Extreme(エクストリーム)の徹底解説まとめ
「Extreme」とはゲイリー・シェローンとヌーノ・ベッテンコート、パット・バッジャー、ケヴィン・フィグェリドによるアメリカの4人組ハードロックバンドだ。1985年にボーカルのゲイリー・シェローンと、ドラムのポール・ギアリーが、ギターのヌーノ・ベッテンコートに声をかけて1985年に結成。1989年に1stアルバム『Extreme』でデビューを果たした。2ndアルバム『Pornograffitti』の収録曲「More Than Words」が全米チャートで1位に輝き、世界的に有名なバンドになった。
1989年3月14日発売
1. Little Girls
2. Wind Me Up
3. Kid Ego
4. Watching, Waiting
5. Mutha(Don't Wanna Go to School Today)
6. Teacher's Pet
7. Big Boys Don't Cry
8. Smoke Signals
9. Flesh ‘N’ Blood
10. Rock a Bye Bye
11. Play with Me
デビュー前から、ボストン・ミュージック・アワードの最優秀ハードロック/ヘヴィメタル・アクトを2年連続で受賞するなど、大きな注目を浴びる中でリリースされた1stアルバムだ。その期待を裏切らない楽曲がずらりと並んでおり、特にライブでもよく演奏されベスト盤にも収録されている人気曲「Kid Ego」や、「Play with Me」もあり、1枚目からファンクロックをあますことなく披露している。アメリカのBillboard 200では最高80位。
『Pornograffitti』
1990年7月19日発売
1. Decadence Dance
2. Li'l Jack Horny
3. When I'm President
4. Get the Funk Out
5. More Than Words
6. Money(In God We Trust)
7. It('s a Monster)
8. Pornograffitti
9. When I First Kissed You
10. Suzi(Wants Her All Day What?)
11. He-Man Woman Hater
12. Song For Love
13. Hole Hearted
Extremeの2ndアルバムであり、同バンド史上最も売り上げた1枚。収録されている楽曲「モア・ザン・ワーズ」が1991年に全米チャート1位に輝き、一気に世界的な知名度を高めた。ファンからも圧倒的な支持を得ている楽曲「Decadence Dance」や「Get the Funk Out」では、ヌーノ・ベッテンコートのテクニカルかつファンキーなハードロックフレーズと、ベースやドラムのタイトな16ビートがうまく融合。新たなジャンルであるファンクロックを確立している。全米のチャートで10位、日本のアルバムチャートでも32位にランクイン。
『III Sides to Every Story』
1992年9月14日発売
Yours
1. Warheads
2. Rest in Peace
3. Politicalamity
4. Color Me Blind
5. Cupid's Dead
6. Peacemaker Die
Mine
7. Seven Sundays
8. Tragic Comic
9. Our Father
10. Stop the World
11. God Isn't Dead?
&The Truth
12. Everything Under the Sun
Part I:Rise 'N Shine
Part II:Am I Ever Gonna Change
Part III:Who Cares?
全曲ゲイリー・シェローンとヌーノ・ベッテンコートが共作した3rdアルバム。Yours・Mine・&The Truthと3部構成となっており、それぞれ特徴が分かれている。Yoursは政治的なロック・ナンバーが主体で、Mineはポップ色の強い楽曲が多く、&The Truthはプログレッシブ・ロック色がある楽曲で構成。湾岸戦争当時の反戦スローガン「Make Love, Not War」に対する批判的な意見が歌詞で表明された「Rest in Peace」や、平和主義者を題材とした楽曲「Peacemaker Die」など、メッセージ性の強い曲が多くみられる1枚となった。全米チャートでは10位、イギリスのアルバムチャートでは2位、日本では5位。
『Waiting for the Punchline』
1995年1月19日発売
1. There Is No God
2. Cynical
3. Tell Me Something I Don't Know
4. Hip Today
5. Naked
6. Midnight Express
7. Leave Me Alone
8. No Respect
9. Evilangelist
10. Shadow Boxing
11. Unconditionally
12. Fair Weather Faith
13. Waiting for the Punchline
1995年にリリースされた4thアルバム。制作中にバンド結成時のオリジナルメンバー、ポール・ギアリーが脱退したことで、途中から後任ドラマーのマイク・マンジーニが一部の楽曲のレコーディングに携わった。ヌーノ・ベッテンコートの圧倒的なテクニックとサウンドは健在だが、バンドがリリース翌年に解散するなど不安定な時期に制作されており、批評家からバンドサウンドとしては3枚目までのアルバムと比較して、完成度が低いという評価も下されている。全米チャート40位、日本のアルバムチャートでは4位。
『Saudades de Rock』
2008年8月12日発売
1. Star
2. Comfortably Dumb
3. Learn to Love
4. Take Us Alive
5. Run
6. Last Hour
7. Flower Man
8. King of the Ladies
9. Ghost
10. Slide
11. Interface
12. Sunrise
13. Peace(Saudade)
14. Americocaine(demo 1985)
再結成してから初のスタジオ・アルバムで、ケヴィン・フィグェリドが新たにドラムを担当。PopMattersのレビューでは「バンド史上最もヘヴィかつ挑戦的で、10年以上も活動休止していたあとの作品だが、演奏は絶頂期と言える」と高い評価を獲得。従来の16ビートのファンクロック要素も残しながら、メタルリフなどが加わり、より激しいロック/メタル調のサウンドが聴ける。その一方で「Take Us Alive」のようにカントリー要素を取り入れた楽曲もあり、バンドとしての新しいアプローチをしている1枚となった。全米チャートでは78位、日本のアルバムチャートでは13位にランクイン。
『Six』
2023年6月7日発売
1. Rise
2. #Rebel
3. Banshee
4. Other Side of the Rainbow
5. Small Town Beautiful
6. The Mask
7. Thicker Than Blood
8. Save Me
9. Hurricane
10. X Out
11. Beautiful Girls
12. Here's to the Losers
Exremeの6thアルバムで、12曲中4曲でジョーダン・フェレイラというシンガーソングライターがソングライティングに携わった。ジョーダン・フェレイラはヌーノ・ベッテンコートの兄弟と長年の友人であり、同アルバムではギター・パートも担当した。「Rise」をはじめハードロックリフが際立つ楽曲が多く、「Other Side of the Rainbow」といった全盛期を思わせるようなポップ調の曲もあることが特徴の1枚だ。Billboard 200では67位、ハードロックアルバムチャートでは2位にランクイン。日本ではアルバムチャート12位。
ライブ・アルバム
『Take Us Alive』
2010年4月28日発売
1. Decadence Dance
2. Comfortably Dumb
3. Rest In Peace
4. It('s a Monster)
5. Star
6. Tell Me Something I Don't Know
7. Medley: Kid Ego / Little Girls/Teacher's Pet
8. Play With Me
9. Midnight Express
10. Midnight Express
11. More Than Words
12. Ghost; Cupid's Dead
13. Take Us Alive
14. Flight of the Wounded Bumblebee
15. Get the Funk Out
16. Am I Ever Gonna Change?
17. Hole Hearted
Extreme初のライブ・アルバム。89年のデビューから20年が経った2009年8月8日に、地元ボストンでの公演を収録した1枚。「Decadence Dance」や「Rest In Peace」、「Play With Me」、「Get the Funk Out」など、ファンから圧倒的な支持を得ているライブの定番曲が盛りだくさんなセットリストで、実際にライブ会場にいるかのような臨場感が楽しめる。
『Pornograffitti Live 25』
2016年9月21日発売
1. Decadence Dance
2. Li'l Jack Horny
3. When I'm President
4. Get the Funk Out
5. More Than Words
6. Money(In God We Trust)
7. It('s a Monster)
8. Pornograffitti
9. When I First Kissed You
10. Suzi(Wants Her All Day What?)
11. Flight of the Wounded Bumblebee
12. He-Man Woman Hater
13. Song For Love
14. Hole Hearted
15. Play With Me
16. Cupid's Dead
2010年の『Take Us Alive』以来、6年振りに発売されたライブ・アルバム。アメリカのラスベガスのHard Rock Hotel&Casino内にある「The Joint」という会場で、2015年5月30日に行われたライブの模様を収録。名盤アルバムとの呼び声が高い『Pornograffitti』を、完全再現したバンド結成25周年ライブで、同アルバムのライブバージョンを聴きたいといった人には必聴な1枚となっている。
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目次 - Contents
- Extremeの概要
- Extremeの活動経歴
- Extremeの原点
- バンド結成からデビューまで
- 1996年にヌーノ・ベッテンコートが脱退
- ゲイリー・シェローンがVan Halen加入でExtremeは解散
- 2005年に日本限定でExtreme再結成ライブを開催
- Extremeのメンバー
- 現メンバー
- ゲイリー・シェローン(Gary Cherone)
- ヌーノ・ベッテンコート(Nuno Bettencourt)
- パット・バッジャー(Pat Badger)
- ケヴィン・フィグェリド(Kevin Figueiredo)
- 旧メンバー
- ポール・ギアリー(Paul Geary)
- マイク・マンジーニ(Mike Mangini)
- カール・レスティヴォ(Carl Restivo)
- スティーヴ・フェラッツォ(Steve Ferlazzo)
- Extremeのディスコグラフィー
- アルバム
- 『Extreme』
- 『Pornograffitti』
- 『III Sides to Every Story』
- 『Waiting for the Punchline』
- 『Saudades de Rock』
- 『Six』
- ライブ・アルバム
- 『Take Us Alive』
- 『Pornograffitti Live 25』
- コンピレーション・アルバム
- 『The Best of Extreme: An Accidental Collication of Atoms?』
- Extremeの代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- Decadence Dance
- Get The Funk Out
- More Than Words
- Rest In Peace
- Tragic Comic
- Kid Ego
- Hole Hearted
- Extremeの名言・発言
- ヌーノ・ベッテンコート「デモは作らない、デモは嫌なんだ。最初に曲をレコーディングしたときの魔法のような感覚・サウンドを完全には再現できないからだよ。」
- ヌーノ・ベッテンコート「僕らがやってうまくいったら、それで終わり。そうでないならもう良い、潔く諦めるんだ。」
- ヌーノ・ベッテンコート「サウンドは機材(ギター)でなく指で全てが決まる。昔、エディ・ヴァン・ヘイレンのギターを弾かせてもらったけれど、同じ音はだせなかったからな。」
- ヌーノ・ベッテンコート「ギターを始めたのなら最初は努力して練習を積まなきゃいけない。こう見えても俺だっていろいろ苦労しているんだからな。」
- ヌーノ・ベッテンコート「全てのミュージシャンは、最初にドラムの叩き方を学ぶべきだと思う。ドラムはリズムが学べる宝庫のようなものだし、グルーブなども含めてバンドでの演奏方法を学ぶことにもつながる。そうすればギターソロだけでなく曲の中でもっと多くのものが表現できるようになるからだ。」
- Extremeの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- Extremeが獲得した評価は“クイーンの最大の理解者”
- カセットデモをそのまま採用して完成した「Hole Hearted」
- 嵐「ランナウェイ・トレイン」のギターはヌーノ・ベッテンコートが担当
- 松坂大輔選曲のコンピアルバムの楽曲を制作
- リアーナの全世界ツアーにヌーノ・ベッテンコートが参加