哲仁王后~俺がクイーン!?(チョルインワンフ)のネタバレ解説・考察まとめ

『哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?』とは、2020年12月から2021年2月に韓国で放送されたテレビドラマ。朝鮮第25代王哲宗との婚礼を控えた王妃の身体にタイムスリップしてしまった青瓦台の男性シェフ​​が、現代に帰るまでの奮闘ぶりを描いたドラマである。男の魂が体に入った王妃を演じるのは女優シン・ヘソン。哲宗(チョルジョン)を演じるのは『愛の不時着』でク・スンジュンを演じた俳優キム・ジョンヒョン。陰謀渦巻く宮廷内で徐々に心が通い合う2人の奇想天外なフュージョンコメディ時代劇である。

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端午節の宴は佳境に入り宴の食事が運ばれてくる。キム・ジャグンにより食材を奪われた水刺間ではかろうじて残った食材を使い、密かに王妃が現代の知恵を生かした料理を作っていた。水刺間の窮地もそれを王妃が助けていることも知らない哲宗は、料理に添えられた簡単なメモが王妃の手によるものとは知らないまま、阿吽の呼吸でその簡単なメモを元にいかにも自分が指示して作らせたかのように「材料は質素ですが、これはただのじゃがいもではありません。 龍(ヨン)の髭(ス)に似ている龍髭(ヨンス)じゃがいも!じゃがいもは、春の端境期に国民の命を維持する神聖な食べ物です。 」と、料理の説明をする。

王妃​​「私が一度死にかけたからなのか、死ぬことよりも踏みつけにされる方がもっと嫌だ。 踏んで殺そうとする靴を噛みちぎる事ができたら、私は笑いながら死ぬよ。 」(15話)

同盟を結んだ王妃と哲宗。その証に腕を絡めて酒を一気飲みする。

王妃と哲宗は同じ敵と戦う者同士、同盟を結び協力し合うことにした。その時に王妃が言った言葉が「私が一度死にかけたからなのか、死ぬことよりも踏みつけにされる方がもっと嫌だ。 踏んで殺そうとする靴を噛みちぎる事ができたら、私は笑いながら死ぬよ。 」。王妃のこの言葉で哲宗は、幼い頃に井戸の中から自分を助け出してくれたのはチョ・ファジンではなくキム・ソヨンだったのだと気づく。

王妃「お前は負ける。 でも私はお前に全部賭ける。 お前にオールインしたよ。 」(19話)

新王の即位式を阻止するために宮廷に向かう前夜、王妃と哲宗は穏やかに語り合う。

未来を知っている王妃の信条は勝つ者の側につくだが、民を思う哲宗の力になりたいと心から思うようになっていた。王妃の「お前は負ける。 でも私はお前に全部賭ける。 お前にオールインしたよ。 」と、言う言葉を聴いた哲宗は、「それなら私は、失敗するとしても最善を尽くします。 運命というやつがうんざりするまで対抗します。 」と誓った。

王妃「なんで今なんだよ。 お願いだ。 生きている事を確かめてから...」(20話)

即位式を阻止しようと仁政殿(インジョンジョン)へと急ぐ王妃と哲宗。屋根の上で哲宗に銃を構えているキム・ジャグンの間者が目に入った王妃は哲宗を庇って撃たれてしまう。さらに王妃を介抱していた哲宗も撃たれた。王妃は遠のく意識が現代に戻って行くのに気づく。現代に戻りたいが今は哲宗の命が気になって仕方がない、そんな時に出た言葉。

『哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『朝鮮王朝実録』の哲宗の項目が功があった王の称号に変わる

ドラマの作中でチャン・ボンファンが現代に戻った後、哲宗のその後を確かめるために見た『朝鮮王朝実録』によると哲宗の項目は哲祖に変わっていた。朝鮮時代の王の表記は、名前の後に宗がつくか、祖(ジョ)がつくかで王の評価が分かれる。祖は王朝の創始者と、それに準ずる功のあった王につけられる称号である。さらにドラマの中の『朝鮮王朝実録』によると、哲祖は1852年から親政を始めたが外戚の安松キム氏一族により三政の乱れがピークに達したが、哲仁王后の活躍により国政は安定した。そして、哲祖は民心を得た聖君という評判を受けた。という内容になっている。史実の哲宗は無能なお飾り王として民を苦しめ、色情におぼれ国政をおろそかにし、即位14年で病死している。

最高視聴率17.3%

『哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?』全20話の平均視聴率は12.58%。最低視聴率は初回の8.0%。最高視聴率は最終回(第20話)17.3%。
tvN歴代5位を記録し、2021年の時代劇ドラマ部門で視聴率1位を獲得した。この作品で王妃を演じたシン・へソンは、ドラマ部門の話題性ランキングで2週連続1位を獲得したほか、百想芸術大賞の主演女優賞にもノミネートされた。

放映開始後のドタバタ

原作者が嫌韓作家

『哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?』の原作は中国WEBドラマ『太子妃升職記』。日本では『太子妃狂想曲(ラプソディ)〜太子妃升職記』として公開される。『太子妃升職記』の原作は嫌韓作家として知られている鮮橙。前作中で「棒で殴りたい韓国のやつら」というセリフを書いていたり、テーブルクロスを体に巻いて韓服だといったり韓国を嘲弄する表現が散見することから、嫌韓作家として知られていたことがSNSなどで炎上する。

王妃のセリフに問題あり

李氏朝鮮時代の初代太祖から27代純宗までの519年間を編纂した実録書『朝鮮王朝実録』をドラマの中で王妃が「(朝鮮王朝実録は)ただのゴシップだ。」と言ったセリフが問題視される。このほかに現在も行われている李氏朝鮮王室の末裔による祖先を祀る儀式・宗廟祭礼について「いつまで宗廟祭で礼楽を踊らせるのか。」と言ったセリフも槍玉にあげられた。

歴史を歪曲

大妃として登場する朝鮮第24代王憲宗の母・貞神王后趙氏(シンジョンワフチョシ)が、作中で迷信を信じるコミカルなキャラクターに描かれていることに、趙氏の子孫の会が歴史の歪曲だと抗議した。

制作会社などが謝罪

作品への批判や抗議が続き、企画・制作側には歴史的な人物や出来事に対して否定的な意図はなかったと制作会社による正式な謝罪が行われた。
作品家の抗議の影響は、脚本家のパク・ゲオクにも及び、『哲仁王后』の次作品『朝鮮駆魔師』は放映2回で打ち切りという放送史上初の不運に見舞われる。この他、王妃役を演じたシン・ヘソンが専属モデル契約をむすぶヘルスケア企業Wemustmは、企画したシン・ヘソンモデルマスクの生産を保留し代表による異例のお詫び文を発表した。

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