『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)とは、2025年に発売されたアクションアドベンチャーゲームである。『Ghost of Tsushima』の続編に位置づけられ、同じ日本が舞台だが内容的には独立している。前作から約300年が経過した1603年、幼い頃に家族を殺された女性が蝦夷地(北海道)の羊蹄山に戻り、復讐を果たしていく物語。移り変わる美しい四季を描いたグラフィックや、侍映画を思わせるスタイリッシュな戦闘が魅力である。対応機種はPlayStation 5。
『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)の概要
『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)とは、アメリカのSucker Punch Productionsが開発を担当し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2025年10月2日に発売したアクションアドベンチャーゲームである。2020年にリリースされた『Ghost of Tsushima』の続編に位置づけられる作品。同じ日本が舞台だが内容的には独立しており、前作を知らないプレイヤーでも十分に楽しむことができる。
今作のフィールドとなるのは、『Ghost of Tsushima』から約300年が経過した1603年の蝦夷地(北海道)。幼い頃に家族を殺された女性が、16年ぶりに蝦夷地の羊蹄山に戻り、復讐を果たしていく物語。北海道の大自然が、四季折々の美麗なグラフィックで表現されており、作品の大きな魅力となっている。前作で好評だった、日本の侍映画を思わせるスタイリッシュな戦闘シーンも健在。対応機種はPlayStation 5。
『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)のあらすじ・ストーリー
故郷への帰還
時は1603年、流浪人の篤(あつ)は、故郷である蝦夷地の羊蹄山へ戻ってきた。16年前に家族を皆殺しにした「羊蹄六人衆」への復讐を果たすためだ。羊蹄六人衆は、斎藤成秋(さいとうしげあき)を首領とし、蛇(へび)・鬼(おに)・狐(きつね)・蜘蛛(くも)・龍(りゅう)の幹部5人で構成される。配下の兵士を数多く抱えており、蝦夷地を乗っ取ると公言して本土からやってきて以来、極悪非道な振る舞いで集落を荒らしまわっていた。平和に暮らしていた篤の一家もその被害者で、羊蹄六人衆の襲撃を受けて父親と母親、そして幼い弟が命を落とした。篤自身も体に火をつけられて死を覚悟したが、敵の1人がなぜか篤を逃がしてくれたため、生きのびたのだった。以後、篤は斎藤たち羊蹄六人衆への復讐を心に誓い、本土で厳しい修業を積んで武芸を磨いてきた。強大な敵に女1人で立ち向かう、篤の復讐劇が始まる。
弟との再会
最初にターゲットとなった羊蹄六人衆は、村に火をつけて暴れる「蛇」だった。激闘の末に蛇を討ち取った篤は、誰もいない生家へ久々に戻り、家族との思い出の地で復讐の完遂を誓った。残る羊蹄六人衆は5人。各地に駐在する斎藤の兵士たちを倒し、所在の手がかりを聞き出していく。
蝦夷地を治める松前藩の関所を訪れた篤は、羊蹄六人衆の1人である「鬼」の配下たちが、関所を襲撃している現場に居合わせる。松前藩に加勢して鬼の配下を倒した篤は、藩所属の1人の侍と出会った。それは、16年前に死んだと思われていた弟の十兵衛(じゅうべえ)だった。十兵衛は奇跡的に生きのびて松前藩の藩士になっていたのだ。2人は再会を喜び合った。
弟との共闘
2人目のターゲットを鬼に定めた篤は、鬼がいる石狩城へ潜入しようと、十兵衛と共に画策する。いったんは潜入に成功して鬼に襲いかかったが、もう一歩のところで逃げられてしまう。
あきらめない篤は、石狩城への抜け道を知っている男から情報を聞き出して、再び潜入しようと十兵衛に提案する。復讐の念に憑りつかれている篤を心配した十兵衛は、過去にとらわれず命ある者を救うために戦ってはどうかと助言したが、篤は聞く耳を持たない。
そんな中、鬼の配下たちが松前藩の陣所への奇襲をかけてきた。篤と十兵衛は橋の上に防衛線を張ったが、橋ごと川へ落とされて、松前藩の陣所は陥落した。
川から這いあがった篤と十兵衛は、松前藩の北の宿営へと向かう。その道中、互いに16年間の出来事を話し合い、理解を深めていった。十兵衛は篤の復讐に賛同し、共に鬼を倒そうと告げる。
抜け道の情報を得た篤と十兵衛は、鬼の本拠である石狩城へ再び潜入する。十兵衛と共に戦った篤は鬼を打ち破り、2人でその首を切り落とした。十兵衛はもう逃げない、1人ではないぞと宣言。いったん別れて用事を済ませた後、生家で落ち合うことになった。
仲間との出会い
3人目のターゲット「狐」が天塩ヶ丘にいると聞きつけた篤。天塩ヶ丘に向かう道中で、狐が率いる九尾組の奇襲により毒を受けたが、なんとか自力で天塩ヶ丘の宿にたどりついた。情報を集める中で、篤はお雪(ゆき)という女性に出会う。お雪は、死んだ母親と同じ三味線弾きをしていた。演奏に心惹かれた篤は、徐々にお雪と仲良くなっていく。お雪は武芸にも長けた女性だった。九尾組の狼藉に憤慨していた彼女は、篤と協力して九尾組の隠れ家を発見し、篤は狐の居場所を突きとめた。
狐の元へ潜入した篤だったが、再び毒の攻撃を受けて倒れてしまう。お雪に助けられた篤は、彼女の口から衝撃の告白を受けた。篤が対戦した狐は2代目の狐で、実は自分が初代の狐だったと告げるお雪。16年前、火をつけられた篤を助けたのが彼女で、その後羊蹄六人衆からは離脱したという。命の恩人であり、親の仇でもあるお雪とどう接するか、葛藤する篤。斎藤を倒す手伝いをさせてほしいと頼むお雪の言葉を信じ、行動を共にすることに決めた。お雪から、狐の毒に耐えるための訓練を受ける篤。再び狐と対戦した篤は、毒の攻撃に耐えきり、お雪と共に狐を倒した。
新しい家族との対面
篤とお雪は、生家で十兵衛と落ち合った。斎藤が渡島ヶ浦に勢力を集め、松前城を狙っているという情報を受け、すぐに渡島ヶ浦へ向かう3人。関所に到着すると、すでに斎藤の手勢が攻め込んだ後だった。慌てて戦場へ飛び込んでいった十兵衛は、近くの集落で1人の少女を助ける。それは十兵衛の娘である菊(きく)だった。新たな家族との対面に、喜びながらも戸惑う篤。松前城にある十兵衛の屋敷で菊と共に過ごすこととなり、お花や剣を教えることで仲良くなっていった。
そんな最中、龍が率いる手勢によって港の施設が占拠されたと伝えられる。十兵衛と篤はすぐに現場へ向かった。港で龍と対戦した篤は、もう一歩のところで逃げられてしまう。あきらめない2人は、新たな策を立てた。弟の「蜘蛛」を捕らえて、彼をエサに龍をおびき出そうとする作戦だ。篤と十兵衛は蜘蛛を捕らえることに成功し、彼を処刑するというお触れを出した。
処刑日までのつかの間の休息。篤は、十兵衛と菊、そしてお雪と共に丘の上での野営を楽しみ、一家だんらんの幸せなひと時を過ごした。
弟と仲間の危機
蜘蛛の処刑の日がやってきた。斎藤の擁する水軍が現れ、篤たちは海岸へ向かう。斎藤と龍が姿を現したが、それは斎藤が仕掛けた陽動作戦だった。水軍が注意を引いている隙に、斎藤の本隊は松前城内へとなだれ込んでいた。
斎藤や龍への復讐を優先しようとする篤。しかし十兵衛は、いったん復讐をあきらめて、城内にいる菊を助けてくれと懇願する。十兵衛の必死の願いを篤は断り、龍へ立ち向かっていった。十兵衛は説得をあきらめて1人で城内へ向かう。
激闘の結果、龍を倒して復讐を果たした篤。十兵衛を追って、急ぎ松前城内に向かう。菊は無事だったが、十兵衛とお雪の姿がなく、すでに斎藤に連行された後だった。後悔の念に襲われ、一刻も早く2人を助けたい篤は、助言を受けて斎藤家の墓所へと向かった。そこには、龍を埋葬するために蜘蛛が来ていた。戦闘となり勝利した篤だが、蜘蛛を切らずに逃がすことを決める。守るべき身内ができたと蜘蛛に告げる篤。以前に菊から言われた、恨みを晴らせば新たな恨みを生むだけだという言葉が胸に響いていた。命を助けられた蜘蛛は、斎藤の居場所へと篤を案内する。
復讐の完遂
斎藤の居場所に潜入した篤は、十兵衛を救出した。斎藤への仇討ちはもういい、十兵衛とお雪を助けに来たと告げる篤。半信半疑だった十兵衛も、蜘蛛を切らずに逃がした話を聞き、復讐に固執してきた篤が変わったことを悟る。お雪も無事に救出できたが、そこで斎藤からの伝言を告げられる。息子の仇を討つため、篤の生家で待っているとの伝言だった。
篤と十兵衛は生家に向かった。待ち受けていた斎藤は、篤と2人だけにしてくれと告げる。その場から離れる十兵衛。斎藤との最後の決闘が始まった。激しい斬り合いが長時間にわたって続く。隙を突かれて篤が危機を迎えたが、十兵衛の助太刀により救われた。十兵衛と篤の2人で、斎藤に立ち向かっていく。一歩も引かない斎藤。その刃が、十兵衛の腹部を貫いた。十兵衛の身を案じながらも戦い続ける篤。激闘の末にようやく斎藤を倒したが、みんなが見守る中、十兵衛はそのまま息を引き取ってしまう。
半年後、篤は菊と共に生家で暮らしていた。2人でお花を摘んで十兵衛のお墓にたむける。そこにお雪がやってきた。お雪は三味線を菊に教えていたのだ。いい弾き手になると保証する篤。生ある者のために戦えと言ってくれた十兵衛の言葉が胸をよぎった。
『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)のゲームシステム
戦闘システム
戦闘時には、「気力」ゲージが黄色い球体の数で、「体力」ゲージが赤い横棒で表示される。
フィールドで斎藤の手勢などに遭遇し戦闘となった場合、画面左下に2種類のゲージが表示され、戦闘モードへ突入する。上の丸いゲージが「気力」の残り数を示し、下の赤いバーが「体力」の残りを示している。
体力は敵からダメージを受けたり、高いところから飛び降りて着地に失敗した場合などに減少する。野営で休めば回復する他、気力を消費して回復させることも可能。
気力については食事や飲酒で回復する他、一騎打ちで敵を倒したり、闇討ちや受け流しに成功した場合に回復することができる。
戦闘においては、敵が使っている武器に対して、相性が良い武器を使うと有利に進められる。刀に対しては槍、盾を持つ相手には鎖鎌など相性の良い武器は決まっているので、旅の途中で新たな武器をマスターし使いこなしていくことが鍵となる。
手がかりシステム
カード化された「斎藤」の手がかり。
新たなエリアや新しい冒険へとプレイヤーを導く仕組みとして、本作では手がかりシステムが採用されている。手がかりはカード化されており、どの話を進めていくか選択し、進捗を管理することができる。例えば、「狐」という敵について尋問して調べ始めると、雪に覆われた新たなエリアの情報が手に入り、さらに狐の配下である忍者が集う場所への道が開かれるというイメージ。
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目次 - Contents
- 『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)の概要
- 『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)のあらすじ・ストーリー
- 故郷への帰還
- 弟との再会
- 弟との共闘
- 仲間との出会い
- 新しい家族との対面
- 弟と仲間の危機
- 復讐の完遂
- 『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)のゲームシステム
- 戦闘システム
- 手がかりシステム
- サブクエスト
- 追想モード
- 黒澤モード
- 『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 篤(あつ)
- 主人公の家族・親戚
- 十兵衛(じゅうべえ)
- 謙吾(けんご)
- よね
- 菊(きく)
- 主人公の仲間
- お雪(おゆき)
- 狼(おおかみ)
- 黄金の鳥(おうごんのとり)
- 太郎(たろう)
- 蘭(らん)
- 銀次(ぎんじ)
- 稲(いな)
- フチ
- カエカ
- 花(はな)
- 村田(むらた)
- 武器の達人・師匠
- 半兵衛(はんべえ)
- 吉田(よしだ)
- 高橋(たかはし)
- 榎本(えのもと)
- 松前藩の人々
- 和田(わだ)
- 藤田(ふじた)
- 羊蹄六人衆
- 斎藤成秋(さいとうしげあき)
- 龍(りゅう)
- 蜘蛛(くも)
- 狐(きつね)
- 鬼(おに)
- 蛇(へび)
- その他の人々
- 武蔵(たけぞう)
- 伊三郎(いさぶろう)
- 小次郎(こじろう)
- 雨月(うげつ)
- 白痴の五郎(はくちのごろう)
- 境井仁(さかいじん)
- 『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)の武器・防具
- 刀
- 槍
- 鎖鎌
- 大太刀
- 二刀
- 半弓
- 長弓
- 種子島
- 玉
- 鎧
- 『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)のアイテム
- 護符
- 地図
- 遠眼鏡
- 『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)の用語
- 地名関連
- 羊蹄山(ようていざん)
- 羊蹄平(ようていだいら)
- 十勝ヶ峰(とかちがみね)
- 石狩ヶ原(いしかりがはら)
- 名寄ヶ沢(なよろがさわ)
- 天塩ヶ丘(てしおがおか)
- 渡島ヶ浦(おしまがうら)
- 古賀砦(こがとりで)
- その他
- 怨霊(おんりょう)
- 怨霊の叫び(おんりょうのさけび)
- 野営(やえい)
- 地蔵(じぞう)
- 銭弾き(ぜにはじき)
- 『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 過去作へのオマージュの壁画
- アイヌ文化をゲーム内で表現
- 侍映画へのリスペクト
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