
『キズナイーバー』とは、アニメ制作会社TRIGGERと脚本家の岡田麿里によるオリジナルアニメである。またそれを原作とした漫画も刊行されている。アニメは2016年4月から9月にかけて全12話放送された。「キズナイーバー」として選ばれた阿形勝平たちが相互に痛みを共有し、傷を背負いあいながら数々の試練を乗り越えて絆を深めていく青春群像劇である。独特な世界観やアニメーションの力強さが魅力であり、少年少女たちの葛藤や人間関係の複雑さが見どころの作品である。
キズのキズナ
キズナシステムによってキズナイーバーになった者たちの体に共通して現れる傷痕。
その他
七つの大罪
キリスト教、主にカトリック教会における用語で、ラテン語や英語では「七つの死に至る罪」という意味である。
「傲慢」「貪欲」「嫉妬」「憤怒」「暴食」「色欲」「怠惰」の7つがある。
本作において、日本では他者との協調性が重んじられているとして七つの大罪は「愚鈍」「独善ウザ」「脳筋DQN」「狡猾リア」「上から選民」「不思議メンヘラ」「インモラル」に形を変えている。
実験都市
キズナシステムの実験を行う場として造られた洲籠市を指す。
『キズナイーバー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
牧穂乃香「痛みを分け合って心を分け合って、それって友達より恋人よりある意味近い存在なんじゃない?」

穂乃香は中学生の頃、親友の瑠々を亡くして心に傷を負っており、そのせいでキズナイーバーの仲間にも心を閉ざし距離を置いて接していた。しかし園崎はキズナイーバーの実験のために穂乃香の傷を抉るような策を講じる。そうして穂乃香はさらに心を閉ざしてしまうのだった。勝平達は穂乃香の過去を知り、救いたいと考え友達になろうと伝えた。
穂乃香は最初拒否していたが、由多の計らいのおかげで瑠々の本当の想いを知ることができ、過去の傷を克服することができたのである。
それでもキズナイーバーの仲間達とはやっぱり友達にはなれないと言うが「痛みを分け合って心を分け合って、それって友達より恋人よりある意味近い存在なんじゃない?」と話した。
親友を亡くして以来、誰かと深く関わることを避けていた穂乃香が、ようやく仲間に対して自分なりに距離を縮めた瞬間のセリフである。
阿形勝平「かつての仲間の変わり果てた姿に涙する勝平」

勝平は園崎と話したことで幼い頃にキズナイーバーの実験に参加していたことを思い出す。
そして自分の過去をもっと知るため、その実験に参加していた子ども達の世話係をしていた漆原に話を聞きに行き、当時特に仲の良かった友達の状態を知った。かつての仲間は実験の失敗によって感情を失い人形のようになってしまっており、それを見た勝平は声を上げ涙を流して泣いたのである。
勝平も幼い頃に参加したキズナイーバーの実験失敗の影響でほとんど感情を失っていたが、高校2年生で新たな仲間とキズナで繋がり痛みや感情を共有し、少しずつ自分の感情を取り戻してきていた。そんな勝平が初めてはっきりと感情を露わにしたシーンである。
新山仁子「それでも繋がりたかったら、待ってるだけじゃなくこっちからちゃんとつながろうとしなきゃだめなんだよ!」
勝平と日染と共に漆原から勝平の過去を聞いた仁子は、他のキズナイーバーの仲間に情報共有するため勝平に詳しく話を聞こうとする。しかし勝平は混乱しており、まだはっきりとは思い出せずにいた。そんな勝平に対して仁子は勝平の頭を揺さぶりながら思い出すように急かす。日染は勝平も疲れているだろうからと仁子をたしなめるが、仁子はそれを拒否した。そしてもう自分たちはキズナで繋がっていないと言い「それでも繋がりたかったら、待ってるだけじゃなくこっちからちゃんと繋がろうとしなきゃだめなんだよ!」と訴えた。
一度は本当の友達になれると感じていたキズナイーバーたちだが、距離が近づきすぎたことで心の声までも共有するようになってしまった。お互いの声が聞こえている状態では一緒にいられないと物理的に距離をおくようになり、そのまま夏休みが終わりキズナが解除されてもギクシャクしたままになってしまった。
それでも仁子はみんなと改めてちゃんと友達になりたいと思っていた。そんな仁子の純粋さと、繋がっていたいと思う人たちに対しての真摯に向きあう姿勢がよく分かるセリフである。
『キズナイーバー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
舞台のモデルはサレジオ工業高等専門学校
勝平達の通う高校は、東京都八王子市にあるサレジオ工業高等専門学校がモデルとなっており、校舎や外観、周辺の風景などが忠実に再現されている。
本作が放送されて以来、人気の聖地として多くのファンが訪れた。
元は々引きこもり設定だった日染
日染はキャラクター制作段階では背が低く、元デブの引きこもりであった。その初期の日染の見た目が勝平へ移行し、元デブの設定は由多に引き継がれることになったのである。
家に引きこもり、太っていたが自室で飢え死にしそうになって痩せ細ったという設定であったが、脚本・シリーズ構成の岡田麿里がストーリーが面白くなるように進めていった結果いつの間にかドMというキャラになっていたのだった。
園崎役の山村響だけが知っていた園崎の秘密
『キズナイーバー』はオリジナル作品であり原作がないため、キャストも先の展開がどうなるのか分からないままであった。そんな中、園崎の声を担当した山村は、第3話の時点で園崎やキズナイーバーの秘密を知らされていたという。
『キズナイーバー』の主題歌・挿入歌
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目次 - Contents
- 『キズナイーバー』の概要
- 『キズナイーバー』のあらすじ・ストーリー
- 7人の「キズナイーバー」
- 絆の新たな境地
- 「キズナイーバー」の真実
- 『キズナイーバー』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 阿形勝平(あがたかつひら)
- 園崎法子(そのざきのりこ)
- 高城千鳥(たかしろちどり)
- 天河一(てんがはじめ)
- 由多次人(ゆたつぐひと)
- 牧穂乃香(まきほのか)
- 新山仁子(にいやまにこ)
- 日染芳春(ひそむよしはる)
- キズナの会
- 山田一直(やまだかずなお)
- 漆原睦(うるしばらむつみ)
- ゴモリン
- その他
- 洲籠市長
- 吉澤(よしざわ)
- 釜石(かまいし)
- 和田(わだ)
- 安見(やすみ)
- 瑠々(るる)
- 福澤(ふくざわ)
- 瑠々の両親
- あすか、しおり
- 『キズナイーバー』の用語
- キズナシステム
- キズナイーバー
- キズナの会
- キズのキズナ
- その他
- 七つの大罪
- 実験都市
- 『キズナイーバー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 牧穂乃香「痛みを分け合って心を分け合って、それって友達より恋人よりある意味近い存在なんじゃない?」
- 阿形勝平「かつての仲間の変わり果てた姿に涙する勝平」
- 新山仁子「それでも繋がりたかったら、待ってるだけじゃなくこっちからちゃんとつながろうとしなきゃだめなんだよ!」
- 『キズナイーバー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 舞台のモデルはサレジオ工業高等専門学校
- 元は々引きこもり設定だった日染
- 園崎役の山村響だけが知っていた園崎の秘密
- 『キズナイーバー』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):BOOM BOOM SATELLITES「LAY YOUR HANDS ON ME」
- ED(エンディング):三月のパンタシア「はじまりの速度」