サンパギータ(Sampaguita)のネタバレ解説・考察まとめ

『サンパギータ』とは、1998年にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたプレイステーション用のアドベンチャーゲーム。
「見るドラマより、やるドラマへ」をキャッチコピーに掲げた『やるドラ』シリーズの第3作目にあたり、本作はシリーズで初めて主人公にも声が付いた作品である。
ある雨の夜、主人公は、路地裏で蹲っていた若い女性を保護するが、彼女は記憶を失っていた。
彼女の持ち物の中には、大量の現金と拳銃。不穏なものを感じつつも、主人公は行き場のない彼女と共同生活を始めることになる。

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グッドエンディング、あるいはノーマルエンディングを1つも見ていない状態で、2回以上バッドエンディングに到達すると選択肢の横に現れる。
特定の選択肢の横に「H」のマークがつき、それに従って進んでいくとグッドエンドに到達するようになっている。
このマークに従わないと消えてしまい、再びバッドエンディングに到達するまでは表示されない。
グッドエンディング、またはノーマルエンディングを1つでも見ると、そのセーブデータでは2度と出てこなくなる。

リプレイ機能

全編フルボイス・フルアニメーションという『やるドラ』シリーズに共通する特徴を生かした、プレイしたデータのシナリオを、選択肢なしでアニメのように見られる機能。

『サンパギータ』の登場人物・キャラクター

主人公とメインヒロイン

主人公(しゅじんこう)

CV:松本保典
古いアパートに住みながら、牛丼チェーン店のアルバイトで生計を立てている冴えない大学生。
合コンがうまくいかなかった上、終電を逃してしまい、雨に打たれながら歩いていたところ、路地裏で怪我をして蹲っているマリアを見つけて保護する。
記憶を失い、所持品からもただならぬ事情を抱えている雰囲気を感じながらも、行くところがないと話すマリアをそのまま自宅に住まわせることを決断した。
生活を共にするうちに天真爛漫なマリアに惹かれ、愛し合うようになる。
ヤクザの襲撃からマリアの知人であるボーイを庇ったことで、ボーイからは「兄弟」と呼ばれ、マリアのその後を託されるほどの信頼を得るが、ヤクザには目をつけられてしまい、彼らの抗争に巻き込まれてしまった。
最後は強制送還されたマリアに会いに行き、そのまましばらくマニラに住むと決めたことを、姉の夫である水島へ送った手紙で伝えている。
迎えるエンディングによっては、一連の抗争に巻き込まれたことで命を落としてしまうこともある。

名前の変更が可能。顔などの全貌は明かされないが、今作から主人公にも声優がキャスティングされるようになった。

マリア・サントス

CV:林原めぐみ
雨の中、路地裏で蹲っていたフィリピン人の若い女性。
名前以外の身元に関する記憶を失い、怪我をして動けなくなっていたところを主人公に保護され、そのまま居候することになった。
その後は自身を優しく支える主人公に徐々に惹かれ、愛し合うようになっていく。
天真爛漫で世話好きな性格をしており、家事も得意な女性だが、足の指で器用に洗濯物を挟んで拾い、恵まれない子供たちへの寄付を募った募金箱に突然一万円を入れるなど、主人公を驚かせるような行動に出ることもある。
苦手なものはゴキブリで、姿を見ただけで大騒ぎするほど。
基本的には大らかで明るい性格をしているが、記憶を失ったことや、記憶を取り戻してからは自身の置かれた境遇などに対する不安から、しばしば陰のある表情を見せる。
フィリピンのマニラにある「トンド地区」というスラム街の出身で、幼い頃はシンジケートに保護されながら、花輪や集めたゴミを売って生計を立てていた。
そこで共に育ったボーイとは、血の繋がりはないものの、実の兄妹と言っても差し支えがないほど仲が良い。
反社会組織に属したボーイと共に香港の九龍城へと移り、そこで育つが、組織の指示で日本へ不法入国していたという経緯がある。
グッドエンディングの最後では必ずフィリピンに強制送還されるが、持ち前の強さや本来の明るい性格で現地の人々に愛され、笑って暮らしている。

その他のキャラクター

ボーイ

CV:大塚明夫
「サリリング・アティン」でアルバイトをしていた、大柄なフィリピン人の青年。
マリアと同じく、マニラのトンド地区出身で、彼女とは血の繋がりはないものの、実の兄妹のように育ってきた。
幼い頃に才覚を見出され、シンジケートを通じて香港マフィアからのスカウトを受けたことで、マリアと共に香港へ渡った。
その後はマリアには仕事をさせず、彼女の身柄を守ることを条件に汚れ仕事を請け負ってきたが、それを弱みとして握られ、共に日本へ飛ばされてくることになる。
日本へ来てからも、ヤクザとの抗争が激化する気配を見せた際は、偽造パスポートを手配し、マリアだけでも祖国へ帰そうとするなど彼女を守るために奔走していた。
当初は主人公に対して、姿を見るだけで激昂するほどの敵意を抱いていたが、マリアが彼を慕っていることや、自身がヤクザに撃たれた際に窮地を救われたことで「兄弟」と呼ぶほど信頼するようになる。
愛想はないものの、幼い頃から「恩は石に刻め、恨みは水に流せ」と言い聞かせられて育っており、非常に義理堅い性格をしている。
彼がモットーとしたその言葉通り、マフィアとヤクザの抗争に巻き込まれた主人公を手助けし、自身が命がけでマリアを救うことで恩を返した。

水島 英男(みずしま ひでお)

CV:中田和宏
主人公の姉の夫で、義兄にあたる。
職業は新聞記者で、数年前にフィリピンのマニラ支局に5年間務めていた。
記者という仕事柄、フィリピンの事情には深い知識を有しており、主人公の良きアドバイザーとして様々な情報をもたらしてくれる人物。
グッドエンディングではマニラに渡った主人公からエアメールを受け取り、別のエンディングでは、抗争に巻き込まれて命を落とし、幽霊となった主人公が真っ先に会いに行った人物でもある。
口ひげをたくわえ、少々老けて見えるルックスをしているが、設定によると30歳前後とのこと。

ランディ・サンチャゴ

CV:塩屋浩三
主人公が馬場に紹介されたフィリピン料理店「サリリング・アティン」の店主。
恰幅のいいフィリピン人男性で、面倒見がよく明るい性格をしている。
お喋りが好きで、初対面の主人公に対しても物怖じせず、一時間ほど話し続けていた。
マニラのスラム出身で、幼い頃はサンパギータの花輪を売って生計を立てていた。

馬場 健一郎(ばば けんいちろう)

CV:高宮俊介
主人公が通っている大学の先輩で、今はコーヒー専門の喫茶店を経営している。
妻がフィリピン人であるためフィリピンには詳しく、フィリピンについて調べていた主人公にランディを紹介してくれた人物。
マリアのために奔走する主人公に「外国人女性に惚れる時は覚悟がいる」と心構えを説いた。

佐藤 ヒカル(さとう ひかる)

CV:鈴木琢磨
主人公の大学の同期で、クラスメート。
自慢が趣味で嫌味な性格をしているが、自らの知人である馬場を主人公に紹介してくれた。

『サンパギータ』のアイテム

keeper
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@keeper

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