグナム」を操る「エリート」の少女、ミリンダ=ブランティーニと出会う。しかし、平和な日常は突如として破られる。極寒の地での局地戦において、絶対的な存在であったはずのミリンダのオブジェクトが敵の奇襲を受けて敗北。オブジェクトを失うことは軍の降伏を意味し、通常であれば白旗を上げて領土を明け渡す「ゲーム」のような幕引きとなるはずであった。
しかし、敗北したミリンダが敵軍に捕らえられたことで状況は一変する。降伏すれば命の保証はない戦場において、クウェンサーとヘイヴィアは、これまで誰も考えなかった「生身の人間がオブジェクトを破壊する」という無謀な作戦を決行する。オブジェクトの設計士を志望するクウェンサーは、敵のオブジェクトが定期的に整備していることに気づき、持ち前の工学知識と爆薬の技術を駆使し、鋼鉄の怪物に隠されたわずかな弱点を見つけ出す。クウェンサーは交換部品を探し出し、その部品に細工した。オブジェクトには壊れることが判明すると自分で破壊する機能があったのだ。
知略と小細工によって、無敵と謳われたオブジェクトを撃破するという、世界の常識を根底から覆す勝利を収めるのだった。

戦場を駆ける少年たち

この一件を機に、クウェンサーとヘイヴィアは各地の激戦区へと転々と送り込まれる羽目になる。二人は本来の目的である「金儲け」や「武勲」を追求しつつも、死線を共にするミリンダを守るため、そして各勢力の策略を打ち砕くために、巨大なオブジェクトを相手に生身で抗い続う。ミリンダは戦いの中でクウェンサーに恋心を抱き、3人は絆を深めていく。
それは、かつて「クリーン」と称された戦争が、人間臭い泥臭い戦いへと戻っていく始まりでもあった。

『ヘヴィーオブジェクト』(Heavy Object)の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

クウェンサー=バーボタージュ

CV:花江夏樹
「正統王国」軍に所属する17歳の学生。平民出身。オブジェクトの設計士(ウェポンエンジニア)を目指して戦地派遣留学に志願し、第37機動整備大隊に配属された。専門はトータルフレームの組み立てで、爆発物の取り扱いにも精通している。本来は非戦闘員だが、アラスカでの「生身によるオブジェクト撃破」という史上初の快挙以来、ヘイヴィアと共に世界各地の激戦地へ送り込まれることとなる。卓越した閃きと工学知識で敵の弱点を突く、実質的な作戦立案担当である。

ヘイヴィア=ウィンチェル

CV:石川界人
「正統王国」軍の上等兵。有力貴族「ウィンチェル家」の嫡男であり、家督継承のために必要な武勲を積むべく入隊した。本来の兵科はレーダー分析官だが、高い適応能力を持つため、実際にはクウェンサーと共に歩兵として最前線で活動する。ライフルや拳銃などの銃器を使いこなし、消極的な発言をしながらも冷静に状況を客観視して、クウェンサーの奇策を支える。ウィンチェル家と対立するバンダービルト家の令嬢と婚約しており、彼女と結ばれるために当主の座を狙っている。

ミリンダ=ブランティーニ

CV:鈴木絵理
「正統王国」軍の中尉であり、第一世代オブジェクト「ベイビーマグナム」を操る「エリート」。14歳。小柄で儚げな容姿から「お姫様」と呼ばれる。瞳はオブジェクトの入力デバイスとして機能させるため、色素が抜けて空色へと変化している。当初は整備兵を無能と見下していたが、クウェンサーに救出されたことをきっかけに考えを改め、彼に好意を抱くようになる。恋愛には奥手だが、クウェンサーが他の女性と親しくするとオブジェクトの砲口を向けるなど、嫉妬深い一面がある。

フローレイティア=カピストラーノ

CV:伊藤静
「正統王国」軍の少佐。第37機動整備大隊の実地指揮官を務める18歳の女性将校。銀髪に紫の瞳、爆乳の持ち主。和風マニアであり、自室を和室に改造し簪や煙管を愛用する。厳格で人使いが荒いが、部下の命を尊重する情に厚い面もある。極端な男系の家系に生まれた数少ない女性として、政略結婚の道具とされることを嫌い、女としての価値がなくなるまで最前線で戦い続けることを決意している。

正統王国

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