ダブルキャスト(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『ダブルキャスト』は、1998年にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたプレイステーション用のアドベンチャーゲームで、「見るドラマより、やるドラマへ」をキャッチコピーに掲げる『やるドラ』シリーズの第1作にあたるサイコ・サスペンス作品。
物語は選択肢によって幅広く分岐し、中でも「ジェノサイド・エンド」は衝撃度が高いとされ、多くの反響があった。
記憶喪失のヒロインを軸に物語は展開していき、主人公たちは所属する映画研究会の活動を通し、起こり始める不穏な事件に巻き込まれていく。

花園 雅美(はなぞの まさみ)

画像右が花園

CV:松本 保典
主人公の先輩。剛田の相棒で、同じくプロレス同好会に所属していたが、現在は映研で備品のメンテナンスを担当している。
剛田の後を追って映研に入り、彼とともに取り巻きとして篠原に付き従っている。
バッドエンディングを迎えた際、剛田と共に登場し、彼のアドバイスに「うむ、その通り!」と相槌を打って後押しをしてくれる。

赤坂 美月の関係者

赤坂 美月(あかさか みつき)

故人。治療中の志穂を映している映像の中で、志穂の回想にのみ登場する、「本物」の美月。
志穂とは双子の姉妹で、両親を亡くしてからは2人で支え合って生きてきた。
恋人に騙されて強い男性不信に陥ったことで、妹に対して過剰な愛情を注ぐようになり、志穂に恋人ができると「守るため」と称して交際を邪魔し、暴力を振るっていた。
南西総合病院でカウンセリングを受けていたが、最終的には自宅の風呂場で手首を切り、自らの命を絶った。
左利きで、彼女を模して志穂が作った人格が表に出ている間は志穂も利き手が左になる。

佐久間 良樹(さくま よしき)

映研の部員ではないが、「かこひめの寝屋」の主演男優に抜擢された男性。
整った顔立ちで女性が寄ってくるため、周囲には遊び人だと噂されているが、実際はそうではなく一途で誠実な男性。
過去に志穂と交際していたものの、美月に邪魔されて別れることになったという経緯があることから、故人であるはずの美月を名乗る女性が目の前に現れたことで激しく動揺。
その後は大学を休学して単身で彼女について調べて回り、フルフェイスのヘルメットで正体を隠しながら、折に触れて美月と主人公に接触していた。
調査でわかったことを伝えて警告をしようと主人公を呼び出したが、その待ち合わせに遅刻してしまい、一連の事件の犯人だと勘違いされてしまった。

森崎 真奈美(もりさき まなみ)

画像左が森崎

CV:折笠 愛
佐久間が病院前で落としていった封筒に連絡先が印刷されていた「南西総合病院」の精神科に所属している美しい女性医師。
赤坂姉妹の担当医で、突然訪ねていった主人公を訝しがりつつも、主人公が志穂と恋仲と知ると姉妹の置かれていた境遇について話してくれた。
彼女の話と、特別に提供してくれた志穂の診察資料は一連の事件解決に大きく貢献した。
エンディングによっては、その後も志穂の診察を担当している様子が見られる。

『ダブルキャスト』のアイテム

かこひめの寝屋(かこいめのねや)

低迷する映研の状況を打破するため、篠原が起死回生の一手として撮影を決断した「いわくつき」の映画。
有名作家が在学中に脚本を手がけた作品で、大まかなあらすじは、男が愛人の女を拾ってくるが、徐々に愛人からの要求が大きくなっていき、最後には破綻する、というもので、映研随一の知識を持つ、映画マニアの二村をもってしても「完成度が高い」シナリオ。
10年前に映研で撮影されたものの、ラストシーンの撮影時に主演女優と監督が飛び降り心中を遂げた、という逸話がある。
この逸話を恐れるためか、学内で出演してくれる女子学生はおらず、映研部員たちは主演女優を探すのに難儀することになり、主人公が紹介した美月を抜擢し、ようやく撮影を始めることができた。
撮影許可を得るためにコンタクトを取った篠原を通じ、原作者から「ハッピーエンドに改変する」ことを条件に撮影が許された。

フィルム

部員たちは個人でデジタルのビデオカメラを持っていたりする描写があるが、映画そのものはデジタルではなく8mmカメラで撮影が進行していくため、専用のフィルムを使用する。
ひとつなぎになっているフィルムから、NGテイクや未使用シーンを手作業で省いていく必要があり、撮影の合間を縫って主人公がフィルムを切り貼りする編集作業を行っていた。
ここに映った美月に対する違和感から、主人公は一気に事件の真相へ近づいていくことになった。
事件を解決する上で大変重要な役割を果たしたアイテム。

留守番電話(るすばんでんわ)

このゲームが発売された1998年当時は一般住宅にも固定電話があり、主人公宅にも例外ではなく設置されていた。
本編中では二村から「ロケの集合場所の変更」についての連絡が入っていたほか、謎の男(のちに佐久間と判明)による「美月から離れるように」という脅迫まがいの伝言が入っていたシーンで登場。
主人公宅の留守番電話は、特定の番号ボタンを押してロックを解除しないと聞くことができないようになっていて、この仕様が、クライマックスで美月の嘘を暴く要素のひとつとなった。

2枚の写真(にまいのしゃしん)

美月と志穂がテニスをしている姿が写った写真。佐久間が廃病院前で落としていった、南西総合病院の封筒の中に入っていた。
双子の姉妹の利き腕がそれぞれ違うことを表しており、主人公がフィルムの中の美月に対して抱いた違和感を裏付ける根拠になった。

『ダブルキャスト』の用語

映画研究部(えいがけんきゅうぶ)

略して「映研(えいけん)」。主人公が所属する大学のサークルで、部長の篠原を筆頭に、個性豊かなメンバーが揃っている。
二村のような生粋の映画好きな部員もいれば、楠木のように将来を見据えた勉強のために在籍している部員、入部当時は映画のことをよく知らなかった篠原のような部員まで、顔ぶれは幅広いが、折に触れて全員での飲み会を開催しており、基本的に部員たちは仲がいい様子。
過去に監督と主演女優が校舎屋上から飛び降りる心中事件が起こったことから、「撮影中、スタッフと演者の恋愛は絶対禁止」という鉄の掟が存在しており、この掟だけは徹底して遵守することが求められている。

obnkmibk
obnkmibk
@obnkmibk

目次 - Contents