ありす、宇宙までも(どこまでも)のネタバレ解説・考察まとめ

『ありす、宇宙までも』(ありす、どこまでも)とは、『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて2024年6月から連載されている売野機子による青年漫画。セミリンガルの中学生・朝日田ありすが、孤高の秀才・犬星類との出会いをきっかけに宇宙飛行士コマンダーという夢に向かって歩き始める。そんな二人の信頼関係や、互いに困難に立ち向かい成長する姿を描く。JAXA関係者への取材や宇宙飛行士・山崎直子による原稿監修を経て、リアルな宇宙飛行士選抜や訓練の描写が描かれ物語に深みを与えている。

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『ありす、宇宙までも』(ありす、どこまでも)の概要

『ありす、宇宙までも』(ありす、どこまでも)とは、『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて2024年6月から連載されている売野機子による青年漫画。
主人公・朝日田ありす(あさひだありす)は、両親の意向でバイリンガルになるように育てられていた。しかし、小学6年の夏に両親が交通事故で亡くなり、バイリンガル教育がストップしてしまう。学校では運動神経抜群で人目を引く容姿のありすは人気者だが、拙い言葉遣いだったり、勉強が苦手だったりすることで、天然で可愛い赤ちゃんだと言われていた。そんな周囲の反応にありすは、本当の自分は違うと伝えたいのだがその術さえ分からず、生まれ直す以外にこの生きづらさから抜け出す方法はないと思っていた。そんなありすが出会ったのは、同じく生きづらさを抱えていた孤高の秀才・犬星類(いぬぼしるい)。類はありすに、生まれ直さなくても自分がありすを賢くすると誓う。この出会いをきっかけにありすは類と共に、宇宙飛行士という夢の実現に向けて歩み始める。2人はその挑戦の中で、本当の自分の気持ちを見つめ直したり、学ぶ楽しさや仲間との絆も学んでゆく。
宇宙飛行士選抜試験などの宇宙関連の描写を、JAXA関係者への取材や宇宙飛行士・山崎直子による原稿監修を経て描かれたため、宇宙飛行士関連の描写がリアルに表現されているのが本作の特徴である。「このマンガがすごい!2025オトコ編」にて第16位、「マンガ大賞2025」にて大賞、「次にくるマンガ大賞2025」ではコミックス部門第11位を受賞している。

『ありす、宇宙までも』(ありす、どこまでも)のあらすじ・ストーリー

宇宙を目指す二人

朝日田ありす(あさひだありす)は、スポーツ万能で容姿端麗、男女問わずクラスのみんなから人気の小学6年生。日本語が拙く誰もが知っている言葉の意味がわからない時が多々あり、そのため帰国子女だと思われているが、日本語をはじめどの言語も十分に使いこなせないセミリンガルだった。幼い頃は両親の方針で各国を転々としながらバイリンガル教育を受けていたが、両親を事故で亡くし、その教育は途絶えてしまう。祖母と暮らすようになり普通の小学校に通い始めるが、日本語の拙さ故に幼稚に見られてしまったり、言いたい事がうまく表現できなかったりと、セミリンガルゆえの生きづらさを感じ、生まれ直すしかないとまで思っていた。
小学校の卒業式を控えた頃、孤高の神童と呼ばれる犬星類(いぬぼしるい)に出会う。類は一目でありすがセミリンガルだと見抜き、その苦しみに共感する。そして、ありすを賢くすると宣言した。宇宙飛行士になりたいありすは、その言葉を信じ一緒に勉強を始める。
中学生になったありすと類は、別々の中学校に通うようになったが、放課後はありすの両親の遺品を保管している廃屋で一緒に勉強するようになった。
類はJAXAの宇宙飛行士候補者募集を見据え、26歳での応募を目標に逆算してありすを宇宙飛行士にするための計画を立案。宇宙飛行士に必要な資質を元に、小さな目標を積み重ねる方法を提案する。ありすは学びを重ねる中で、少しずつ出来ることが増えたり、今まで解らなかったことが解るようになったりと、勉強の楽しさを感じるようになった。そして、目標のおかげで「明日すべきことがある」と思える毎日が、とても愛おしく感じられるようになった。

宇宙飛行士コマンダー

朝日田ありすは犬星類が応募してくれた、つくば宇宙センターで開催される宇宙飛行士選抜試験ワークショップに参加する。書類選考で選ばれた50人の中学生とともに、本番と同じように宇宙飛行士の重圧に耐える試験をこなしてゆく。類との勉強の成果を発揮し健闘するありすだが、優秀な中学生達の中で遅れをとってしまう。しかし、セミリンガルゆえの日本人には感知できない音が聞こえる聴力や、類と一緒に学んだことなどを活かし、決勝戦に進む10人に残った。決勝戦はAとBのふたつのチームに別れて戦い、優勝したチームには記念品が与えられ、さらに宇宙飛行士候補生に選ばれるとISSのコマンダーに会えるという特典が与えられる。ありすのチームは優勝したが、ありす個人は宇宙飛行士候補生には選ばれなかった。ありすはこのワークショップで秀でた才能がないぶん、楽しく仲間を巻き込みながら一つにまとめて目標に立ち向かうおもしろさを知った。そして、こういった役割をコマンダーというのだと知る。ワークショップが終わり同じチームだった仲間達は、ありすがコマンダーを務める宇宙船に乗りたいと思い、ありすも宇宙飛行士という夢がさらに明確になり、宇宙飛行士コマンダーになると心に誓った。

種子島で見つけた希望

犬星類は、種子島でロケットが発射される日に一緒に中継を見ようと朝日田ありすを誘うが、その日はありすの両親の一周忌だったため断られてしまう。墓参りのたびに体調を崩してきたありすを励ましたい類は、中継を見るのではなく実際にロケット発射を見学するために種子島行きを決意するものの、旅費が足りず大切な蔵書を売ろうとする。その様子に気づいた類の養父は、類が遠慮して助けを求められなかったことを理解し、蔵書を買い戻したうえで旅費を渡す。類は子供の力だけで解決できると固辞するが、養父はそこまでしてお金を集めたい事ができたのが嬉しいと言い、受け取ることも力なのだと諭す。
一方でありすは、祖母から宇宙飛行士などと叶わぬ夢に縛られず、自分らしく生きればいいと諭されていた。夢を否定されたありすは、亡くなった両親を思い、悲しみに暮れる。そんな中、ありすは類から借りた『幼年時代』と『蜻蛉日記』を、類が書き込んだ解説とともに読み、親を失う悲しみは自分だけのものではないと知る。そして、自分の力だけでこの本が読めるようになったら悲しみがもっと薄れるのではないかと思った。ありすはもっと勉強したいと思い、両親の計画は終わってしまったのではなくここからだと思い直す。そして、自分には一緒に歩んでくれる類がいると気づいたありすは、類と共に種子島に行こうと決心する。
種子島でのロケット発射の見学は、発射の失敗により最後まで見学することはできなかった。しかし、宇宙飛行士選抜試験ワークショップで同じチームだった七嶋雨音(ななしまあまね)の姉・七嶋虹子(ななしまにじこ)に出会えた。虹子はセミリンガルでありながら、ロケット発射指揮官として今回のロケット発射でも重要な決断を果たし任務を遂行している。その姿に同じく宇宙飛行士コマンダーを目指すありすは、大きな希望を感じ夢への決意をさらに強くした。

スペース・ルナ・キャンプ

種子島で出会った七嶋虹子はアメリカで行われるスペースキャンプの関係者に、リーダーになりえる素質がある日本人参加者を推薦して欲しいと頼まれていた。ロケット発射が失敗した日に、自宅に朝日田ありすと犬星類を泊めた際、同じセミリンガルのありすの様子から、ありすが優秀な類から教わるだけでなく、ありすも類を励ましお互いに高め合っていると感じた。そんなありすに可能性を感じた虹子は、ありすをスペース・ルナ・キャンプの参加者として推薦する。やがて類の参加が決まり、二人は宇宙開発の聖地・ハンツビルで世界各国から集まった10人の若者とともに、元ISSコマンダーのエリカ・ウィットマンによる月面生活を想定した特別プログラムに挑む。
いろいろな国から集まった参加者が使う言葉は自然と英語になり、英語が得意ではないありすは周囲に馴染めず自信をなくしていた。そこに、エリカから英語が母国語以外の参加者は英語禁止、母国語で話すようにと指示が出る。すると今まで消極的に見えた子が雄弁に語り始めたり、お国柄から陽気で明るい子だと思われていた子が静かで落ち着いた子だったりと、その人本来の姿が見えてきた。他にも、その国にとっては当たり前な表現が国が違うと通じなかったり、国の違いによる感覚の違いもわかるようになってきた。
国も個性も様々な参加者たちは、最初はバラバラだったがプログラムをこなすうちに徐々にまとまりが出てきて、それぞれの個性が発揮できるようになってきた。ありすのセミリンガルという特性も、中途半端にしか言語がわからないというネガティブなことだけでなく、彼女ならではの秀でた特性であるとありすは実感する。
このスペースキャンプでは、最終的に一番優秀だった参加者1人に、世界トップクラスのP大学・航空宇宙工学科に将来フルスカラシップでの招待が確約されていた。プログラムの総合得点数ではありすが優勝し次点が犬星類だったが、審査員がスカラシップに招待したのは3位のアヤンダだった。優勝したありすが選ばれなかったのは、エリカに選ばれなかったからだと思いありすは落ち込む。しかし、エリカは選考に関わっておらずエリカから一番相応しかったのはありすだったと慰められ、再会の約束をする。その言葉を胸に帰国したありすは、再び類と宇宙飛行士コマンダーという夢に向かい、日々の努力を積み重ねていく。

中学3年生、ありすと類の新しい挑戦

スペース・ルナ・キャンプを終えた朝日田ありすと犬星類は中学3年生になり、宇宙飛行士という夢に向かって再び歩み始める。ありすは学力を伸ばしながらも、小学生時代の印象で見られ続けることに悩み、自分の成長を証明するためと宇宙飛行士コマンダーの条件の一つであるリーダーシップを身につけようと学級委員に立候補した。その矢先、ありすはいつも勉強している廃屋で両親が自分に宛てたプレゼントブックを見つける。そこには、アリスの長所が1ページに一つずつ綴られており、ありすは毎日1ページずつ読み両親が見守ってくれている気持ちで自信が湧いてきていた。学級委員の選挙は、類の助言と両親が残してくれたプレゼントブックに励まされ見事当選し、クラスメイトや教師から信頼を得ていく。しかし、プレゼントブックは両親の死によって途中で終わっており、その事実にありすは深く落ち込み自信を失ってしまう。そんな中、小学生の頃から一緒の同級生・羽妃(うき)から勉強を教えてほしいと頼まれるが、心に余裕を持てず返事をためらってしまう。類の励ましを受けて前向きさを取り戻したありすは、羽妃の力になることを決意するとともに、プレゼントブックの続きを自ら書き継ぐことを決意する。さらに、両親との思い出が詰まった長い髪を類に切ってもらい、過去を大切に抱きながら新たな未来へ踏み出すのだった。

『ありす、宇宙までも』(ありす、どこまでも)の登場人物・キャラクター

主人公

朝日田 ありす(あさひだ ありす)

宇宙飛行士コマンダーを目指す女子中学生。
両親によって幼い頃からバイリンガルになるようにと、シンガポールやフィリピンなどあちこちの学校に通いながら育てられる。小学校6年生の時に交通事故で両親が亡くなってしまいその後は祖母に育てられることになり、祖母の力では両親のように教育を受けることはできず、言語をしっかり習得できないままセミリンガルになってしまった。
学校では、容姿端麗な上に運動神経も抜群。そして、ちょっぴり抜けたところがあるのが赤ちゃんのようで可愛いと、男女問わず人気の的。しかし、そのちょっぴり抜けたところというのが、セミリンガルゆえの不具合だった。ありす自身はその不具合で生きづらさを感じ、生まれ変わってやり直したいと思っていた。
小学校の卒業間近、ありすは自分の生きづらさを理解してくれる犬星類に出会う。類に生き直さなくてもありすを賢くすると言われ、夢だと諦めていた宇宙飛行士になり亡くなった両親に一番近い場所に行こうと決意する。

犬星 類(いぬぼし るい)

宇宙飛行士コマンダーを目指す朝日田ありすを、手助けし支える男子中学生。小学校卒業間近に朝日田ありすに出会い、ありすを賢くしようと決心する。
まだ記憶がないくらいの小さな頃に、匿名出産支援施設に預けられて乳児院で過ごしたのち、東京の児童グループホームで育つ。その後、特別養子縁組で里親と暮らすようになる養父母は類を尊重する優しい夫婦で、類も養父母に遠慮はあるものの感謝している。
研究者の産みの母が残した日記を、小さな頃から何度も読み返し、母のことは誰よりも解っていると思い慕っている。母ゆずりの聡明な頭脳を持ちながらも現状に満足せず、さらに努力を重ね高みを目指すのは何らかの形で頭角を表す事で、母に見つけてもらいたいと思っているからである。しかし、あまりにも周囲の子供達より抜きん出た頭脳の持ち主であるが故に、生きづらさを抱えていた。
小学校6年の卒業式間近に朝日田ありすに出会った時、一目でありすがセミリンガルであることに気づく。自分と同じように生きづらさを抱えているありすの宇宙飛行士になりたいという夢を叶えたいと思い、共に歩もうと決心する。そして、ありすの夢を叶えるために取り組む課題が、ありすの為だけでなく自分のためにもなっていると気づき始めている。

朝日田ありすの家族

パパ

Jiyujin
Jiyujin
@Jiyujin

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