ブレイキング・バッド(Breaking Bad)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブレイキング・バッド』とは、2008年1月からソニー・ピクチャーズ テレビジョンで制作されたアメリカのテレビドラマシリーズである。主演はブライアン・クランストン。高校の化学教師であるウォルター・ホワイトは肺癌を患い、余命数年と宣告されたことから、妻と息子に資産を残すために覚醒剤の一種であるメタンフェタミンを製造して売ることを決意する。元教え子のジェシー・ピンクマンを相棒としたウォルターは、麻薬王まで上り詰めるが、徐々に悪に染まっていく。本作はプライムタイム・エミー賞など多くの賞を受賞した。

『ブレイキング・バッド』の用語

メタンフェタミン

覚醒剤の一種で、通称メスと呼ばれる。中枢神経を刺激する覚醒作用があるが、強い依存性や肉体や精神を害する副作用もあり、日本でもアメリカでも違法薬物に指定されている。ウォルターのメスは純度が非常に高いため、人気が高く、高額で取引される。また高純度であることから青味がかった色をしており、ブルーメスと呼ばれるようになった。

キャンプカー

ジェシーが所有していたもので、ウォルターたちの初めてのメスの精製場所となった。そのことがハンクにバレそうになったため、廃車上で処分することになった。

麻薬カルテル

麻薬の製造や販売を行う組織である。ドン・エラディオをボスとしており、配下にガスとボルサを置く。後にガスがカルテルとの関係が悪化したことにより、全面戦争を避けるためにドン及び組員に毒を盛って殺し、ほぼ壊滅させた。

『ブレイキング・バッド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ガスが爆死する場面

シーズン4第13話、ガスを睨みつけながらベルを鳴らすヘクター

ウォルターは家族や自分の身を守るため、ガスを殺すことを計画するが、警戒心が強く頭の切れる彼を殺すのは容易ではなかった。そこで元麻薬カルテルの幹部で、トゥコたちの叔父であるヘクターに協力を依頼する。ヘクターはウォルターにも恨みがあったものの、カルテルのボスや幹部らを殺したガスには強い憎しみを抱いていたことから、彼に協力することを決意する。一方、ガスもヘクターに相棒を殺された恨みを抱いており、復讐するために彼のいる老人ホームを訪れる。だが部屋でヘクターに注射を打とうするガスに対し、ヘクターは手元のベルを鬼の形相で鳴らす。するとヘクターの車椅子に取り付けたウォルターが作製した爆弾が爆発した。その後、ガスは平然とした様子で一旦部屋から出てくるが、顔の半分は原形をとどめておらずすぐに倒れて力尽きるのだった。ヘクターの鬼気迫る表情と死ぬ間際まで冷静なガスの様子が印象的な名場面だった。

ウォルター・ホワイト「私の名は?」

シーズン5第7話、デクランと取引するウォルター

ガスを殺したウォルターは、新たにマイクに紹介された麻薬密売の元締めのデクランに取引を持ち掛ける。だがウォルターのことをハイゼンベルクと知らないデクランは、彼が要求する破格の取引を拒否する。そんなデクランにウォルターは「私の名は?すでに全員知ってるはずだ」と問いかけた。デクランはウォルターのことをハイゼンベルクと気づき、取引を受け入れた。麻薬界に君臨し、自分のメスに絶対的な自信を持ち、裏社会の人間にも強気で尊大な態度を取るようになったウォルターの変化が垣間見える名言だった。

ウォルターがジェシーを逃がす場面

シーズン5第16話、ジェシーを見送るウォルター

ジェシーはウォルターが呼んだギャングの襲撃により、ハンクの死亡後、アジトで奴隷のように働かされていた。それを知ったウォルターはギャングのアジトへ乗り込み、車のトランクに仕掛けたマシンガンでギャングたちを攻撃し、壊滅させる。ウォルターはジェシーに銃を渡し、「私を殺してくれ」と指示するが、ジェシーは彼が腹部に流れ弾を受けているのを確認して「自分で死ね」と言い放つ。その後、ウォルターが外に出ると車に乗り込もうとするジェシーと目が合う。ウォルターは無言で頷くと、ジェシーも無言で頷いて車で走り去っていった。一時は互いを殺し合おうとしていた2人だったが、危険を侵してジェシーを救ったウォルターの愛情と彼らの絆を感じる名場面だった。

『ブレイキング・バッド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

最も高く評価されたテレビシリーズとしてギネス記録認定

本作はアメリカドラマ史上最高傑作と言われているドラマで、テレビ界のアカデミー賞であるプライムタイム・エミー賞を総なめにし、多くの批評家の賞賛を受けている。批評サイトの「Metacritic」でも全シーズンで高得点を獲得し、特にシーズン5では100点満点中99点を得た。これによりギネス世界記録で、歴代で最も高く評価されたテレビシリーズとして認定された。さらにウォルター役のブライアン・クランストンは演技を絶賛されてエミー賞のベスト男優賞を4度連続で獲得した他、ゴールデングローブ賞のベスト男優賞に4度、全米映画俳優組合賞のベスト男優賞に5度ノミネートされた。本作を鑑賞した俳優のアンソニー・ホプキンスはブライアンにファンレターを送り、「君の演技はこれまでの人生で見た中で最高だ」と絶賛したという。またジェシー役のアーロン・ポールも批評家に絶賛され、エミー賞の助演男優賞を3度獲得している。最終シーズン終了後にはスピンオフとして弁護士のソウルを主役にした『ベター・コール・ソウル』が制作され、2019年にはジェシーを主役とした映画『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』がNetflixで配信された。

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents