サンパギータ(Sampaguita)のネタバレ解説・考察まとめ

『サンパギータ』とは、1998年にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたプレイステーション用のアドベンチャーゲーム。
「見るドラマより、やるドラマへ」をキャッチコピーに掲げた『やるドラ』シリーズの第3作目にあたり、本作はシリーズで初めて主人公にも声が付いた作品である。
ある雨の夜、主人公は、路地裏で蹲っていた若い女性を保護するが、彼女は記憶を失っていた。
彼女の持ち物の中には、大量の現金と拳銃。不穏なものを感じつつも、主人公は行き場のない彼女と共同生活を始めることになる。

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写真(しゃしん)

マリアが持っていた小さなハンドバッグから出てきた数枚の写真。
いずれも日本ではなくフィリピンのスラムを背景に、幼い頃のマリアとボーイ、そして仲間たちが写っている。
水島からマリアの出自に関する手がかりをもらう際や、抗争後、主人公がフィリピンに戻ったマリアを現地で探す際に大いに役立った重要なアイテム。

拳銃(けんじゅう)

マリアが持っていた小さなハンドバッグの中に、布に包まれた状態で入っていた。
女性でも扱いやすいようにという配慮か、サイズこそ小さいものではあるが、実銃。
マリアの不安を軽減するべくアパートからほど近い公園の木の下に埋めたが、マリアがヤクザに拉致された時に、奪還へ向かうための武器として主人公が掘り出した。
マリア奪還に際して、この銃を使うか否かでその後に迎えるエンディングの重大な分岐が発生するので、物語の展開の決定に直接的に関与するキーアイテムとなっている。

サンパギータの花輪(さんぱぎーたのはなわ)

フィリピンの国花であるサンパギータ(アラビアジャスミン)の花を繋げて作った輪で、スラム地区の路上で子供たちがよく売っている。
見た目はシンプルな白い花の輪だが、涼し気な香りがするため、マニラを走る車の中に吊り下げられていることが多い。
マリアやボーイ、そしてランディも幼い頃は路上でこの花を売っていた。

『サンパギータ』の用語

マブハイ

フィリピンの言語であるタガログ語で「乾杯」を意味する。
マリアと主人公が初めて会った夜、記憶をなくして不安がる彼女を元気づけようと乾杯を持ちかけた主人公に対し、マリアが祖国の言葉として教えた。
その後マリアが落ち込む様子を見せた際は、主人公から「マブハイしよう」と声をかけている。

トンド地区(とんどちく)

マリアやボーイが育った土地で、フィリピンのマニラ市にあるスラム地区。
マリアが持っていた写真に写っていたことを手掛かりに、抗争後、強制送還されたマリアを追ってフィリピンへ発った主人公が真っ先に向かった場所。
いわゆる「ストリート・チルドレン」のような子供も多くいるが、多くは身寄りがなく、シンジケートに保護されてそこで指示されて働いている子供たちだという。

抗争(こうそう)

チャイニーズ・マフィアと日本のヤクザが麻薬の売買や利権を巡って対立したことで起こった争い。
武装した人間同士が争う事態に発展しており、自らがマリアを保護した夜に男性が射殺されていたことを、主人公は事件翌日に新聞記事で知った。
チャイニーズ・マフィア側に属していたボーイは、抗争が激化する直前にマリアだけでも逃がそうと手配するが、マリア自身がこれを強く拒否したことで失敗。
その後間もなくボーイは背後からヤクザに発砲を受け、その際に彼を救った主人公は自宅で待ち構えていたヤクザたちから暴行を受け、この抗争に巻き込まれることになった。

バハラ・ナ

「なんとかなるさ」という意味を持つ、マリアが主人公に教えたタガログ語の一つ。
主人公がマニラで悪質な男たちに騙されて所持品を全て取られた際に思わず呟いたところ、これを聞いた現地の人々が力になろうと動いてくれた。
意味合いとしては「ケ・セラ・セラ」に近いものである。

『サンパギータ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

常に達成率が表示できるコマンド「→○←×↑○↓×」

ゲーム起動時、Production I.G.のロゴのムービーが流れている間に「→○←×↑○↓×」の順でコマンドを入力すると、プレイ中、画面端に達成率が表示されるようになる。
非表示にしたい時はセレクトボタンを押すと消えるようになっている。

達成率と選択肢次第で『やるドラ』他作品のヒロインが登場

達成率40%以上

序盤、部屋の掃除をするマリアを見つめるシーンの選択肢で「新聞のページをめくった」を選択すると、シリーズ2作目『季節を抱きしめて』の広告を見ることができる。

達成率50%以上

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@keeper

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