ダブルキャスト(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『ダブルキャスト』は、1998年にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたプレイステーション用のアドベンチャーゲームで、「見るドラマより、やるドラマへ」をキャッチコピーに掲げる『やるドラ』シリーズの第1作にあたるサイコ・サスペンス作品。
物語は選択肢によって幅広く分岐し、中でも「ジェノサイド・エンド」は衝撃度が高いとされ、多くの反響があった。
記憶喪失のヒロインを軸に物語は展開していき、主人公たちは所属する映画研究会の活動を通し、起こり始める不穏な事件に巻き込まれていく。

ジェノサイド編(じぇのさいどへん)

ジェノサイド編のワンシーン

本編中に発生するバッドエンドのルートの一種。
冒頭から撮影旅行までの間で、美月に対する思いやりやデリカシーに欠けるような選択肢を取り続けていくと、本編中の撮影旅行で、美月の手による映研部員皆殺しが発生する。
ジェノサイドルートへの分岐は4種類存在しており、一度乗ってしまうとルートから外れることは不可能に等しいと言われるほど難しくなっている。
ジェノサイドルートのエンディングは6種類存在しており、タイトルは全て「狂気」で統一され、タイトル後に番号が振られている。
殺された部員の遺体がバラバラに損壊されていることを示唆する描写があるなど、非常にショッキングな展開となっている。
商品画像に描かれた美少女とは似ても似つかない恐ろしい表情をした美月が出てくることで、多くのプレイヤーから「トラウマシーン」として、このルートで見られるバッドエンド「狂気(4)」が挙げられている。

『ダブルキャスト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

二村が語る「かこひめの寝屋」事件の真相

バッドエンディング 9「かこひめの寝屋」

撮影合宿中、寝付けなかったために同室の二村に話し相手になってもらうことにした主人公。
そこで二村が「友人から聞いた話」として語ったのは、心中事件のまさかの真相だった。
事件は心中ではなく、「当時映研がよく利用していた食堂の子供が、懐いていた主演女優にいたずらをした末に招いた悲劇だった」という顛末が語られていくのだが、作り話だと疑う主人公に、二村は狂気じみた笑顔を見せながら「この大学に入ったのは、この映画を完成させるため…でないと、死んじゃった女優さんに悪いもの」と呟く。
二村が語る心中事件の顛末が作り話なのか、それとも「友人の存在」のみが作り話なのか、そもそも、なぜ二村はここまで詳細な顛末を知っているのだろうか、という謎を残し、物語はバッドエンディング 9「かこひめの寝屋」に着地する。

3周目でお風呂シーン解禁

撮影合宿中、寝付けない主人公が行動を決めるための選択肢で「ひとっ風呂あびてサッパリしよう」を選ぶと、大浴場の風呂釜が故障していて入れず部屋に戻る、という展開になるが、同一セーブデータを繰り返してプレイし、3回連続でこの選択肢を選ぶことで入浴シーンが解禁される。
筋書きとしては「主人公の入浴中、間違えて篠原が入ってきたところを美月に見られ、勘違いされる」という展開になっていて、その後は大方ジェノサイド編へ突入してしまう。

ジェノサイド編を「神回避」する方法

一度フローチャートに乗ってしまうと、回避はほぼ不可と言われるほど難易度が高い「ジェノサイド編」だが、始まる前に回避する方法が残されている。

・先にバッドエンド3~8を見ておく
・撮影合宿中、「部長と一緒がいいだろう」の選択肢を選んで、ナーバスになった美月を篠原に託す
・降ってくる植木鉢を回避する必要があるため、合宿前は美月に冷たくする選択肢を選ばない

上記の条件を全て満たすことで、ジェノサイド編を回避して無事に合宿を終えることができるようになる。

タイトル画面に出現する「おまけ」

初期状態のタイトル画面は真っ黒だが、グッドエンドを収集した数に応じて、タイトルメニューのバックグラウンド画像が色々な美月の画像に変化していく。
また、グッドエンドを全て収集し、達成率を80パーセント以上にすることによって、メニューの「リプレイ」の横に「おまけ」の項目が出現。人物の設定画やイラストが鑑賞できる。

ソニーの歴史を変えた美月の服装

黄色いミニスカートを着用している美月だが、当初はスカートではなく、裾が広がったショートパンツである「キュロット」を身に付けていた。
これを脚本・演出を担当した川崎逸朗が変えるように指示し、ミニスカートに変更。
いわゆる「お色気描写」を規制していたソニーが自らその規則を破って発売した『ダブルキャスト』は、プレイステーション初の「女性の下着が見えちゃう作品」となった。

『ダブルキャスト』の主題歌・挿入歌

ED(エンディング):小畑由香里「door」

作詞:サエキけんぞう
作曲・編曲:江見トモヒロ
歌唱:小畑由香里
1998年にシングルCDとして発売された。

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