ブレイキング・バッド(Breaking Bad)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブレイキング・バッド』とは、2008年1月からソニー・ピクチャーズ テレビジョンで制作されたアメリカのテレビドラマシリーズである。主演はブライアン・クランストン。高校の化学教師であるウォルター・ホワイトは肺癌を患い、余命数年と宣告されたことから、妻と息子に資産を残すために覚醒剤の一種であるメタンフェタミンを製造して売ることを決意する。元教え子のジェシー・ピンクマンを相棒としたウォルターは、麻薬王まで上り詰めるが、徐々に悪に染まっていく。本作はプライムタイム・エミー賞など多くの賞を受賞した。

『X-ファイル』の脚本家にキャスティングされたウォルター

本作の企画者であるヴィンス・ギリガンは、以前脚本を務めたSFテレビシリーズ『X-ファイル』で主人公を人質に取る末期の病人の反ユダヤ主義者を演じるクランストンを見ていた。ウォルターは嫌悪感と共感性を同時に持っていなければならず、ギリガンは「ブライアンはそれを実行できる唯一の俳優だ」と考え、起用した。クランストンはウォルターを演じるにあたり、10ポンド(約4,5kg)増量し、髪を茶色に染めた。さらに衣装デザイナーやメイクアップアーティストと協力し、穏やかで目立たない地味なキャラを作り上げたようだ。ちなみに作中でフリンが立ち上げたウォルターを支援するためのサイトは実在しており、現在もファンによって募金が集まっている。またギリガンはシーズン5以降も物語を続けるか話し合いをしたが、「ピークで舞台を去りたい」という思いからシーズン5で打ち切ることに決めたようだ。これはギリガンがかつて脚本を担当した『X-ファイル』が人気を獲得したにも関わらず長引かせ過ぎた結果、クオリティが低下した反省を生かしたもので、結果的に本作に相応しい結末で大成功を収めることができた。

シーズン1で死ぬ予定だったジェシー

初めジェシーはシーズン1での死亡が予定されていたが、ジェシーのキャラクターとポールの演技力を見て、死なせるのは間違いだと制作陣が考え直したようだ。ギリガンはジェシーの素朴さと疑問を絶やさない性分が、ウォルターの悪影響をどれだけ避けられるかという問題に取り組んだという。またギリガンはトゥコをメインの悪役にするつもりだったが、トゥコ役のレイモンド・クルツが他のドラマへの出演が決まっており、スケジュールが合わなかったためガスに変更した。脚本家は、ガスが最も書くのが難しかったと語っている。ガスは頭が切れる人物で表と裏で全く違う顔を持っており、容易に自分のことを明かさないため、彼の正体が徐々に明かされて行く過程を的確に描写することが難しかったようだ。そんなガスを演じたジャンカルロ・エンポジートも演技を称賛され、批評家協会テレビ賞で助演男優賞を授賞している。

観光名所となり売りに出されたウォルターの家とジェシーの家

ウォルターの家は撮影では外観しか使われておらず、家の中でのシーンは他の場所で撮影されている。ウォルターの家に実際に住んでいた夫婦はドラマ放送後、自宅が人気の観光名所となっても思い出の家なので手離す気は全くなかったが、ファンが迷惑行為をするため金属製のフェンスや監視カメラを設置せざるを得なくなった。しかし夫婦が他界した後、家の所有者である娘が絶え間なく注目されることにうんざりして物件を400万ドル(約6億3000万)で売り出すことに決めたという。娘は「自宅がファンが楽しめる博物館や民泊施設に生まれ変わることを望んでいる」と語っている。ジェシーの家も撮影当初は人が住んでおり、外観だけでなく室内でも撮影をしていた。そのため住居者は500ドルから2000ドルの報酬をもらっており、そのお金で息子に中古車を購入したという。しかしシーズン2の制作中に自宅を160万ドル(約1億9200万)で売りに出すことになったため、脚本を書き直さなければならなくなり、ジェシーは引っ越しを余儀なくされた。ちなみにブルーメスが登場するシーンがあるが、撮影では麻薬ではなく氷砂糖やロックキャンディが使われており、メスを吸うシーンでは深く吸い込まないようにしている。キャンディは誰でも作ることができるため、ファンがブルーメスもどきのキャンディを作って楽しんでいるようだ。

『ブレイキング・バッド』の主題歌・挿入歌

主題歌:デイヴ・ポーター「Breaking Bad Main Title Theme (Extended)」

作曲家のデイヴ・ポーターが作った曲で、タイトル曲として使用されている。

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