ダブルキャスト(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『ダブルキャスト』は、1998年にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたプレイステーション用のアドベンチャーゲームで、「見るドラマより、やるドラマへ」をキャッチコピーに掲げる『やるドラ』シリーズの第1作にあたるサイコ・サスペンス作品。
物語は選択肢によって幅広く分岐し、中でも「ジェノサイド・エンド」は衝撃度が高いとされ、多くの反響があった。
記憶喪失のヒロインを軸に物語は展開していき、主人公たちは所属する映画研究会の活動を通し、起こり始める不穏な事件に巻き込まれていく。

ヒントマーク

グッドエンド、ノーマルエンドを1つも見ていない状態で、2回以上バッドエンドを見てしまうことで選択肢の横に現れるマーク。
特定の選択肢の横に「H」のマークがつき、それに従って進んでいくとグッドエンド2に到達するようになっている。
このマークに従わないと消えてしまい、再びバッドエンドに到達するまで表示されなくなる。
グッドエンド、またはノーマルエンドにたどり着くと、そのセーブデータには2度と出てこない。

スタート地点選択

2周目以降、ゲーム開始の地点が選べるようになる機能。
2周目では「美月との出会い編」「美月との共同生活編」のいずれかを選ぶことができ、3周目以降は特定のエンディングを見るという条件を満たすことで「番外編」と「撮影旅行編」が追加される。

『ダブルキャスト』の登場人物・キャラクター

主人公とメインヒロイン

主人公(しゅじんこう)

CV:鈴村 健一(ドラマCD版のみ)
映画研究部(映研)の新入部員で、カメラを担当している。
一人称は「僕」で、新入部員ゆえに、映研のメンバーからは親しみを込めて「新人」と呼ばれている。
本編中では顔は一切明かされることはなく、名前も音声も入っていない。
ドラマCD版では鈴村健一が声優を担当し、アンソロジーコミックでは「柏原」という苗字がつけられている。
映研の飲み会で飲みつぶれてしまい、繁華街のゴミ捨て場で寝ているところを美月に救い出され、介抱されていた。
そのお礼として美月にコーヒーを奢ることになった際、彼女が記憶喪失に陥っていることを知り、親切心と少しの下心で自らの家に居候することを持ちかける。
新作映画の主演女優を探す際、美月に依頼をして映研に紹介し、主演男優の佐久間が怪我で撮影を離脱した時には主演男優代理を務めた。
撮影合宿で植木鉢を落とされて殺されかける、家に嫌がらせをされるなどの不穏な事態に巻き込まれていくが、映画のフィルムを編集している際に美月に対しある「違和感」を抱き、彼女が多重人格であることを突き止める。
それ以降は、彼女の本来の人格である「志穂」を救うために動いていた。
美月と徐々に惹かれあっていき、友達以上恋人未満のような状態が続いていたが、エンディングで無事に映研公認のカップルとして認められ、部員たちの祝福の嵐の中キスを交わした。
一連の事件に対して真相に辿り着く推理力を持っており、知能は高いようだが、若者らしい軽薄な思考や言動も目立ち、それが災いして取り返しのつかない「ジェノサイド・エンド(皆殺しエンド)」を招くこともある。

赤坂 美月(あかさか みつき)/赤坂 志穂(あかさか しほ)

CV:平松 晶子
本作のメインヒロイン。
記憶喪失で、「赤坂 美月」という名前以外何も覚えていない状態だったが、酔いつぶれてゴミ捨て場で寝ていた主人公を介抱したことが縁で、家に置いてもらうことになった女性。
素性や境遇などは終盤まで明かされないままだが、主人公とは互いの弱みを見せられるまでの信頼関係を築き、男女としても惹かれあっていく。
一人称が「ボク」であるなどボーイッシュな言動が目立つ快活な女性だが、主人公の紹介で「かこひめの寝屋」の主演女優に抜擢された際には、普段の様子からは想像もできないほどの高い演技力を発揮し、難しいとされるヒロインの役柄を演じ切っていた。

終盤、真相を突き止めた主人公に、本名は「赤坂 志穂」で、美月は志穂の中で分裂した人格であることを突きつけられる。
本来の美月は志穂の双子の姉であり、自死しているため既に故人。
姉の自死した遺体を見つけてしまった志穂は徐々に精神を蝕まれていき、主人公が出会った「美月」という人格と、凶暴な姉の「美月」の人格を作り、本来の「志穂」の人格を隠すようになった。
一連の事件の犯人は姉の人格である「美月」で、どちらの美月が表に出ているかによって、利き手の左右が変わることを主人公に看破されている。
屋上から主人公と共に飛び降りるという命がけの荒療治で美月の人格は消滅し、他の人格で過ごしていた時の記憶を残したまま、志穂として主人公と恋人同士になることができた。

映画研究部(映研)のメンバーたち

篠原 遥(しのはら はるか)

CV:水谷 優子
映研の部長で、監督を担当している。
豪奢な別荘やウィークリーマンションを所有する、非常に裕福な家で育っているが、「お高く止まらない江戸っ子」である。
元はさほど映画に興味がないまま映研に入部したが、物語開始の前年に当時の部長が失踪したため、部長の座を引き継ぐことになった。
面倒見の良い女性で、部員たちからの人望も高く、主人公も美月に関してトラブルがあった際は真っ先に頼っている。
見た目は派手な美人だが根は真面目で恋愛には奥手。
密かに主人公に想いを寄せるも伝えられないまま、美月の一件に協力し、見守っていた。

二村 秀樹(ふたむら ひでき)

画像中央が二村

CV:森久保 祥太郎
主人公と同期の映研新入部員。カメラを担当している。
大きな眼鏡をかけた細身の青年で、映画に関する知識は「映研最高峰」と称されるほどの映画好き。
主人公にとっては大切な友人の1人で、映研の撮影合宿でも同じ部屋に寝泊まりし、事件の真相を暴く際、真っ先に電話して頼るほど仲がいい。
篠原に想いを寄せていたようで、グッドエンディング「ダブルキャスト」の最後には、失恋した篠原に「自分にしておいたらどうですか」と自らを売り込んでいる。

楠木 翔子(くすのき しょうこ)

CV:白鳥 由里
主人公と同期の映研新入部員で、メイクを担当している。
自分よりも他人を美しくするのが大好きで、海外で本格的なメイクの勉強を志していたが、両親に反対され、主人公たちと同じ大学に通うことになった。
眼鏡をかけた奥手そうな見た目に反し、中身は意外と肉食という噂もささやかれている。

剛田 豪(ごうだ ごう)

画像左が剛田。

CV:立木 文彦
主人公の先輩。かつてはプロレス同好会に所属していたが、現在は映研で助監督を担当している。
かつて篠原が撮影してくれたプロモーションビデオを気に入り、そのまま彼女を追いかけて映画研究会に所属したという経緯があり、いつも取り巻きとして付き従い、彼女に危険が迫った際は身を挺して守ることもある。
バッドエンディングを迎えた際は、相棒の花園と共に登場し、グッドエンディングに到達するための前向きなアドバイスを送ってくれる。

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